花火のような赤いドラセナ・コンシンネ|特徴や育て方、人気の品種は?

ドラセナ・コンシンネは、種類によってさまざまな葉の色があります。

打ち上げられた花火のような放射状に広がる赤い葉を持っていたり、青々とした美しい葉だったり……どの種類も華やかな観葉植物です。

スタイリッシュな姿を持つドラセナ・コンシンネは、お部屋のインテリアグリーンとしても高い人気がありますよ。

今回は、ドラセナ・コンシンネの特徴や人気の品種、育て方の基本などについてご紹介したいと思います。

 

ドラセナ・コンシンネの基本情報

まずは、ドラセナ・コンシンネの基本情報を見ていきましょう。

科・属 リュウゼツラン科・ドラセナ属

(キジカクシ科・リュウケツジュ属)

和名 紅覆輪千年木(べにふくりんせんねんぼく)
英名 Dragon tree
学名 Dracaena marginata(旧名:D. Concinna)
原産地 マダカスカル島

 

ドラセナ・コンシンネの特徴

ドラセナ属は世界に約50種以上が分布しており、低木の品種から20メートル以上もの樹高になるものまでさまざまです。ドラセナ・コンシンネはそのドラセナ属の品種のひとつになります。

ドラセナ・コンシンネは一本の幹から育っていき、株の成長につれて枝分かれしていくのが特徴です。笹のように細長くしなやかな柔らかい葉を持ち、放射状に伸びていきます。

広がりのある赤い葉は、遠目で見ると打ち上がる花火のようにも見えて、他の観葉植物たちとは違う味わいと存在感がありますよ。

広がりのある形状と明るい色合いから、インテリアグリーンとしてもガーデングリーンとしても、場の雰囲気を華やかに変えてくれる植物です。

常緑樹木なので、一年中葉が落ちず、美しい姿を楽しめるのも人気の理由となっています。

名前の由来

学名であるDracena(ドラセナ)は、ラテン語で「メスの竜」を表す言葉です。ドラセナのうち数種類には、幹から赤い樹液を出すものがあることが名前の由来です。

15世紀頃には、この赤い樹液をドロップ状に固め、特産品の「竜血」として商人たちにより売買されました。

「竜血樹」を意味するドラセナの名前や、英名である「Dragon tree」も、この学名と歴史に由来しています。

また、現在の学名は「Dracaena marginata(ドラセナ マルギアータ)」ですが、旧学名が「D. Concinna」だったため、旧学名のコンシンネで広く流通しています。

読み下し方によって「コンシンナ」や、現学名の「マルギナータ」と呼ばれている場合もあるようです。

ちなみに和名では「紅覆輪千年木(べにふくりんせんねんぼく)」と呼ばれています。

 

赤い品種ではないのですが、人気品種に「幸福の木」の別名を持つ「ドラセナ・マッサンゲアナ(ドラセナ・フラグランス)」があります。

ハワイでは、このドラセナ・マッサンゲアナを家の前に置くと幸運を呼び込むという言い伝えがあるので「幸福の木」と呼ばれているのです。

「ドラセナ・サンデリアーナ」という品種は、「ミリオンバンブー」という別名でも流通している、仕事運や金運に関して大変縁起の良い観葉植物だとされています。

 

ドラセナ・コンシンネの花言葉

大きく育ったドラセナ・コンシンネは、まれに花を咲かせてくれます。

ドラセナの品種により花の形状は違いますが、ドラセナ・コンシンネの花は、穂状や球状に集まって咲き、花色は黄色や薄い緑色、ほんのり赤いものなどがあります。

ドラセナの開花は成木にならないと咲かず、また珍しくてなかなかお目に掛かれない瞬間なのだそうです。

そんなドラセナ・コンシンネの花言葉は「真実さ」。これは花の姿よりも、まっすぐ伸びている葉の様子から連想されたものです。

 この花言葉から、「真実の木」という別名もあります。ドラセナ属の品種全体には、「幸運」や「永遠の愛」といったかなり縁起の良い花言葉があるため、グリーンギフトとしても人気が高いです。プレゼントにも最適な観葉植物ですよ。

 

