特別な日には高級なお花を贈ろう。入手困難な希少種もご紹介
節目を迎える誕生日や結婚記念日など、特別な日の中でもさらに大切な日には、高級感のあるお花や、ちょっと珍しい希少価値のあるお花を贈ってみませんか。
今回は、特別な日にぴったりの高級なお花から、高級なお花をいただいた時に知っておきたい切り花を長持ちさせる方法まで詳しくご紹介します。
高級なお花といえば真っ先に浮かぶ「胡蝶蘭」
お花にあまり詳しくない方でも、高級な花というと多くの方が「胡蝶蘭」の名前を挙げるのではないでしょうか。
開店祝いなどのお祝いとして飾られている胡蝶蘭は、揃えられている花の向きが美しく、純白の花びらがより高級感を演出していますよね。
鉢植えのギフトとして流通している胡蝶蘭は、ほとんどが寄せ植えされた状態で販売されています。3株ならば3本立て、5株ならば5本立てというように、株の数が増えれば増えるほど、花数も増えていき豪華なボリュームになるのです。
5本立ての相場は約30,000円〜と、価格帯も高めの植物となっています。
5本立て以上にもなると迫力があるため、小さな子などには怖いという印象も持たれがちな胡蝶蘭ですが、どうして高価な価格帯なのでしょうか。
出荷するまでには数年単位の時間がかかる
胡蝶蘭は、もともとは熱帯地方を原産地とする植物です。
熱帯地域と日本の気候は大きく異なりますので、日本で胡蝶蘭を栽培するには温室環境が必要になります。また、胡蝶蘭の花が咲くまでには、種から育てていく実生だと約4〜5年ほど、苗から育てていくのでも約2〜3年ほどの時間が掛かります。
年単位の長い時間を掛けて育てなくても、国外から輸入すれば良いのではないかと考える方もいらっしゃると思いますが、それができれば苦労はしていません。
胡蝶蘭は丈夫な植物ではありますが、急激な温度変化や環境変化には大変弱く、せっかく輸入してきた株も弱って枯れてしまうのです。となれば、やはり国内で時間を掛けて栽培するのがいちばん確実な方法だということになります。
栽培技術や温室設備などが必須であり、かつ長期間育てる手間もかかる胡蝶蘭は、必然的に価格帯も高価になってしまうのです。
植物の世界では新参者の「ラン」
ランの花といえば、フラワーギフトやガーデニングなどでも人気が高く、私たちにはすっかりお馴染みの定番のお花ですよね。しかしこのラン科の植物は、植物の世界の中ではかなり後輩にあたる、新参者の立ち位置になるのです。
ランの原種が地球上に誕生した頃には、すでに先に生まれていた植物たちが地上を埋め尽くしていて、ランが根を下ろす余地はないほどでした。
そのためランは、すでにいる先輩方である木や岩などの場所を拝借して、根を絡めて着生するという選択肢を取ったのです。
地面に根を下ろさずに、空気中の水分を根や葉から吸収していくという発達を遂げてきたランは、着生蘭と呼ばれています。
実は先ほどご紹介した胡蝶蘭も、この着生蘭の一種であり、鉢植えには土が入っていません。鉢の中に入っているのは、バーク材や水苔といった植え込み材なのです。
世界一高価なラン「富貴蘭」
ランの中でも、最も高価だと言われるのが「富貴蘭(ふうきらん)」です。世界一高価なランだとも言われています。
この富貴蘭は、着生ランの仲間である「風蘭」が園芸種として変化していった品種で、風蘭の持つ甘い香りを引き継いでいます。
江戸時代の大名にも愛されたお花で、その珍しさと美しさ、香りの良さから、将軍への献上品ともされていました。
愛好家の間でも優れていると評価される富貴蘭は、なんと一鉢に数百万円以上もの価格にもなるそうです。
満月の夜にだけ開花する「月下美人」
サボテン科クジャクサボテン属の仲間である「月下美人(げっかびじん)」は、1年のうち、満月の夜ただ一度きりしか咲かない、幻の花とも呼ばれている珍しいお花です。まるでおとぎ話や昔話のような性質を持っていますよね。
そのため入手は大変困難で高い希少価値を持っていることから、「世界一高価な花」とも言われているほどです。
一年に一度、満月の夜にしか咲かない性質を持っているとは言えど、現実的には年に一度も咲くことがないこともあります。一方で、運が良ければ年に数回花が咲くこともある、気まぐれのような不思議なお花です。
日本でも月下美人を見られる?
