初心者でもOK!ハート型の葉をもつ観葉植物・ウンベラータの育て方

 

室内でも育てやすく、見た目も鮮やかな観葉植物として人気の「ウンベラータ」。

ウンベラータは可愛らしいハート型の葉っぱに明るいグリーンカラーが特徴的で、自宅用・ショップ用・ビジネス用まで、様々な場面のインテリアとして愛されています。

熱帯原産なので暑さに強く、耐陰性もあるため、栽培時のポイントをいくつか押さえていれば初心者でも簡単に育てることが可能です。

ウンベラータを栽培するにあたって、覚えておきたいポイントは6つ。

  • 栽培環境
  • 水やり方法
  • 肥料の与え方
  • 葉っぱの手入れ
  • 病気と害虫対策
  • 剪定の仕方

です。

もともとウンベラータはとても生命力の強い植物なので、これらの育て方を守れば問題なく栽培できるでしょう。

この記事では、ウンベラータの育て方に関するポイントをわかりやすく解説していきます。

 

 

ウンベラータはどんな植物?

 

ウンベラータ(Umbellata)は、熱帯アフリカを原産とする観葉植物です。

クワ科・フィカス属であることに由来して「フィカス・ウンベラータ」の別名で呼ばれることもあります。

種類としては、天然ゴムの原料としてお馴染みの植物・ゴムノキの仲間であると言えます。

そのためウンベラータの茎や葉に傷をつけると、切り口から白っぽくてベタベタした樹液が出てきます。

ウンベラータは生命力が高いため、初心者でも育てやすい観葉植物として知られています。

とりわけ暑さにはめっぽう強く、また一年中室内で育てていても全く問題なく育つ耐陰性を兼ね備えているのが特徴です。

野生のものでは樹齢100年を超えることもあるほどの木ですから、室内でも上手く育てれば何十年も生きてくれます。

 

まずはウンベラータの栽培環境を整えよう

ウンベラータに最適な気温

もともとウンベラータは一年を通して気温の高い熱帯アフリカで自生している植物です。

そのため非常に耐暑性が高く、夏場の厳しい暑さにもしっかりと耐え抜くことが出来ます。

ウンベラータは室内用の観葉植物として人気ですが、九州や沖縄などの暖かい地域では野外で栽培することも可能です。

しかし一方で、ウンベラータには耐寒性がやや弱いという特徴があります。

室内で栽培する場合でも、気温が5℃以下になると弱ってしまうので冬場の扱いには注意が必要です。

生育適正温度は18℃~30℃であると言われており、寒い地域では気温が下がりすぎないよう室温管理する工夫も大切です。

 

 

直射日光には注意

ウンベラータは暑さに強いものの、直射日光に当て過ぎると葉っぱが黒っぽく焼けてしまいます。

最大の魅力である鮮やかな緑色の葉がくすんでしまわないよう、室内栽培では窓際から少し離して置くのがポイントです。

ただし野生下でのウンベラータは光を好む植物ですので、育てる場所が暗すぎると葉っぱのツヤが悪くなる等、悪影響が出ることがあります。

ウンベラータの健康状態を維持しつつ、葉の鮮やかな緑色も保ちたいなら、窓はあるけど直射日光は当たらない「半日陰」のような環境で育てると良いでしょう。

基本的には室内の明かりだけあれば問題なく育ちますが、万が一ウンベラータの葉に元気が無くなってきたら、一時的に日当たりが良い場所に移動してもOKです。

 

ウンベラータの水やりはどれくらいが適正?

水やりのタイミングは、土の状態を見て確認することが出来ます。

軽く鉢植えの土を触ってみて、表面がすっかり乾ききっているようであれば水やりが必要になった合図。

逆に土がしっとりと湿っている場合は土中の水分濃度が高いので、水をやらずにしばらく様子をみておきましょう。

夏場は植物も大量の水を欲しがるため、土が乾きしだい水やりをして構いません。

しかし冬はウンベラータの成長が緩慢になる時期ですので、土が乾いてから水をやるまで数日置くのがベターです。

環境によって土が乾くスピードが違うのであくまでも目安ですが、夏場で1日1回程度、冬場で2~3日に1回程度の水やりを想定しておきましょう。

ウンベラータにあげる水の量

ウンベラータには一度の水やりでたっぷりと水を与えてあげましょう。

土の表面が乾ききっている時に水をあげて、鉢の底から余った水が軽く流れてくる程度が目安です。

これだけ水をあげても、ウンベラータの成長期にあたる夏場は特に乾きやすいので、こまめに鉢の状態をチェックしましょう。

冬場は水やりの回数を減らしますが、一度にあげる水の量は変わりません。

 

