胡蝶蘭の植え替え方法は?長く楽しむための育て方や管理方法をご紹介!

 

開店祝いや結婚式など様々な祝い事に贈られることの多い胡蝶蘭。

人からもらうことの多い胡蝶蘭ですが、もらった胡蝶蘭は植え替えを行うことで育てることが可能です。

今回は、胡蝶蘭の植え替え方法や育て方、気を付けるべき点などを紹介します。

胡蝶蘭を育てるときに植え替えが必要な理由とは?

胡蝶蘭は意外と寿命が長く、最適な環境であれば50年以上、家庭で育てるとしても平均して10年ほどの寿命を持ちます。

しかし胡蝶蘭を植える水苔やバーグはそこまで長持ちはしません。

数年経つと黒く腐ってしまくることもあれば、カビが生えてしまうこともあるでしょう。

そうなるとそこに根を張っている胡蝶蘭も、その腐食やカビの影響を受けて元気がなくなり、何らかの病気に罹ったり最悪枯れてしまったりという結果に繋がります。

なので胡蝶蘭が弱る前の予防や、弱ってきた胡蝶蘭の元気を取り戻させるために、新しく健康な植え込み材料へと植え替えが必要です。

 

植え替えを行うべきタイミングは?

胡蝶蘭にとって植え替えは体力を使う行為なので、頻繁に行う必要はありません。

頻度としては3年程度を目安にしつつ、もし胡蝶蘭が弱ってきたり、植え込み材である水苔やバーグに腐食やカビくささを感じたら植え替えを行うと良いでしょう。

 

時期的なタイミングとしては、花が咲き終わったあとに行うと良いです。

花が咲く前に植え替えを行うと、それに体力を使ってしまい花を咲かせる元気が残らない可能性があるからです。

なので植え替えを行うなら胡蝶蘭の体力が残っている4月末から6月の間で、胡蝶蘭が花が咲き終わったあとにしましょう。

ただし胡蝶蘭が弱っていたり植え込み材料の異変から植え込みをしたい場合は、時期を待たずにすぐ植え替えるべきです。

 

まずは準備!胡蝶蘭の植え替えに必要な道具

胡蝶蘭の植え替えを行うには以下の道具が必要になります。

  • 園芸用ハサミ
  • 植え込み材料
  • ライター
  • 鉢底ネット

この3つがあれば基本的な植え替えは可能です。

このほかにも、病気の葉っぱや根腐れがあった場合、ハイターや手袋などが必要になるでしょう。

 

胡蝶蘭の植え替えはバーグと水苔どちらがおすすめ? 

胡蝶蘭は土に埋めると根腐れを起こしてしまうので、水苔かバーグ・バークチップと呼ばれる木のチップに植えます。

どちらも胡蝶蘭の育成や植え込みの環境に一長一短あるので、どちらかが優れているというわけではありません。そのため、両方の特徴を把握して使用するのが良いでしょう。

 

 水苔の特徴

水苔は古くから胡蝶蘭の植え込み材に使われており、胡蝶蘭が咲かせた花が落ちにくいというメリットがあります。

また保水力が高いので水やりの回数を抑えられたり、肥料を与える場合に流出しにくく長持ちしやすいのもメリットです。

 

反面胡蝶蘭の成長が遅く、水苔の保水力が高いことから、気を付けないとカビや腐食が起きやすいというデメリットを持っています。

また水苔自体の植え込み材としての価格も、バークより高めです。

 

 バーグの特徴

バークは胡蝶蘭の本来の生育環境に近いこともあり、胡蝶蘭の成長が早く、1度に咲く輪数も多くなります。

また水はけがいいので、根腐れを起こす可能性も少ないのもメリットです。

 

反面バークには、ナメクジを始めとした害虫が湧きやすいので、害虫対策が必要になってしまいます。

また鉢の内部が乾燥しているかどうかを見極めにくく、水はけの良さを甘く見て水切れしてしまったり、逆に水を与え過ぎてしまうなど、水加減が難しくなりがちです。

 

