ドラセナの育て方とは?基本情報や育てる際の準備や注意点などを紹介

生命力が強くスタイリッシュな見た目が魅力のドラセナ。観葉植物の中でも特に人気の高い種類であり、「幸福の木」とも呼ばれています。

ドラセナは室内で育てやすく、日光や水やりの管理を少し意識するだけで長く美しい姿を楽しむことができます。そこで今回は、ドラセナの基本情報をはじめ、主な種類や育て方のコツなどを紹介します。

ドラセナの基本情報

ドラセナの基本情報は以下の通りです。

科・属 キジカクシ科・ドラセナ属
英名 Dracaena
和名 ドラセナ、ドラゴンツリー
学名 Dracaena fragrans
原産地 アフリカ、亜熱帯地域 など
樹高 2~20m ※品種による
耐陰性 やや強い
耐暑性 強い
耐寒性 弱い
花言葉 幸福、長寿、永遠の愛 など

ドラセナは、アフリカやギニア北部などを中心とした亜熱帯地域に分布する観葉植物です。花言葉は「幸福」「長寿」「永遠の愛」など、幸せに関する縁起の良い言葉を持っています。

ドラセナは、日本において「幸福の木」とも呼ばれていますが、世界的に見ても縁起物として扱われています。特に、ハワイでは古くから幸福の象徴として大切にされており、玄関インテリアとして置く家庭も多いです。

また、風水効果が期待できる観葉植物としても有名であり、ドラセナを飾れば「幸福」と「金運」がアップしやすいといわれています。ドラセナは縁起の良い観葉植物として、さまざまなシーンで選ばれています。

ドラセナの代表的な種類3選

ドラセナは、美しい葉や育てやすさなどからインテリアグリーンとして高い人気があります。自宅の観葉植物としてはもちろん、スタイリッシュな佇まいからオフィスやショップでも活用されています。

ここでは、ドラセナの代表的な3つの種類の特徴や魅力などについて詳しく見ていきましょう。

ドラセナ・マッサンゲアナ

ドラセナ・マッサンゲアナは、別名「幸福の木」として知られる人気の高い品種です。太くしっかりとした幹に、中央へ淡い黄緑色のストライプが入った艶やかな葉を広げる姿が特徴で、見た目にも生命力を感じさせます。

「マッサンゲアナ」は「ドラセナ・フラグランス」の枝変わり種であり、上品な色合いと美しい葉模様から観葉植物として多くの家庭やオフィスで親しまれています。ただし、ドラセナ・マッサンゲアナは、ドラセナの中ではやや耐陰性が弱いため、日当たりの良いリビングなど、明るい場所に置いて育てるのがおすすめです。

ドラセナ・コンシンネ

ドラセナ・コンシンネは、すらりと伸びた剣のような葉が印象的な中型のドラセナです。大正時代に日本へ伝わり、スタイリッシュで清涼感のある姿から今も多くの人に親しまれています。枝分かれが少なくスリムな形状のため、限られたスペースでも飾りやすいのが魅力です。

ドラセナ・コンシンネは別名「真実の木」とも呼ばれており、「真実さ」といった花言葉はその名に由来します。葉の縁には赤みを帯びたラインが入り、品種によってその入り方や色合いが微妙に異なります。

耐陰性があるため、玄関や室内でも育てやすいですが、週に4~5時間ほどは明るい場所で日光浴をさせるとより健康的に育ちます。

ドラセナ・リフレクサ

ドラセナ・リフレクサは、細くしなやかな葉と美しい樹形が印象的な品種です。枝分かれが良く、濃いグリーンの葉が重なり合う姿は室内空間に自然のアクセントを与えてくれます。

また、ドラセナの中でも特にマイナスイオンの発生量が多いといわれており、きれいな空気を保つ「エコプランツ」としても人気があります。

ドラセナ・リフレクサは耐陰性が高く育てやすいため、玄関などの明るさが限られる場所でも元気に育ちますが、ドラセナ・コンシンネ同様に週に4~5時間ほど日光に当てるのがおすすめです。その際、鉢を定期的に回すことで形を整えながら美しい姿を保つことができます。