ウンベラータに肥料を与える方法

土中の栄養が不足すると、ウンベラータの元気がなくなってしまいます。

より健康で美しいウンベラータを育てるためには、定期的に追肥を行うのが良いでしょう。

ウンベラータに肥料を与える時期は、5月~10月を目安にしてください。

鉢植えで購入した場合は基本的に元肥がされているので、固形肥料をまく場合は購入日から2ヵ月おきます。

追肥は2ヵ月に1回のペースで、ウンベラータの健康状態を見ながら周期的に行いましょう。

 

液体肥料を併用してもOK

ウンベラータは暖かい時期によく育つので、特に春~夏にかけては液体肥料も併用すると良いでしょう。

製品にもよりますが、液体肥料は10~14日に一度のペースで交換します。固形肥料と液体肥料を併せて使うことで、新芽を出す時期の栄養を補填してあげましょう。

ただし11月~4月にかけての寒い時期には、一時的にウンベラータの成長が止まります。

ウンベラータが休眠している時に肥料を与えると栄養過多による障害が発生するため、寒くなってきたと感じたら追肥は一旦中止してください。

 

ウンベラータの葉っぱのお手入れ

ウンベラータのように大きな葉っぱをもつ観葉植物には、土だけでなく葉にも水をあげる必要があります。

霧吹きを使って葉の表面に水やりをすることを「葉水」といい、これを怠るとウンベラータの葉が乾燥してしまったり、害虫が湧く原因になることも。

特に冬場はウンベラータの根が水を吸い上げにくくなるため、葉水を忘れないようにしましょう。目安としては、通常の水やりと同時に行うくらいでOKです。

葉水のやり方はいたって簡単です。常温の水道水を霧吹きに入れ、全体の葉に行きわたるように軽く吹き付けるだけ。

ぽたぽたと水滴が垂れるほどあげるのではなく、うっすらと葉が湿るくらいの量をかけてあげると良いでしょう。

ウンベラータを室内で育てると、大きな葉っぱが部屋の中のホコリを溜めこんでしまいます。

気がついたらウンベラータの葉っぱがホコリで真っ白になっていた…なんてことにならないよう、日頃から葉っぱの掃除を心掛けましょう。

ホコリは水と一緒に流れるので、葉水をしているだけでも見える部分は綺麗に保てます。

しかし死角になっている部分など、ホコリが多めに蓄積してしまった場所は、濡れタオルなどを使って優しく拭き取ってあげましょう。

 

弱ってしまった葉は除去する

どんなに大切に育てていても、葉が枯れてしまうことは避けられません。

古い葉が新しい葉と入れ替わるのは植物として自然なことですので、弱った葉を見つけたら適宜取り除いてあげましょう。

取り除くのは、目に見えて枯れてしまった葉や、黄色く変色してしまった葉です。

もったいなく感じてしまうかもしれませんが、弱った葉をそのままにしていると、元気な葉にも影響が出ることがあります。

元気のない葉を除去すれば、その分の栄養が若い葉に行くので、ウンベラータ全体をより健康に育てることに繋がるのです。

 

ウンベラータが罹りやすい病気や害虫

ウンベラータは非常に生命力に強い観葉植物ですが、育て方や環境によっては病気に悩まされることがあります。

特に注意したい病気の一つが「うどんこ病」です。うどんこ病は葉っぱの表面に白カビが発生してしまう病気で、ウンベラータのみならず多くの観葉植物の天敵として知られています。

葉の表面をカビに覆われると上手く光合成が行えなくなるため、うどんこ病が悪化すればウンベラータはみるみる弱っていってしまいます。

うどんこ病を治すには早期発見・早期治療が重要です。

初期段階のうどんこ病であれば、水500~1000㏄に対して重曹を1g溶かした水溶液をカビに吹きかけることで治療することが出来ます。

ようはカビの繁殖を抑えれば良いので、薄めたお酢で代用することも出来ますし、発生箇所が少ない場合は葉っぱごとちぎってしまうのも有りです。

 

ウンベラータにつきやすい害虫

栽培中のウンベラータには、害虫が発生するケースがあります。

ウンベラータにつきやすい害虫としては、アブラムシ・ハダニ・カイガラムシなどが知られています。

害虫は屋外栽培で発生しやすいですが、室内でも土や肥料に混入して発生するケースがあります。

害虫の数が多すぎる場合には園芸用の殺虫剤を使うことも出来ますが、いくら園芸用とはいえ殺虫剤はウンベラータの生育に良くありません。

そのため害虫の有無は日頃から目視でチェックし、数が少ないうちに歯ブラシなどを使って丁寧に除去しておくのが一番です。

 

 

ウンベラータは定期的に剪定しよう

ウンベラータは春~秋の暖かい時期にかけてよく成長し、何本もの新しい葉を伸ばします。

葉の本数が多くなりすぎると栄養が偏りますし、大きくなりすぎると室内で育てるのも大変なので、葉が増えてきたら剪定するのがおすすめです。

時期はウンベラータの生命力が強い5月~10月にかけてがベスト。

寒い時期に剪定するとウンベラータが弱ってしまうので、剪定はなるべく暖かい時期に済ませておきます。

ただしウンベラータの成長が鈍くて新しい葉が増えていないようであれば、今ある葉を無理に剪定する必要もありません。

 

