立春はいつ?立春の時期に飾りたい季節の花

立春(りっしゅん)は、暦の上で春の始まりとされる日です。

古くからおめでたい日として扱われ、現在の暦では2月の初旬頃に訪れます。2月はまだ寒さも厳しい時期なので、春の訪れの日とするには少し早いのでは?と疑問に思う人も多いのではないでしょうか。

そこで今回の記事では、立春の時期と由来について解説します。また立春の頃は、花屋さんに早くも春の花が並び始める時期です。季節が変わる節目とされる立春に、お部屋に花を飾って、少し早い春の訪れを感じてみてはいかがでしょうか。この時期に花屋さんに並ぶ、旬の花についても紹介するので、花選びの参考にしてください。

立春ってなに?

立春は、1年を24に分けて季節を表す「二十四節気(にじゅうしせっき)」の中の1つです。二十四節気は1年を春夏秋冬の4つに分け、それぞれをさらに6分割し、合計24等分して季節の指標とする考え方のことを言います。

立春以外にも、聞き馴染みのある人も多い「冬至」や「夏至」なども、二十四節気に基づいて名づけられた季節の呼び方です。

立春の日付はどうやって決まる?

二十四節気は、日付が固定された季節の分け方ではないので立春も毎年変動します。

日付は、国立天文台が、その年の地球や太陽の動きを観測して導き出した結果に基づき決定し、前年に発表されるしくみです。

2023年、2024年はともに2月4日、2025年は2月3日にあたります。

二十四節気はもともと中国から伝わった暦の考え方です。そのため中国の気候に基づいて名づけられた季節の名前と、日本の気候に1ヶ月ほどのずれが生じます。2月のまだ寒い時期を春の始まりと呼ぶのは、季節の名前の背景にこのような理由があるためです。

立春と節分の関係は?

立春の2月4日頃と言えば節分の行事を思い浮かべる人もいるでしょう。立春と節分は、厳密には別の季節の指標です。節分はその名の通り、季節の節目を意味しています。これは二十四節気から派生してつくられた日本独自の暦である「雑節(ざっせつ)」に由来する暦です。

実は節分は、立春・立夏・立秋・立冬、それぞれの前日、年4回あります。

4回ある節分の中でも、二十四節気で新年にあたる「立春の前日の節分」のみが現代に残っていて、今でも2月3日の豆まきの日として祝われています。

立春は何をする日?

立春は、太陽の動きを基にした二十四節気では新年にあたるため、古くからとても縁起の良い日とされてきました。

また春の訪れは、命の芽吹きがはじまる時期でもあります。

植物が芽吹く=新しい生命が誕生する、という意味でも大切にされ、今でも縁起の良い日と捉える人が多いです。

そのような背景からも、立春は花や植物を飾るのにも最適な時期と言えます。

立春に関連した行事や習わしを知って、今年はお部屋に季節の花や植物を飾り、春の訪れを感じてみてはいかがでしょうか。

立春朝搾りの酒や立春大福

立春に縁起の良い食べ物を食べることで、1年を幸福に過ごすことができると言われています。

立春の日の朝一番に仕上がったお酒を飲むことで福を呼ぶとされるのが「立春朝しぼり酒」です。おなじ理由で、立春の朝一番に作られた和菓子も縁起物とされています。

また、白い豆腐を節分と立春の2日間連続で食べることで福を呼び込むのが「立春大吉豆腐」です。

豆腐は「豆(魔目=鬼の目)」を潰すという意味で、邪気を払う効果があるとされ、健康に過ごすことができる、縁起の良い食べ物とされています。

節分

立春よりも馴染みがあるという人も多い2月の行事が節分、豆まきです。

豆まきは、新春を迎える前に邪気を払い、健康に暮らすことをお祈りする行事。子どもの頃に豆をまいたことがあるという人も多いのではないでしょうか。

病気や災害などの悪いことを鬼に見立てて、「鬼は外、福は内」と唱えながらその年が穏やかであるようにと願って豆を投げます。

また、もともと関西発祥の恵方巻の風習も、今では全国に広がっています。恵方巻は、七福神にちなんで七つの具を巻いた巻物を、縁が切れないように1本丸かじりにすることで、無病息災や願いごとが叶うとされている日本ならではの風習です。