ドラセナ・コンシンネの風水効果

ドラセナ・コンシンネの葉は、風水学的に見ると魔除けの効果があり、気の流れを良くしてくれると言われています。

放射状に広がるシャープな上向きの葉は、風水では「陽」の気を持っており、気の流れが滞りがちなところに飾ると、気の流れをスムーズにしてくれるのだそうです。

また、細長く鋭い葉には、魔除けや邪気を祓う風水効果が期待できます。玄関などの気の入口に飾っておくことで、悪い気の侵入を防ぎ、お家を守ってくれるでしょう。

 

ドラセナとコルジリネは混同されがち

ドラセナとよく似た見た目の観葉植物に、コルジリネ(コルディリネ)があります。あまりによく似ているため、「赤ドラセナ」とも呼ばれているほどです。

度々コルジリネがドラセナと表記されて店頭に並んでいるのも見かけますが、これは誤表記になります。ドラセナはドラセナ属で、コルジリネはコルディリネ属(センネンボク属)に分類されるので、異なる品種となっています。

ただ、コルジリネはもともとリュウゼツラン科・ドラセナ属に分類されていたので、そういった経緯からも混同されがちなのです。

 

ドラセナとコルジリネを見分けるコツ

コルジリネの特徴として、地中で根茎を大きく形成していくことと、見た目が太いこん棒のような形状をしている点が挙げられます。

「コルジリネ」とはギリシャ語で「こん棒」を指す言葉ですので、こん棒のような根茎=コルジリネと覚えておけば分かりやすいですね。

また、コルジリネの葉の付け根を見ると、葉身と茎を繋ぐ「葉柄(ようへい)」という器官があります。この葉柄はドラセナにはなく、ドラセナの場合は茎から直接葉が伸びています。

 

ゆっくり育つので管理しやすい

ドラセナ・コンシンネは、ゆっくりと生長していくので、樹形が崩れにくく、剪定の手間もさほどかかりません。

生長スピードの早い観葉植物を室内に飾ると、最初の置き場所では収まりきらなくなったり、高さが必要になってきたりと、鉢の移動が必要です。

その点ドラセナ・コンシンネはのんびりと育ってくれますから、置き場所に困ることもなく、定位置に飾れるインテリアグリーンとして楽しめるでしょう。

 

お世話が簡単で初心者向け

観葉植物は生き物ですから、お世話や管理が必要です。

植物を育てたことのない方や初心者の方が観葉植物を購入するにあたっては、やはり枯らしてしまわないかどうかが重要になってくるポイントです。

ドラセナ・コンシンネは丈夫な性質を持ち、多少お世話を忘れてしまうことがあっても、元気に育ってくれます。

お世話の手間もそこまでかからず、コツさえ抑えれば簡単に育てられる観葉植物なのも、人気のポイントです。

管理が易しいため、ギフトに贈る観葉植物としても、相手に負担が掛かり過ぎず、選びやすいというメリットもあります。

 

ドラセナ・コンシンネの人気品種

ドラセナ属には、さまざまな種類があることが分かりました。その中でもコンシンネに絞って、人気がある品種を3種類ご紹介していきます。

ドラセナ・コンシンネの購入を検討されている方は、ぜひ参考になさってみてくださいね。

あなたのお気に入りが見つかるかもしれません。

 

ドラセナ・コンシンネ

柔らかな葉が特徴のコンシンネは、葉の赤く縁取られている個性的な姿をしています。

一般的な観葉植物よりもデザイン性があり、スタイリッシュな雰囲気があるため、インテリアグリーンとしても人気が高いです。

幹も柔らかいので、自分の好きな形に「幹曲げ」していき、オリジナルのコンシンネを作ることも可能です。

 

ドラセナ・コンシンネ・レインボー

コンシンネには、葉に乳白色や赤色の筋が入っている「トリカラー」という品種があり、ドラセナ・コンシンネ・レインボーは、そのトリカラーを改良して生まれた品種になります。

