ドラセナを挿し木で増やそう!水挿しや挿し木の方法をご紹介
品種によってさまざまな雰囲気を楽しませてくれるドラセナを、挿し木で増やせないかと考えている人も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、観葉植物の株を増やす際に良く使われる挿し木方法の1つ「挿し穂」の手順をご紹介します。
手軽にできる水挿しや菅挿し、茎伏せのやり方にも触れますので、ご自宅のドラセナの品種や好みから、取り入れやすい方法で挑戦してみてください。
ドラセナってどんな植物?
ドラセナは熱帯アジア、熱帯アフリカを原産地とする植物で、年中、緑の葉を楽しむことができる常緑性の観葉植物です。
種類が非常に豊富で、細長く剣のように尖った葉が特徴的な品種もあれば、丸みを帯びた葉をつける品種、葉にストライプの綺麗な模様が入る品種、豊かな香りを放つ品種もあり、取り入れる品種によってさまざまな雰囲気を楽しませてくれます。
「幸福の木」や「真実の木」といった素敵な花言葉をもつ品種が多いほか、上向きに伸びる植物なので「陽の気」を持つ点も注目されており、縁起物として取り入れたり、贈り物に選ばれることも多い観葉植物です。
ドラセナは挿し木で増やすことができる
ドラセナは挿し木で増やすことが可能です。
挿し木とは切り落とした枝から発根させて増やしていく方法で、種から増やしにくい観葉植物で良く取り入れられている無性繁殖方法です。
初心者でも挿し木に適した時期と手順さえ守れば成功させやすく、お気に入りの観葉植物を好きな株数まで、好きな大きさで育てられますよ。
成長過程で剪定が必要となるタイミングが必ずきますので、切り落とした枝を捨てず、挿し木にしてドラセナを増やしてみてはいかがでしょうか。
ドラセナの挿し木に適した時期は?
ドラセナを挿し木で増やしたいと考えているなら、5月下旬〜9月までの間に行うのがおすすめです。
この時期が良いとされているのはドラセナの生育が盛んな時期であるためで、比較的早く発根が望めます。根付きも良く、安心して成長過程を眺めていられるでしょう。
ちなみに、ドラセナは気温が低くなってくると休眠期に入ります。この点を考えると、9月頃よりも、5月下旬から6月の間に挿し木を済ませてしまう方が良いかもしれません。
ドラセナの挿し木に必要なもの
ドラセナの挿し木に挑戦する場合は、挿し木をするための小さな鉢、挿し木用培養土、カッター、発根剤を用意します。
挿し木をする土は、水はけがよく、養分の少ない清潔な用土が適しています。赤玉土やパーライトなどがよく取り上げられますが、「挿し木用」と記載されている土を選べば迷わず準備できるでしょう。
必要なものにカッターを取り上げましたが、カッターがない場合は剪定に使用する園芸用のハサミでも構いません。ただ、ハサミよりカッターの方が枝の断面の細胞がつぶれにくく、発根もしやすいとされています。
発根剤はさまざまな種類が売られていますが、切り口につけるだけの粉末やジェルタイプなら取り入れやすいでしょう。
ドラセナの挿し木の方法
挿し木は、簡単に言えば「切り落とした枝を挿し木用の土に挿すだけ」で行えるわけですが、成功率を上げるためには細やかな作業を付け加えてあげる必要があります。
ここからは、ドラセナの一般的な挿し木の方法「挿し穂」の手順を解説します。作業の必要性にも言及しますので、参考にしながら実践に移してみてください。
ドラセナの枝をカットする
ドラセナを全体的にみて、バランスが悪くなっている場所の枝を切り落とします。切った枝は、発根を促しやすいように斜めにカットしておいてください。
ちなみに、枝は基本的にどこで切っても大丈夫ですが、切り口のやや下から新しい芽がでてくる点に注意しながら切った方が良いかもしれません。挿し木用の枝を確保するため適当に切り落とすと、親株が変な形に育ってしまう可能性があります。
難しいかもしれませんが、発芽して成長するシルエットを想像しながら剪定する場所を決めると、親株もきれいに成長し、引き続き美しい姿を楽しませてくれるでしょう。
余分な葉は取り除く
切り落とした枝に葉が付いている場合は、全体の半分ほどの葉を1/2〜1/3ほどに短くカットしてください。あるいは、枝先についている葉を2〜3枚だけ残して取り除いてしまっても構いません。
