サンスベリアが広がる理由は?対処法と注意点を解説

 

人々に癒しを与えてくれる観葉植物は、インテリアとしても高い人気を誇る植物です。
現在日本には数多くの観葉植物がありますが、特に人気のある品種は自宅だけではなく、オフィスやカフェなどおしゃれな空間にも欠かせない存在となっています。
人気の高い観葉植物の中でも特に注目されているのが、「サンスベリア」です。
サンスベリアは、細長く縦に伸びる姿がとても美しいことから、多くの人に愛されています。
そんなサンスベリアは、観葉植物を育てる初心者の人でも簡単に育てられると言われていますが、時として育てる人を悩ませる状況に陥ってしまうこともあります。
それは、本来上に美しく伸びるサンスベリアが、横へ広がってしまうという現象に見舞われることです。
サンスベリアが横へ広がってしまう時、どうすれば上へまっすぐ育ってくれるでしょうか。サンスベリアという植物を紐解きながら、横へ広がってしまう時の対処法をみていきましょう。

サンスベリアが広がる原因

サンスベリアを育てている過程でよく見舞われるトラブルが、「広がり」です。

真っすぐ上へ伸びる姿が凛として美しいサンスベリアだけに、横へ広がってしまうとなんだか残念な気持ちになってしまいますよね。

サンスベリアには複数の種類があり、横へ広がってしまう理由は品種によっても異なります。ここでは、代表的なサンスベリアの品種を元に、その特徴について説明しながら、横へ広がる原因についても触れていきましょう。

 ミカド(サンスベリア・ファーンウッド・ミカド)

ミカドは、葉が硬くそして細長く、よく増える品種です。サンスベリアの中でも、ミカドが横に広がってしまう原因は、ズバリ日照不足によるものです。

サンスベリアは、前項でも触れたように、弱い日光でも育つことができる植物ですが、弱すぎると問題が発生します。当たる光が弱いと、充分な栄養分が行き渡らないことから、葉がピンと上を目指して育ってくれません。

葉が少しでも多く日光に当たろうとして、葉を横へ広げている可能性があります。

 

スタッキー(サンスベリア・スタッキー)

スタッキーは、細長い筒状の葉が内側に向かって巻いているのが特徴です。

スタッキーが横に広がってしまうなら、水のやり方が原因となっている可能性が大きいです。水をやりすぎていると、根腐れを起こしやすくなります。

水をやりすぎていないか確認するとともに、日の当たり方も確認することをおすすめします。

 シルバーキング(サンスベリア・シルバーキング)

シルバーキングは、他のサンスベリアと比較してもわかるように、大きく育つタイプではありません。そのため、手が掛からず扱いやすい植物だからこそ、インテリアとして活用されることが多い品種です。シルバーキングが広がってしまう理由も、水を与えるタイミングにあります。その日の最低気温が15℃以上にならないときには、根腐れを防ぐためにも水やりを控えるようにしましょう。

 ハニー(サンスベリア・ハニー)

他の品種と比較しても、小さめのサンスベリアです。

小さい葉が放射線状についていて、そのコンパクトさから、リビングなどに置くインテリアとして活用されています。ハニーが広がってしまう理由は、寒さと蒸れが原因です。

寒さに弱いため、気温が下がることで発育不良に陥り、蒸れによって根腐れを起こしてしまいます。

 

サンスベリアが広がるときの対処法

サンスベリアが広がってしまったときには、何らかの対処をしなければ広がりを抑えることはできません。1度丸くなったり大きく広がった葉は、元には戻らないとさえいわれています。では、サンスベリアの葉が広がってしまったとき、どんな対処法があるでしょうか。ここではサンスベリアの葉が広がるときの対処法を紹介します。

 植え替え

サンスベリアは、発育が旺盛な植物です。地下茎を伸ばして増えるため、生長も著しく、その勢いで鉢を割ってしまうこともあります。

割れてしまうことがなくても「根詰まり」を起こしてしまいます。

根詰まりを起こすと、根から水分や充分な養分が吸収できなくなるため、発育不良に陥って

しまい、その結果、葉がピンと上を向いて生長しなくなり、横に広がってしまうのです。

そうなることを防ぐために必要なのが、定期的な植え替えです。

2〜3年を目安に植え替えをすることで、通気性を確保するだけでなく、根詰まりを防ぐことができます。植え替えは、現状の鉢より大きい鉢に植え替えることがポイントです。

 株分け

サンスベリアは、どんどん生長するためこれ以上増やしたくないという場合や、植え替え後の鉢を大きくしたくないという場合には、株分けをしましょう。ハサミで株を2から3株に分け、同じ大きさの鉢に植え替えます。株分けをする場合、鉢土は2分の1ほど落とします。

