暑中見舞いに贈る花とは?夏にぴったりなフラワーギフトを贈ろう

暑中見舞いは、暑い夏に相手の体調を気遣って贈る季節の習わしです。

はがきや手紙で気持ちを伝えたり、日ごろお世話になっている人や会社の取引先宛には、お菓子やフルーツ、飲み物を贈ったりするのが一般的。

しかし、食べ物には好みがあるため何を選んだら良いか悩んでしまうという人も多いのではないでしょうか。

そんな人におすすめしたいのが、フラワーギフトです。

季節を感じられる花の贈り物は、お部屋に飾るだけで夏バテした心と体をそっと癒してくれるはずですよ。

今回の記事では、意外と知らない暑中見舞いのマナーと、おすすめしたいフラワーギフトを紹介します。

暑中見舞いはなぜ贈る?

暑い夏に相手の体調を気遣って暑中見舞いを贈るようになった背景には、お盆の贈答習慣が関係しています。

お盆とは、日本で夏に先祖の霊を弔う行事のことを言います。日本に古くからあった民間信仰と仏教が結びついた行事なので、地域によってお迎えの仕方や日付が異なるのも特徴です。

古くからお盆の時期には、先祖の霊にお供え物をする風習がありました。それが後に、親戚やお世話になった人への贈り物になり、さらに簡略化され手紙やはがきに変化したのが現在の暑中見舞いです。

暑中見舞いと聞くと、スイカや風鈴を描いたはがきを思い浮かべる人が多いのはこのためですね。

暑中見舞いとお中元は何が違う?

夏に贈るギフトと言うと、お中元を思い浮かべる人が多いかもしれません。

暑中見舞いははがき、お中元は品物というイメージがありますが、暑中見舞いという名目でも品物を贈ることができます。

実はお中元の起源は中国の道教。道教で中元(旧暦の7月15日)には、罪をつぐなうために神様に捧げものをする風習がありました。それが日本に伝わり、親しい人に日ごろの感謝を伝える日へと変化したと言われています。

一方暑中見舞いは、先ほど紹介した日本のお盆の風習が由来です。現在の暑中見舞いは、年賀状と同様、はがきや手紙を贈る「季節の挨拶」として認識されています。

暑中見舞いとお中元、贈る時期に違いはあるの?

では、暑中見舞いとお中元、贈る時期に違いはあるのでしょうか。

暑中見舞いは、地域に関係なく小暑(毎年7月7日頃)から立秋(毎年8月7日頃)に贈るのが基本です。立春以降に出す暑中見舞いに関しては、残暑見舞いとして扱われ、はがきや手紙に書く挨拶や文言が異なります。

お中元は、地域によって出す時期が異なります。

東日本では、新暦に合わせた7月1日から15日、西日本では旧暦に合わせた8月1日から15日に贈るのが一般的です。最近では地域に関係なく、お中元は7月1日から15日に贈るという人も増えてきました。

暑中見舞いとお中元は時期が近いので立て続けに品物を贈ることはせず、暑中見舞いにははがきで便りを届け、お中元という名目で品物を贈るという人が多いようです。

暑中見舞いにはフラワーギフトがおすすめ

暑中見舞いは、日ごろの感謝の気持ちを伝え、過ごしづらい暑い夏の時期に相手の体調を気遣う季節の挨拶であることを紹介しました。

お部屋に飾るだけで心と体を癒してくれるフラワーギフトは、暑中見舞いの本来の由来にもぴったりの贈り物です。食べ物のように好き嫌いがなく、季節を感じることができるので、特別感のある贈り物として喜ばれるでしょう。

