ストックの花言葉は「見つめる未来」色ごとの花言葉や由来を紹介
ストックは、冬から春にかけて咲く植物です。ピンクや白、赤、黄色とカラーバリエーションも豊富で、ガーデニングやアレンジメントとしても人気の品種。
今回は、ストックの特徴や、色別の花言葉、主な種類や育て方などを紹介していきます。
ストックの色ごとの花言葉
ストックの全般的な花言葉は、「永遠の美」「愛情の絆」「求愛」「見つめる未来」などです。この他に、花の色ごとの花言葉もあります。具体的にどのような花言葉なのか、色別に見ていきましょう。傾向としては、愛・恋に関連した、前向きで朗らかな意味合いの言葉が多いようです。
これらの花言葉は、人々がストックを愛でる理由のひとつ。以下で、ストックの色ごとの花言葉を紹介します。
白
白いストックには、「思いやり」と「ひそやかな愛」という2つの花言葉が込められています。
華やかなストックの中でも、花の色が白いものは可憐で清楚な雰囲気。こうしたピュアなイメージが、つつましやかな意味合いの花言葉につながるのかもしれません。
ピンク色
「ふくよかな愛情」がピンク色のストックの花言葉です。
ピンクの花を咲かせたストックはいくつもの花が集まるフォルムとも相まって、やわらかく優しい雰囲気。愛に満ちたハッピーな花言葉がよく似合います。
母性をイメージさせる事から、母の日の贈り物にもぴったりですよ。
赤色
赤いストックの花言葉は「私を信じて」です。
ストックの赤は色味が深く、とてもエネルギッシュ。情熱の赤、というように情熱的な想いを届けられそうです。情熱的な花言葉がぴったりとはまる雰囲気があります。
黄色
黄色いストックの花言葉は「さびしい恋」。
ストックの花言葉には基本的にポジティブなものが多く見られますが、黄色い花だけは少し後ろ向きな意味の花言葉がつけられています。西洋では黄色に「裏切り」などあまりよくないイメージもあり、これが黄色いストックのネガティブな花言葉の由来ともいわれています。なお、西洋で黄色に裏切りのイメージがついているのは、キリストを裏切ったユダが着ていた服が黄色だったとされていることが理由です。
紫色
紫色のストックの花言葉は「おおらかな愛情」。
紫の花を咲かせたストックは優雅な雰囲気。華やかさの中にも、落ち着きや気品がただよう、大人っぽいカラーです。年上の人へのプレゼントに選んでみるといいでしょう。
ストックの花言葉に怖い意味はある?
ストックの花言葉に怖いイメージを持っている人もいるようです。
前の項目で紹介した花言葉を見る限り、ストックの花言葉でとりわけ怖い意味合いのものはありません。
ただし、黄色いストックに関しては少しネガティブな花言葉であるため、これがストックの花言葉が怖いという解釈につながっている可能性はあります。
また、ストックの花には少し悲しいストーリーがあり、それが「愛情の絆」という花言葉の由来にもなっています。これが怖いイメージとしてとらえられている原因の1つかもしれません。次項で、このストーリーを少し詳しく紹介します。
花言葉の由来になったストーリー
昔、とある敵同士の国の王子と姫が恋に落ちました。
しかし、この2人の関係が姫の父に知られてしまい、姫は城から外に出られない状態に。それでも姫に会いたい王子は、夜になると城にロープを投げ入れ、それを伝って外に出てきた姫と逢瀬を重ねるようになりました。
そんなある日、悲劇が2人を襲います。いつものように姫の待つ城へロープを投げ入れる王子。そのロープを姫が伝っているときにロープが切れてしまいます。
姫は城から落ちて亡くなってしまいました。そしてその光景を哀れに思った神様が、姫を花の姿に変えました。この花が、「ストック」だといわれています。
「愛情の絆」とは、障害を乗り越え愛し合おうとする2人の物語にちなんだ花言葉なのです。花言葉だけ見れば幸せな意味合いですが、このような切ない背景が隠れています。
ストックの基本情報
科・属 | アブラナ科・アラセイトウ属(マッティオラ属) |
和名 | アラセイトウ |
英名 | stock |
学名 | Matthiola |
原産地 | 南ヨーロッパ |
ストックの特徴
ストックはヨーロッパ南部を原産とする春の花です。開花時期は3~5月頃。ただし、11月頃から市場には出回り始めます。長めの茎に複数の花が咲く、上品で可愛らしい見た目が特徴的です。花もちがよいことも特徴の1つで、切り花やアレンジメントによく使われています。結婚式のブーケなどにもよく登場する花です。古代ギリシャでは、薬草としても使用されていました。
ストックが日本に入ってきたのは江戸時代だといわれています。大正時代には切り花としての栽培もスタート。
なお、ストックは本来は多年草です。しかし、日本の湿気の多い気候はストックに適しているとはいえず、夏越しが難しいため、日本で栽培する場合は1年草として扱われることが多いでしょう。
ストックの名前の由来
ストックの名前は、「茎」「幹」という意味を持つ英語の「stock」に由来しています。茎が太い形状から、この名称が付きました。
なお、日本ではアラセイトウとも呼ばれます(漢字では「紫羅欄花」)。これは、ストックの葉がラセイタ(ラシャに似た毛織物)に似ていることから、始めに「葉ラセイタ」と呼ばれ、それが次第に変化してアラセイトウになったものです。
ストックはいつの誕生花?