全体的に見て、つややかな葉は鮮やかで明るい赤色をしており、赤と緑のストライプ模様が入っています。幹は白っぽい色合いなので、葉と幹の対比が美しい品種です。

品名には「ドラセナ・コンシンネ・トリカラー・レインボー」と記載されている場合も多くあります。

ドラセナ・コンシンネ・レインボーも、幹が柔らかいので自分で好きな形に曲げていくことが可能です。

明るく華やかな姿は、お部屋に飾ると空間を華やかにしてくれますよ。

 

ドラセナ・ドラコ

「ドラセナ・ドラコ」は、ドラセナの学名の由来にもなった希少品種です。

切った幹からは真っ赤な樹液が流れ出てくるので、「竜血樹(blood tree)」の別名があります。短めで肉厚の葉も特徴のひとつです。

自生するものでは樹齢が数千年以上になるものもあり、「長寿の木」とも呼ばれます。

残念ながら流通量が大変少ないので入手が難しいため、種を購入して実生で育てていくのがおすすめです。

 

ドラセナ・コンシンネの基本の育て方

コルジリネと混同されやすいドラセナですが、どちらも丈夫な性質を持ち、初心者にも易しい観葉植物です。

そんなドラセナ・コンシンネの育て方ですが、ポイントさえ抑えてしまえばお世話はとっても簡単なので、あまり身構えなくても大丈夫ですよ。

それではさっそく、ドラセナ・コンシンネの育て方についてご説明していきましょう。

 

水やり

ドラセナ・コンシンネは過湿状態が苦手なので、乾燥気味に育てていくのがコツになります。

水やりの基本として、鉢の土が乾いたことを確認してから、鉢底から水が流れ出るまでたっぷりと水を与えましょう。

そして、流れ出た水が溜まっている受け皿は、水やりの都度こまめに捨ててください。溜めたままにしておくと、鉢内が蒸れてしまい根腐れの原因に繋がります。

コバエなどの虫の発生にも繋がるので、水やりと受け皿の処理は必ず一緒に行なってくださいね。

冬場には水やりの頻度を減らして、より乾かし気味に育てます。土が乾いたのを確認してから、2〜3日後にお水を与えるくらいがちょうど良いでしょう。

霧吹きなどで葉に水をかけてあげる「葉水」をこまめに行なうことも効果的です。

特に真夏や冬場などの乾燥した時期には、葉水によって葉からも水分を吸収できるので効率が良いですよ。また、葉の表面についている埃を落として清潔に保ち、害虫を予防する効果もあります。

 

置き場所

ドラセナ・コンシンネは日光を好む観葉植物なので、極力日当たりが良い場所に置いて管理してください。

ただ、日光が好きと言えども直射日光などの強すぎる光は苦手です。窓辺で管理する場合には、レースカーテン越しやブラインド越しになるよう心がけてください。

強すぎる日光は、葉の組織が破壊される「葉焼け」の原因になります。葉焼けによって変色した部分は再生せず、その部分は光合成を行なえなくなってしまいます。

葉焼けが広範囲に及ぶと、光合成で作られるエネルギーが足りなくなって、株が枯れてしまう恐れもあるので注意が必要です。

ある程度の耐陰性はあるので、半日陰でも育てられますが、日照不足になると葉に元気がなくなったり、幹がひょろひょろと細くなってしまうので、適度に日光浴をさせましょう。

 

ドラセナには耐寒性に優れた品種もありますが、基本的に冬場は室内で管理するようにして、冷え込む夜間には窓辺ではなく部屋の奥へ置くなど、置き場所に気を付けましょう。

 

肥料

ドラセナ・コンシンネには、生育期である5〜7月頃に肥料を与えると効果的です。

置くタイプの緩効性肥料は、2ヶ月に1回ほどのペースで与えていきます。即効性の液体肥料は2週間に1回ほどで与えます。

冬場には肥料を必要としませんので控えましょう。与えすぎてしまうと、栄養過多によって根が詰まる「肥料焼け」が起きてしまいます。根腐れに繋がり、最悪の場合には株全体が弱ってしまうので、適量を適切な頻度で与えるようにしてください。

 

植え替え

鉢の中で根が育ちすぎると、根詰まりを起こしてしまい、根から水分や養分を呼吸できなくなってしまいます。鉢植えで育てていく場合は、1〜2年を目安に一回り大きな鉢へ株を植え替えましょう。