ここからは、暑中見舞いにフラワーギフトを選ぶメリットをみていきましょう。

季節感を感じられる

例えばひまわりを見ると夏が来たなと感じる人は多いでしょう。花はその美しさと一緒に季節を感じることができる贈り物です。

暑い夏の時期に生命力に満ち溢れて咲き誇る花を見ることで、不思議と元気が湧いてくることもあるはず。

またこの時期には、水ようかんやゼリー、素麵といった涼を感じる食べ物を贈ることも多いです。フラワーギフトの中でも爽やかさや清涼感を感じる色味の花を選べば、見るだけで暑さが和らぐような気持ちをお届けできるでしょう。

好き嫌いがあまりない

暑中お見舞いといえば、お菓子やゼリー、ジュースやビールといった飲料が定番です。

しかし、食べ物には好き嫌いがあったり、同じ時期に同じものが届いて食べきれずに困ってしまったりなんてことも。

花の贈り物なら受け取って嫌な気持になるという人は少なく、普段日常的に花を飾る習慣のない人には特別感のあるギフトに感じられるはずです。

また、切り花には寿命があるので枯れるとなくなってしまい、相手の負担になることもありません。

ただし、香りの強い花に関しては苦手とする人や、水替えなどの管理を億劫に感じる人もいるので、入れる花や贈るスタイルに配慮すると良いでしょう。

暑中見舞いに贈る花にはどんなスタイルがある?

暑中見舞いは、手渡しで届けるよりも郵送するという人が圧倒的に多いです。繊細なイメージのある切り花を宅急便で送っても大丈夫なのか不安に思う人もいますよね。

花屋さんでは、専用の段ボールに花を固定して配送します。

配送の場合、作った当日、あるいは翌日に相手先に届くため、届いたときにいちばん綺麗な状態になるように配慮して花束やアレンジメントを製作します。

なぜ突然花が届いたのか分からない……なんてことにならないように、フラワーギフトを贈る際には暑中見舞いのお手紙を添えて届けるのがおすすめです。

花が好きな人には花束スタイル

花のギフトと聞いてイメージする人が多いのは花束のスタイル。希望のイメージや色合いで季節の花を美しく束ねてもらうことができます。

手持ちの花瓶を選んで飾ったり、大きな花束を分けて好きな組み合わせで楽しんだりと、届いてからも花を生ける楽しみがあるのが花束です。花が好きで、普段飾る習慣がある人には花束のスタイルが喜ばれるでしょう。

花瓶を持っているか分からないという人には、花瓶とセットで花束を贈るのも素敵です。

お店や忙しい人にはアレンジメント

お店やオフィスに贈る暑中見舞いなら、花を器に短く生けたアレンジメントスタイルがおすすめです。

フラワーアレンジメントは、器にオアシスという給水させたスポンジが入っています。そこに花をアレンジしているので、届いたらそのまま飾ることができ、花束よりも管理が楽なのがメリットです。

茎を短くカットしている分、花持ちは花束よりは短め。その分デザイン性が高く、花を生ける習慣のない人でも美しい状態で楽しむことができます。

花瓶がなくても飾ることができ、忙しくて水替えするのが難しい人や、普段花を飾る習慣のない人には特におすすめです。

花とお菓子がセットになったギフトも人気

花だけではなく、お菓子やお茶とセットになったギフトも暑中見舞いに人気があります。

届いた花を飾った部屋で、ゆっくりしたひと時を過ごすことができるセットなので、暑い夏を乗る切るエネルギーをチャージできそうです。

贈るお菓子は水ようかんやゼリーなど、涼を感じることができるスイーツが特に好まれます。

暑中見舞いのフラワーギフト、予算はどのくらい?

