水仙(スイセン)の花言葉は怖い?色や種類ごとの花言葉・由来を紹介

水仙(スイセン)の花言葉をご存じですか?白や黄色などの花を咲かせる美しい植物ですが、その花言葉に「怖い」というイメージを持っている人もいるようです。

一体そのイメージは、どこからくるものなのでしょうか。

本記事では、スイセンが持つ花言葉とともに、なぜ怖いイメージがついているのかその理由を解説します。

また、スイセンの特徴や代表的な種類、育てる際のポイント、おすすめの贈り方なども紹介するので、ぜひご覧ください。

スイセンの色・種類ごとの花言葉

スイセン全体の花言葉としては、「自己愛」「うぬぼれ」「神秘」などが挙げられます。その他、スイセンの花の色や種類によって、さらに細かな花言葉も存在するんですよ。

まずはスイセンの色・種類ごとの花言葉を見ていきましょう。併せて、種類による特徴などにもふれていきます。

白色

白いスイセンの花言葉は「神秘」

スイセンは冬から春によく育つ植物であり、厳しい寒さの中で開花を迎える種類も多く見られます。雪が降り積もるほどの寒さの中でも、強く清廉とした佇まいで咲き誇る白いスイセンはまさに神秘的な空気をまとっており、その姿にふさわしい花言葉です。

黄色

黄色いスイセンの花言葉は「もう一度愛してほしい」「私のもとへ帰って」

スイセンの明るく優しいイエローは元気や爽やかさが感じられるような色合いですが、そこに添えられている花言葉は色調とギャップがあり、せつないメッセージが込められています。

ピンク色

ピンク色のスイセンの花言葉は「上品な」

ピンク色のスイセンは可愛らしさとともに、真っ直ぐのびた茎や葉が凛とした雰囲気もただよわせます。そんな魅力がやわらかくも気品にあふれた姿を連想させるのかもしれません。

 

ラッパスイセン

ラッパスイセンの花言葉は「尊敬」「報われぬ恋」

ラッパスイセンは、真ん中の大きなカップ部分が前に出ていて、ラッパのように見えることが特徴的な種類です。原産は西ヨーロッパ。華やかで可愛らしい見た目とは異なり、少し悲し気な意味合いの花言葉も持っています。

クチベニズイセン

クチベニズイセンの花言葉は「すてきな装い」「詩人の心」。ヨーロッパや地中海沿岸を原産とする種類で、カップの縁部分に口紅を塗っているように見えることが和名の由来になっています。カップの中で縁と縁以外の異なる色合いを楽しめることが魅力の1つ。すてきな装いという花言葉も、おしゃれな見た目にぴったりです。

スイセンの花言葉に怖い意味はある?

美しい花が咲くスイセンですが、花言葉に怖い意味があるというイメージを持っている人もいます。確かに「うぬぼれ」といったあまり良くないイメージの言葉も水仙の花ことばに含まれます。それではなぜスイセンの花言葉に怖いイメージがついているのでしょうか。

その理由の1つには、スイセンに毒性があることが影響していると考られます。スイセンにはリコリン、ガランタミンなどの毒を持つ成分が複数含まれており、体内に入ると嘔吐・下痢などの症状が現れ、最悪の場合命にもかかわります。

また、切り口からでる液に触れてしまうとかぶれることも。この強い毒性がスイセンの怖いイメージにつながっているのかもしれません。

そして、スイセンにはギリシャ神話にまつわる悲しい言い伝えがあり、それがスイセンの花言葉の由来にもなっていることから、怖いイメージに関係している可能性も考えられます。

花言葉の由来となった神話

スイセンの花言葉の由来ともなったギリシャ神話の主人公は、とても美しい少年ナルキッソスです。このナルキッソスにエコーという森の妖精が恋をし、アプローチを試みます。しかし、エコーの想いはナルキッソスには届かず、断られてしまいます。

悲しみに暮れたエコーは声を残すだけの姿になってしまいました(これが山びこなどを現す「エコー」の由来です)。

エコーに同情しナルキッソスの無常さに怒りを覚えた神々たちは、ナルキッソスに呪いをかけ、池の水に映る自分自身しか愛せないようにしてしまいます。

その結果、ナルキッソスは池に映る自分を好きになり過ぎて、池に落ちて死んでしまうのです。その池の水辺に咲くようになった花が、スイセンだと言い伝えられています。

スイセンは贈りものには適さない?

