エリンジウムの花言葉とは?怖い意味はある?名前の由来や育て方も解説
花束やドライフラワーのアレンジメントで、ちょっと変わったおしゃれな花に目が留まったことはありませんか。エリンジウムは球状に集まった小花をトゲのある葉が囲むように広がり、花だけでなく茎の色までシルバーがかったような青紫色です。
今回はおしゃれな雰囲気を演出してくれるエリンジウムに焦点をあて、花言葉や名前の由来、基本情報や特徴も解説します。また、エリンジウムの育て方も紹介するので、ぜひ最後までご一読ください。
エリンジウムの花言葉
エリンジウムの花言葉は「秘密の恋」や「秘めた愛」です。
知られたくない、あるいは知られてはいけない恋愛や愛を表現したいときは、まさにエリンジウムがぴったりでしょう。ちょっと怪しげな花言葉を持つエリンジウムですが、ほかにも「光を求める」「厳格」「独立」といった花言葉もつけられています。
「光を求める」は希望や成長・脱出など前向きな印象、「厳格」「独立」は強い意志や責任感が連想されることから、エールを贈りたいときのプレゼントにも最適です。
エリンジウムの花言葉はさまざまあるため、相手に与える印象は異なります。
エリンジウムの花言葉の由来
エリンジウムの「秘密の恋」や「秘めた愛」などの花言葉は、球状に集まっている小花の下部にトゲのある苞葉が囲むように広がっている姿からつけられたとされています。
「光を求める」という花言葉がつけられているのは、エリンジウムの花の色合いが、金属質で光沢感があるためです。「厳格」や「独立」は、エリンジウムは小さな花が球状に密集して咲くためで、どこか近寄りがたい印象を感じることからつけられた花言葉とされています。
エリンジウムは色別の花言葉はない
エリンジウム属には230種以上の種類があり、品種によって青や紫、白、緑など、さまざまな色の花を咲かせます。では、エリンジウムの花言葉は花の色が変わっても花言葉は同じです。また、エリンジウムの品種が異なっても花言葉が変わることはありません。贈る本数によって花言葉が変わる花もありますが、エリンジウムは本数による花言葉の違いもなく、気軽にギフトに取り入れやすい花となっています。
エリンジウムには怖い花言葉がある?
エリンジウムの「秘密の恋」「秘めた愛」などの花言葉は、秘密にしておかなくてはいけない事情のある恋愛を連想させます。そのため、贈るシチュエーションによっては意に反して怖いと感じられる贈り物となることもあるでしょう。
誤解を避けるために、パートナーがいる方や既婚者の方へ贈る場合はエリンジウムを避けた方が良いかもしれません。
エリンジウムの誕生花
エリンジウムはちょっと珍しい形をした花ですが、誕生花の花の一つでもあります。
誕生花とされている日は、7月25日、7月30日、8月15日、8月26日、8月28日、8月31日です。ご自身の誕生日と照らし合わせるのはもちろん、大切な方へのギフトにもお祝いの気持ちを込めてエリンジウムの花を贈ってみてはいかがでしょうか。
エリンジウムと同じような花言葉のある花
エリンジウムの花言葉の中でも、少し意味深な意味を持つ「秘密の恋」や「秘めた愛」ですが、実は、ほかにもエリンジウムと同じような恋愛に関する意味深な花言葉を持っています。
花の種類 | 花言葉 |
ミモザ(アカシア) | 「秘密の恋」 |
赤いシクラメン、マリーゴールド | 「嫉妬」 |
白いストック | 「ひそやかな愛」 |
リナリア | 「この恋に気づいて」「乱れる乙女心」 |
オキナグサ | 「裏切りの恋」 |
花言葉の意味合いを深く考える必要はありませんが、フラワーギフトを検討する際に知っておくと良いかもしれません。
草姿が似ているルリタマアザミとアザミの花言葉