置き場所を変えてみる

サンスベリアが横に広がる原因の1つが、日照不足です。

日当たりの良い場所に置いているつもりでも、健やかな生長に日光が足りていない可能性もあります。

サンスベリアは少ない日光でも育つとされていますが、上へ向かって真っすぐ伸びるきれいなサンスベリアに生長させるにはやはり、たくさんの日光が必要です。

置いている場所の、日当たりを確認してみましょう。

また、同じ場所でも鉢の向きを定期的に変え、葉に当たる日光の量を調整するのもポイントの1つです。

 余分な葉をカットする

見た目を整える意味も含め、ひとまず伸びすぎた葉や弱っている葉をメインに、カットしていきます。広がりすぎている葉を切っていくだけでも、全体的なバランスが整い、見た目が美しくなります。

対処法を実施するときの注意点

いくつかの対処法を実施するうえで、注意すべき点もあります。ここでは対処法を実施するときの注意点を紹介します。

 日陰で乾燥させる

植え替えをするために鉢から取り出したサンスベリアは、1日ほど日陰で乾燥させます。

多湿が原因となり、根腐れを起こすことを防ぐためです。

直射日光は避け、日陰で時間をかけて乾かすことが重要なポイントとなります。

 地下茎のカット

鉢から取り出したタイミングで、根の状態を観察します。ハサミを使い、土に隠れて腐っている根や生長しすぎている地下茎をカットし、根詰まりを防ぎます。

腐っている根や枯れた葉などをしっかり取り除くことで、病害虫の発生も防ぐことが可能です。切れ味の良い、園芸用のハサミを使うことを忘れないようにしましょう。

植え替え後の水やり

植え替えをした直後は、水やりの必要がありません。植え替え後はたっぷりと水やりをします。その後はしっかり土が乾くまで水やりはしないでください。

明るい日陰に置いて休ませます。

植え替え後の根は、まだ水をうまく吸えない状態なので、こまめに水やりをすると根腐れの原因になります。

植え替え後から1週間から2週間ほどは、水を与えないようにしましょう。

その後の水やりも、与えすぎには充分気をつけることが大事です。

鉢底石

サンスベリアは、鉢の底に置く鉢底石は必要不可欠です。鉢底石を入れなければ、せっかくあげた水が溜まってしまい、カビや根腐れの原因となります。面倒くさがらず、鉢底石をしっかりと敷き詰めることが、サンスベリアの生長を妨げないコツです。

水はけの良い土

植え替えや株分けをするにあたり、どんな土を使用するのかということも、重要です。

多湿を嫌うサンスベリアだからこそ、水はけの良い土が必要です。

サンスベリア用の土を使うことがベストですが、用意できないときには観葉植物用の土に、鹿沼土を混ぜただけのシンプルな土でも代用できます。

観葉植物用の土2に対し、鹿沼土を1の割合でしっかり混ぜると完成です。

そもそも、サンスベリアってどんな観葉植物?

サンスベリアは熱帯アフリカが原産地とされ、キジカクシ科のサンスベリア属に分類されす。何よりも特徴的なのは、その葉の色や形です。

多肉質の葉にはいろいろな模様の葉がある一方で、緑一色の葉もあります。

「チトセラン」や「トラノオ」などの和名をもち、トラノオに至っては、葉の柄がトラの尻尾に似ていることから名づけられたものです。

暑さと乾燥には強く、寒さには弱い観葉植物です。

 

見た目の特徴

サンスベリアにはいくつかの種類があり、見た目の特徴にもばらつきがあります。

寒さに弱く、暑さに強いことが特徴の1つですが、8月から10月の間に、はかなげな白い花を咲かせ、ジャスミンのような甘い香りを漂わせます。

ですが、必ずしも花が咲くわけではなく、花が咲いている姿はなかなか見ることができないので、とても貴重なものです。

樹高は低いもので10㎝前後で大きなものでは1m前後まであり、品種によって大きさにも違いがあります。

 