スイセンには切ない言い伝えもありますが、基本的には「春を告げる花」とも呼ばれ贈り物として喜ばれます。優しく爽やかな色合いで、受け取った相手も明るい気持ちになるでしょう。

ただし、前にも触れた通り、スイセンには強い毒性があるので十分な注意も必要。例えばペットや子どものいる家庭では、近くに置いたときに誤って口にしてしまう可能性もあるため、プレゼントに選ぶ際にはよく検討した方が良さそうです。

また、「自己愛」や「報われぬ恋」などの花言葉があるので、贈った相手に誤解されないよう気を付けましょう。メッセージカードを添えるなどの配慮をおすすめします。

スイセンの基本情報

花言葉についてわかったところで、次はスイセンの基本情報を見ていきましょう。

科・属 ヒガンバナ科スイセン属
和名 スイセン
英名 narcissus、daffodill(ラッパスイセン)など
学名 Narcissus
原産地 スペイン・ポルトガルなど北アフリカまでの地中海沿岸・アジア中部など

スイセンの特徴

非常に特徴的な形であるスイセンの花。その花弁に見える部分は主に3つに区別されます。真ん中の筒状の部分が「副花冠」、その周りをぐるりと囲む6枚の花びらのうち、内側にある3枚が「内花被片」、外側にある3枚が「外花被片」です。なお、副花冠は種類により大小・長短・色・縁の形状などが異なります。また、花被片も色や形、サイズなどがさまざまです。

日本には、中国を経由してニホンズイセンが伝わってきたと言われています。伝わった時期についてははっきりしていませんが、室町時代以前という説があるようです。

現在は国内の本州以南に広く分布しており、野生化しているものも見られます。漢字では「水仙」と書き、中国でもこのように表しますよ。和名の「スイセン」は、漢字を日本語読みしたものです。

スイセンはいつの誕生花?

スイセンは、花の色や種類によって何日の誕生花かが異なります。例えば色で言えば、

黄色:1月2日、4月3日

白色:1月3日、1月13日

の誕生花とされています。

種類であれば、以下のようになっています。

クチベニズイセン(一部ニホンスイセン):12月29・30・31日

ラッパスイセン:2月16日

誕生花とされている日にバースデーを迎える人に、贈り物としてスイセンをプレゼントするのも素敵ですね。

 

スイセンの種類

スイセンには大量の園芸品種があり、系統はラッパズイセン、大杯ズイセン、小杯ズイセン、八重咲きスイセン、芳香ズイセン、房咲ズイセン、トリアンドラスズイセン、シクラミネウスズイセン、スプリットコロナスイセン、バルボコジュームの改良品種……などに分けられます。

ここでは、スイセンの代表的な種類についてそれぞれの特徴などを見ていきましょう。

ピンクチャーム

副花冠が大ぶりのラージカップ・スイセン系の種類です。

副花冠はオレンジがかったやわらかなサーモンピンク、周りに広がる白い花被片の華やかさも相まって、可憐な雰囲気がただよいます。スイセンの中では比較的珍しい品種に分類されるため、ユニークな形・カラーのスイセンに興味がある人におすすめです。

バレットブローニング

日本では「小杯水仙」とも呼ばれます。明るいオレンジイエローの小さなカップが印象的な種類です。副花冠に対して花被片が大きく、また花のサイズも大ぶり。副花冠と花被片の色のコントラストがはっきりしていて美しいことも大きな特徴です。