これは枝に残っている水分や切り口から吸収できる水分を葉が蒸散してしまうのを抑えるためで、水分不足とならないようにするための大事な工程です。
ちなみに、少し葉を残すのは光合成をさせるためです。
挿し穂を水に浸ける
切り口を斜めにカットして葉を取り除いたら、挿し穂を水に浸けます。
挿し穂の断面には根がないため、水を吸い上げる力が弱くなっています。挿し穂全体を水にしっかり浸けて、切り口だけでなく、枝や葉からも水分が吸収されるよう促してあげましょう。
挿し穂を水に浸ける時間は、一般的に2〜12時間ほどで構いません。
しっかり水揚げをした後は、切断面とその周りの茎全体に発根促進剤を塗布してあげてください。
用土に優しく挿す
水揚げをしている間に挿し木用の鉢と用土を用意しておきましょう。挿し木用の土は鉢に入れる前によくほぐし、塊がないようにしてください。この時土が不潔にならないよう、ビニールシートの上などで作業するのがおすすめです。
水揚げした挿し穂を用土に挿す時は、優しく扱う点に注意してください。挿したときに自立するよう適度な穴を空けておき、そっと挿します。
茎までしっかり入ったら土をかぶせ、優しく周りを抑えれば挿し木の完成です。
最後に水をたっぷりあげて用土を湿らせてあげましょう。
その他の増やし方
ドラセナの増やし方に観葉植物で一般的に選ばれる挿し穂の方法を取り上げましたが、この他にも「水挿し」「管挿し」「茎伏せ」といった方法もドラセナの株増やしに向いています。
それぞれの方法について詳しく紹介しますので、ご自身のやりやすい方法を選んで取り入れてみてください。
水挿し
水挿しとは、水に挿して発根を促す方法で、挿し穂の「用土に挿す」工程を「水に挿す」工程に変えるだけです。
剪定した枝は水分の蒸発を防ぐために葉を切り落とし、発根しやすいよう切り口を斜めにカットします。枝が倒れないサイズの花瓶を用意して挿し、時々水を交換しながら発根するのを待つだけです。
挿し木用の土がすぐに手に入らない時におすすめな方法であるほか、少し不格好にはなりますがすぐにインテリアとして取り入れやすい点も大きな魅力でしょう。
選ぶ際に注意すべきポイントをあげるとすれば、鉢上げが難しい点です。環境が水から土に変わることでドラセナが対応できなくなる可能性があるため、鉢上げの時期や手順、注意点を確認しながら行ってください。
管挿し
管挿しとは、葉がなく、茎の上下に切り口がある枝を使って挿し木をする方法です。ドラセナは種類によって葉のつき方や枝の長さが違うため、菅挿しを選ばなくてはいけないシチュエーションがあるかもしれません。
菅挿しの手順は挿し穂の流れとほぼ同じで、土に埋める方の断面を斜めに切り、しっかり水揚げをします。水揚げ後には発根促進剤を切り口に塗布し、用意しておいた挿し木用の土に優しく挿して水を与えれば完成です。
注意すべきポイントは、枝の上下を間違えないことです。作業している間に分からなくならないよう、枝を切り取った時点ですぐに発根する側の切り口を斜めにしておくのがおすすめです。
茎伏せ
茎伏せとは、茎を横に倒した状態で土の上に置き、発根を促す方法です。菅挿しと同様に茎の上下に切り口がある枝を使用しますが、茎伏せを行う場合は切り口は真っすぐのままでかまいません。茎の上下を気にする必要がない点も踏まえると、菅挿しより気軽に行える増やし方でしょう。
切り取った茎は十分に水揚げを行い、用意しておいた挿し木用の土の上に横に倒して置きます。土に触れる部分が広くなるよう、横にした茎の半分辺りまで土に埋まるようにすると良いでしょう。最後に水を与えれば完成です。
ある程度の成長が確認できて鉢上げをする際は、茎の向きを変えず、横向きのまま植え替える点に注意してください。
その後の管理方法
ドラセナは「挿し穂」「水挿し」「菅挿し」「茎伏せ」の方法で比較的簡単に増やすことができますが、新しい株として育てていくためには発根を促す期間や発根した後の管理方法が重要です。
そこでここからは、せっかくの挿し木が失敗に終わらないように気をつけたい管理方法について、3つのポイントを取り上げて解説します。
置き場所
完了した挿し木は、1日のうち半分くらい日が当たる半日陰に置いて管理してあげるのがおすすめです。日が当たることで光合成を促すことができ、発根にもつながります。