ドラセナを育てる際の前準備

ドラセナを育てる際、鉢植えを想像する方が多いのではないでしょうか。ドラセナは鉢植えで管理することが多いですが、庭に直接植えて美しいグリーンを楽しむことも可能です。

鉢植え・庭植えはそれぞれ準備が異なりますが、対策をしっかり行っておくことで元気な姿を保つことができます。ここでは、鉢植え・庭植えで育てる前にしておきたい準備について解説します。

鉢植えで育てる場合

鉢植えでドラセナを育てる場合は、湿気対策がポイントです。ドラセナは根が過湿に弱いため、通気性と排水性の高い素焼き鉢や木製の鉢を選びましょう。

素焼きの鉢は微細な穴が多く通気性に優れ、木製鉢は水はけが良く、インテリアにもなじみやすいのが特徴です。

また、室内で育てる場合は窓越しのやわらかな日差しに当てると元気に育ちます。耐陰性のある品種も多いので玄関などに置くこともできますが、週に数回は明るい場所で日光浴をさせると良いでしょう。

一方、屋外に置く場合は夏の直射日光が葉焼けの原因になるため、風通しの良い半日陰へ移動させてください。耐寒温度はおおよそ10℃前後のため、冬場は室内で管理すると安心です。

庭植えで育てる場合

鉢植えの印象が強いドラセナですが、地植えにするとその個性的な樹形が際立ち、庭のアクセントとして存在感を放ちます。植えつける際は、根がすっぽり収まる深さに穴を掘り、株を入れたあとにやさしく土を戻してしっかりと水を与えましょう。

地植えで注意したいのは「冬の寒さ」と「多湿」です。気温が10℃を下回る地域では、冬の間だけ鉢に植え替えて室内で管理すると安心です。

また、ドラセナは湿気に弱く、梅雨の時期だと根腐れを起こしやすいため、雨の多い地域では屋根のある場所や水はけの良い場所に植えるのがおすすめです。

ドラセナの基本的な育て方

ドラセナを長く楽しむためには、適切な生育環境を整えることが大切です。ここでは、ドラセナの水やりや肥料の与え方、剪定方法などを項目ごとに解説するので、ぜひ参考にしてみてください。

水やり

ドラセナは乾燥気味の環境を好むため、水やりのしすぎは禁物です。生長期にあたる4月から10月は、鉢の土がしっかりと乾いてからたっぷりと水を与えるのが基本です。常に湿った状態が続くと根腐れを起こしやすいため、土の表面が白っぽく乾いてから水を与えるようにしましょう。

一方、11月~3月の休眠期は水分の吸収が緩やかになるため、土が完全に乾いてからさらに2~3日置いてから水を与える程度で十分です。休眠期の根腐れは回復が難しいため、冬場は特に水の与えすぎには注意してください。

置き場所

ドラセナは耐陰性が高く、日当たりの少ない玄関やリビングなどでも育てられる観葉植物です。ただし、まったく日光に当てないままにすると株が軟弱になり、葉が黄色く変色してしまうことがあるので、週に4~5時間ほどはカーテン越しのやわらかな日差しに当てて日光浴をさせてください。

屋外で育てる場合は、夏の強い直射日光で葉焼けを起こすことがあるため、明るい日陰に鉢を移動させましょう。地植えの場合は、大雨が続くと根腐れを起こす恐れがあるため、屋根のある場所や水はけの良い場所に植えるのが安心です。

肥料

ドラセナを健康に育てるためには、時期に合わせた肥料の与え方が大切です。植えつけの際は、最初に元肥として緩効性の肥料を土に混ぜ込みましょう。これはゆっくりと長く効くタイプで、植物の根が安定して成長するのを助けます。

