花束の渡し方とマナー!シチュエーション別のタイミングも解説
プライベートだけでなくビジネスシーンでのお祝いや式典などで渡す花束は、相手に失礼のないようにきちんとした花束の渡し方を知っておくと安心です。花束を渡すシチュエーションやシーンによって、多少異なりますが、相手への敬意を表した渡し方を意識しましょう。
この記事では、花束の正しい渡し方やタイミング、花の選び方や渡すときのマナーなどを解説していきます。
近々、誰かに花束を渡す予定のある方はぜひチェックしてみてください。
花束の基本の渡し方
花束は、さまざまなお祝いのシーンで贈られている定番のフラワーギフトです。両手いっぱいに抱えるような花束は豪華で見栄えも良く、老若男女問わず誰にでも贈りやすいのも人気のポイントではないでしょうか。
しかし、特にビジネスシーンや公共の場においては、相手に失礼のないように正しい花束の渡し方を抑えておくことが大切です。正式な渡し方と略式があるので、シーンに合わせて使い分けましょう。
花束の持ち方
まずは、正しい花束の持ち方から解説します。
正式な花束の持ち方は、花側を左手で支えて茎側を右手で持つという抱え方です。左利きの方の場合は左右が反対になっても構いません。
このとき、花側が下を向いてしまわないように若干角度を付けて持つのがポイントです。
花束の茎側には花の鮮度を保つために水を含ませたゲルや紙が巻き付けられています。
花側を下にしてしまうと、その水分がこぼれてラッピングを台無しにしてしまったり、花が傷んでしまったりする原因になるので注意してください。
花束を渡す前にしばらく時間があるときには、この持ち方で待機しておきましょう。
【正式】花束の渡し方
ステージや式典など大勢の人の前で花束を渡す際には、マナーに沿った正式な方法で花束を渡しましょう。
まず、上記のような正式な持ち方で花束を抱え、相手の方へ近づきます。
相手の正面まできたら一度立ち止まり、右手に花側、左手に茎側がくるように持ち替えます。
このとき、相手の方が右手で茎側の束ねてある部分を持ちやすいように、左手を少しずらして渡しましょう。
相手の方が左利きの場合は、右手に花側、左手に茎側がくるようにして、相手の方が持ちやすいように渡してあげてください。
基本は、相手の利き手に茎側がくるようにするのがポイントです。
【略式】花束の渡し方
プライベートや身内の中など、それほど改まった場でない場合は略式の渡し方でも問題ありません。
この場合は最初から右手に花側、左手に茎側を持っておき、そのまま渡すという方法です。
渡す前に花束の向きを変えなくて良いのでスムーズに渡せ、花束が大きくて持ち替えにくいときに最適です。
ただし、相手が右手で茎元を持ちやすいように、少しずらしておくことを忘れないようにしてください。
正式な渡し方と同様に、相手が受け取りやすいように渡すという点を意識しましょう。
シーン別の花束の渡し方とタイミング
花束を渡すシーンやシチュエーションは、プライベートからビジネスシーンなどさまざまです。1対1で渡すときや、大勢の人の前で渡すときなど、周りからの視線の数も異なります。
花束を渡す際には、その場所やシーンにふさわしい渡し方をしましょう。
ここからは、プライベートや式典、サプライズなどシチュエーション別に花束の渡し方を解説していきます。
プライベート
友人や家族、恋人などプライベートで交流のある方へ花束を渡すときには、上記のようなかしこまった渡し方でなくても大丈夫です。
しかし、相手の利き手を考えて、持ちやすいように渡してあげることは変わりません。
誕生日や記念日、学校や就職関係など、お祝いのシーンに合う花や、相場に見合う花束を贈るようにしましょう。
スイーツや雑貨、アクセサリーなど、相手の方の好みに合わせて他のアイテムと組み合わせるのもおすすめです。
また、プライベートで花束を渡す際には、相手の方が花瓶などの花器を持っていることを確認し、もし持っていないようであれば花器も一緒にプレゼントしても良いかもしれません。
式典・コンサート
講演会や授与式、コンサートなどでは、ステージ上など大勢の人の前で花束を渡すことになります。
このような場面での花束は、大きくて鮮やかな花など遠くからでも見栄えが良い花束がおすすめです。
花束の渡し方としては、渡す直前に花を持ち変えるという正式な渡し方を意識しましょう。
大勢の人の注目の的となるので、誰に見られても恥ずかしくないようにしなければなりません。
また、花束を渡す時には、相手の方だけでなく他の方にも花の美しさが見えやすいように少々角度をつけて渡すと見栄えが良くなります。
歓送迎会
職場の歓迎会や送別会も、花束を贈ることの多いシチュエーションです。