空気を浄化する効果と風水効果

サンスベリアには、空気を浄化し清浄するという効果があるとされています。

癒し効果のあるマイナスイオンが葉から放出されているという報告もあり、これらの驚くべき効果が、近年注目を浴びているのです。

空気を清浄化するという効果もあいまって、サンスベリアには風水としての効力も期待できるとされています。葉の縞模様には、悪いものを取り払う効果があるとされていることから、鬼門と呼ばれる方角にサンスベリアを置いたりします。

これらの驚くべき効果が、インテリアとしても高い人気を誇る理由となっているのです。

 

サンスベリアの育て方

サンスベリアは、比較的育てやすい観葉植物として人気を集めていますが、必要最低限の育て方は知っておく必要があります。

広がりすぎて困るという問題に対処するためにも、まずは正しい育て方をしっかり把握しなくてはいけません。ここではサンスベリアの育て方を紹介します。

 

水やり

植物を育てるうえで欠かせないのが、水やりです。

観葉植物は頻繁に水やりをする必要のない植物ですが、それでも最低限の水やりは必要です。特にサンスベリアは、寒さに弱く暑さに強いため、季節に合わせた水やりを必要とします。気温が10℃を超えてくる春から夏、秋にかけての時期は2、3日に1回水やりをし、10℃を下回る冬には、土が乾燥してから水やりをすれば問題ありません。

暑い季節の水やりは、鉢の底から水が流れ出る程たっぷり与えます。受け皿に溜まった水はしっかり捨てなければ、根腐れの原因となってしまうため、注意が必要です。

 

日当たりと気温

サンスベリアは暑さには強い植物ですが、寒さには弱いため、気温が低くなってくる冬は気温管理に注意が必要です。

特にベランダなどの屋外で育てている場合は、気温が10〜15℃になるころから、室内に入れて育てるようにしましょう。

サンスベリアは、弱い日光でも育つ性質ですが、当然日当たりが良い場所の方が好環境であることには間違いありません。

直射日光は避け、できるだけ日当たりの良い場所で育てることをおすすめします。

また屋外で育てる際には、エアコンの室外機などから出る温風が直接当たることのないように、気をつけるようにしましょう。

 通気性の確保

サンスベリアは多湿を嫌うため、通気性の確保は欠かせません。そのためには植え替えが必要であり、定期的に行うことで通気性を確保します。

また植え替えには、生長した根によって発生する「根詰まり」を防ぐ目的もあります。

 

肥料

サンスベリアにも肥料を与えると、その生長はさらに健やかなものとなります。

 

生長期に入る5〜6月に緩効性肥料をしっかり与えるか、液体肥料を2週間に1回与えると、寒い冬を乗り越えることができる強いサンスベリアに育ってくれます。

 サンスベリアの選び方

せっかくサンスベリアを育てるのであれば、自分の目的に合ったサンスベリアを迎え入れたいものですよね。

サンスベリアの種類はとても豊富で、同じ品種でも葉の色や形には微妙な違いがあるものです。では、サンスベリアを選ぶ際には、どんなことに着目して選べば良いのでしょうか?ここではサンスベリアの選び方を紹介します。

 

生育状況

購入する際には、健やかに生長しているサンスベリアを選びたいところです。

元々、暑い地域に生息していたことからもわかるように、葉が肉厚ですが、肉厚であればあるほど栄養分が充分に行き渡っている証拠なのです。

病虫害がないか、根はしっかり根付いているかなどを確認することで、そのサンスベリアの生育状況を把握することができます。

 大きさやサイズ

サンスベリアのサイズは、多くの場合、植えられている鉢の大きさで現します。

3号から7号が、販売されている一般的なサンスベリアのサイズです。

号数を現す数字が1つアップするたびに、鉢の大きさは約3センチずつアップしていきます。購入したサンスベリアをどこに置くのか、購入前に決めておくと、サイズも選びやすくなります。

 まとめ

サンスベリアは、真っすぐ上に伸びる姿が美しい植物です。

だからこそ、横に広がってしまっては、残念な気持ちになってしまいます。

サンスベリアが広がってきたときには、まず焦らないことです。

横に広がる原因を追究し、対処法をもって迅速に対応することができれば、サンスベリアは真っすぐきれいに伸びて生長してくれます。

いつも愛情をもって接し、大切に育てることでサンスベリアはますます美しい姿となり、元気に育ってくれるはずです。

大切なあの人にお花を送ってみませんか?