胡蝶蘭の植え替えの鉢の選び方 

胡蝶蘭を植える鉢ですが、これは胡蝶蘭の根に適切なサイズかどうかと、鉢の材質でどの鉢に植えるかを決めましょう。

サイズを間違えたり植え込み材と合っていない素材の鉢に植えてしまうと、胡蝶蘭が上手く根を張れなかったり、根に異常が起きて上手く育たなくなる可能性が高くなります。

 

サイズ

胡蝶蘭は太い根が多く生えてくるのでつい大きいサイズの鉢を選んでしまう方も多いですが、意外と小さなサイズで十分です。

具体的には4号か5号、センチメートルで言うと12から15センチほどの大きさの鉢に1株ずつ植えるのがいいでしょう。

鉢から根っこがはみ出ることも度々ありますが、そもそも自然に生えている胡蝶蘭は木の幹などに根を貼り付けて生えているので、水苔やバーグに根が埋まっていなくても、鉢から多少根がはみ出ても問題ありません。

逆に下手に大き過ぎる鉢に植えると、植え込み材が水を含み過ぎて根腐れの原因となります。

 

鉢の素材

植木鉢にも様々な素材がありますが、胡蝶欄の場合は植え込み材次第でどんな素材の鉢を選ぶかが変わってきます。

失敗しないためには、事前に植え込み材を購入してから植木鉢を選ぶか、水苔を使用すると良いでしょう。

水苔なら素焼き鉢

ザラザラとした手触りをした素焼きの鉢には微小な穴が空いており、通気性がいいので水分が蒸発しやすく水はけが良いという特徴があります。

水苔は保水力が高いですが、もし通気性のない鉢に植えた場合、水分が余剰に溜まってしまい、胡蝶蘭が根腐れを起こしやすく、水苔も腐食やカビの繁殖を起こしやすくなると、百害あって一利なしです。

なので水苔で胡蝶蘭を育てるなら、絶対に素焼きの鉢を選びましょう。

 

バークならプラスチック鉢

バークを使うのならプラスチックの鉢がいいでしょう。

バークは水はけがいいので、通気性がいい鉢だとすぐに水切れを起こしてしまうため、水を保持できるように通気性のない鉢が向いています。

通気性だけなら陶器の鉢もありますが、プラスチックの鉢であれば鉢自体の重量が軽いので世話がしやすいですし、透明で中の様子が見える鉢もあるので、バーク特有の中が乾燥してるかどうか判断しにくい問題も解決しやすいです。

 

発泡スチロールは植え替えに最適!?

胡蝶蘭を植え替える際にあると便利なアイテムが発泡スチロールです。

発泡スチロールを鉢代わりにするというわけではなく、植え込み材を入れる前に鉢の底に敷いたり、根と根の間に挟んだりすることで適度に水はけをするようになり、根腐れの対策や鉢内の水分調整に役立ちます。

元から水はけの良いバークで育てる場合は、一切水を吸収しない発泡スチロールを根の間に挟むと逆に水を十分吸収できなくなる可能性はあるでしょう。

ですが鉢の底に適当な大きさに砕いた発泡スチロールを敷いておくと、水苔の場合は水はけに、バークの場合は逆に水分保持の効果が期待できます。

 

胡蝶蘭の植え替えの手順

 

胡蝶蘭は繊細な花で、手入れは難しいというイメージを持たれがちですが、注意事項に気を付ければ誰にでも植え替えをすることは可能です。植え替えに必要な準備と植え替え方法についてご紹介いたします。また、注意事項も合わせてご説明いたします。花がきれいでゴージャスな雰囲気を持つ胡蝶蘭を、丁寧にお手入れをして長く楽しみたいものです。

 

植え替えの準備

植え替える前に準備を行いましょう。植え替えの準備には、きれいな花を再び咲かせてくれるために必要な4つのステップがあります。この4つのステップについて、それぞれ詳しくご説明いたします。

 

STEP1.必要な道具を準備。

胡蝶蘭の植え替えに必要な道具は、ハサミ、ライター、鉢底ネット、手袋、水苔と素焼きの鉢または、バークとプラスチック鉢です。ハサミはライターの火で刃先をあぶり、胡蝶蘭に病気がうつらないように前もって消毒しておきます。また、植え替えを行う前には手も洗い清潔にしておきましょう。