暑中見舞いのフラワーギフトを親しい間柄や取引先に贈る相場は3000円から5000円。特にお世話になった人に贈る場合でも10000円までに抑えるのが一般的です。

あまりに高価な贈り物は、相手に気を遣わせてしまうので相場に見合った金額のフラワーギフトを選ぶことも大人のマナーと言えます。

金額が分かっても、フラワーギフトは実際にどのくらいのボリュームになるのか分かりづらいという一面がありますよね。3000円、5000円でボリュームにどの程度差があるのかも確認しておきましょう。

3000円のフラワーギフト

子どもの発表会や会社の送別の花束として選ばれることが多い3000円のフラワーギフト。

サイズ感は花束であれば、500ミリリットル程度のサイズの花瓶に収まるくらいのボリュームです。3000円あれば、贈り物にしても見栄えのする花束に仕上がります。アレンジメントは3000円が最低価格という花屋さんも多いです。

お菓子とセットにしてもちょうど良いサイズ感の花束、アレンジメントです。

5000円のフラワーギフト

5000円のフラワーギフトは、花束であれば大人が抱えると胸元が隠れるくらい。

舞台で渡しても見栄えのするボリューム感です。演奏会や、お世話になった先生への贈り物などでも選ばれる金額になります。

3000円のフラワーギフトに比べて、高級感のある花を入れることができるので全体的に豪華な雰囲気に仕上がるはずです。

アレンジメントも5000円までであれば、さほど場所を取らないサイズ感なので、オフィスなど限られたスペースにも飾りやすいでしょう。

暑中見舞いに選びたい花5選

暑中見舞いには、夏のエネルギッシュなパワーを貰えるイエローオレンジ系と涼しさを感じることができる白グリーン系、ブルー系のフラワーギフトが特に人気です。

ビタミンカラーとも呼ばれるイエローオレンジ系の花には、気持ちを元気にさせてくれる効果以外に、コミュニケーション力アップ、食欲増進効果が期待できます。

見た目も涼しげな白グリーン系の花にはリラックス効果が、ブルー系の花には心を落ち着かせる効果が期待できます。

ただしブ青系の花は種類が少ないので、事前に花屋さんと相談しておきましょう。

ここからは実際に暑中見舞いのフラワーギフトに取り入れたい、夏の花5選を紹介していきます。

ひまわり

夏と言えば真っ先に思い浮かべる人の多い花、ひまわり。

真夏の炎天下の中でも、真っすぐに前を向いて咲く姿に元気を貰える花です。ひまわりは太陽の方を向いて咲く習性があるので、ポジティブなイメージを描く人も多いですよね。

濃い茶色の中心部に、黄色やオレンジの花びらをイメージする人が多いかもしれませんが、最近は品種改良が進みおしゃれなひまわりが増えています。

特に人気が高まっているのは、モネのひまわりや東北八重など、通常より小ぶりで花びらの多い、八重咲きの品種。また、めずらしいシックな茶系のチョコフレークやクラレットも一味違ったひまわりの魅力を楽しめる品種です。

トルコキキョウ(リシアンサス)

夏は気温が高く、1年でもっとも花持ちが悪くなる時期。

そんな暑い夏にも負けない、日持ちが良くて華やかな花がトルコキキョウです。花屋さんによってはリシアンサス、ユーストマという名前で販売されていることもあります。

白グリーン系、パープル系、ブルー系と、涼しげな色味の品種が豊富で、1本でもかなりボリュームたっぷり。花びらが薄く、その咲き姿も清涼感を感じさせる見た目をしています。

白色のトルコキキョウには「思いやり」、ブルー系のトルコキキョウには「あなたを思う」という花言葉があります。暑中見舞いとして大切な人を想う気持ちを伝えるのにぴったりの花です。

デンファレ

デンファレは暑さに強いラン科の植物で、トロピカルな見た目が南国を思わせる花。

ハワイでは祝福や感謝、愛情を表すときにつける首飾り、レイの材料としても親しまれている花です。

トロピカルな雰囲気を活かして、アンスリウムやクルクマと合わせた夏をたっぷり感じられる花束やアレンジメントを贈るのもこの時期ならでは。

高級感たっぷりで、透き通るような白さが美しい白系の品種は、シンプルにグリーンと合わせると涼しさを感じられ、夏の暑さを乗り切ることができるフラワーギフトになるでしょう。