ニホンスイセン

古くから日本で愛されてきた品種。スイセンと言えば、ニホンスイセンを思い浮かべる人も多いでしょう。1房に多数の花が咲く、房咲きという種類です。副花冠は小さめ。可憐でやさしい雰囲気が魅力的で、ふんわりと良い香りも楽しめます。

日本の中で特に人気の高い種類です。

黄房スイセン

ニホンスイセンとよく似た形のスイセンです。同じく房咲きの形状。

ニホンスイセンと異なるのはその色合いです。ニホンスイセンは副花冠が黄色、花被片が白色ですが、黄房スイセンは副花冠がオレンジ、花被片が黄色となっています。明るいカラーで華やかさがあり、目を引く種類です。

ハウエラ

ミニ水仙とも呼ばれる小型の種類です。花も茎も葉もコンパクトなサイズ感。花の淡い色合いや全体のほっそりとしたつくりから、可愛らしく繊細な雰囲気があります。

栽培できるスペースがあまり確保できない場合などに適した種類とも言えます。

エルリッチャー

副花冠・おしべ・めしべも花弁のような形状になり、幾重にも花弁が重なったような咲き方をする八重咲きスイセンと呼ばれる種類です。

花弁の数が多く非常に豪華で見応えのある花が特徴的。特に華やかな種類を好む人にぴったりです。花の色は淡い白でゴージャス感とともに上品さも感じられます。

1つ1つの花のサイズはそれほど大きくなく、ころころした可愛らしいフォルムも魅力です。

ナルキッスス・バルボコディウム

花全体がラッパのような円錐形をしています。スイセンの中では小型の種類で、見た目は比較的シンプルかつスリム。すっきりした見た目から、清楚な雰囲気の花を好む人に人気があります。

スイセンの育て方

スイセンは自分で育てて成長を楽しむこともできます。

スイセンは育てやすい植物なので、園芸初心者でも栽培の上での失敗が少なくおすすめですよ。ここからは、スイセンの育て方について詳しく解説します。基本的なお世話の方法や、注意点なども見ていきましょう。

植え付け

鉢植えに植え付ける場合は、根がきゅうくつにならないよう、一回りか二回り大きな鉢を選んでください。また、スイセンは水はけの良い環境を好むため、鉢底石を敷くこともポイントです。

地植えの場合は、周りの株と株の間があまり近くならないよう、20cm前後の距離を取りながら植えると良いでしょう。なお、苗でなく球根を植えるなら、球根2個分くらいの深さに土を掘り埋めるのがおすすめです。

また、スイセンは品種によって秋・冬・春と開花の時期が異なります。自分が育てるスイセンの種類を調べ、開花の時期を考えて適切なタイミングで植え付けることも大切です。

置き場所

スイセンは日光がよくあたる場所ですくすく育ちます。鉢植えなら日当たりの良い場所を選んで置いてください。ただし、スイセンの休眠期である夏場(7〜9月)は、日光によって土が温まり過ぎると球根が疲れてしまう可能性があります。夏場は日陰など、日光が直接当たりにくい涼しい場所を選んで置きましょう。

なお、地植えの場合は水はけの良い場所に植えることも大切です。雨が降った際、水が溜まってなかなか引かないような場所に植えると根腐れを起こす可能性があります。

水やり

スイセンは、生育期と休眠期で水のあげ方を変えることもお世話のポイントです。

生育期にあたる冬から春は、土が乾くたびに水をあげます。花が枯れ葉だけの状態になってもスイセン自体は成長しているので、水やりは欠かさないようにしましょう。ただし、地植えの場合は土が極端に乾かない限りは、そこまで頻繁に水をあげる必要はありません。