ウンベラータ剪定のやり方

剪定では、基本的に弱った葉や古い葉を優先してカットしていきます。

葉の健康状態が全体的にほとんど同じくらいであれば、下向きに伸びている葉や、交差して他の葉の邪魔になっている葉などを切っていきます。

ウンベラータの新芽は切った部分の近くから復活することが多いので、「ここから新しい葉を出したい」と思う部分をカットすると良いでしょう。

最初は少し怖いかもしれませんが、ウンベラータは非常に生命力が強く、ちょっとやそっとの剪定ミスでは枯れませんのでご安心を。

盆栽を手入れするように、ウンベラータが自分好みのシルエットになるようイメージしながら切っていくのも面白いですよ。

 

 

ウンベラータを増やす方法

 

ウンベラータを挿し木して増やす

剪定で切り取ったウンベラータの枝葉は、そのまま別の植木鉢に挿し木することも可能です。

初心者でも気軽に株分けして増やせる植物ですので、剪定の際にはぜひ試してみてください。

ウンベラータの株分けにはいくつかの方法がありますが、代表的なのが「挿し木」です。

比較的若い芽のついている先端部を選び、枝を10~15cmくらいの長さにカットして、元肥した新しい植木鉢に挿します。

あとはたっぷりと水やりをすればOK。完全に根付くまでは通常より多めの水をやって、土を乾燥させないようにするのがポイントです。

 

ウンベラータを水耕栽培で増やす

もっと手軽にウンベラータを増やす方法として、水耕栽培があります。

若い芽がついたウンベラータの枝を10~15cmほどの長さに切り取り、水を張ったビンに挿しておく方法です。

ポイントは、枝の切り口についた白い樹液をしっかりと洗い流してからビンに挿すこと。

切り口に樹液が固まっているとウンベラータが水を吸い上げにくいので、この下準備を怠ると水耕栽培は失敗しやすいです。

しかしその点にさえ気をつければウンベラータの水耕栽培は簡単です。あとはビンの中でしっかりと根をはるまで、こまめに水替えをしてあげましょう。

 

ウンベラータの栽培における注意点

 

ウンベラータの樹液は直接触らない

 

ウンベラータの枝葉を傷つけると、白くて粘着性のある樹液が出てきます。

この樹液は微弱ですが毒性を有するため、皮膚の弱い人はウンベラータの樹液でかぶれることがあります。

ウンベラータの樹液はラテックス成分を含むので、ラテックスアレルギーの人は特に注意が必要です。

 

もちろん樹液にさえ触れなければ、ウンベラータに害は全くありません。

注意すべきは剪定や挿し木のタイミングです。こうした作業では必ずゴム手袋か、ビニール手袋を着用しましょう。

 

子供やペットのいるご家庭では置き場所に注意

 

ウンベラータの樹液がもつ毒性は、多くの人間にとっては皮膚がかぶれる程度のものでしかありません。

しかしウンベラータを含むフィカス属の植物には、猫や犬にとって有害な成分が含まれています。

ペットがウンベラータを誤飲すると、痙攣などの症状を引き起こすケースがあるので注意してください。

また人間でも、小さな子供にはウンベラータの毒性が強く表れる可能性があります。

小さい子が誤ってウンベラータの葉をかじってしまうと大変なので、ウンベラータはお子さんの手の届かない場所で育てるのが良いでしょう。

それでも万が一、子供やペットがウンベラータを口にしてしまった場合は、念のため必ず病院に連れて行ってください。

 

夏場は土の温度が上がりすぎないように

 

屋外でウンベラータを育てる場合は、ときどき土の温度をチェックしてください。

鉢植えの内部はどうしても熱がこもりやすく、特に夏場は土が沸騰したように熱くなることがあります。

いくらウンベラータが暑さに強い植物だと言っても、土の温度が高すぎると根っこを傷めるので気をつけましょう。

土の温度を上げ過ぎないコツは、夏場は日中の水やりを避けることです。

ようは土に含まれている水分が太陽光で熱くなっている状態なので、水やりのタイミングを夕方か早朝にずらすことで対処できます。

すでに熱くなってしまっている場合は水を追加するのではなく、日陰や屋内に避難させて徐々に冷ますのが良いでしょう。

 

まとめ

ウンベラータは比較的生命力の強い観葉植物のため、自宅で育てるのに最適です。

プレミアガーデンでは、観葉植物の通販も行っていますので、コロナ禍で外に出られない、観葉植物はほしいけど運ぶ手段がない、という方でも気軽にお部屋に植物を置くことができます。

ウンベラータはもちろん、様々な観葉植物を取り揃えておりますので、自宅で楽しむのはもちろん、事務所や取引先へのプレゼントとしてもご活用ください。

 

大切なあの人にお花を送ってみませんか?