節分と柊(ひいらぎ)

古くから伝わる節分飾りに「柊鰯(ひいらぎいわし)」というお飾りがあります。

最近は飾る風習が薄れてしまいましたが、柊の葉に鰯の頭を焼いて指したものを玄関に飾り、魔よけとするのが本来の習わしです。

柊の葉の先はトゲトゲしており鬼の目を刺すとされています。鰯の香りは鬼が苦手とすると言い伝えられており、鬼を寄せつけない魔よけとして玄関先に飾る風習が生まれました。

立春大吉

立春大吉は、禅宗の寺院や禅院が立春の魔除けに使うお札の文言です。

立春大吉という文言は、和紙に書いたときに、反対側から見ても同じように読むことができるので、このような昔話が伝わっています。

”昔、「立春大吉」と書かれたお札が貼ってある家の門を鬼がくぐりました。

鬼は一度門をくぐったあとで、裏側からお札を見ました。するとそのお札の文字が「立春大吉」と読めました。そこで鬼は、まだ入っていない家がくぐってきた方にあると勘違いして逆戻り(退散)しました。”

この昔話から、邪気を払い福を呼ぶ縁起物として立春大吉のお札を貼るようになったと言われています。お札は禅寺でもらったり、自分で書いたりして次の立春まで貼っておくのが習わしです。

立春に飾りたい花は?

春の訪れを感じる立春の頃。飾ると福を呼び込んでくれるような縁起の良い花を飾ったり、簡単なディスプレイを合わせて節分のイベントにもぴったりなディスプレイに仕上げたり、この時期ならではの花選びを楽しみましょう。

縁起の良い花

二十四節気の新年を迎えるのにふさわしい縁起の良い花を飾ってみるのもおすすめです。

たとえば縁起物の「松竹梅」の一つであり、この時期に咲く梅の花は、古くから春を告げる縁起の良い花とされています。

色も白や薄紅、紅色の紅白カラーで縁起が良く、見た目も華やかです。

また、福を呼び込むために、風水において金運アップに効果があるとされる黄色い花を飾ったり、縁起の良い、福を呼び込むような花言葉を持つ花を選んでみるのも良いでしょう。

 

立春の時期に飾れる、福を呼ぶ花言葉を持つ花

  • 紫のラナンキュラス「幸福」
  • アイリス「吉報」
  • 黄色のヒヤシンス「あなたとなら幸せ」
  • 胡蝶蘭「幸せが飛んでくる」

春を感じる球根植物

立春の頃は、花屋さんに球根植物も豊富に並びます。

球根植物は、球根のままお水を張った花瓶やお皿に生けておくと、球根から芽が出て、花を咲かせます。球根から咲くまでの長い期間、花の変化を存分に楽しめるのが魅力です。

根が短いうちは、球根の底部分のみが浸かる程度の浅いお水に生けてあげましょう。

芽が出て、根が伸びてきたらお水を球根の1/3程度が浸るほどに増やし、2〜3日に1度新しいお水に入れ替えます。

 

立春の時期に花屋さんに並ぶ球根植物

  • チューリップ
  • ヒヤシンス
  • ムスカリなど

節分を楽しむディスプレイ

100円ショップなどでも手に入る簡単なアイテムを加えるだけで、いつもの節分がぐっと賑やかになります。

豆まきに使う桐の木箱に合わせて、小さな花飾りを楽しんでみてはいかがでしょうか。

豆を入れる木箱の中に小さめの空き瓶をセットして、好きな花を生けたり、小さなフラワーアレンジメントのように花を挿して楽しみます。

ディスプレイする植物には魔よけの効果があるとされる柊を取り入れるのもおすすめ。色鮮やかで賑やかな花を玄関やリビングに飾ることで、気持ちを明るくし運気アップにもつながるはずです。豆をまくのは当日のみですが、立春や節分を迎えるまでの間も、好きな花を飾って春の訪れを楽しみましょう。