会社全体なのか、部署のみの少人数の場なのかによって花束の渡し方は多少異なるかもしれませんが、基本的には歓迎・送別される方の挨拶が終わってから花束を渡すのが基本です。
入社式などの場合は、ステージや広間で社長や役員の方が渡すこともあるでしょう。
その際には、できるだけ正式な花束の渡し方がおすすめです。
内輪だけで少人数の歓送迎会の場合は、それほど正式な渡し方にこだわる必要はありませんが、花束を贈る方が目上の方の場合は丁寧に渡すよう心がけましょう。
その際、花束を渡すときに添える一言としては、「頑張ってください」や「残念です」などは失礼にあたります。「長い間お疲れさまでした」や「お世話になりました」という文言が適切です。
結婚式
・当日に花束を渡す場合
結婚式での花束贈呈は、友人など参列者から新郎新婦に贈るパターンと、新郎新婦が両親に渡すパターンがあります。
まず、参列者から新郎新婦への花束の渡し方ですが、結婚式の主役である新郎新婦は、他にもたくさんのプレゼントをもらうことが想定されるので、持ち帰りやすいサイズや形状の花束がおすすめです。両手に抱えるほどの大きくて豪華な花束で祝福したくなりますが、ご祝儀の金額も考えて花束はミニサイズくらいでも問題ありません。
次に、新郎新婦から両親への花束贈呈についてですが、自分の親に渡す場合と相手の親に渡す場合の2通りがあります。
どちらの場合も、それほどかしこまる必要はなく、略式の花束の渡し方で問題ないでしょう。
花束を渡すときには、「今までありがとうございました」や「これからよろしくお願いします」など、どちらの親に贈るかで添えるコメントを変えてください。
・結婚式前後に花束を渡す場合
結婚式の日程に都合が悪く欠席した場合は、想定していたご祝儀の半額くらいの花束を送るのが相場になっています。しかし、そのくらいの金額の花束は豪華でボリューミーになることも考えられますので、送るタイミングに注意しましょう。
結婚式の前後1週間くらいに送るのがベストですが、結婚式の後の場合は新婚旅行に出かけていることもあるので、予定を聞いておくと安心です。
結婚式当日に会場に送る際には、その会場が花束の受け取りを行っているかを確認し、新郎新婦ができるだけ持ち帰りやすいものを選びましょう。
サプライズ
告白やプロポーズ、本人に内緒の誕生日パーティーなど、サプライズでのお祝いにも花束がおすすめです。しかし、花束が大きいほど渡す直前まで隠しておくことが難しくなるので、場所やシーンを考えて相手にバレにくくすることがポイントです。
自宅で渡す場合は花束を隠しやすいのですが、問題は出先でサプライズしたい場合です。
待ち合わせ場所で会ってすぐに渡すという方法もありますが、受け取った方はその後も花束を持ち歩いて移動しなくてはならないという手間が生じるので、あまりおすすめできません。
車で移動するときにはトランクなどに隠しておけますが、そうでない場合は食事をするレストランや利用するホテルに協力をお願いするのも1つの手段です。
お店によっては、ちょうど良いタイミングで花束を持ってきてくれたり、ホテルの部屋にあらかじめ置いてもらえたりもできますよ。
ただし、そのようなサービスを行っていないところもあるので、事前によく確認しておきましょう。
花束の持ち運び方
花束は、生花の美しさや最大の魅力のフラワーギフトです。生花の鮮度を保つためにも渡す直前まで正しく管理し、向きや置き方にも注意しましょう。
まず、先述した通り、花束の茎側には水を含ませていることがほとんどです。花側を下にしてしまうと、水分が漏れてきて花やラッピングを傷めてしまうだけでなく、水分が無くなることで花が長持ちしにくくなってしまう恐れがあるため、抱えて持つときには花側をできるだけ高くしましょう。
また、花束を置いておく際にはなにかで支えて角度をつけ、花側が少しでも上になるように工夫したり、花の重みで花束のバランスが崩れたりしないように気を付けてください。
その際、できるだけ涼しい場所に保管すると花持ちが良くなりますよ。
しかし、花の鮮度が落ちないうちに早めに渡すことも大切です。季節や気温にもよりますが、フラワーショップで花束を受け取ってから、長くても5時間以内には渡せるように段取りを立てましょう。
花束に使う花の選び方
花束を贈る際には、使用する花にも気を配りましょう。渡すシーンにふさわしい花であることや大勢の人の前でも見栄えの良い花、花粉や香りが少ない花を選ぶのがポイントです。
どのような花を使えば良いか迷ってしまうときには、フラワーショップの店員さんに花束を渡すシーンや相手の方との関係性、だいたいのイメージなどを伝えておくと、予算内でその場にふさわしい花束に仕上げてくれますよ。
イメージがつきにくい場合は、ネットで花束を検索し、好みに近いものを参考資料としてお店の方に見せてみましょう。