では、エリンジウムと同じような姿をしている花の花言葉はどうでしょうか。
ルリタマアザミは、葉にトゲがあること、球状にギュッと集まって小さな花を咲かせる姿、花が青紫色(=ルリ色)をしている点がエリンジウムと似ているポイントです。ルリタマアザミにつけられている花言葉は「鋭敏」「傷つく心」「豊かな感情」です。エリンジウムとルリタマアザミは姿が似ていますが、花言葉は異なります。
一方、アザミは花の姿が似ていることから、エリンジウムの和名の由来ともなっている花です。アザミにつけられている花言葉は「厳格」「独立」「触れないで」「復讐」です。
エリンジウムとアザミは姿が似ていることから、同じような花言葉がつけられています。
花に花言葉がつけられる由来はさまざまで、姿が似ているからといって同じ花言葉を持つとは限らず、まったく違う姿をしていても同じ花言葉を持つ場合があります。
エリンジウムってどんな花?基本情報と特徴
ユニークは花色な草姿から秘めた恋愛の花言葉を持つエリンジウムとは、どのような花なのでしょうか。以下に基本情報と特徴を取り上げて、詳しく紹介していきます。
エリンジウムの基本情報
植物名 | エリンジウム |
学名 | Eryngium (エリンギウム) |
英名 | Sea Holly |
和名 | マツカサアザミ、エリマキアザミ |
別名 | エリンジューム |
科名 | セリ科 |
属名 | エリンギウム属 |
形態 | 多年草 |
原産地 | ヨーロッパ、南北アメリカ、中央アジア |
草丈 | 10cm~100cm |
開花期 | 6月~8月 |
エリンジウムの特徴
エリンジウムは球状にギュッと集まって小さな花を咲かせ、その下にトゲのある苞葉が広がっている姿をしています。エリンジウム属は250種類以上あるとされ、青や紫、茶、緑などさまざまな色の花を咲かせます。どの品種においても金属質の光沢があるユニークな形状が大きな特徴です。
生花の花束やドライフラワーアレンジメントでも一つのアクセントとなり、シックでおしゃれな雰囲気にまとめ上げてくれる魅力があります。
また、エリンジウムは開花期が比較的長く、美しい花を長く楽しませてくれるところです。
長く飾ってもらえることからも、贈り物によく選ばれています。
エリンジウムの名前の由来
エリンジウムの名前は、学名である「Eryngium(エリンギウム)」が由来です。では、この学名は何からつけられたのでしょうか。学名の由来に加えて、英名と和名の由来を以下で紹介していきます。
エリンジウムの学名の由来はギリシャ語
エリンジウムの学名は「Eryngium(エリンギウム)」です。
この学名は、「Eryggion(エリギオン)」というトゲのある葉を意味するギリシャ語が由来となっています。学名の由来はエリンジウムがトゲのある葉を持つためで、草姿の特徴からきているようです。
エリンジウムの英名の由来
エリンジウムの英名は「Sea Holly(シー・ホーリー)」です。英名の名前の由来には、生息場所が関係しています。エリンジウムの生息地は海に近い場所に自生し繁殖していたため、英名に「Sea」がつけられているようです。
また、草姿からも英名の由来がきているとされています。
エリンジウムのトゲのある葉がギザギザのある葉を持つ柊の特徴と似ていることから、柊の英名である「Holly」も取り入れられているようです。
エリンジウムの和名の由来はまつぼっくり
エリンジウムの和名は「マツカサアザミ」です。和名にあるマツカサとは、松の木の実、いわゆるまつぼっくりのことです。エリンジウムの球体の花がまつぼっくりに似ていることから、和名に取り入れられています。
また、アザミはエリンジウムの花姿と似ている花です。
マツカサもアザミもエリンジウムに似ていることから、組み合わせて和名がつけられたとされています。