そんな珍しい性質を持っている月下美人ですが、月夜の元に開花させる大きな花びらは幻想的で美しく、言葉を失うほどの美しさがあります。さらに、その花からは濃厚な甘い香りを放つため、甘い花の香りに酔いつつ、まるで夢を見ているような非現実的な気分になってしまいそうです。
人生で一度は月下美人の花を見てみたいものですが、なんと日本で花を見かけるチャンスがあります。大阪市にある植物園「咲くやこの花館」では、独自の技術によって開花を調整することに成功し、月下美人を満月の夜だけではなく昼間に開花させているのです。日中に開花している様子は一般公開されているため、開館中に訪れれば月下美人の花を観賞することができますよ。
入手はほとんどできないに等しい月下美人の花がもしプレゼントできれば、大変思い出深いサプライズギフトになることは間違いないでしょう。
高級なフラワーギフトは、まず予算を決めよう
なかなか入手ができない珍しいお花や、高級すぎて手が届かないお花などをご紹介してきました。ご紹介した胡蝶蘭以外のお花は、現実的に考えるとフラワーギフトとしては難しいですが、いつものフラワーギフトよりもやや高級な贈り物でしたら、現実的ですよね。
忘れられないような素敵な思い出を作りたい特別な日には、いつもより少し高級なお花のギフトを贈ってみてはいかがでしょうか。
まずは、贈りたい用途やイメージに応じて、予算組みをするところから始めてみましょう。
花束の予算として、5,000円〜10,000円ほどの予算を考えられる場合には、長さのある豪華
なブーケスタイルや、ミドルサイズの花束も購入できます。
花束の予算として20,000円以上を予定している場合には、相手に渡したときにあっと驚くようなボリュームや、文字どおりに「抱えるような」サイズ感の花束に仕上げることができます。さらに花同士をぎゅぎゅっと詰めて、密度を高めたラウンドスタイルの花束では、ぎっしりと詰められた花の豪華さに目を奪われることでしょう。
贈る相手やシーンで花選びを
高級なフラワーギフトを準備するには、お花屋さんとの入念な打ち合わせや、イメージのすり合わせが大切です。質問にはなるべく詳しく答えて、自分の中にあるイメージをなるべく言語化して伝えていきましょう。
花屋さんとの密なコミュニケーションが、素敵な思い出作りのフラワーギフトの完成度を高めて、より素敵なものに仕上げてくれますよ。
簡単には、色の希望や使いたい花材、反対に使いたくない花材、手渡しになるのか配達になるのかといった点が関わってきます。
高級なお花のギフトを選びたいときに参考にしていただきたい、花束の選び方についてまとめてみましたので、ぜひご覧ください。
テーマカラーを決めて選ぶ
だいたいの予算とサイズ感を決めたら、具体的にどんな色合いのフラワーギフトに仕上げていきたいのか、色の希望を伝えましょう。
「かわいい感じで」「にぎやかな感じで」といったふんわりとした雰囲気感よりも、「ピンクを基調にして」「全体的にビタミンカラーでまとめて」といった具体的な色指定をしたほうが、自分のイメージしている仕上がりと、花屋さんのイメージしている予想図がすり合わせやすいためです。
ここでは、色ごとにおすすめの組み合わせや注意点をご紹介します。
【ピンク系の花束】
ピンク系の花束は、女性に多く好まれる傾向にあります。
ピンクと一口に言っても、淡いピンクや濃いピンク、パステル調の薄い色合いのピンクなど、濃淡のバリエーションがありますので、グラデーションを意識して作られたピンクベースの花束にはメリハリがあります。
【寒色系の花束】
青や紫などの寒色系をメインに使った花束は、男性の方にも好まれやすく、性別を気にせずに贈りやすいカラーです。
ただし、自然界には青い花がもともと少ないため、余裕をもって注文しておかないと花材の取り寄せが間に合わないこともあります。
【白とグリーンの花束】
清楚な印象のある白いお花と、グリーン系の花びらを持つ花材を組み合わせれば、とてもフレッシュな印象のアレンジメントになります。枝ものや葉ものでグリーンを取り入れることにより、さらに爽やかな仕上がりになります。
メインの花材を選ぶ
花束に使う花材には、メインの花だけを決めておくのもいいでしょう。
できれば、通年流通しているバラやユリ、ガーベラといったお花がおすすめです。入手が難しい季節もののお花などは、輸入による取り寄せが必要であったり、季節外れで栽培が少ないことから単価が高騰してしまうためです。
メインの花が決まっている場合は、事前に花屋に伝えておきましょう。
バラをメインにするなら他の花材もプラスして
お花の贈り物として定番でもある王道のバラは高級感を演出できますが、単価に比べて花の大きさはそこまで大きいものではありませんので、予算に対してボリュームをなかなか出せないという現実もあります。
そんなときには、バラのような豪華さを持ちつつも、バラよりもリーズナブルな単価を持つ花材を使って、ボリュームをアップさせましょう。
中でもおすすめしたいのが、トルコキキョウです。トルコキキョウの花は、八重咲きの品種などはバラにも負けない豪華さをもっており、お花ひとつの大きさもかなり大きいです。そしてバラよりも単価は安いので、決めた予算内で花束やアレンジメントの量を増やすにはぴったりなのです。