一方、生育期にあたる4月~10月にかけては、液体肥料で栄養を補うのがおすすめです。液体肥料は即効性があり、根からすぐに吸収されるため、成長をしっかりとサポートしてくれます。既定の濃度に薄め、10~15日に1回を目安に与えるのがポイントです。

また、土の表面近くに置いてゆっくりと効かせる置き肥を活用するのも一つの手です。緩効性の化成肥料を根元から少し離した位置に置き、2ヶ月に1回のペースで与えると肥料焼けを防ぎながら長期間栄養を供給できます。

剪定

ドラセナは成長力が強く、放っておくと上へと伸び続ける性質があります。そのままにしておくと徒長してシルエットが乱れ、管理もしにくくなってしまいます。

また、葉が密集すると風通しが悪くなり、湿気がこもって害虫や病気が発生しやすくなるため、剪定は健康的に育てるためにも欠かせません。

剪定の適期は成長が活発になる5月~9月ごろで、整えたい部分の枝や葉を園芸用のハサミで切り落とします。ただし、何度も切り直すと切り口から雑菌が入りやすくなるため、一度でしっかり切ることが大切です。

剪定後は風通しの良い明るい日陰で管理し、株への負担を減らすようにしましょう。

植え替え

ドラセナの植え替えに最適な時期は、成長が活発になる5月~9月ごろです。この時期に行うことで根の負担を減らし、スムーズに新しい環境へなじませることができます。

まずは一回り大きな鉢を用意し、鉢底ネットの上に鉢底石を敷き詰め、鉢の1/3ほどまで新しい土を入れます。

古い鉢からドラセナをやさしく抜き出し、根についた古い土を軽く払い落とします。傷んだり腐った根があれば、清潔なハサミで切り落としておきましょう。

新しい鉢に株を置き、縁から2~3cm下まで土を足して整え、たっぷりと水を与えれば完了です。

植え替え後は明るい半日陰で管理し、根が落ち着くまでの1~2週間は肥料を与えないようにしてください。

増やし方

生命力が強いドラセナは、挿し木で手軽に増やせる観葉植物です。挿し木とは、枝や茎の一部を切り取り、そこから新しい根を出させて株を増やす方法のことをいいます。

ドラセナの適した時期は気温が安定している5月~9月ごろであり、園芸用ハサミや挿し木用培養土、小さめのビニール鉢の3つを用意します。

まず、枝の先端を10~15cmほどの長さに切り取り、葉を4枚ほど残して他はすべて取り除きます。残した葉も半分ほどにカットして蒸散を防ぎましょう。

切り口を整えたら1時間ほど水に浸し、十分に吸水させます。その後、鉢に培養土を入れて茎を挿し、たっぷりと水を与えてください。

管理は明るい日陰で行い、約1ヶ月後に新芽や根が確認できたら通常の植え替えと同じ手順で一回り大きな鉢に移して育てます。

冬越し

冬はドラセナが休眠期に入る季節です。屋外で育てている株は寒さに弱いため、すべて室内へ移動させて冬越しをさせましょう。地植えの場合は、手間はかかりますが鉢に植え替えて室内で管理するのがおすすめです。

上述したように、休眠期のドラセナは水分をほとんど吸収しないため、鉢土が完全に乾いてからさらに数日おいて水を与える程度で十分です。

室内では、日中は窓際などの明るい場所で日光に当て、夜間は冷気の影響を受けないよう部屋の中央などへ移動させると安心です。温度と湿度のバランスを保つことで、春に向けて元気な状態を維持できます。

ドラセナを育てる際の注意すべき病害虫

ドラセナをはじめ、観葉植物を育てる上で避けて通れないのが害虫や病気の問題です。ドラセナは比較的丈夫で初心者でも育てやすいですが、元気に長く育てるためには適切に対処することが重要です。

