11月の晩秋に旬を迎える秋の花とは?おすすめの種類や花言葉などを紹介

11月になると赤く色づく紅葉の時期もすぎ、次第に冬の寒さを感じ出す時期です。だんだんと開花している花の種類が減っていき、物寂しい気持ちになる時期ですが、旬を迎える花は多数存在します。

本記事では、11月におすすめの花の種類や飾り付けに最適な枝ものを紹介します。併せて花言葉も解説するので、ぜひ参考にしてみてください。

11月におすすめの花材11選

秋らしい涼しさから夜間の冷え込みがだんだんと厳しくなる11月。良い夫婦仲をお祝いする「良い夫婦の日」や国民の祝日である「勤労感謝の日」といった特別な日があり、「芸術の秋」「スポーツの秋」らしく、発表会や催し物のイベント、スポーツ大会なども開かれています。

花の種類が減ってくる寂しさもありますが、11月には晩秋ならではの魅力が詰まった花がたくさんあります。

ここでは、11月におすすめしたい花を11種類に絞り、それぞれの花言葉や特徴などを紹介します。

アキイロアジサイ

科・属 アジサイ科・ アジサイ属
和名 秋色紫陽花(あきいろあじさい)
英名 Hydrangea
学名 Hydrangea macrophylla
原産地 日本
花言葉 「辛抱強い愛情」

アキイロアジサイは品種名ではなく、夏から秋にかけてアジサイの花がドライになっていく様子を秋色にたとえてつけられた呼び方です。褪せたアンティークカラーが上品で、梅雨の時期をすぎてから秋にかけて多く販売されている花材です。

美しく色の変化を楽しむコツは、開花してからはなるべく日陰で管理するようにし、強い日光や雨にさらさないようにすることです。近年では、美しく色が変化していくように、秋色向けに品種改良されたアジサイも販売されています。

アスター

 

科・属 キク科・カリステファス属(エゾギク属)
和名 蝦夷菊(えぞぎく)、薩摩菊(さつまぎく)
英名 China aster
学名 Calistephus chinensis
原産地 中国
花言葉 「信じる恋」「私はあなたを想うでしょう」

アスターは、和名の「蝦夷菊(えぞぎく)」の名前でも多く流通しています。お彼岸シーズンの印象が強いアスターですが、近年では品種改良によってやや小ぶりのダリアにも似た品種が登場しています。

一重咲きや八重咲きといった定番の咲き方以外にポンポン咲きのアスターもあるので、咲き方によって雰囲気の違いを楽しめます。なお、学名の「Callistephus」は「美しい花冠」という意味であり、冠状に花を咲かせる見た目から名付けられました。

オキザリス

科・属 カタバミ科・カタバミ属
和名 花片喰(はなかたばみ)
英名 Wood sorrel
学名 Oxalis
原産地 南アフリカ
花言葉 「輝く心」「決してあなたを捨てません」

オキザリスとはカタバミ科に属する植物の一群を指しており、学名の「Oxalis」から総称しています。カタバミ科の植物は世界中で800種類以上が分布し、低木状や球根状、ロゼット状、多肉植物に近い品種など、多様に存在しており、生育環境や開花期もそれぞれ異なります。

比較的丈夫な性質を持ち、繁殖力が大変強いことからガーデニングでも人気がある花です。園芸品種として人気があるのは、球根タイプのオキザリスです。球根の大きさも小〜大型まで幅広くあります。

カネノナルキ(金のなる木)

科・属 ベンケイソウ科・クラッスラ属
和名 縁紅弁慶(ふちべにべんけい)、花月(かげつ)、成金草(なりきんそう)
英名 Money tree
学名 Crassula ovata
原産地 南アフリカ
花言葉 「幸運を招く」「一攫千金」「富」

観葉植物として人気のあるカネノナルキ(金のなる木)は、開花期になると星形のかわいらしい小花を咲かせてくれます。色は白色やピンク色で、多肉植物らしいチャーミングな姿をしています。丸いコインのようにも見える多肉質のぷっくりとした葉は、新芽のうちはほっそりとしています。

この独特なネーミングは日本に出回り出した際、小さな葉に5円玉を通しておき、葉の根元にお金が実っているように演出して「金のなる木」として売られていたのが由来だといわれています。

カネノナルキは、株が小さくても花をつけやすい品種や大きく育たないと花が咲きにくい品種があるので、花を咲かせたい場合は購入前にチェックしておきましょう。

また、繁殖力が比較的強いため、葉を剪定して土に挿しておくだけでも株を増やすことができます。

カンツバキ

科・属 ツバキ科・ツバキ属
和名 寒椿(かんつばき)
英名 Camellia hiemalis
学名 Camellia sasanqua cv. Hiemalis
原産地 日本
花言葉 「謙譲」「愛嬌」「申し分のない愛らしさ」

樹高がそこまで伸びず、庭木として扱いやすいカンツバキは、サザンカとツバキの交配種だといわれています。11月から年を跨いで2月ごろまで長く開花を楽しめる花で、春の訪れまでに物寂しい景色になりがちな風景を彩ってくれます。

