一気におしゃれになるサボテンの水耕栽培、その方法とは?
水耕栽培といえば球根植物を思い出す方が多いと思いますが、サボテンを水耕栽培したことがありますか?「水耕栽培」がどんな栽培なのか知らない方も多いと思います。意外とこの方法でサボテンを育てると一味違った楽しみ方ができるんですよ。今回は簡単に育てられ、素敵にディスプレイして楽しむサボテンの水耕栽培の方法をご紹介します。
水耕栽培とは
水耕栽培と聞くとヒアシンスとかクロッカスといった球根植物を思い浮かべる人が多いのではないでしょうか。小学校の理科でヒアシンスの水耕栽培をしたことがあるという方も多いですよね。
野菜ではコマツナ、レタス、サラダナ、ミツバなど葉っぱを食するものが水耕栽培されています。土を使用しないで植物を育てる方法で、。水耕、水栽培などともいいます。
植物が生長に必要とする栄養分は水に溶かして与えます。土を使わないので衛生的で、簡単に育てられるのも魅力です。そんな水耕栽培のポイントを押さえて気軽に始めてみるのもおすすめです。
サボテンも水耕栽培できる?
サボテンといったら何を連想しますか?おそらく砂漠、乾燥に強い、水やりが少なくて良い植物などですよね。サボテンには、水をそんなに必要としないというイメージが多いと思いますが、サボテンに水耕栽培など思いもつきませんよね?
ですが、サボテンも水耕栽培ができるのです。他の植物同様、水耕栽培のポイントをしっかり押さえておけば、サボテンも簡単に水耕栽培ができます。
土を使わないので、お部屋を汚すこともなく、土を原因として生じる病害虫の心配もありません。お部屋の中でサボテンを素敵なインテリアとして楽しむことができます。
水耕栽培のメリット
水耕栽培は土耕栽培と比較したときいくつかのメリットがあります。単純に水で育てるか土で育てるかの違いで考えたとき、土汚れがなく手を汚さないというイメージがありますね。実はそれ以外にも水耕栽培は土耕栽培に比べていくつものメリットがあるのです。ここでは、サボテンを水耕栽培するメリットについて紹介します。
室内を汚さない
一番のメリットは、土を使わないで育てられ、室内を汚すことがないのです。たとえば、うっかり鉢植えをひっくり返してしまったなどというとき、こぼれた水を拭き取るだけですみます。これが土の場合はそうはいきませんね。土を始末し土の汚れを拭き取らなければなりません。
また、水やりの際、多くやりすぎて、トレイから土交じりの水が溢れてしまい室内を汚してしまった。などということも水耕栽培にはありません。手を汚さず手間がかからないのが嬉しいですよね。
サボテンの根っこまで見られる
あまり水と縁がないと感じるサボテンの根っこって、一体どうなっているのでしょう?水耕栽培の魅力はその根っこが見られることです。
普通植物の地上部の葉っぱ、枝、花を愛でるのですが、水耕栽培することで根っこまで見れて植物全体を見ることができるのです。
普段みることのない根っこまで見ることにより、ますますサボテンが身近に感じることができ、楽しめますよ。
インテリアとしておしゃれになる
サボテンを水耕栽培するとインテリアとして手軽に飾ることができて、お部屋を素敵にしてくれます。お部屋の雰囲気も変わり、スタイリッシュになります。
またサボテンの根っこまで見えることにより、サボテンはが別の植物のように見え、一味違ったディスプレイとして楽しむことができます。
ガラス瓶、ペットボトル、試験管等透明な容器で栽培すると、とってもおしゃれな雰囲気になりますよ。
サボテンの水耕栽培で用意するもの
実際に水耕栽培するのにどんなものが必要となるのでしょうか?気軽に手軽に始められますが、ある程度、道具が必要です。ここではサボテンの水耕栽培で用意するものを紹介します。
・サボテン(サボテンは種類が豊富です。園芸店、100円ショップでもあります。あなたのお気に入りを見つけましょう)
・容器(ガラス瓶、ペットボトル等透明な容器ならなんでもOKです)
・ハサミ、使い古しの歯ブラシ、軍手、ピンセット、新聞紙(土栽培からの植え替えの作業の際必要となるものです。)
・根腐れ防止剤
ハサミはできるだけ新品を使うようにし、使用する前にしっかりと消毒してからにしてください。ハサミに雑菌が付着しているとサボテンの切り口から雑菌が入る可能性があります。また、作業の途中、何度か刃物を使用しますが、その都度消毒すると雑菌の付着を防ぐことができます。
サボテンを水耕栽培する方法
購入したサボテンは土栽培のものですので、その根は土栽培に適応したものになっています。これを水栽培に適した根が出るようにして育てていくのが水耕栽培なのです。土を水に替えてやるだけなので本当に簡単です。ここでは、サボテンを水耕栽培する方法を紹介します。ここはしっかり押さえてくださいね。
サボテンを用意