 

 STEP2.ハサミを使用し花芽を取り除く。

切り方は二つの方法があり、ゆっくり成長を楽しみたい場合は根元から切ります。早く花が咲いて欲しい場合は生えているところから数えて3番目にある節の2センチくらい上を切って下さい。3番目の節から新しい花芽がでることが多いので、切るときは必ず数えて間違えて切らないように注意しましょう。

 

STEP3.ポットや鉢から株を取り出す。

そして、根に付いているバークや水苔を丁寧に手でほぐしながら取り除きます。取り除くとき、胡蝶蘭の根を傷付けないように注意しましょう。また、腐っている根や痛んでいる根をハサミで根元から切ってきれいにし、元気な根だけを残します。黄色く変色してしまっている葉も外して下さい。葉っぱを切った場合、傷口からばい菌が入ると「軟腐病」になってしまうことがあります。それを防ぐためにも傷口にはハイターを塗りましょう。

 STEP4.水苔を湿らせる

植え替えに使用する水苔を水で湿らせます。このとき、新しい水苔を使用しましょう。1度使用した水苔を使用すると、病気が移ってしまう可能性があります。混ざらないようにSTEP3で取り除いたバークや水苔はすぐに捨てて下さい。

 

植え替え

準備が整ったらいよいよ植え替えです。植え替えにも必要な4つのステップがありますが、準備をしっかりと行っていれば植え替えは簡単です。植え替えるときも根を傷付けないように注意して行いましょう。

 

 STEP1.根に水苔を巻き付ける

まず、水苔をボールのように丸めて、その上に根をかぶせます。そして外から水苔を巻き付けます。巻き付けるとき、胡蝶蘭の根が水苔の中心に来るように注意しましょう。このとき、準備した鉢よりも少し大きめになるくらい多めに巻き付けます。バークを使用する場合は、鉢底にバークを敷き詰めます。

 

STEP2.鉢に入れる

水苔を巻き付けた根の部分が鉢よりも少し大きいので、少し力を入れて押し込みましょう。はみ出ている水苔もすべて鉢におさめます。また、バークを使用する場合は、鉢の中心に株を置き、その周りにバークを入れ、敷き詰めます。このとき、根がむき出しなので根を傷付けないように注意が必要です。

 

STEP3.水苔をすべて鉢の中におさめる

 水苔は縁から2センチくらい下まで押し込み、株を持ち上げて鉢が落ちないくらいまで水苔は入れましょう。ただ、底までぎゅうっと力を入れてに押し込むと根を傷付けてしまったり、中が詰まり過ぎてしまうことになるので注意して下さい。バークの場合は縁から1センチ下までバークを入れて完成です。

 

 STEP4.水やりは後日

根など切った部分から病気になってしまう可能性があるため、水やりは植え替えてから7日くらいは行いません。7日ほどたったらコップ1杯くらいの水を与えます。水やりをすると、水受けにたくさんの水が落ちてきてしまいますが、水苔には必要な水分が行き渡っているので心配の必要はありません。

 

胡蝶蘭を植え替えたあとの注意点

胡蝶蘭は繊細な植物です。植え替えのときだけでなく、植え替えたあと注意する点がいくつかあります。その注意するポイントについてご紹介いたします。これらに気を付ければきっとまたきれいな花を咲かせてくれるでしょう。

 

水やり

 胡蝶蘭の水やりの重要なポイントは、水をあげ過ぎないことです。胡蝶蘭は水を吸収して蓄えておくことができる植物なので、水をあげ過ぎると根が腐って枯れてしまいます。特に、植え替えたあとは切った部分から病気になってしまう可能性があるため、7日ほど水を与えるのは控えましょう。

植え替えてから7日ほどたち、根が伸びてきたらコップ1杯くらい、200ml程度の水を根元に与えます。そのあとは7日から10日に1度くらいのペースで水やりを行いましょう。