立春に咲く花10選

立春は春の始まり。花屋さんには季節が少し早く訪れるので、2月の初旬はもう春の花が並び始める時期です。

この時期外はまだまだ寒いですが、お部屋に春を感じる花を飾ると、心が不思議と暖かく感じられるはず。本項目では、立春の時期に花屋さんに並ぶ春の花を集めました。

梅は、春告草(はるつげぐさ)という名を持ち、桜が咲く前に春を告げる花として親しまれています。

まだ寒い1月〜3月頃にかけて、花屋さんの店頭にも切り枝の状態で並びます。赤と白の紅白の花は、縁起物としておめでたい日に飾るのにもふさわしい花です。

梅の切り枝は乾燥すると花が落ちてしまうので、霧吹きで水分を足してあげると美しい状態を長く楽しむことができます。

梅の花は、枝に直接咲くのが特徴的です。一輪挿しにシンプルに生けると、その枝の美しさを堪能できます。咲き終わった花はこまめに取り除いて、残りの花に開花のエネルギーを残してあげましょう。

ナノハナ

1月〜3月にかけて花屋さんに並ぶ、緑色の葉に鮮やかな黄色が映える春の花です。

実はナノハナは、アブラナ科アブラナ属の花の総称で、太いものや細いものなど細かい品種はありますが、花屋さんでは品種は関係なく、まとめてナノハナと呼んでいます。

茎の下まで葉が付いていると、水に浸かった部分が腐りやすくなり、水上げも悪くなるため取り除きましょう。

飾っておくと茎がぐんぐんと伸び、水の吸い上げも良いので、花瓶の水はこまめにチェックして水切れを防ぎます。

ラナンキュラスやスイートピー、チューリップなどと合わせれば、春を感じる賑やかな花合わせに仕上がります。

ハクレン

別名ハクモクレン(白木蓮)とも呼ばれ、1月下旬から2月上旬にかけて、上品な白い花を咲かせる枝ものです。

大きな枝にいくつかの花を咲かせるため、ハクレンのみで生けても存在感があります。

水揚げを助けるために、枝の先端は十字に切れ目を入れて、水を吸い上げる断面積を広くしてあげましょう。

立春の時期、暖房の効いた部屋では開花があっという間に進むので、玄関など涼しい部屋に飾ると長持ちします。

チューリップ

春のお花のイメージがあるチューリップも、花屋さんでは12月〜3月頃に並ぶ花です。

とても生命力が強いので、花瓶に生けてからもぐんぐんと茎が伸びる様子を楽しむことができます。

実はチューリップの花びらは、朝になると開き、夜になると閉じる性質を持っています。寝室やリビングに飾ると、毎日新しい朝を迎えるのが楽しみになる花です。

また水をとても良く吸うので、花瓶の水をチェックしながら、新鮮な水を切らさないように管理するのが長持ちのコツです。

チューリップと聞いてイメージするシンプルな一重咲き以外に、フリンジ咲きや八重咲きなど華やかな品種も増えています。

ラナンキュラス

幾重にも重なった、繊細な花びらが美しいのがラナンキュラスです。

バラにも負けない華やかさがありながら、ころんとした見た目がとてもかわいらしく、同じ時期に花屋さんに並ぶナノハナやコデマリとも良く合います。

品種が多様で、色や形のバリエーションもさまざま。本当に同じラナンキュラスなのだろうかと思うほど、品種によって咲き方も個性豊かです。なんとその品種は現在500以上あり、さらなる品種改良が進んでいます。

光沢のある花びらが美しいラックスシリーズや、個性的なポンポンシリーズやモロッコシリーズ、上品で華やかなシャルロットなど、品種によってまったく違う表情を見せるのでファンも多い花です。