ただし、直射日光はおすすめできませんので、レースのカーテンなどを用いて光の強さを調節してあげてください。
また、茎や根が腐ったり土にカビが発生したりしないよう風通しの良い場所に置いてあげることも重要です。挿し木が倒れてしまわないよう風の強さに注意しながら、場所を選んであげましょう。
寒さには弱いため、気温が低くなる季節は人が過ごしている暖かい空間に移動してあげることも重要です。
水やり
挿し木を行う工程で2〜12時間しっかり水揚げをして、完成後にもたっぷりの水を土に含ませますが、挿し木をした後も継続して水やりを行ってください。発根するまでは水切れ厳禁です。土の表面の乾きを目印にして、たっぷりと水をあげましょう。
管挿しや茎伏せで挿し木を行う際の水やりでは、水苔を活用するのもおすすめです。挿し木を覆うように水苔を置くことで高温多湿の状態に保ちやすく、発根や発芽しやすくなるとされています。
肥料
肥料に関しては与えるタイミングが非常に重要で、まず、挿し木で発根や発芽をまっている間は肥料を与えないのがおすすめです。また、発根が確認でき、鉢上げする場合も根が土に落ち着くまでは肥料を与えない方が良いでしょう。
ではどのタイミングで与えるのかというと、鉢上げをした後、根が十分に張った頃からとされています。固形タイプの緩効性化成肥料なら2カ月に1回、液体タイプの肥料なら10〜15日に1回与えると良いとされています。
挿し木したドラセナ、鉢上げはいつ?
ドラセナの挿し木を普通の鉢に植え替える「鉢上げ」は、新芽が目印となります。
最も重要なのは発根してくれることなのですが、挿し穂や菅挿し、茎伏せの方法では発根しているかどうかが確認できません。そこで目印となるのが新芽です。新芽は発根していないと出てきませんので、新芽が確認できれば順調に成長していると判断できます。
では新芽がでたらすぐに鉢上げをしていいのかというと、少し我慢して期間を置くのがおすすめです。成長して大きくなるほど、鉢への定着率が高くなるでしょう。
ドラセナを育てる際のよくある質問
ここからは、ドラセナを実際に育てている人が疑問に感じたポイントを4つ取り上げて紹介します。
悩まされやすいトラブルの原因や解決方法をはじめ、贈り物にしたい時の品種選びにも言及しますので、ぜひ参考にしてください。
枯れてしまった。なぜ?
ドラセナが枯れてしまう理由は、大きくわけて4つあるとされています。
1つ目は日光不足です。熱帯地方で自生している植物なので、日光が不足すると元気がなくなり、病気や根腐れを起こして枯れてしまいます。
2つ目は気温が低い状況が考えられます。寒さに弱いため、気温が低い場所に放置していると凍傷を起こして変色し始め、枯れてしまうケースがあります。
3つ目は鉢の大きさが合っていない可能性があります。根詰まりを起こし、十分な水分や栄養を補えていない状態になっているかもしれません。
4つ目は水や肥料の与えすぎです。根腐れを起こして枯れてしまう原因になります。
どの原因に関しても上記で紹介した管理方法を守ることで解決が可能です。異変に気付いたらできるだけ早く、対処してあげてください。
ドラセナにつきやすい害虫は?
枯れる原因に取り上げていませんが、害虫もドラセナを枯らしてしまう原因になる可能性があります。どのような虫がつくかを把握しておき、早めに駆除することをおすすめします。
ドラセナに付きやすい害虫は、ハダニ、カイガラムシ、コナカイガラムシが有名です。
駆除方法としては、葉水や薄めた牛乳などを吹きかけて窒息死させる方法のほか、殺虫剤を使用するのも効果的です。
卵が残っていたり、見落としがあるとすぐに増えてしまうため、継続して駆除を繰り返すとより安心です。
地植えできる?
ドラセナは地植え可能な植物です。シンボルツリーとして活躍し、エスニックな雰囲気を楽しませてくれるでしょう。
ただし、ドラセナは寒さに弱い特徴を持つことから、冬に気温が10℃を下回る地域での地植えは難しいでしょう。元気なしっかりとした株でも越冬がうまくできず、ダメになってしまう可能性があります。
また、サイズ感にも注意した方が良いでしょう。種類によっては20m程まで伸びるものもあり、メンテナンスが大変になることも。
贈り物におすすめの種類は?