花の色は濃い桃色のものが多く、基本的には八重咲きか半八重咲きです。サザンカに似た花を咲かせることからサザンカをカンツバキと呼ぶこともありますが、カンツバキは枝を横に伸ばしていくという特徴があります。

ケイトウ

科・属 ヒユ科・ケイトウ属
和名 鶏頭(けいとう)
英名 Cockscomb
学名 Celosia cristata
原産地 アジア、アフリカ、アメリカ
花言葉 「おしゃれ」「個性」「色褪せぬ恋」

ケイトウは、もこもことしたあたたかみのある質感が秋冬らしさを感じさせてくれます。名前の由来である鶏のトサカのような「トサカゲイトウ」以外にも、円錐形の「ウモウゲイトウ」、槍状の「ヤリゲイトウ」、キャンドル型の「ノゲイトウ」など、形状のバリエーションが豊富です。はっきりした鮮やかなビビッドカラーや、深みを感じられる色合いが多いため、秋らしさを感じやすいでしょう。

ケイトウはフラワーアレンジメントのアクセントとして扱いやすい花材なので、近年では品種改良が重ねられ、ビビッドな色合い以外にも淡いイエローやグリーンの品種も増えています。

また、ドライフラワーにしても色褪せにくいので、観賞を楽しんだら新鮮なうちにドライフラワーにするのもおすすめです。

サザンカ

科・属 ツバキ科・ツバキ属
和名 山茶花(さざんか)
英名 Sasanqua, Camellia
学名 Camellia sasanqua
原産地 日本
花言葉 「ひたむきさ」「困難に打ち勝つ

サザンカは、ツバキと並んで日本の秋冬を彩る庭木として馴染み深い花です。10月から12月にかけて開花します。サザンカには色別の花言葉を持っており、赤は「謙譲」、白は「愛嬌」、ピンクは「永遠の愛」といった花言葉がつけられています。

ツバキの花とよく似ているサザンカですが、ツバキに比べると葉に厚みがあって小ぶりで、縁はギザギザとしているのが特徴です。

また、花の散り方が大きく異なり、サザンカは花びらがはらはらと散りますが、ツバキは花首ごと散っていきます。パッと見て見分けられないときは、地面を見て花の散り方から見分けてみましょう。

シクラメン

科・属 サクラソウ科・シクラメン属
和名 篝火花(かがりびばな)、豚の饅頭(ぶたのまんじゅう)
英名 Cyclamen
学名 Cyclamen persicum
原産地 地中海沿岸
花言葉 「内気」「はにかみ」「清純」「絆」「愛情」「思いやり」

秋冬の鉢物として、クリスマス前になると店頭で多く見かける花がシクラメン。茎先に一つずつ花を咲かせ、火が灯るようにも見えることから「篝火花(かがりびばな)」の和名でもお馴染みです。

一方で、「豚の饅頭(ぶたのまんじゅう)」といった和名もあり、かわいらしいシクラメンには不似合いな名前もつけられています。これは、英名の「sow bread」に由来しています。

シクラメンの球根には水分や養分が豊富に含まれ、飼育されている豚が掘り出して球根を食べていたことから「豚のパン」という意味の英名がつけられました。これを日本風に訳したことで、パンが饅頭に変わってしまったという経緯です。

シクラメンは、雨風から花粉を守るために花を俯かせて咲く控えめな様子から、「内気」「はにかみ」の花言葉がつけられました。

セルリア

科・属 ヤマモガシ科・セルリア属
和名
英名 Blushing Bride
学名 Serruria florida
原産地 南アフリカ
花言葉 「ほのかな思慕」「可憐な心」「優れた知識」

セルリアは、「ネイティブフラワー」や「ワイルドフラワー」という括りに分けられる南半球に自生する花です。ネイティブフラワーには茎や花が硬いものが多く、一般的な花びらとは大きく異なります。

「Blushing Bride(はにかんだ花嫁)」という英名を持ち、中でもセルリア・フロリダはダイアナ妃のブライダルブーケに用いられた品種として有名です。

セルリアの花びらは半透明で砂糖菓子のような甘やかな色合いが魅力であり、繊細な印象を受けます。触れてみるとぱりぱりとした乾燥感があり、花びらの硬さと透明感のある色合いからガラス細工を連想させるでしょう。

セルリアをドライフラワーにする際は、葉が落ちやすいので乾燥工程では注意してください。

ネリネ

 

科・属 ヒガンバナ科・ネリネ属
和名 姫彼岸花(ひめひがんばな)
英名 Nerine, Diamond lily
学名 Nerine
原産地 南アフリカ
花言葉 「また会う日を楽しみに」「華やか」「忍耐」

ネリネは、小さい花がたくさん咲いているような姿がヒガンバナによく似ていますが、ネリネの花はかわいらしいピンク色や淡い色合いが多く、全く違った雰囲気があります。

ネリネの花びらはフリルのように波打ったものが多く、光沢を持ってつやつやと輝いています。日光が当たると角度によってキラキラと煌めくので、「ダイヤモンドリリー」の別名でもお馴染みです。