バラと比べると、カーネーションやガーベラなどは単価が安く、ひとつのお花のサイズが大きいため、単価に比べてボリュームがある花材を使えばボリューミーなアレンジメントを作ることができます。
いただいた切り花をなるべく長持ちさせるには
ここまでは、高級感のあるお花を贈る場合のケースや選び方をお伝えしてきました。
高級感のあるフラワーギフトをいただいたら、素敵な思い出が詰まったお花を、できるだけ長く美しい状態で楽しみたいですよね。
切り花をなるべく長く楽しむために、自宅に持ち帰ってからのお手入れ方法などをご紹介していきましょう。
ラッピングをほどく
きれいに包まれた包装紙やリボンを外してしまうのはもったいない気もしますが、まずはラッピングをすべて外しておきましょう。
切り花を束ねている場合は茎先を輪ゴムで括っていることもありますので、茎を傷つけないように注意しながら外します。また、保水ゼリーなどが付着している場合には、茎をきれいに洗い流してきれいにしておきましょう。
余分な葉をカット
切り花を花瓶に生けるときには、水に浸かりそうな位置についている余分な葉は切り落としておきます。基本的に、茎の下のほうについている葉や茎は、ほとんど落としてしまっても大丈夫です。
葉などが水に浸かってしまうと、腐食や雑菌の繁殖に繋がり、花瓶の水を清潔に保てません。先が折れている葉やつぼみなども間引いておきましょう。
水切りをする
花瓶の高さや飾りたい長さに合わせて、茎の長さを調節します。
長さを決めてカットしたら、切り口の部分を斜めにカットしてください。茎の切り口を大きくすることによって、茎から水を吸いやすくなります。
茎をカットする際には、必ず切れ味の良い花バサミなどを使用しましょう。花バサミは通常のハサミよりも刃が薄くできているので、茎の道管を潰さないようにすぱっとカットできます。
水換え
花瓶に切り花を生けるときは、なるべく茎と水の触れる面積が少なく済むように、水の量を少なめにして入れましょう。水を清潔に保つことで、切り花の延命に繋がります。
また、延命剤や鮮度保持剤を使用すると、さらに長持ちするようになりますよ。つぼみが多い花は開花までにエネルギーを使うので、このような薬剤で開花を助けることも大切です。
雑菌が増えていくと切り口から水を吸収する力が弱まるため、水や花器を清潔に保つことは大変重要となっています。
置き場所
切り花を花瓶に生けて飾るときには、風通しが良く、直射日光や強い日光が当たらない、涼しくて明るい場所に飾りましょう。また、風当たりが強い場所におくと、花びらが早く落ちてしまいますので避けてください。
冷暖房の近くやエアコンの風が直接当たる場所も、乾燥によってお花の水分が蒸発して花持ちが短くなってしまうので避けましょう。
ドライフラワーを作ってみよう
切り花としてじっくりと堪能したら、ドライフラワー作りに挑戦してみてはいかがでしょうか。
吊るしておくだけのハンギング法や、少量の水に挿して徐々に乾燥させるドライインウォーター法を使えば、手軽に自作のドライフラワーを作ることができますよ。
乾燥させる前には、切り花には水切りをしてたっぷりと水を吸わせておき、お花の色が悪くならないうちに素早く乾燥させていくのがコツです。
最後に、ハンギング法とドライインウォーター法のやり方をご紹介します。
【ハンギング法の手順】
- 葉や花びらを整えて、風通しが良くなるようにします。傷んでいる葉や変色している葉、千切れている花びらなども取り除きます。
- 作りたい好みの長さに茎をカットしましょう。
- 茎の下部に麻ひもなどを巻き付けます。乾燥させると茎が痩せて、ひもが緩んで落下してしまうので、二重にきつく結んでおきます。細い茎の切り花には、輪ゴムで茎を括っておきましょう。
- 1本ごとの間隔を空けて、1本ずつ吊るすと乾燥が早く進んできれいに仕上がります。直射日光が当たらず、風通しの良い涼しい場所で切り花を乾燥させましょう。洗濯用のピンチハンガーを使うのもおすすめです。
【ドライインウォーター法の手順】
花びらがふんわりとしているアジサイやカスミソウ、茎が太めでしっかりとしている切り花には、少量の水に生けながら徐々に水分を蒸発させるドライインウォーター法が適しています。花瓶に生けたまま乾燥させていくので、花を鑑賞しながらドライフラワー作りができますよ。
- 直射日光の当たらない、風通しが良い涼しい場所に、少量の水を入れた花瓶を置きます。水嵩は数センチほどと少なめに入れておきましょう。
- 水替えは行わず、花瓶の水が減っても水を足さず、そのまま水分を蒸発させていきます。
- 約1〜2週間ほどで、ドライフラワーが完成します。
まとめ
今回は、高級なフラワーギフトの選び方や、入手が難しい世にも珍しい花、希少なために高額で取引される高級なお花について、ご紹介してきました。
珍しいお花を用意するのは、流通数が少なければ少ないほど困難ではありますが、高級なランクのお花をふんだんに使ったフラワーギフトでしたら、予算さえ用意できればプレゼントするのは難しいことではありません。
特別な日を演出したいときには、いつものフラワーギフトよりも高級な花材を使ったプレゼントを贈ってみてはいかがでしょうか。