アンスリウム

アンスリウムも夏の暑さに強く、この時期でも比較的長く楽しめる花です。ハート形の花びらのように見えるのは仏炎苞(ぶつえんほう)と呼ばれる葉が進化した部分。真ん中のまるで鼻のように見える長く伸びたところがアンスリウムの花部分です。

つやつやとした花からはトロピカルな雰囲気を感じることができので、夏の日差し感じるような元気な花束やアレンジメントに合わせたい花です。

赤系が多いですが、涼しげなグリーンや白、モダンなパープル系の品種もあります。花束からのぞく、個性的な花姿がユニークで魅力的な花です。

胡蝶蘭

最後に紹介するのは暑中見舞いに贈りたい鉢物です。まるで蝶が舞っているような見た目から名前がついた胡蝶蘭は、高級感を感じられる花として開店祝いや長寿のお祝いにも贈られます。

比較的管理がしやすく、上手に育てると2カ月から3カ月ほど、美しい状態を楽しむことができるのも魅力的。胡蝶蘭の多くは、水苔やバークで仕立てられていて、土を使っていないので、室内でも衛生的に育てることができます。

通常の胡蝶蘭だと大げさに感じる、飾るスペースが心配という人には、小さく仕立てられたミディタイプの胡蝶蘭がおすすめです。ミディなら胡蝶蘭の高級感はそのままに、3000円程度から購入することができるのでの気軽に贈る暑中見舞いにもぴったりです。

暑中見舞いのフラワーギフト、注意点はある?

最後に暑中見舞いでフラワーギフトを贈る際に、気を付けたいポイントをまとめました。

せっかく相手を思って選んだ暑中見舞いのフラワーギフト。相手を不快にさせてしまうなんて事態にならないためにも、贈る前にマナーを知っておきましょう。

暑中見舞いに贈る花の種類にタブーはない

お見舞いやお悔やみの花を贈るときには花の種類にも注意が必要ですが、暑中見舞いは季節の挨拶なので基本的にタブーな花はありません。

しかし、贈る相手の中には香りに敏感な人や花粉にアレルギーのある人がいることも考えられます。暑中見舞いに贈る花は、あまり香りの強いものは避けた方が無難です。

また、夏は1年の中でも水が腐りやすく、花の持ちが悪くなる時期。なるべく日持ちの良い花を選ぶと、相手に長く楽しんでもらうことができるはずです。

貰ったらお返しをする

個人間のやり取りであればお礼を伝えるだけでも問題ありませんが、ビジネスシーンでは暑中見舞いを受け取ったら必ずお返しを贈るのがマナーです。

暑さのピークですが、暦の上で8月7日頃を過ぎると立秋と言って残暑見舞いになります。手紙を添える際には文言にも気を付けましょう。

また残暑見舞いとして贈るにしても、8月の終わり頃では返事が間に合わず、相手を困らせてしまいます。お世話になっている相手にはなるべく早めに準備しておくのが良いでしょう。

暑中見舞いは喪中の人にも贈ることができる

年賀状と同じ季節の挨拶である暑中見舞いですが、相手の健康や心境を気遣って贈るという観点から、喪中の人に贈っても問題はありません。

親しい間柄で、今年は年賀状が遅れなかったなという相手には、暑中見舞いという形で日ごろの気持ちを伝えてみるのも素敵な計らいです。

まとめ・暑中見舞いには暑さを乗り切るフラワーギフトがおすすめ

贈る相手を選ばず、誰をも笑顔にしてくれるフラワーギフト。季節を感じられる花は、何を贈ったらいいかと悩んでしまう相手にもきっと喜んでもらえる贈り物です。

昔から行われている風習だからこそ、贈る時期や相場を知って、失礼のない暑中見舞いを贈りたいですよね。

今年の夏は、美しい花に暑中見舞いの手紙を添えて、大切な人へ贈ってみてはいかがでしょうか。

大切なあの人にお花を送ってみませんか?