スイートピー

春の花として思い浮かべる人も多いスイトピーは、フリルのようなかわいらしい花の姿が愛らしい植物です。1月〜3月頃にかけて、花屋さんに並びます。

色のバリエーションも豊富で、染め(茎の先端から色水を吸わせて染めたもの)の品種も含めると花には珍しいブルー系やベージュ系、グリーン系の品種も揃います。

スイートピーは「門出」という花言葉を持つので、立春の新しいスタートの日に飾るのにもふさわしい花と言えるでしょう。

またスイートピーを飾るときには、ぜひ香りも楽しんでみてください。品種にもよりますが、鼻を近づけると、ヒヤシンスやジャスミンに似た、少し甘い春の香りを楽しめるはずです。

1本の茎にいくつかの花をつけるので、枯れた部分は取り除いてあげると最後まで美しい状態を楽しむことができます。

豆の花

花屋さんに並ぶ、えんどう豆の花はくるりと巻いた先端のツルに動きがあり、ナチュラルな雰囲気が魅力的な葉物です。

爽やかな黄緑色の葉っぱの中には、小さなえんどう豆や紫色の花が付いていることもあります。作りこみすぎない雰囲気の花合わせにぴったりの葉物で、豆の花と一緒に春の花を束ねると、まるで庭から摘んできたような無造作なアレンジに仕上げることができるのが魅力です。

葉が柔らかく水が下がりやすいので、たっぷりのお水を入れた花瓶で生け、枯れた花の部分はこまめに取り除いてあげましょう。

コデマリ

1月〜3月頃に花屋さんに並ぶ、小さくて白い花をたくさんつける枝ものです。

小さな花が集まって咲く姿は華やかで、コデマリだけで生けても美しく、和風にも洋風にもアレンジできます。

水が下がりやすいので、たっぷりのお水に生けましょう。枝の先端を手で割って、水を吸い上げる断面積を広くしてあげると水揚げが良くなります。

花が細かく枝も細いので、乾燥には弱いです。乾燥しやすい冬は、エアコンの風が直接当たらないように気をつけて管理しましょう。

また生けていると、細かい花が少しずつ散ります。花が散るのが気になる場合は振り落としてあげると、最後の葉の部分まで長く楽しむことができます。

スイセン

白と黄色のコントラストが鮮やかで、凛とした雰囲気を感じるスイセン。

お正月に飾る花としても定番です。年末〜3月頃にかけて、花屋さんに並びます。

あまり日持ちの長い花ではありませんが、生けるときは水替えをこまめにし、切り戻しを行うことで新しい切り口からの給水を助けてくれます。

和の雰囲気を感じる花なので、節分をイメージした花生けにもぴったりです。蕾を包んでいる薄い皮の部分は、茶色くなったら取り除いてあげましょう。

フリージア

弓なりになった茎に次々と蕾が開く姿が美しいフリージアも春を告げる花として知られています。香りがとても良く、数本でも部屋中に甘い香りが広がります。

茎の根元に近い蕾から順番に開いていくので、枯れた蕾は取り除いてあげると先端まで開く姿を楽しめるはずです。

花屋さんで見かけることが多いのは黄色ですが、他にも白やピンクや紫の品種も出回ります。スイートピーなど春の花と合わせると、とても愛らしく、春の香りも存分に楽しみたい花です。

まとめ

立春の由来と、立春の時期に旬を迎える春の花について紹介しました。

2月はまだまだ寒い時期ですが、立春を過ぎたら暦の上では春。花屋さんで小さな春を探すのが楽しい季節がやってきます。

春の気配は感じられるものの、気温が低いので花が長持ちするのも立春の時期ならではのメリットです。外の気温は低くても、お部屋に春の花を飾ることで、不思議と心はあたたかく感じられるはず。

今年の立春は、お部屋に季節の花を飾って、一足早い春の訪れを感じてみてはいかがでしょうか。

大切なあの人にお花を送ってみませんか?