サボテンの水やり方法!その水やり、間違えてないですか?

 

サボテンを育てているとかわいい棘やその個性的な姿に心が癒されますよね。サボテンは他の植物とは違い成長が比較的ゆっくりな種類が多いです。気長に成長を見守るのと同時に、毎日のお世話で株の調子がわかるようになります。今回はサボテンにとって大事なお世話にのひとつである水やりについてご紹介します。

サボテンの水やりはどうやってやる?

サボテンはどこにでも気軽に置けて、水やりもあんまりいらないからお世話も楽!と思っている方が多いのではないでしょうか。水やりの方法を間違えるとすぐに株の調子が悪くなり、根腐れを起こしやすくなります。サボテンに適した水やりの方法を知らない方は意外と多いです。大切なサボテンを元気に育てる水やりのポイントをご紹介します。

正しい水の量は?

サボテンにも水やりは必要です。でもサボテンは乾燥しているところが原産地だから、水やりは少しでいいのでは?と思いがちです。実はサボテンはお水をやるときはしっかりやって、いらない時は全くあげないというメリハリがとても大事な植物です。基本的には鉢底から流れ出るくらいの水をジョウロであげましょう。メリハリを大事にしないとせっかく水やりをしても、株が徒長してしまうことがあります。

水やりをするタイミング

水やりをするタイミングは季節や時間によって異なります。サボテンを育てるときに水やりのタイミングを間違えるととても大変です。サボテン自身は水を欲していないのに水をあげたりすると、根から水分を吸収することができません。水やりをするタイミングを間違えると、根腐れの原因につながることがあります。水やりのタイミングはサボテンの種類によっても異なることがありますので、大きく大事に育てるためにもチェックしたいポイントです。

 

サボテンの季節ごとの水やり方法

サボテンは季節によって水やりの量や時間帯が変わります。ここでは一般的なサボテンの場合をご紹介しますが、ご自身の育てているサボテンの種類を確認して、その種類に合った水やりの方法をチェックしてみてください。水やりの方法を間違えると成長が遅くなったり、鉢の中の根の状態が悪くなる場合もあるのでしっかりとチェックしてくださいね。

春のサボテンは成長期を迎えます。成長期は土の表面が乾いたときや晴れの日にお水をたっぷりジョウロであげましょう。回数の目安は1ヶ月に1~2回くらいですが、株によってはもっとあげても良い場合があります。春の水やりに適している時間帯は午前中です。午前中はさわやかな春の日差しと過ごしやすい気温です。この時間帯が春の水やりのベストタイミングですよ。

夏のサボテンは成長を一旦お休みします。また気温が朝から上昇する夏日の日などは特に注意が必要です。夏の午前中や昼に水やりをあげてしまうと、気温が高いため鉢の中で根が蒸れてしまいます。そのため夏の水やりのベストタイミングは、日が落ちて比較的涼しくなる夕方から夜です。また夏のはお水の量を少なめにしましょう。この季節はやや乾燥気味にしてサボテンを育てた方が、秋から冬の時期を耐えることができる丈夫な株になります。

秋は冬支度の時期です。成長期とまではいきませんが、株は水分と栄養分を蓄えるための準備を始めます。季節が過ごしやすくなってきたら、水やりのタイミングや水やりの量は春と同じです。秋のカラッと晴れた日などは鉢の土も乾燥しやすくなりますので、鉢の様子をしっかりと観察して冬支度をさせてあげましょう。また水やりの時間帯も春と同じで午前中に行ってくださいね。

冬はサボテンの成長が止まる休眠期に入ります。休眠中なので基本的には水は一切与えません。断水することによって厳しい冬の寒さに耐えることができるので、心配せずに断水してください。また挿し木をしたばかりの株や小さめの株などは、休眠期に水なしで過ごせるだけのエネルギーをもっていない株もあります。小さめの株には昼間の気温が比較的高い時間帯に水やりを少量だけします。

 

水やりをしすぎると根腐れを起こしてしまう

サボテンはかわいくてどんどんお水をあげたくなりますよね。しかし我慢です。なぜかと言うとサボテンが枯れてしまう大きな原因のひとつが水やりのしすぎだからです。乾燥には比較的強いので耐えることができますが、反対に鉢の中が吸収できない水でいっぱいになってしまうと簡単に根腐れをおこしてしまいます。根腐れにすぐ気が付けばよいのですが、実際は気が付くまでに時間が経過して気付くと枯れてしまったという失敗がとても多いのです。

 

根腐れを起こしてしまったサボテンを復活させる方法

では根腐れを起こしてしまったサボテンはもう枯れてしまうしかないのでしょうか。実はそんなサボテンを助ける方法があります。それは胴切りという方法でサボテンの胴体を切り離してしまうことなのです。まずは胴切りに使用する刃物を良く消毒してください。切り口から雑菌が侵入しカビや雑菌が原因で枯れることがよくあるためです。消毒した刃物で根腐れを起こしていない元気な部分を水平に切り落とします。このとき周囲に腐っている部分があればきれいになくなるまで削ぎ落してください。切り口は明るく風通しの良い場所で休ませましょう。10日くらいで根が出てきたら、サボテン用の培養土に植えます。このとき古い土は使わないのがポイントです。古い土を使うとまた根腐れを起こしてしまう場合があるので注意しましょう。

