ドラセナの育て方。基本情報と育てるまでの準備まとめ

葉の色や形が豊富で耐久性も強く観葉植物の中で人気のドラセナ。「幸福の木」と呼ばれるドラセナ・マッサンゲアナは、縁起物として贈り物にも使われています。今回はドラセナの特徴と育て方をご紹介。グリーンのある暮らしを長く楽しめるよう冬越しさせる方法や挿し木の増やし方、病気の対処法もお伝えします。

 

ドラセナの特徴・基本データ

原産地: アフリカ全土、ギニア北部など亜熱帯地域

属名: ドラセナ属

園芸分類: 観葉植物

耐寒性・耐暑性: 暑さに強く耐陰性のあるものが多い

樹高: 高木から低木まで様々

葉: 細く剣状~幅広

葉色: 緑・黄色・赤・斑入りまで様々

 

ドラセナ属のドラセナはアフリカ全土、ギニア北部を中心とした亜熱帯地域に分布し、低木種のみでも50種類以上と種類豊富です。日本では「幸福の木」として有名ですが、世界的に見ても縁起物として扱われています。特にハワイでは古くから幸福の象徴として大切にされており、玄関インテリアとして置く家庭も多いです。花言葉は「幸福」「幸せな恋」「隠し切れない幸せ」と、幸せにまつわる縁起の良い言葉ばかりです。風水効果は「幸福」と「金運」に関係すると言われています。ドラセナは上向きに成長する性質があることから、風水的には「陽」の気を生み出します。「ミリオンバンブー」と呼ばれることからも金運アップに効果があります。

 

ドラセナの種類と品種

ドラセナは豊富な種類、美しい葉、乾燥に強く育てやすい点からもインテリアグリーンとして大変人気があります。自宅の観葉植物としてはもちろん、スタイリッシュな佇まいからオフィスやショップで目にすることも多いです。観葉植物・園芸のためのものは20種類以上から選ぶことが可能です。ここではおすすめの3品種をご紹介します。

 

ドラセナ・フレグランス・マッサンゲアナ

別名「幸福の木」として有名な品種です。ドラセナ・マッサンゲアナと呼ばれることが多いです。太い幹から縦に斑の入った葉が伸びるのが特徴です。「マッサンゲアナ」は「ドラセナ・フラグランス」の品種の枝変わりで、葉の中央に黄緑色のストライプが入るものを呼びます。幸せを呼ぶ植物として、開店祝いなどのお祝い用に使われることも多いです。ドラセナは比較的耐陰性が強いのですがドラセナ・フレグランス・マッサンゲアナは耐陰性が弱いため、リビングなど日光の当たる場所に置くと良いでしょう。

 

ドラセナ・コンシンネ

ドラセナ・コンシンネは中型のドラセナです。大正時代に日本へ入ってきました。剣のような長くて鋭い葉が特徴的で涼やかです。枝分かれも少なくスペースをとりません。ドラセナ・コンシンネは別名「真実の木」と言われています。「真実さ」という花言葉もこの別名に由来していますね。葉には赤い縁取りが入り、種類によって縁の入り方が変わります。耐陰性があるので玄関に置くこともできます。1週間に4~5時間は明るい場所で日光浴をしてあげてください。

 

ドラセナ・リフレクサ

明るい細葉と個性的な樹形が特徴的なドラセナ・リフレクサ。枝分かれが良く、濃いグリーンの葉が美しいです。ドラセナの仲間の中でもマイナスイオンの発生が多いとされ、エコプランツとしても人気です。耐陰性があり育てやすいところも魅力です。玄関に置く場合は1週間に4~5時間は日光浴をしてあげてください。日に当てる際、定期的に鉢を回してあげると綺麗な形のまま成長していきます。

 

ドラセナを育てるまでの準備

ドラセナを育てようと思った時、鉢植えを想像する方が多いのではないでしょうか。実は庭に直接植えて美しいグリーンを楽しむこともできるのです。鉢植え、庭植えそれぞれ準備が異なりますが冬越し方法と、多湿への対応をしっかりおこなうと元気な姿を長く楽しむことができます。

 

鉢で育てるための準備

ドラセナは湿気に弱いです。鉢は素焼き、または木製の鉢をおすすめします。素焼きの鉢は細かく穴が空いているので通気性が高く、木製は水はけ・通気性ともに良くインテリアになじみやすいです。室内に置く場合、窓越しの日光に当てて育てると良いでしょう。耐陰性が強いものが多いので玄関でも育てることができますが定期的な日光浴が必要になります。室外に鉢を置く場合、夏の直射日光は葉焼けの原因になります。夏の間は明るい日陰に置いてください。耐寒温度は10度程度です。冬は室内へ鉢を移動させてあげてくださいね。

 

庭などに直接育てるための準備

鉢植えのイメージが強いドラセナですが、個性的な姿は庭に直接植えるとおしゃれなアクセントになります。植える際は、根が完全に収まる程度に土を掘りドラセナを入れて優しく土をかぶせてください。水もたっぷり与えてあげましょう。地植えで気を付けることは冬越しと多湿です。気温が10度を下回る地域は、手間はかかりますがその期間は鉢に植え替え室内栽培にすることで冬越しができます。また、ドラセナは湿気に弱い植物です。梅雨の時期は根腐れする可能性が高くなります。雨量の多い地域は屋根がある場所に植えると安心です。植える時期も梅雨後がおすすめです。

 