休眠期にあたる夏は葉が全て枯れ落ち、成長が一時ストップするため、水やりもお休みです。

用土・肥料

スイセンはあまり土質を選ばない植物です。先にも述べましたが、スイセンを育てる際の土で最も重視すべきなのは水はけ。土自体の栄養などはあまり難しく考えなくても良いでしょう。自分で土を作る場合は、赤玉土と腐葉土を混ぜるなどが考えられます。また、オリジナルで土作りをしなくても、例えばホームセンターなどで販売されている一般的な培養土を使っても問題ありません。

肥料に関しても必ず与えなければいけないわけではないので、なくても大丈夫です。もし肥料を使うなら、花がよく育つようリン酸が多く含まれているものなどがおすすめ。ただし、肥料をあげ過ぎると球根が腐りやすくなるので注意が必要です。

注意すべき病害虫

スイセンは基本的にはとても丈夫な植物で、あまり病害虫のトラブルが発生することはありません。しかし、稀に軟腐病やウイルス病にかかってしまう場合も、軟腐病は細菌によって引き起こされる病気で、増えた細菌によって養水が妨げられることにより、葉が枯れたり根腐れが起こったりします。

ウイルス病は虫などを媒介する伝染病で、発生すると葉や花弁がまだらのモザイク模様になったり、株が萎縮したり、黄化したり、全体にさまざまな状態が現れます(モザイク病とも呼ばれます)。

このような病害虫を予防するため、薬剤などを使用するのも良いでしょう。

また、咲き終わった花をそのまま放置せず摘み取ることも、病害虫の予防につながります。

おすすめのスイセンの贈りかた

先に述べた通り、見た目が美しく春にかけて花を咲かせるスイセンは、プレゼントとしても適しています。

素敵な花言葉を持つ色・種類や見た目の特徴などで選び、素敵なスイセンのフラワーギフトを大切な人に贈りませんか?

最後に、おすすめのスイセンの贈り方を紹介します。

鉢植え

鉢植えギフトの中でも、スイセンは人気の種類です。

育て方の段落でも述べた通り、スイセンは強く栽培しやすい植物であるため、園芸好きはもちろんのこと、園芸ビギナーでも簡単にお世話できます。

また、鉢植えは長く楽しめることも魅力。スイセンは多年草なので、上手に育てれば毎年きれいな花を咲かせてくれるでしょう。

花束

鉢植えは縁起として避けたいというシーンもあるかもしれません(「根付く」という解釈がなされ、お見舞いなどには避けた方が良いという考えがあります)。

また、贈る相手が基本的に植物のお世話が苦手なタイプというケースもあるでしょう。

そんな場合はスイセンの花束がおすすめ。花束であれば花瓶に入れて飾るだけなので、お世話の手間などはほとんど発生しません。

やわらかく明るい色合いや可憐な花が魅力的なスイセンの花束は、幅広いシーンにマッチしますよ。

寒さに負けず成長し、きれいな花を咲かせるスイセンは縁起の良い植物とされていることから、おめでたい場面での贈り物にもぴったり。潔くスイセンのみでまとめる花束も良し、また他の花と組み合わせながらアレンジするのも素敵でしょう。

まとめ

スイセンには色や種類によってさまざまな花言葉が付けられています。その中には少し悲しい雰囲気のものもありますが、決して怖い意味ではありません。

毒性があるため、食用にされることがないようしっかり注意は必要であるものの、見た目の美しさから素敵なフラワーギフトとして喜ばれやすいでしょう。

なお、贈る相手や贈るシーンによっては、花言葉を勘違いして受け取られないよう、メッセージカードを添えるなどの配慮をしておくとベストです。

また、自分が園芸を楽しむ際、誰かに送って栽培を楽しんで欲しい際にもスイセンをセレクトするのがおすすめ。ぜひ今回紹介した内容を参考に、園芸やギフトシーンなど、さまざまな場面でスイセンを取り入れてみてくださいね。

大切なあの人にお花を送ってみませんか?