ドラセナは花言葉が「真実さ」「幸福」であることから、結婚や新築祝いなどの贈り物におすすめな観葉植物ですが、種類の豊富さに迷ってしまう人も多いのではないでしょうか。
もしドラセナ選びに迷ったら、「幸福の木」と呼ばれているドラセナ・マッサンゲアナはいかがでしょうか。とても縁起の良い花言葉を持つ、最もポピュラーな品種です。
スタイリッシュな雰囲気がお似合いな方には、ドラセナ・コンシンネがおすすめです。「真実の木」とも呼ばれ、独特な姿は存在感抜群です。
爽やかな雰囲気が良ければ、ドラセナ・レモンライムやドラセナ・ワーネッキーはどうでしょう。葉に白やラインが入っている品種で、明るく元気な気持ちにさせてくれます。
この他にもドラセナは種類が豊富です。贈り物として選ぶのを機に、さまざまな種類をそろえているフラワーショップを覗いてみてはいかがでしょうか。
ドラセナを購入するならプレミアガーデン
「ドラセナを購入したい」「お祝い用のギフトにしたい」とお考えなら、ぜひプレミアガーデンはいかがでしょうか。
プレミアガーデンはフラワーギフト専門店で、実店舗をもつフラワーショップでは実現できない豊富な花や植物をそろえている点が大きな魅力です。
イメージしていたドラセナが見つかるのはもちろん、数あるドラセナを見比べながら贈り物を選ぶことも可能ですよ。
インターネットを通して手軽にオーダーできる点も注目したいポイントで、贈りたいタイミングにも柔軟に対応いたします。
最後に、プレミアガーデンで取り扱っているおすすめなドラセナを3種類紹介しますので、ご自宅用に、ギフト用に、ぜひ参考にしてみてください。
ドラセナ コンシンネ7号
ドラセナ・コンシンネはスタイリッシュな容姿が魅力的な品種です。
全体的にはスマートさを感じますが、爆発しているように伸びている葉やスラッと伸びる幹は存在感抜群で、自宅やオフィスのインテリアとして活躍してくれることに間違いありません。
元気いっぱいに伸びる細長い葉の鮮やかな緑が印象的ですが、成長するにつれて幹がぐんぐん伸びていきます。葉の緑と白みがかった幹の色のコントラストが美しく、おしゃれな雰囲気を演出してくれるでしょう。
「真実の木」とも呼ばれ人気のあるドラセナの品種なので、ギフトとしても喜ばれるのではないでしょうか。
ドラセナ リフレクサ10号(鉢カバー付)
ドラセナ・リフレクサは「幸福の木」と呼ばれているドラセナ・マッサンゲアナの仲間です。葉色や葉先が垂れた細長い葉には優しい雰囲気があり、ご自宅やオフィス用にはもちろん、ギフトとしてもおすすめな品種です。
リフレクサは幹が柔らかい特徴を持つ品種なので、支柱などを使って好きな樹形に育てられる点も大きな魅力です。挿し木で株を増やし、さまざまな樹形づくりに挑戦してみても良いのではないでしょうか。
ナチュラルな麻の鉢カバー付きなので、すぐにインテリアとして取り入れられる点も注目してほしいポイントです。
ドラセナ ソングオブインディア10号
ドラセナ・ソングオブインディアは、クリームや白色のストライプが入っている葉をもつ品種です。緑色とのコントラストの美しさを楽しめるのはもちろん、ストライプがあることで明るい雰囲気があり、部屋に置くだけで空間を華やかに演出してくれます。目にした人の気持ちも、晴れやかになること間違いありません。
葉が小さめでかわいらしく、優しい印象を持つ品種でもあります。圧迫感も感じにくいため、贈り物に選んでも喜ばれるのではないでしょうか。
まとめ
ドラセナは常緑性の観葉植物で、年中きれいな緑を楽しませてくれます。「幸福の木」と呼ばれるドラセナ・マッサンゲアナが最もポピュラーな品種ですが、スタイリッシュさが光るコンシンネや樹形をアレンジできるリフレクサ、フレッシュさが印象的なソングオブインディアなど、選ぶ品種によってさまざまな顔を楽しませてくれます。
ご自宅やオフィスに置く観葉植物としてはもちろん、ギフトにもとってもおすすめです。
インテリアとして迎え入れ、さらには挿し木で増やしながら、ドラセナのある空間を存分に楽しんでみてはいかがでしょうか。