エリンジウムの人気品種はプラナム
エリンジウム属の中でもポピュラーで多く出回っている品種はプラナムです。
金属質で光沢のある青紫色の花を咲かせ、分枝が多くたくさんの花をつける特徴を持ちます。また、茎も銀青紫に色づく姿も魅力的です。
エリンジウム属の中でも性質が強い種類なので、四季のある日本でも栽培しやすい品種を選ぶなら、プラナムをおすすめします。
また、プラナムのほかにも日本で育てることができる人気の品種はあります。
以下に、エリンジウムの人気品種をプラナムから2選、そのほかの種類の特徴も紹介するので、ぜひ、選ぶ際の参考にしてください。
エリンジウムのおすすめ品種と特徴
品種 | 特徴 |
プラナム・フルエラ | 濃い青紫の花を多く咲かせる品種。
エリンジウムの中では花が小型で、よく分枝し花数が多いのが特徴。 |
プラナム・ブルーグリッター | 銀青色の花を咲かせる品種。
エリンジウム品種の中では特に寒さにも暑さにも強く、育てやすい。 |
アルピナム・ブルースター | スチールブルーの大型の花を咲かせる品種。
寒さに強く、冷涼な環境で育てるほど花の色が鮮明に美しくなる。 |
ユッキフォリウム | 銀白の花を咲かせる品種。
ほかのエリンジウムに比べると花の周りにあるトゲのある葉は短く少な目。耐寒性だけでなく耐暑性もあり、比較的育てやすい。 |
マグネーター | ブルーグレー色の、火の粉が飛び散っている花火のように花を咲かせる品種。
冷涼な気候を好むため、北海道や長野など比較的涼しい土地で育てるのに向いている。 |
エリンジウムは、ほかの花にはない独特な花色や、ユニークな草姿を楽しませてくれる花です。ヨーロッパ、南北アメリカ、中央アジア原産の花ならではの雰囲気が魅力的で、エリンジウムがお庭やお部屋にあると、一気にスタイリッシュでおしゃれな空間に変わります。
ご自宅用に取り入れるのはもちろん、大切な方への贈り物として花束にエリンジウムを意識して取り入れてみてはいかがでしょうか。花持ちがよく、7日~10日間飾り続けることが可能な点からも、喜ばれるギフトとなるはずです。
エリンジウムはドライフラワーとしても人気
エリンジウムの花は水分が少ないため、ドライフラワーとしても最適です。また、色落ちしにくい花でもあり、ドライフラワーにしてからも生花に近い独特な雰囲気を楽しませてくれます。いただいた花束にエリンジウムが入っていたり、花屋でエリンジウムを見つけたりしたら、ドライフラワーにして楽しんでみてはいかがでしょうか。
作り方は以下の通りです。
- 生花のみずみずしさをしばらく楽しんだら、直射日光の当たらない風通しのよい場所に吊るして乾燥させてください。
- 季節によって期間は異なりますが、約1~2週間で完成します。
ドライフラワーのエリンジウムは花瓶やかごに入れて飾るだけでなく、ほかのドライフラワーと束ねてスワッグにしたり、リースのアレンジに使用したりするのもおすすめです。
ドライフラワーとして飾るときの注意点
エリンジウムはドライフラワーにしても美しい花です。しかし、生花とは異なり、取り扱いには注意が必要です。以下に、エリンジウムをドライフラワーとして飾るときの注意点をいくつか挙げます。
直射日光に当てない
エリンジウムは直射日光に当たると色褪せたり、花びらが散ったりする可能性があります。直射日光が当たらない場所に飾るようにしましょう。
定期的にホコリ掃除をする
ドライフラワーはホコリが付きやすい欠点があります。ホコリが溜まると、見た目が悪くなるだけでなく、カビや虫が発生する原因にもなります。そのため、定期的にホコリ掃除をする習慣が大切です。
湿気が多い場所には置かない
