人気の観葉植物・シェフレラ|おすすめ種類や基本的な育て方
「枯らすほうが難しい」とさえ言われるほどの強さを持っているシェフレラは、大変人気がある観葉植物です。カフェやショップの店頭に飾られているのをよく見かけますね。
お世話の手間が掛からないので、観葉植物の初心者の方以外にも、グリーンギフトとしてもおすすめしたい品種です。
今回は、そんなシェフレラの人気品種や基本的な育て方、花言葉や風水効果などもあわせてご紹介します。
シェフレラの基本情報
科・属 | ウコギ科・シェフレラ属(フカノキ属) |
和名 | ホンコン・カポック |
英名 | Dwarf schefflera |
学名 | Schefflera |
原産地 | 中国南部、台湾 |
そもそもシェフレラとは?
シェフレラはウコギ科・シェフレラ属に分類され、常緑植物なので一年中葉を茂らせています。呼び名であるシェフレラは属名なのですが、ヤドリフカノキ(Schefflera arboricola)の一般的な呼び方として、シェフレラと呼ばれます。
国内でよく見かける代表的な品種は、「ホンコンカポック」や「シェフレラ・ホンコン」と呼ばれています。
とにかく丈夫で生命力が強く、耐寒性や耐陰性に非常に優れている品種です。
観葉植物の入門編としてはおすすめしやすい植物になります。
シェフレラとカポックの違い
シェフレラの代表品種は「カポック」の名で流通していることが多いと先述しましたが、実はこれは誤った呼び方で、本来はシェフレラとカポックは、異なる植物です。
カポックとは、パンヤ科(アオイ科)の植物の名称であり、パンヤから採取できる戦意のことも「カポック」と呼びます。
なぜこんなにややこしいことになっているのかと言うと、日本にシェフレラが持ち込まれてきた頃に、カポックの葉の形に大変良く似ていたため、カポックと混同されたまま広まっていったと言われています。
シェフレラの花言葉
シェフレラは、ごくまれに花を咲かせることがあります。開花はなかなかお目にかかれる瞬間ではありませんが、生育環境が適していると、大きく育った株は、うっすら緑がかっているパステル調の淡い色合いの小花が、たくさん集まって咲かせるのだそうです。
そんなシェフレラには、「とても真面目」「実直」という花言葉があります。これは、まっすぐに伸びていくシェフレラの姿から、真面目さや誠実さなど、ひたむきな姿勢を連想したものです。
シェフレラの風水効果
観葉植物には風水効果があるとして、インテリアに取り入れる方も増えていますが、シェフレラにも風水効果が期待できます。
シェフレラのように丸みのある葉には、気を落ち着かせてくれる効果があるため、リラックスタイムを過ごす寝室やリビングなどに飾ることで、空間を和やかにしてくれる働きがあります。人の集まるお店やオフィスのエントランスなどに飾られているのも納得ですね。
こんなにたくさん!シェフレラの人気品種
育て方が簡単で、見た目も美しいシェフレラには、なんと600種類以上にも及ぶ品種が存在していると言われています。
続いては、シェフレラの中でも人気のある種類をご紹介していきますので、お好みのシェフレラの種類を見つけてみてくださいね。
シェフレラ・ホンコン
ホンコンカポックの名でも販売される「シェフレラ・ホンコン」は、シェフレラの中でも最も定番の品種です。
シェフレラ・ホンコンは、なんと0度まで耐えられる強い耐寒性を持っており、幹を編み上げた鉢植えや、盆栽のように仕立てたアジアンなものも販売されています。
オリエンタルな雰囲気があり、和風にもモダンテイストなお家にも馴染みやすいでしょう。
シェフレラ・トリネッティ
シェフレラ・ホンコンの葉に斑が入っている品種が、「シェフレラ・トリネッティ」です。
シェフレラ・トリネッティの黄色い斑模様は美しく、見ごたえのある品種ですよ。
斑入りの葉を持つ観葉植物の中でも、シェフレラ・トリネッティの育てやすさはピカイチです。
斑の色は黄色が多いのですが、中には白い斑が入っている葉もあります。ただし、白い斑模様のシェフレラ・トリネッティは流通数が少なく、大変希少です。
シェフレラ・アンガスティフォリア
別名で「ベヌローサ」とも呼ばれる「シェフレラ・アンガスティフォリア」は、寒さに強いシェフレラの中でも、比較的寒さに弱い性質を持っています。ホンコンカポックが0度まで耐えられるのに対して、シェフレラ・アンガスティフォリアは5度までしか耐えられません。ただ、それだけの温度に耐えられるのであれば充分な耐寒性があると言えます。
耐陰性には優れているため、室内で育てるインドアグリーン向きと言えるでしょう。
細長い葉には光沢があり、笹の葉のように涼やかです。シェフレラ・アンガスティフォリアには、斑入りのものも出回っているので探してみてくださいね。
シェフレラ・コンパクタ