 

室内の温度にも注意が必要

室内で管理している場合は四季を通して適温を保ってあげることがポイントです。サボテンは過酷な環境でも生育が可能なため、丈夫なのだろうと思いがちです。確かに丈夫なのですが、温度管理に気を付けないと枯れてしまう原因になったり、成長が止まってしまうこともあります。サボテンを立派に育てるためにも温度管理をチェックしておきましょう。

 

5度以上を保ってあげる

サボテンは基本的に寒さに強いので、実は冬の寒さにも耐えることができます。屋内で5度以上あれば冬でも気にすることなくサボテンを栽培できます。またサボテンを置く場所の日当たりの状態で気温の差があります。冬の間じゅうずっと日陰の寒い場所育てるのではなく、日が当たり気温が少しでも上がる場所を選んであげたほうがサボテンにとってはうれしい環境です。

 

急な温度変化は気を付ける

サボテンはもともと昼夜の気温差がある地域で育つので温度変化には柔軟に対応できる植物です。しかしお部屋の中で急な温度変化がある場所には気を付けましょう。鉢に水がたっぷりある状態での気温差は根腐れの原因になってしまうことがあるためです。自然環境下ではその土地の風土に適したサボテンが自生しますが、私たちの生活している屋内はサボテンにとっては慣れない環境です。お部屋のサボテンの土質を知り鉢の中の状態を想像した上で温度差に気を付けたいものです。

 

害虫に注意

サボテンは棘があるので害虫なんて寄ってこないと思われている方は必見です。実はサボテンは害虫が付きやすい植物です。なぜ害虫に好まれるのかというと過酷な環境下でも生き延びることができるようにサボテン内部に豊富に蓄えれている栄養分があるからです。注意したい害虫をご紹介しますので、見つけたら即退治が基本です。

 

カイガラムシ

カイガラムシはじめじめした場所よりも乾燥した環境を好むためサボテンはとても狙われやすいです。サボテンに蓄えてある豊富な栄養分を吸い取るために引っ付きます。カイガラムシは目視で分かるものもいるので、見つけたらピンセットで取り除きます。その後カイガラムシ用の薬剤を散布しておくと安心です。

 

ハダニ

ハダニは観葉植物をはじめ色々な植物に付きやすい害虫です。サボテンの周りに草が茂っているとそこからやってきます。ハダニは小さいため見て確認することができません。サボテンの汁を吸い取った部分が白や黄色に変わるので、様子がおかしいと思ったらすぐに対処しましょう。ハダニも乾燥したところを好みますので、サボテンの株を流水で洗うことで多くのハダニを洗い流すことができます。耐薬性を持っているので、乾燥させすぎないことに注意することで予防できます。

 

コナカイガラムシ

コナカイガラムシもカイガラムシと同じく乾燥した環境で生活しているので、サボテンに付きやすい害虫です。白くて目立つのでピンセットで取り除きます。サボテンの鉢が乾燥しすぎていたら餌食にされてしまうので、適度な湿度を保ち風通しのよい場所で育てることで予防できます。もちろん薬剤を散布して予防することも効果的です。

 

ナメクジ

棘があるのにナメクジは平気なのと思われる方、平気でサボテンの柔らかい部分を食べてしまいます。ナメクジは鉢の底によくいるので、時々鉢底をひっくり返してチェックするとよいです。またナメクジ向けの薬剤は優秀なものが多いので、薬剤を使って予防と退治の両方をすることにより他の害虫よりも簡単に撲滅することができますよ。

 

サボテンの植え替え方法

ショップで購入したサボテンもお世話をして年数が経つと大きく成長します。また鉢の中の見えない部分は根がびっしりと張っていてパンパンになっているかもしれません。サボテンも他の植物と同じように植え替えをしてあげると、さらに元気な姿を見せてくれますよ。ここでは植え替えの方法をご紹介します。

 

植え替えにおすすめの季節

サボテンの植え替えをしようと決めたら、まずは時期を確認しましょう。一般的なサボテンの場合、冬の気温が低い期間は休眠期です。また春になり気温が上がると成長期に入ります。サボテンの植え替えに最適なのは、休眠期から成長期になるまでの間でだいたい3月〜4月くらいが適期です。

 