目安としては植え替え材を触って、乾いていたら水をあげて下さい。

 肥料

胡蝶蘭はあまり肥料を必要としない植物です。特に植え替えてすぐは肥料を与える必要はありません。植え替えてすぐに肥料を与えてしまうと、逆に弱ってしまう可能性があるので注意しましょう。また、冬の寒い時期も肥料はあげる必要はありません。5月の暖かい時期になり、新しい根がでてきたことが確認できたら化成肥料の置き肥をします。または、9月頃まで洋ラン用の液体肥料を水で薄めて1週間に1回ほど水の代わりに与えて下さい。胡蝶蘭の肥料は、茎が元気に伸びてくるのを助ける役割をします。そのため、成長する時期に与えることがポイントです。

 

置き場所 

胡蝶蘭は直射日光に弱い植物です。できるだけ室内の直射日光に当たらない場所で育てましょう。直射日光に当たると葉焼けを起こしてしまいます。葉焼けとは、葉が黒く変色したり、色素が抜けたような白い色になる状態です。葉焼けを起こすとその部分から病気に感染しやすくなるため、見つけたら葉焼けの部分を排除して日の当たらない場所で管理して下さい。また、胡蝶蘭は風通しの良い15℃以上を保てる場所を好みます。しかし、強い風には弱いので、風が直接当たらない場所に置きましょう。エアコンや扇風機の風には注意が必要です。また、カーテンなどが風で当たる場所も葉や花を傷付ける可能性があるので避けましょう。

 

胡蝶蘭の植え替えに関するよくある疑問

 

胡蝶蘭は植え替えが成功すれば、何年も豪華な大きな花を繰り返し咲かせてくれる植物です。そこで、植え替えが成功するように、胡蝶蘭の植え替えについてよくある疑問を解決していきましょう。

 

 夏秋冬でも植え替えはできる? 

胡蝶蘭の植え替えに1番適している時期は、花が咲き終わった4月の終わりから6月にかけてです。花芽や新しい根がでてきてから植え替えをしてしまうと、花が咲かなくなることがあります。また、7月から9月は胡蝶蘭が1番成長する時期です。そのため、この時期には植え替えを終えていることも大切です。ただし、根腐れをしている、病気になったなどの理由であれば、必ず時期を待たずに植え替えをしましょう。

 

植え替えの準備段階で根腐れが発覚したら?

植え替えの準備をしているときに根腐れを発見したら、根腐れしている部分をハサミで取り除いて植え替えを行いましょう。根腐れの部分を排除してしまうと、根っこが少ししか残らない場合があります。そんなときはしっかり植え込み材を入れて植え替えをして下さい。あとは胡蝶蘭の生命力を信じて通常と同じように育てて下さい。

また、根腐れのときに使用したハサミは消毒が必要です。そのまま使用すると、ほかの場所まで根腐れが移る可能性があります。根腐れを触った手袋なども除菌をするか交換するのが良いです。

 

より大きな胡蝶蘭を育てるには?

大きな胡蝶蘭で部屋を彩りたいと思っても、より大きな胡蝶蘭を育て上げるには専門的な知識や、適切な環境や道具、そして胡蝶蘭を育てた経験が必要になります。

なので胡蝶蘭を一から大輪にまで育てるのは非常に難しいです。

 

それでも大きい胡蝶蘭を育てたいなら、元から多くの花を咲かせている胡蝶蘭を通販で購入し、それを自分で育てるのがおすすめ。

 

プレミアガーデンは、低価格で高品質な胡蝶蘭を販売しています。独自のルートで胡蝶蘭農家から入荷した胡蝶蘭を販売しているため、しっかりした胡蝶蘭を購入していただけます。

 

まとめ

胡蝶蘭を育て続けるなら、枯れてしまうまでに植え替えを行う必要は必ず数回は訪れます。

様子がおかしいときに根の状態を確認しつつ、整った環境の鉢に移すためという場合はもちろん、特に異常がなく3年以上育て続けられているとしても、病気を予防する意味で植え替えを必ず行いましょう。

そうすれば胡蝶蘭は長期間にわたり、素敵なお花を咲かせてくれること間違いないです。

 

大切なあの人にお花を送ってみませんか?