「シェフレラ・コンパクタ」は、さらに2種類の品種に分けられ、「キング」「クイーン」という種類があります。キングは、笹の葉に似ているシャープな葉を広げて生長していきます。クイーンは、シェフレラ・ホンコンをそのまま小さくしたようなサイズ感で、丸みのある可愛らしい葉と、ぐんぐん上向きに伸びていくのが特徴になります。育てていてもコンパクトに収まるので、室内のインテリア向きと言えます。
シェフレラ・アクティノフィラ(ブラッサイア)
「シェフレラ・アクティノフィラ」は、別名の「ブラッサイア」としての流通名がポピュラーかもしれません。葉はとても大きく、20〜30センチほどにまで生長します。
その特徴的な大きな葉が、傘にも例えられており「アンブレラツリー」の別名もあります。シェフレラ・アクティノフィラは、5度まで耐えられる耐寒性を持っています。流通数はやや少なめなので、出会えたらラッキーかもしれません。
シェフレラ・アクティノフィラは赤紫色の花を咲かせますが、花弁をタコ足のように広げていくので、「オクトパスツリー」とも呼ばれている、たくさんの呼び名を持っている品種です。
シェフレラ・ノバ
「シェフレラ・ノバ」は、先述した「ブラッサイア」の園芸用品種として誕生しました。
葉には大きく切れ込みが入っているのが特徴で、その個性的な葉に惚れ込む人も多くいます。
シェフレラ・レナータ
「シェフレラ・レナータ」は、葉先が割れているのが特徴で、その様子が金魚の尾のように見えることから「金魚葉カポック」の別名もあります。
葉の形からとても華やかな雰囲気があり、お部屋に飾ると明るい印象になります。シェフレラ・レナータに黄色い斑が入った品種は、「シェフレラ・ジェニーネ」と呼ばれています。
シェフレラ・ルフィーナ
「シェフレラ・ルフィーナ」は、モミジの葉に似た手のひらを広げたような掌状葉が特徴的で、枝が枝垂れる様子がとても雅な雰囲気を持っています。
シェフレラ・ルフィーナは枝垂れるほどに生長しますが、樹形はミニマルなままで維持できますので、インテリア向きです。
シェフレラ・ハッピーイエロー
「シェフレラ・ハッピーイエロー」は、シェフレラ・アルボリコラ・ホンコンの改良品種です。名前から連想できるように、明るいイエローの斑模様が入っていて、とても爽やかで明るい雰囲気を持っています。
シェフレラ・マルコ
「シェフレラ・マルコ」は、大ぶりの葉を持っていて、曲げ幹の鉢植えも高い人気があります。最近人気が急上昇している品種なので、店舗によっては品薄状態の場合もあるかもしれません。
シェフレラ・アルボリコラ・バリエガータ
「シェフレラ・アルボリコラ・バリエガータ」は、原種である「シェフレラ・アルボリコラ」に斑が入った品種です。生長速度が早く、ぐんぐん株が大きくなっていくので、こまめな剪定作業で整えていく必要があります。シェフレラ・アルボリコラ・バリエガータの曲げ幹の鉢植えも人気です。
シェフレラ・ピュックレリ(ツピダンサス)
「シェフレラ・ピュックレリ」は、以前はツピダンサス属に分類されていましたが、シェフレラ属に統合されたため、ツピダンサスの名前で流通していることが多い品種です。
つやつやとした美しい葉を優雅に広げる姿はとても人気があり、シェフレラの品種の中では少し大型品種になります。
微妙に傾いて幹を生長させていく特性があるため、その性質を利用した曲がり幹の鉢植えも多く売られていますよ。
シェフレラ・エレガンティッシマ(アラレア)
「シェフレラ・エレガンティッシマ」は、「アラレア」または「ディジゴセカ」として流通している場合が多い品種です。細長い葉はギザギザしていて、スタイリッシュな印象があります。耐寒性はそこそこで耐えられるのは5度前後ですが、耐陰性が強いので置き場所に困らず飾りやすいというメリットがありますよ。
シェフレラ・スターシャイン
シェフレラの品種は、どれもみな葉がつやつやとしてすべやかですが、「シェフレラ・スターシャイン」の葉には凹凸があります。個性的な葉はとても美しいのですが、凹凸部分に害虫がつきやすいので、こまめに葉水を行なって害虫対策をしましょう。
シェフレラ・スターシャインは流通数が少ないので、なかなか出会う機会がないかもしれません。
シェフレラの基本の育て方
耐寒性・耐陰性共に優れている、初心者には心強いたくましさを持ったシェフレラ。
観葉植物の中でも、トップクラスの育てやすさを誇る品種です。
基本の育て方を覚えてしまえば、反対に枯らすほうが難しいとさえ言われているシェフレラを、美しい葉を保って育てていくことができますよ。
続いては、シェフレラの基本的な育て方について解説していきます。
置き場所
シェフレラは日光が大好きですので、風通しが良く、明るい半日陰で管理しましょう。
品種によっては若干耐陰性が違ってきますが、葉に斑模様が入っているものは、斑の入っていない株よりも日光を多めに当てないと、日照不足になりがちです。