ストックは花の色によっていつの誕生花であるかが異なります。
具体的には、
ピンク色:1月10日・2月8日
紫色:2月9日・2月20日
白色:3月2日・3月7日
です。また、特に花の色に関わらず、7月16日の誕生花もストックになっています。
ストックの種類
ストックにはさまざまな種類があります。一重咲き、八重咲き、スプレー咲きと、花の咲き方も種類によって多様です。
ここでは、ストックの主な種類とそれぞれの特徴などを紹介します。
人気の「スタンダードタイプ」
ストックの中で最もポピュラーな種類がこのスタンダードタイプです。小さな花がいくつも付いており、茎が硬め。また、他の種類より香りが強いことも特徴の1つ。なお、スタンダードタイプの中では、特に白い花の人気が高いようです。
切り花の定番「スプレーストック」
スタンダードタイプが茎にそのまま花が付いているのに対し、スプレーストックは茎の上部が枝分かれし、その先に花が付きます。
扇状に広がるフォルムで豪華な雰囲気があり、切り花でよく好まれる種類。また、香りが良いことも大きな魅力です。
園芸品種「キスミーシリーズ」
キスミー系ともいわれるキスミーシリーズは、ストックの園芸品種です。基本的に寒さに弱いとされるストックですが、このキスミーシリーズは氷点下の寒さにも耐え得るなど、耐寒性が高いことが大きな特徴。極早生種なので種まき後約3ヶ月で花が咲きます。
また、ストックには一重咲き・八重咲き・スプレー咲きなど、花の咲き方の種類もあります。一重先は花弁が一周のシンプルなタイプ、八重咲きは花弁が重なっているより華やかさのあるタイプです。
スプレー咲きは、スプレーストックの枝分かれする咲き方のことをいいます。一重咲きよりも八重咲きの方が香りは強めです。なお、八重咲きには種がありません(一重咲きの苗から八重咲きを選別します)。
ストックの育て方
ストックは自分で育てて楽しむことも可能です。
ここからは、ストックの育て方の基本を解説します。比較的丈夫で育てやすい種類なので、普段あまり園芸をしないという方でも挑戦しやすいといえますよ。
種か苗か、地植えか鉢植えかなど、植え方による違いなどもあるため、自分がストックを栽培する環境に合わせた育てることを意識しましょう。
植え付け
まずは、種か苗を植え付けます。種から育てるなら9〜10月頃、苗から育てるなら出回っている頃が植え付けの時期です。苗を購入したらすみやかに植え付けてください。
植え付けは地植えでも鉢植えでもどちらでも大丈夫です。地植えの場合はまず土を耕してふかふかの状態にします。植えるときには、他の種・苗と数十cm間隔をあけることがポイントです。
鉢植えの場合は、少し大きめの鉢を用意してください(苗であれば2回りほど大きいもの)。軽石を鉢の底に敷き水はけをよくします。水やりをしたときに水が鉢からあふれないよう、縁から数cmほど余裕を見て土を入れるとよいでしょう。
置き場所
ストックは日当たりのよい場所を好む植物です。地植えの場合は日がよく当たる場所を選んで植え付けてください。鉢植えの場合は植え付けた後、窓際など日が当たりやすい場所に置くことを意識しましょう。
また、ストックは湿気が弱点なので、通気性のよい環境も必須。屋内の場合は特に湿気がこもらないよう、風通しのよさも考えて置き場所を探しましょう。
なお、ストックは寒さにも弱いので、冬場など気温が低い時期も注意です。鉢植えであれば屋内の暖かい場所に移動させます。地植えであれば、マルチで覆うなどの寒さ対策が必要です。
水やり
前述の通り、ストックは湿気に弱いため、水も与え過ぎは禁物です。
水やりが多過ぎると根腐れなどが発生する可能性もあるため注意してください。土の表面を触って、乾いている状態なら水やりをします。
鉢植えに水を与える場合は、鉢の底から水が出てくるくらいの量でOKです。
地植えの場合は基本的に雨などで必要な水を得ているため、それほど意識的に水やりをする必要はありません。長く雨が降らない日が続いたときなどは、土の乾き具合を確認して、乾燥し過ぎているなら適度に水をあげてください。
用土・肥料
ストックはこの土でなければならないといった難しさはありません。幅広い土質でよく育ちます。ストックに適した土から作るなら、腐葉土などを混ぜるとよいでしょう。
また、肥料も必ず与えなければならないわけではありません。もし加えるなら、土作りの段階で堆肥などを混ぜるのもありです。植え付けをした後には特に肥料をプラスしなくても育成可能です。追肥する場合は、開花時期に1ヶ月に2回ほど液体タイプの肥料をあげるのが望ましいでしょう。
植え替え
ストックは植え替えに向かない植物です。これは、ストックの根に真っ直ぐ伸びていく性質があり、根が何かに触れることを嫌うため。