シーンに合う花
まずは、花束を渡すシーンやシチュエーションにふさわしい花を選ぶことが大前提です。
花束は、お祝い事やお礼、お見舞いなどさまざまなギフトに選ばれていますが、それぞれのシーンでふさわしい花やふさわしくない花などがマナーとしてイメージ付けられています。
また、相手の方に誤解や不快感を与えないように、花言葉を把握しておくことも大切です。
例えば、黄色いバラには「愛情の薄らぎ」という意味合いが、黄色いカーネーションには「軽蔑」などの花言葉があるので、花束で贈るにはあまりふさわしくありません。
また、日本において菊や白ユリなどは供花のイメージが強いので、お祝いや入院中の方に花束で贈るのは避けた方が良いでしょう。
季節の花
花束にする花に迷ったら、その時の季節の花を使うのもおすすめです。
花束を贈るシーンは写真に残ることも多いので、季節感のある花を使うことで後から写真を見返したときに季節を思い出すことができます。
また、旬の花はその時期に市場に多く流通しており、安価で購入しやすいのも嬉しいポイント。
春ならチューリップやガーベラ、夏にはひまわりやあじさい、秋にはダリアやバラ、花が少なくなる冬にはラナンキュラスやアマリリスなどをメインにした花束がおすすめです。
目立ちやすい花
ステージ上や広い会場など、大勢の人の前で花束を渡すときには、遠くからでも目立つような見栄えの良い花がおすすめです。
バラやひまわりのように、1本1本の花の存在感が大きなものにするとボリューム感が出て豪華な印象の花束になりますよ。
また、赤や黄色、オレンジなど鮮やかな色彩でまとめるのも見栄えが良くなるポイントです。
花粉や香りが少ない花
花粉や自然の香りは生花の魅力の1つですが、花束にする場合はできるだけ花粉や香りが少ない花を選びましょう。
花束は渡すときや受け取るときに花が服に付きやすく、花粉が多い花だと服が汚れてしまう恐れがあります。
また、人にはそれぞれ香りの好みがあり、苦手な香りが強いと気分が悪くなってしまうことも考えられます。
特に、式典やパーティーなど大切な人に花束を渡す時には、失礼のないように花粉や香りの少ない花でまとめておきましょう。
花束を渡すときのポイント・注意点
花束はフラワーギフトの中でも特別な贈り物で、豪華で華やかな見た目が魅力的な半面、持ち運びにくさや管理のしにくさなどがデメリットになります。
また、プリザーブドフラワーとは違い、生きている花を使うので傷まないように取り扱いにも注意が必要です。
最後に、花束を渡すときのポイントや注意点を解説します。
適切なタイミングで渡す
花束を贈るタイミングは、どのようなシーンで渡すかによって変わってきます。
講演会やパーティーなどでの花束贈呈であれば、花束を受け取る人の最後の挨拶が終わったタイミングで贈るのが一般的です。
個人間で誕生日や記念日に花束を贈る際には、当日より少し早めに贈り、遅れないようにするのがマナー。
しかし、早すぎても迷惑になってしまうので早くても1週間前くらいが良いでしょう。
出産祝いや引っ越し祝いなどは、しばらくの間相手の方が忙しくしている可能性も考えられるので、少し遅れてからでも問題ありません。
花束は直接渡すのがおすすめですが、やむを得ず配送にするのであれば、相手の方が在宅の日や時間帯を確認しておくと安心です。
相手の負担になりにくいものにする
両手いっぱいに抱えるような大きな花束は、華やかな演出になり相手の方にも喜んでもらえますが、その後の持ち帰りや管理方法などを考えるのも大切です。
大きな花束を抱えて外を歩くと目立ってしまうため、花束が入るサイズの紙袋を添えるなど相手の方の負担を減らす工夫をしましょう。
また、花束の本数が多すぎると、それに合わせて大きな花瓶も用意する必要があるので注意してください。
メッセージカードや手紙を添える
花束を渡すときには、大勢の目があることや式典の進行があるときなど、相手の方に想いを十分に伝えられないこともあるでしょう。
「おめでとうございます」や「今後のご活躍を期待しています」などの一言を添えることはできるかもしれませんが、他にも贈りたい言葉があるのであればメッセージカードや手紙を添えるのもおすすめです。
面と向かって伝えるのは恥ずかしいという場合でも、メッセージカードであれば難しくありませんよね。
まとめ
大勢の人が集まる場面で花束を渡す時には、正式な花束の渡し方を意識して相手の方に失礼のないようにしましょう。
基本的には、相手の方が受け取りやすいように渡すということを意識しておけば大丈夫です。
花の種類や花粉、香りなどにも注意して、スマートに花束を贈ってみましょう。
花束にする花の選定に迷ったら、用途やシーンなどをフラワーショップの店員さんに相談するとその場にふさわしい花束を作ってくれますよ。