適度の日光浴をさせておくと、美しい葉にツヤが増して、さらに美しい見た目になります。
水やり
シェフレラの生育期である春から秋の間は、土が乾いたことを確認したら、鉢底から水が流れ出てくるほどたっぷりと与えてください。
水やり後は、受け皿に水を残したままだと根腐れの原因になるので、必ず捨ててくださいね。気温が10度を下回ってくると、シェフレラの生長がゆるやかになり、休眠期へと移行します。休眠期に水はそこまで必要ありませんので、冬場は乾燥気味に育てて水やりを控えましょう。
肥料
シェフレラは肥料を与えなくても元気に育ってくれる植物ですが、株を大きく育てたいときには、春から秋までの生育期に肥料を与えます。緩効性の置き肥は2ヶ月に1回ほど、即効性のある液体肥料は2週間に1回ほどのペースで与えてください。
休眠期に入る冬には、肥料を与えないようにします。置き肥を置いたままでしたら、冬を迎える前に必ず取り除いておきましょう。
剪定
生長速度の早いシェフレラは、混み合っている枝や葉を剪定して、全体にまんべんなく日光が当たるように整えてあげましょう。また、樹形が崩れてきたなと感じるときにも、自分の好みのデザインに仕立てて整えてあげてください。
伸びすぎたシェフレラをコンパクトにまとめておきたい場合にも、思い切った剪定が有効です。
適期としては暑い夏を迎える前の春ですが、それ以外の季節にも適宜剪定してください。
神経質な剪定は不要で、全体のバランスを見ながら、飛び出ている枝や葉をカットする程度のゆるさで問題ありません。
植え替え
シェフレラはぐんぐん生長していくので、2年おきを目安にして一回り大きな鉢へと植え替えましょう。
ずっと同じ土を使っていると、土が古くなって排水性や通気性が悪くなってしまいます。
定期的な植え替えタイミング以外にも、鉢底から根が見えたり、水やりのときになかなか染み込んでいかなかったりしたら、鉢の中で根が生長しすぎてパンパンに詰まっています。
そのままだと根から水分や養分を吸収できないばかりか、根腐れにも繋がりますので、なるべく早くに植え替えて、根にゆとりをもたせてあげましょう。
植え替えの適期は、春から秋の生育期の間です。
【植え替え手順】
(1)株を取り出して、やさしく根をほぐしながら古い土を落としていきます。
(2)傷んでいる根や腐った根があれば、切れ味の良い清潔なハサミで切り落とします。
(3)根を整理したら、新しい鉢に土を3分の1ほど入れて株を置きます。
(4)株の隙間を埋めるように土を入れて安定させたら、水をたっぷりと与えます。
(5)しばらくは風通しの良い日陰で管理して、植え替え後の株を休ませましょう。
シェフレラの増やし方
生命力が強いシェフレラのような観葉植物は、「挿し木」などの方法で増やしていくことができます。挿し木は、いちばん発根率が高いため、初めてチャレンジする方でも失敗しにくい方法です。
シェフレラの育て方に慣れてきたら、今度は株を増やす楽しみを味わってみましょう。
挿し木
「挿し木」をする際に使う「挿し穂」は、剪定時に切り落とした枝などを使うのがおすすめです。
挿し木に適した時期は、5〜8月頃になります。休眠期を迎えてしまうと生長が止まり、発根しないまま枯れてしまう失敗が考えられます。気温が低くなるにつれて、シェフレラの回復力も弱くなり、発根率も下がってしまうため、なるべく早いうちに行なえると失敗しません。
【挿し木の手順】
(1)10〜15センチのなるべく若い挿し穂を用意して、切り口を斜めにカットします。
(2)大きな葉は半分にカットしておき、葉から水分が蒸発するのを防ぎます。
(3)節付近から発根するので、一節以上埋まるように挿し穂を土に挿します。
(4)挿し穂を挿したら、水を与えて、風通しが良い日陰で発根を待ちます。
(5)乾燥に注意して管理していると2〜3週間で新芽が出てきます。
(6)挿し穂をやさしく引っ張り抵抗感があれば根付いているサインです。
(7)別の鉢へと植え替え、以降はいつもどおりのお世話で育てていきましょう。
※挿し穂の発根率は確実ではありませんので、複数用意しておくのをおすすめします。
※挿し穂同士は一定の間隔を空けて挿しておきましょう。
まとめ
今回は、育てやすさと美しさから人気があるシェフレラのおすすめ品種や、基本的な育て方などをご紹介してきました。
さまざまな品種が展開されているシェフレラですが、今回ご紹介した中にあなたのお気に入りになりそうな品種は見つかりましたか?
日本の寒さにも強く、耐陰性も高いシェフレラは、インドアグリーンとして育てやすい代表格の観葉植物です。観葉植物の入門編としてもおすすめできる品種なので、これから観葉植物を始めて購入しようとお考えの方は、シェフレラを検討されてみてはいかがでしょうか。