また、先に述べた通り、日本ではストックは1年草として扱われることがほとんどであり、年を越さないので植え替えの必要がないともいえます。できるだけ植え替えせずに同じ場所で育てるのがおすすめです。植え付けの項目でも説明したように、植え付け段階で少し大ぶりの鉢を使う・周りの種や苗と離しながら植えるなど、植え替えなしで育つようにしておきましょう。
ストックを育てる際に注意すべき病害虫
ストックは基本的に病害虫にも強い植物です。しかし、全く病害虫のリスクがないわけではありません。ここからは、ストックを育てる際に注意すべき病害虫について解説します。元気にストックが育つよう、しっかり対策しましょう。
病気
ストックでしばしば見られる病気には立ち枯れ病などがあります。立ち枯れ病は根や茎から感染し、生育が悪くなっていく病気。進行すると枯れてしまいます。原因は、土の中にいるカビです。立ち枯れ病を防ぐためには、植え付けの際に古い土を使わず、新しい土にするなどの対策が必要です。
また、葉にモザイク模様が現れるモザイク病などもストック栽培で気を付けたい病気。モザイク病は発生すると治らないため、その株を諦めるしかなくなります。アブラムシが媒介するウイルス病であるため、アブラムシの駆除が予防につながります。
その他、灰色かび病もストックによく見られる病気です。葉や花の傷からカビが侵入して生じる病気であり、先端部の変色や萎れが引き起こされます。湿気の多い環境で発生しやすいため、多湿にならないよう注意することが大切です。
害虫
ストックにつく害虫としてよく見られるのはアブラムシです。アブラムシが発生すると栄養分が吸い取られてしまうため、生育に影響が出ます。
また、ウイルス病の媒介になることもあるので、見つけ次第早めに駆除がマストです。こすって落とす・シャワーで洗い流すなど直接駆除する方法の他、薬剤を散布して駆除する方法もあります。
また、土にアブラムシを寄せ付けない薬剤を混ぜるなどの方法も。その他、ヨトウムシ・コナガなど、ストックを食い荒らす虫もいるので、こちらも見つけたら薬剤などで駆除しましょう。温室など屋内で栽培するなら、入口や換気扇など、害虫が入り込みそうな部分を防虫ネットで覆うのも1つです。
ストックを贈るのにおすすめのシーン
それでは最後に、ストックを贈るのにおすすめのシーンを紹介します。愛情深い花言葉が多いストックはフラワーギフトにもぴったりです。美しい花がさまざまなシーンを華やかに演出してくれるはずよ。
また、受け取った相手も喜んでくれるでしょう。なお、花の色によってはネガティブな花言葉があるので、誤解を与えないよう万全を期したいなら、カードなどを添えて贈るのもありです。
恋人への贈りもの
愛や恋に関する花言葉の多いストックは恋人への贈りものとしておすすめです。いつもはなかなか伝えられない愛の言葉を、ストックに込めて贈ってみてはいかがでしょうか。
また、まだ想いを伝えていない相手に、「ひそかな恋」の花言葉を持つ白いストックを贈れば、素敵な告白が演出できるかもしれません。
ただし、黄色のストックは少々ネガティブな意味合いなので注意が必要。もし贈る相手が黄色が好きなのでその色を選びたいなどの理由があるなら、前述のようにメッセージカードをプラスするなど工夫してみてください。
お見舞い
華やかな花が見る人の気持ちを明るく元気にしてくれるストック。病気やケガの人へのお見舞いとしてもおすすめできます。なお、お見舞いでストックを贈る場合は花束やアレンジメントなど切り花がよいでしょう。鉢植えをお見舞いの品に選ぶのは避けた方が無難です。鉢植えは植物が土の中に根を張った状態になっていますが、これが「寝付く」という言葉を連想させるため、お見舞いで贈るのは縁起がよくないとされています。
卒園・卒業祝い
卒園・卒業祝いなど、節目の贈り物としてもストックはぴったりです。カラフルかつエレガントなストックは、大切な門出を美しく祝福するためのギフトにふさわしい花。
ストックのみで花束などをつくるのもよいですが、他の草花との相性も抜群なので、華やかなストックをメインにさまざまなアレンジをするのも素敵ですよ。
まとめ
ストックには、愛情に満ちた花言葉が多くつけられています。
ストックの花言葉は怖いというイメージを持っている人もいるようですが、一部ややさびしい・せつない花言葉があるくらいで、怖い意味合いはありません。
病害虫などに強く、栽培しやすい植物なので、きれいな花を育ててみたいという園芸初心者にもぴったり。また、華やかでエレガントな見た目はフラワーギフトにも適しています。花言葉などを意識しながらプレゼントすれば、より素敵な贈り物になるでしょう。
この記事でストックに関する知識を深め、ガーデニングやギフトシーンに取り入れてみてくださいね。