園芸店、ホームセンター、最近では100円ショップなどでも売られています。種類が豊富で、さらには大きなものから小さいもの、トゲのあるもの、ないもの、姿形、色合いなどさまざまで選ぶ楽しみもあります。
初めて水耕栽培するときは、小さめの新しいサボテンが良いでしょう。成長してしまった大人のサボテンは長年土で育てられていますので、水耕栽培には向きません。
購入したサボテンは、水耕栽培を始める1週間前から水やりをやめて、土を乾かせてください。
サボテンの土を落とす
まずは、土が完全に乾いたのを確認してください。確認方法の目安は、鉢を持ち上げて、鉢が軽くなっていたら水分が抜けているということです。
次に、土が完全に乾いたのを確認したら、サボテンを新聞紙のうえで鉢からそっと引き抜いてください。
根鉢を丁寧にほぐして土を落とします。そして使い古しの歯ブラシ等で根についている土をきれいに水で洗い流してください。(トゲが刺さらないよう、作業用手袋をするなどして注意してください)土が残っていると、それがもとで雑菌が繁殖したりすることがあるからです。
サボテンの根を切って乾燥
サボテンの根をハサミでカットします。これは土栽培に適用した根から水栽培に適用する根へと育てていくためにするものです。
およそ半分くらいカットします。根をカットしたサボテンは、新聞紙にくるんで、日の当たらない場所において、1週間くらい乾燥させてください。
こうすることでサボテンの水分を抜くことができます。しっかり水分をぬいたものは太く、丈夫な根が伸びてきて育てることが容易になるのでおすすめの方法です。
器に入れる
1週間後、サボテンが十分に乾燥したのを確認したら、次は植え付けです。準備しておいた容器に根腐れ防止剤を入れます。
次に容器に水を、サボテンの根が三分の一浸かるくらい入れて、最後サボテンを容器にセットします。容器はあらかじめ育てるサボテンのサイズに合ったものを準備しておいてください。そして、ぐらつくことがないよう、しっかりとセットしてください。その後は常に水位を維持していくようにしてください。
サボテンの水耕栽培のコツ
サボテンの水耕栽培を成功させるコツは水の適切な管理です。
植え付け(容器にセット)したとき水位に気をつけて、必ずサボテンの本体が水に浸からないようにしましょう。本体が水に浸かると、そこから腐っていってしまいます。
水替えは、1週間に1度は必ず水を入れ替えてください。
サボテンが生長するためには、酸素を沢山含んだ新鮮な水が必要だからです。
根が伸びてきたら、水位を確認し、常に根の三分の一が浸かっているようにしてください。サボテンを水耕栽培するには、この水位を維持していくことがとても重要になります。
サボテンを水耕栽培するときの注意点
- 置き場所に注意
- 適切な水位を保つ
- 新鮮な水を与える
サボテンを水耕栽培するとき注意する点はやはり水の管理です。
水で栽培していくので、土から発生することが多い病害虫の心配がありません。
以上のことを注意してみてくださいね。
直射日光が当たらないようにする
注意点でも述べていますが、サボテンを水耕栽培する場合、置き場所に注意が必要です。直射日光を避けた温かい場所で管理するようにしましょう。
直射日光は水温を上昇させ、それにより、サボテンの根にストレスを与えてしまうからです。また水温の上昇によって、水が腐ってしまったり、藻が生えてきたりすることがあるからです。鑑賞するため一時的に置き場所を変えても良いですが、通常は直射日光を避けた場所での管理をするようにしましょう。
水温をチェックする
水栽培での水温については、最低5℃~最高30℃の範囲を維持するようにしてください。容器や部屋の状況によって水温はかわるのですが、小さい容器の中の水は夏場などはすぐ上昇してしまいます。
直射日光は必ず避け水温の上昇がないように管理しましょう。水温が上がったままにしておくと藻が発生する原因となります。様子をみて30℃を上回るときは、水を入れ替えるようにしましょう。また冬場は最低5℃を下回らないようにしましょう。
定期的に水を交換する
水耕栽培には新鮮な水が必要です。新鮮な水はサボテンが生長していくのに必要な酸素が沢山含まれているからです。サボテンはこの酸素を根から取り入れて育っていくのです。しかし水も腐ることがあります。何日も放っておいた水はやがて細菌が繁殖し腐敗してしまいます。それをサボテンの根が吸い上げてしまうと、サボテンに雑菌が入りやがて枯れてしまいます。最低でも1週間に1回は水を交換し、新鮮な酸素たっぷりの水で育てていくよう心がけてくださいね。
サボテンの水耕栽培でよくある失敗
土栽培をしていると土に起因する失敗が多々ありますね。害虫が発生したり病気になったり、水のやりすぎ、または水のやり忘れで枯れてしまったなど、失敗の原因はさまざまです。それに比べると、水耕栽培は比較的簡単に栽培でき、失敗もそう多くはありません。