植え替えの方法

サボテンの植え替えに必要なものは、元の鉢よりひと回り大きいサイズの鉢、底石、軽石、サボテン用の園芸培養土です。植え替えの1週間くらい前から水やりをやめることで、鉢から株を取り外すときの根へのダメージを軽くすることができます。まずは鉢からサボテンを抜きます。抜いた株の根に土がついているのでほぐして土を落とします。そして傷んでいる根や伸びすぎている根を切って整えます。その後5日程度日陰で風通しのよい場所で根を乾燥させてから、新しい鉢に植え替えましょう。

 

植え替え後の注意点

サボテンの植え替えが終わったら注意していただきたいことが2つあります。1つ目は植え替え後にすぐ水やりを絶対にしないことです。新しい土に根が馴染んでいない状態で水やりをすると、根が水分を上手く吸収することができません。最悪の場合は根腐れを起こす可能性もありますので、植え替え後の水やりは植え替えから1~2週間前後経過してから行ってくださいね。2つ目はいきなり直射日光に当てないことです。植え替え直後のサボテンは根だけでなく株全体が新しい環境にびっくりしています。植え替え後は明るい日陰でゆっくり管理してあげてください。

 

サボテンの増やし方

サボテンを育てているととても愛着がわきとてもかわいく思えます。かわいいサボテンは想像以上に簡単な方法で増やすことができます。大きいサボテンからかわいい子株が出てきたり、サボテンが大きく元気に成長しているときはサボテンを増やす良いタイミングです。サボテンを増やす方法をご紹介しますので、挑戦してみてください。

 

株分け

サボテンを育てていると、株の脇から子株が出てくることがあります。子株が出てきたら株分けの良いタイミングです。まず消毒した刃物で子株を親株から切り離し、切り口を下に向けて風通しのよい日陰で管理します。乾燥させることで根腐れ防止にもなりますので、約1週間は絶対に乾燥させてください。その後は通常のサボテン専用の土を水はけのよい鉢に入れて切り口を下にして優しく置きます。水やりは根が出てから行います。

 

接ぎ木

サボテンを接ぎ木するという方法もあります。接ぎ木は成長が遅い種類のサボテン(穂木)を他の成長が早いサボテン(台木)に接ぐことです。台木には向き不向きがあり、また穂木との相性も重要なポイントです。台木の一部分を刃物で水平にカットし、そこにカットした穂木を置いて包帯や粘着テープで固定します。カットする際は消毒した刃物を使用します。2週間前後で結合するので固定したテープ類を外して、しばらくは株に直接水がかからないように管理します。

 

種まき

サボテンは種子から発芽させる方法もあります。サボテンの種子は果肉の中にあるので、柔らかい布などに果肉を包んで流水を使いながら種子を取り出します。取り出した種子は川砂など水はけのよい土を入れた鉢の土の上に置きます。鉢の下には浅い皿に水を入れたものを設置して、鉢の上には少し隙間を開けるようにラップなどをします。管理は日当たりの良いところで行い、朝晩に霧吹きで水をあげると早くて4日程で発芽が見られます。

 

サボテンの管理でチェックすべきポイント

サボテンの管理でチェックするポイントがいくつかあります。サボテンは成長がゆっくりなものが多く、株の調子が悪くなってもすぐに気づくことが難しいです。日々の管理をしっかりすることで少しの変化にも気が付くことができますよ。ここではサボテンの管理でチェックしたいポイントをご紹介します。

 

真冬に起こる変色

寒さに強いサボテンは屋外で越冬が可能です。しかし長期間に渡り寒冷所に置かれたり、部屋の中で栽培していた株を屋外に出したタイミングで気温が急に下がったりすることがサボテンが変色する原因です。この場合は黒紫~赤紫の色に変色しますが、この変色は特に心配することはありません。中には寒冷所で管理してサボテンを変色させた株の方が花芽が付きやすいという意見もあります。

 

木質化

サボテンの木質化とはサボテンが茶色く固くなりまるで木の幹のような風貌になることです。生育歴が長い古い株のほうがより木質化しやすいようです。またこのような古い株は木質化しても枯れてしまうわけではなく、子株ができることもあります。反対に生育歴が短い若い株の下部が木質化してきたときは、そのサボテンの生育環境に合っていない場合がありますので注意が必要です。

 

徒長

徒長は伸びることですが成長して伸びるのではなく、水や肥料の与えすぎや日照不足が原因で不自然に伸びてしまった姿です。徒長してしまうと株全体のフォルムも悪くなりますし、生育環境が原因の場合はそのまま株が弱ってしまう可能性もあります。徒長してしまった株は胴切りや挿し木をすることにより、伸びすぎたサボテンを矯正すると時間をかけて元の姿に近づきますよ。

 

まとめ

今回はサボテンの水やりについて注意したいポイントを中心にご紹介しました。サボテンはゆっくりと着実に育っていく姿が魅力的です。サボテンの魅力を引き出すためには適切な水やりが欠かせません。今回ご紹介したポイントはどれもサボテンを栽培する上でぶつかるトラブルばかりです。いざトラブルが起こった時は今回ご紹介したことを参考にしていただければ幸いです。

 

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