最後に、ドラセナを弱らせてしまう害虫や病気とその対処法について紹介するので、育てる際に役立ててください。

カイガラムシ

カイガラムシは体長1~3mmほどの小さな害虫であり、丸いものから縦長のものまで形状はさまざまです。ドラセナでは、殻をまとった「カタカイガラムシ」や白い綿のような見た目の「コナカイガラムシ」がよく見られます。

これらは幹や枝、葉に寄生して養分を吸い取り、植物の生育を弱らせてしまいます。さらに、排泄物が葉に付着するとすす病を誘発し、葉が黒く変色してしまうこともあります。

予防には発生前の薬剤散布が効果的ですが、成虫になると薬剤が効きにくくなるため、ふ化直後の5~7月ごろに散布するのが最も効果的です。すでに成虫がついてしまった場合は、歯ブラシややわらかい布でこすり落として取り除くと良いでしょう。

アブラムシ

アブラムシは体長1~4mmほどの小さな害虫で、緑や黒、灰、赤褐色といった体色をしています。ドラセナでは、主に新芽や茎などのやわらかい部分に集まり、植物の養分を吸い取ります。排泄物は粘り気のある甘い蜜状で、これが葉の表面に残るとカイガラムシと同様にすす病を引き起こし、放置すると株全体が弱って枯れてしまうこともあります。

アブラムシを見つけたら、まずは粘着力の弱いテープでやさしく取り除くか、強めのシャワー水流で洗い流すのが効果的です。予防としては、発生前に薬剤を散布し、害虫がつきにくい状態を保つことが大切です。

化学薬剤を避けたい場合は、木酢液を薄めてスプレーするのもおすすめです。木酢液には害虫を遠ざける効果があるだけでなく、土壌改良にも役立ち、植物の健やかな生育を助けてくれます。

うどんこ病

うどんこ病は、葉の表面に白い粉をまぶしたようなカビが発生する病気で、その見た目から名づけられています。多くの植物に発生する代表的な病気で、ドラセナも例外ではありません。

放置すると葉が黄色く変色して枯れ、光合成ができなくなって株全体が弱ってしまいます。さらに、病原菌が空気中に舞い上がって周囲の植物へも感染し、短期間で広がることがあります。

予防には、風通しの良い環境を整えることが重要です。水はけの良い土を使い、葉が混み合わないように剪定して空気の流れを確保しましょう。

また、乾燥はカビの繁殖を助けるため、枯れ葉を取り除きながら定期的に葉水を与えるのも効果的です。湿度と通気のバランスを意識して管理することで、うどんこ病の発生を防ぐことができます。

炭疽病

炭疽病はカビが原因で発生する植物の病気であり、ドラセナでも注意が必要です。発症すると茎や枝に灰褐色から黒色の斑点が現れ、進行すると葉に穴があくこともあります。

高温多湿の環境で一気に広がるため、特に梅雨の時期は要注意です。病原菌は風や雨、水やりの際の水はねによっても広がるため、こまめな観察と対策が欠かせません。

葉や枝に病斑が見つかった場合は、感染部分を枝ごと切り取りましょう。株全体に広がってしまった場合は、他の植物への感染を防ぐためにも株を処分することが望ましいです。

再発を防ぐには、水はけの良い土を使い、葉が混み合わないように剪定して風通しを良くすることが大切です。清潔な環境づくりが、炭疽病の最も効果的な予防策になります。

まとめ

比較的丈夫で育てやすく、スタイリッシュな見た目が魅力のドラセナは、初心者にもおすすめの観葉植物です。品種ごとに葉の色や形、耐陰性などが異なりますが、乾燥気味に管理しながら日光を適度に取り入れることで、鮮やかな葉色と健康的な姿を保てるでしょう。

また、定期的な植え替えや剪定を行うことで風通しを良くし、害虫や病気を防ぐことにもつながります。季節ごとの管理ポイントを意識することで、ドラセナは1年を通して元気に成長してくれます。

ぜひ本記事を参考に、お気に入りのドラセナを見つけて日々の暮らしに取り入れてみてはいかがでしょうか。

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