しかし水耕栽培でも、よくある失敗がいくつかあります。ここでは水耕栽培でよくある失敗を紹介します。
サボテンが腐る
一つ目が、サボテンが腐ってしまったという失敗です。容器にセットしたときは必ず、水位を確認するようにしましょう。
たとえば、水替えのときや、水位が下がり水を足したときなどです。
水を多く入れすぎて、本体が水に浸かっていたというようなことのないよう、水位を確認してください。少し濡れたくらいであれば、拭いて乾かせば問題ありませんが、何日も水に浸かった状態のときは、回復が困難になります。サボテンの水位を適切に管理して根を育てていきましょう。
根がカビてしまう
二つ目は、サボテンの根にカビが生えてきたという失敗があります。水耕栽培の準備段階で十分に乾燥をさせていない場合、雑菌がついたままの状態で植え付けするとカビが発生することがあります。
また1週間に1回の割合での水替えを怠ったりすると水が汚れ、カビが発生する原因になってしまいます。根にカビが生えたら、その根は切り落とし、もう一度最初から植え付けをするようにしてください。
瓶の中に藻が発生する
三つ目は、藻が発生したという失敗です。藻が瓶の中に生えると見た目にもよくありません。そしてその藻がサボテンの根につくとサボテンの成長の妨げになります。
藻が発生する原因には、直射日光に当たる場所に置いていたことがあげられます。
特に夏の強い直射日光はアッという間に藻が発生してしまいます。
ほかにも、水替えを怠ったことや、肥料の与えすぎなどが原因です。いずれも藻を発見したらすぐに、サボテンと容器を水でよく洗い流しましょう。早めに対応すれば藻を簡単に落とすことができます。
水耕栽培で肥料を与えるには
土耕栽培と同様に水耕栽培も肥料を与えることがあります。水耕栽培のサボテンが生長していくのには、水だけではなく、肥料が必要となります。
肥料は植え付け時には与える必要はありません。
通常は植え付けしてしばらくして新しい根がでてくるのですが、なかなか根が出てこない場合など様子をみて、肥料を与えることを考えてみましょう。
おすすめは液体肥料
水耕栽培用の肥料は、液体肥料をおすすめします。液体肥料は吸収が早いので植物の生長を確認しながら与えましょう。また液体肥料の利点は、規定量を薄めて使用するだけなので、手軽にしかも部屋を汚すことなく使用できることです。
肥料を選ぶときのポイント
液体肥料には有機肥料と化成肥料があります。水耕栽培には化成肥料を使用するようにしましょう。
有機肥料は枯れ葉、微生物の死骸等を利用しているので、水の濁りや腐敗の原因にもなるからです。また水耕栽培には植物の生長に不可欠で、根を丈夫に育ててくれるカリウムが多く含んでいるものを選びましょう。
肥料を与えるときの注意点
水耕栽培用の液体肥料は規定量を必ず守りましょう。植え付けしてから約2週間くらいで新しい根がでてきます。サボテンの様子をみながら生長が遅いようでしたら肥料を与えるようにしてください。
早く生長させようとして肥料を与えるようなことはしないでください。液体肥料は即効性に優れているので、効きすぎると植物を弱らせてしまうことがあるからです。
水耕栽培のサボテンをおしゃれに飾る方法
見慣れたサボテンも水耕栽培に変えると、おしゃれな植物に変身しますね。せっかくですから、それをもっともっとおしゃれに飾って楽しんでみましょう。ここでは水耕栽培のサボテンをおしゃれに飾る方法を紹介します。
試験管
理科の実験でおなじみの試験管。試験管立てに1本1本違う種類のサボテンを立ててもいいですし、シンプルに同じ種類で統一してみても素敵ですね。等間隔で並ぶのでスッキリ見えます。また試験管の長さをいろいろ変えてみると、スタイルにリズムが生まれサボテンもいきいきとして見えます。
電球
使い終わった電球を使ってみましょう。白熱電球を使います。中心電極を剥がし絶縁ガラスを割ります。そしてラジオペンチで中のガラスを割って外に出し中を空っぽにして出来上がりです。紐などで沢山繋げて吊るしてみてください。空中に漂う可愛い緑に癒されますよ。
空き瓶
ガラスの空き瓶も素敵です。ジャムの空き瓶、牛乳瓶、100円ショップでも様々な空き瓶があります。蓋に穴をあけて使用しましょう。大小いろいろな形のものを高低差をつけて並べて飾ってみましょう。特に夕暮れ時はとっても幻想的になります。
まとめ
サボテンの水耕栽培は、きれいで簡単手軽に始めることができます。土栽培と比較して病害虫の心配もなく部屋を汚さずできます。水の管理をきちんとすれば元気に育ってくれます。根っこまでみれる水耕栽培は、サボテンを別の植物のように神秘を感じさせてくれます。お気に入りの容器でおしゃれに飾ってみてくださいね。