エリンジウムは湿気に弱いため湿度の高い場所に飾るとカビが生えたり、形が崩れたりする可能性があります。直射日光やエアコンの風が当たらない、風通しの良い場所に飾るようにしましょう。
エリンジウムの育て方
エリンジウムをもっと身近に楽しみたい方のために、エリンジウムの育て方を紹介します。以下で育て方のポイントを取り上げて解説していきます。
- 栽培環境
- 用土、肥料
- 植え付け
- 水やり
- 管理方法
- 増やし方
エリンジウムを元気に育て花をきれいに咲かせるためにもぜひ、参考にしてください。
栽培環境
エリンジウムは冷涼で乾燥した気候を好む植物です。水はけがよい場所に地植えするか、水はけのよい用土を使って鉢植えをしてください。
また、日当たりと風通しのよい場所を選ぶ点にも注意が必要です。
エリンジウムは日本の気候の特徴である高温多湿を苦手としているため、夏に枯れてしまうケースが多く見られます。地植えの場合の対策は、夏の強い日差しを遮光してください。
地植えせず鉢植えを庭になじませ、夏は置き場所を変えるのもおすすめです。
栽培する品種を高温多湿に比較的強いプラナム種か、暑さにも寒さにも強いユッキフォリウムを選ぶのも一つのポイントとなるでしょう。
用土、肥料
用土は水はけのよいものを利用します。
赤玉土4に対して、鹿沼土3、腐葉土3の割合で配合した土がおすすめです。加えて、植物が成長しやすいアルカリ性に近づけるために、苦土石灰などをまぜておくとよいでしょう。
肥料は春と秋の2回、春は4月〜5月頃、秋は10月頃を目安に化成肥料を与えてください。
植え付け
エリンジウムの苗の植え付けに適している時期は、3月〜5月もしくは9月〜11月です。
植え付けは根が痛むと根付きにくくなるため、苗についている土は落とさずにそのままそっと植えつけてください。植え付けるときは、やや盛り土をして浅めに植えつけるのがおすすめです。土を掘って植えると、掘った部分に水がたまりやすく根腐れを起こしやすいですが、盛り土をして植えることで水はけが良くなり、エリンジウムの過湿を防ぐことができます。
水やり
地植えの場合、エリンジウムが根付いてからは水やりの必要はありません。土壌周りから水分を調達し、十分量を確保できるためです。一方、鉢植えの場合は土の表面が乾いたタイミングを見計らって、たっぷりと与えましょう。
鉢植えを屋外に置いている場合は、梅雨の時期に注意が必要です。梅雨の時期は過湿になりやすいため、雨が当たらない場所に移動してください。
管理方法
エリンジウムは、支柱を立てて倒れないようにする管理が必要です。
6月~7月は茎が成長して開花する時期のため、頭が重くなりやすくなります。この時期に、茎が折れたり倒れたりする可能性が高まるため、支柱を立てて安定させる管理が必要です。
増やし方
エリンジウムは、種まきと株分けで増やせます。種まきは3月~4月の春と、9月の秋が適期です。どちらのタイミングにまいても構いませんが、開花するのは翌年の初夏となるため、少しでも早く花を楽しみたい場合は、秋に種をまくとよいでしょう。
また、エリンジウムを大きく成長させることができた場合は、株を分けて増やすことも可能です。株分けは植え付けと同時期の3月〜5月、もしくは9月〜11月が適期となっています。
まとめ
今回はエリンジウムの花言葉や由来・エリンジウムの育て方などを解説しました。
エリンジウムの花言葉は「秘密の恋」「秘めた愛」「光を求める」「厳格」「独立」です。
少し意味深な花言葉には注意が必要ですが、エリンジウムのユニークな花色や草姿は、ほかの花には出すことができないスタイリッシュさがあります。
ご自宅のお庭やお部屋にエリンジウムがあると、一気におしゃれな空間に変わることでしょう。大切な方に贈るギフトにもエリンジウムを積極的に取り入れてみてはいかがでしょうか。