カットされたダイヤモンドのようにさまざまな角度で小さな煌めきを放つネリネは、華やかでロマンティックな姿であることから高い人気を誇ります。輝きのある花びらには高級感もあるので、ブライダルシーンではブーケや花嫁の髪飾りにも用いられています。

フランネルフラワー

科・属 セリ科・アクチノータス属
和名 フランネルフラワー
英名 Flannel flower
学名 Actinotus helianthi
原産地 オーストラリア
花言葉 「高潔」「誠実」

毛織物のフランネルに似た質感が特徴のフランネルフラワーは、やわらかな細かい毛でふんわり覆われた白っぽい花が秋冬らしさを感じさせます。花びらに見える部分は葉が変形してできた苞ですが、触れてみると見た目通りにフランネル素材のようなやわらかさを持っています。

花びらの先端がうっすらと黄緑色に染まる様子はかわいらしく、いつまでも眺めていたくなるような可憐さがあります。フランネルフラワーは、主流は輸入品の切り花でしたが近年は国内栽培が盛んになり、鉢植えタイプのフランネルフラワーが多く店頭に並んでいます。

11月におすすめの実もの・枝もの3選

 

秋冬は枝ものや実ものを多く楽しめる季節でもあります。特に、枝ものはドライフラワーとして乾燥させることで長く観賞できるので、旬のうちに気に入った枝ものを購入しておくと良いでしょう。

ここでは、11月の間に入手しておきたい人気の実ものや枝ものを3つ紹介します。

コットンフラワー

科・属 アオイ科・ワタ属
和名 綿(めん)、綿花(めんか)
英名 cotton flower
学名 Gossypium
原産地 熱帯アフリカ
花言葉 「優秀」 「繊細」 「偉大」 「崇高」 「私を包んで」

ふわふわとした綿がかわいらしいコットンフラワーは、市場にはドライの乾燥状態で流通しています。本来の花はアオイ科のフヨウに似た華やかさを持っており、開花後に熟した実がはじけて白い綿毛が顔を覗かせます。この綿毛はコットン素材の原材料としても用いられています。

コットンフラワーの定番は白色ですが、あたたかみがあるブラウンの綿毛がかわいい「テディベア」という品種もあります。

枝もののコットンフラワーを一枝飾るだけで、ナチュラルでおしゃれなインテリアアイテムになります。クリスマスの飾りとしても人気が高いので、11月ごろになると見かける機会が増えるでしょう。

サンキライ

科・属 サルトリイバラ科・シオデ属
和名 山帰来(さんきらい)、猿捕茨(さるとりいばら)
英名 China root
学名 Smilax china
原産地 日本、中国、朝鮮半島
花言葉 「不屈の精神」「屈強」「元気」

サンキライは、日本国内の山地で見られるつる性の落葉低木です。トゲを持ったつるが周囲に絡みついて成長します。花材用のサンキライには、トゲがない品種もあるので安心です。

このつるに猿が絡まってしまうことから、「猿捕茨(さるとりいばら)」の和名がつきました。山帰来という和名の由来は、山中で病気になった人がサンキライの実を食べて生き延び、元気な姿で帰還したという話が由来だとされています。根茎が薬用に使われていた歴史があることから「屈強」「元気」の花言葉を持っています。

春から夏にかけて瑞々しいグリーンの実をつけ、徐々に赤く熟していきます。つやつやと光る小粒の実がかわいらしく、ドライにしたサンキライはクリスマスやお正月の飾り物として人気です。

ツルウメモドキ

科・属 ニシキギ科・ツルウメモドキ属
和名 蔓梅擬(つるうめもどき)、山柿(やまがき)、梅擬(うめもどき)
英名 Oriental bittersweet
学名 Celastrus orbiculatus
原産地 日本
花言葉 「大器晩成」「開運」「強運」

日本原産の落葉樹であるツルウメモドキは、9月ごろに緑色の実をつけ、徐々に橙色に色づいていきます。殻が弾けると中からかわいらしい黄色い実が覗く秋色の実ものであり、オレンジ色を基調にしたハロウィンの飾り物としても人気があります。

枝が太くボリュームがあるので、大きめの花瓶に2~3本のツルウメモドキを挿して、床などに直置きして飾ると季節感のあるインテリアアイテムになります。ただし、乾燥していくにつれてだんだんと殻が落下していくので、食卓を飾る枝ものとしては不向きかもしれません。

まとめ

11月は徐々に花の種類が少なくなってくる晩秋ですが、その時期に旬を迎える花が数多くあります。アキイロアジサイやアスター、オキザリス、ケイトウなど、さまざまな種類があるので、状況に合わせて選ぶことが可能です。

また、11月は枝ものや実ものも充実しているので、年を越す前にお気に入りの枝ものを入手しておき、ドライにして楽しむのも良いでしょう。

ぜひ本記事を参考に、11月の花や枝ものなどを部屋に取り入れて楽しんでみてはいかがでしょうか。

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