株が鉢に対して大きくなりすぎたり、鉢が根から飛び出ていたりする場合にも植え替えが必要です。

 

【植え替えの手順】

  1. 鉢から株を取り出して、古い土を3分の1ほど落としましょう。
  2. 根をやさしくほぐしながら、傷んだ部分や黒ずんだ部分は取り除きます。

※根のカットは、切れ味の良い清潔なハサミや刃物などで行ってください。

  1. 新しい鉢に鉢底石と鉢底ネットを敷き、新しい土を3分の1ほど入れておきます。
  2. 株を置いたら土を隙間なく埋めていき、たっぷりと水を与えましょう。
  3. 植え替えてからしばらくは、風通しの良い日陰で管理します。

 

植え替えは、生育期である5〜7月頃に以上の手順で行ないましょう。

植え替えは植物にとってとても負担になり、植え替え後には株が回復するエネルギーが必要なので、真夏や真冬などの弱りやすい時期は避けてくださいね。

 

剪定・切り戻し

上に向かって伸びていくドラセナ・コンシンネの性質上、高くなり過ぎた場合には幹や枝を剪定で仕立て直しておくと、希望の高さやきれいな樹形を維持できます。

ドラセナ・コンシンネは、枝などの切り口のすぐ下から新しい脇芽が出てきます。あまり神経質にならず、多少大胆に剪定をしてもいいのが、初心者向けとして嬉しいポイントですね。

剪定や切り戻し作業は、生育期の前半にあたる4〜5月頃に行なうのが適期です。前半期に行なうことで、夏になれば新しい葉をたくさん芽吹かせてくれますよ。

 枝の先端以外に、幹の太い部分を切り戻すときにも、大胆にばっさりカットしてしまって構いません。

 

増やし方

剪定作業などで切り落とした枝は、「挿し木」や「水挿し」で増やしていくための挿し穂として利用できます。

冬までにしっかりと根付くのが理想なので、挿し木は6月までに作業しておくのがベストです。それぞれの手順を紹介するので見ていきましょう。

 

【挿し木の手順】

  1. 5〜10cmほどの新芽がついた挿し穂を用意します。
  2. 水分の蒸散を防ぐため、数枚だけ葉を残して、葉を半分にカットしておきましょう。
  3. 挿し木用のポットや鉢に新しい土を用意しておき、土に挿し穂を挿します。
  4. 風通しの良い明るい日陰に置き、しばらくは水切れに注意して管理していきます。
  5. 2〜3ヶ月ほどで新しい葉が出てきたら、発根したサインです。
  6. 大きめの鉢へ植え替え、いつもどおりのお世話に切り替えます。

 

もうひとつの水挿しでの増やし方は、透明な容器を使えば根の状態が分かりやすいので、発根を確認しやすいというメリットがあります。

 

【水挿しの手順】

  1. 5〜10mほどの新芽がついた挿し穂を用意します。
  2. 水を入れた容器に挿し穂を挿しておきましょう。
  3. 発根までは2〜3日に1回は水を替え、清潔な状態に保ちます。
  4. 30〜40日で発根するので、土に植え替えるか、ハイドロカルチャーで育てます。

 

簡単な作業なので、剪定した際は切り落とした枝を有効活用してみてくださいね。

 

まとめ

今回は、赤い葉が美しいドラセナ・コンシンネの特徴や育て方などをご紹介してきました。

 

比較的育て方が簡単で、初心者向きであるドラセナ・コンシンネは、個性的な葉色やスタイリッシュな姿から、インテリアグリーンとして人気があります。

ゆっくりと生長してくれますから、こまめな剪定の手間もなく、短期間で大きくなりすぎずに定位置に飾って楽しめるというメリットもありますよ。

柔らかい幹の性質を利用して、幹曲げによってオリジナルのドラセナ・コンシンネを仕立てる楽しみ方もあります。育て方に慣れてきたら、ぜひ挑戦してみてくださいね。

風水効果も期待できるドラセナ・コンシンネをお部屋に取り入れて、緑のある生活を楽しんでみてはいかがでしょうか。

大切なあの人にお花を送ってみませんか?