ドラセナの育て方の基本情報

ドラセナを長く楽しむためには適切な生育環境を整えることが大切です。乾燥気味の土を好み湿気に弱いため水のあげすぎには注意です。剪定をし、密集した葉を間引くと病気や害虫予防に繋がります。ドラセナ植え付け方法や水やり、肥料のあげ方、剪定方法など、大切なポイントを項目ごとに説明していきます。

 

植え付けの仕方

ドラセナを購入した際、そのまま飾れるようオシャレな鉢に植えられた状態で販売されているものもあります。迷った時は植え替えが必要か購入店で確認しましょう。別の鉢に移す、または庭に植える際は5~9月に植え付けを行うと良いでしょう。湿気は根腐れを誘発しますので、梅雨時期は避けてください。根の張りが未熟な株は水切れにより枯れてしまうことがあるため、受け皿を使って水の管理をすると良いでしょう。植え付け直後の根は肥料焼けを起こしやすいため、肥料は半月を過ぎたあたりから与えるようにしてくださいね。

 

水やりの仕方

ドラセナはやや乾燥している土を好むため頻繁に水やりをする必要はありません。生長する4~10月は鉢の土が完全に乾ききるのを待ち、たっぷり水を与えてください。冬の間は休眠しますので乾ききった後さらに2~3日経ってから水を与えてください。ドラセナは根腐れしやすい植物のため水やりをし過ぎないことがポイントです。もしも水を与えすぎて根腐れを起こしてしまったら、生長期であれば鉢から抜き、腐った根を取り除き清潔な土へ植え替え回復を待ちます。冬眠期の根腐れは回復が難しい場合があるので、くれぐれも水の与えすぎには注意しましょう。

 

肥料のあげかた

ドラセナを育てる際に、最初に手にするのが「元肥」です。新しく植える土の中に元肥を混ぜ込みます。元肥はゆっくり長く効く緩効性です。ドラセナの生長期である4〜10月は栄養を沢山必要としますので「液体肥料」を与え生長を促してあげましょう。液体肥料は根からすぐに栄養を吸収でき即効性があります。既定量に薄め、10~15日に1回与えてください。土の表面近くに置く「置き肥」は、追肥の一種で緩行性化成肥料です。肥料焼けを起こさないよう根から少し離れたところに置き、2ヶ月に1回与えてください。

 

剪定の仕方

ドラセナの多くの種類は上へ伸び続ける性質があります。剪定をしないと徒長し、シルエットが悪くなる上、管理も大変になってしまします。またドラセナは湿気に弱い植物です。葉が重なることで風通しが悪くなり、害虫や病気が発生しやすい環境を作ってしまいます。生育環境を整えるという意味でも剪定は大切です。剪定する時期は、生長の早い5~9月頃にするのが良いでしょう。方法は、すっきりさせたい場所の枝や葉を園芸用ハサミで切り落とすという簡単な作業です。何度もハサミを入れると雑菌が繁殖していきますので、スパッと切ることが大切です。剪定直後は、風通しのよい明るい日陰で管理してください。

 

冬越しさせる方法

冬はドラセナの休眠期です。屋外で育てているものは全て室内に移し冬越しをさせましょう。地植えのドラセナも、そのままでは冬越しは難しいため、手間はかかりますが鉢に植え替え室内へ移動してください。冬眠中はほとんど水を吸収しません。鉢土が完全に乾いた後、さらに数日経ったタイミングで水やりをしてください。水を与えすぎると根腐れを起こしてしまいます。また、冬眠期に根腐れを起こすと回復しない可能性もあるので注意してください。室内では窓際で日光に当て、夜は冷気に当たらないよう移動させてあげましょう。

 

挿し木での増やし方

生命力が強いことで有名なドラセナは挿し木で簡単に増やすことができます。

挿し木は、枝や茎から根を生やし新しい株を生長させる増やし方で、適した時期は5〜9月です。園芸用ハサミ、挿し木用培養土、ビニール製の小さな鉢の3つがあればできる手軽さも嬉しいですよね。まずドラセナを枝の先端から10~15cmの長さに切り取ります。蒸散を抑えるために、葉を4枚ほどのこし全て落とします。残した葉も半分ほどの大きさにカットし、蒸散をさらに少なくします。切り口を削り1時間ほど水につけます。鉢に土を入れ、挿し木を入れ、たっぷり水をあげます。その後明るい日陰で管理してください。1カ月を目安に新芽と根が生えたら、植え替えと同じ手順で一回り大きな鉢へ移してください。

 

ドラセナの育て方のポイント

ドラセナは耐陰性があるため日光が当たらない玄関などでも育てることができます。ですが定期的に日光浴をさせる必要があるなど、育てる時に知っておきたいポイントがいくつかあります。長く楽しむためには、置き場所だけでなく害虫と病気の対策も事前に知っているといざ見つけた時に驚かずに対処できますよ。

 

置き場所

ドラセナは耐陰性の強いものが多いため、日の当たりにくい玄関にも置くことができます。ですが日が当たらないままだと株が軟弱になり葉が黄色く弱ってしまいます。週に4~5時間はカーテン越しの日差しで日光浴をさせてあげましょう。屋外で育てる場合、直射日光による葉焼けが起きやすい夏場は、明るい日陰などに鉢を移動してください。地植えの場合、大雨により根腐れを起こす可能性があるので、屋根のある場所に植えていただくことをおすすめします。冬の間は寒さで枯れてしまう恐れがあるので室内に入れて冬越しをさせてください。

 

苗の選び方

ドラセナを選ぶ際、飾る場所を想像し空間に合う大きさのものを見つけましょう。お気に入りの形や品種を見つけたら、細かな点を確認していくとスムーズです。まず、葉の色とつき方を見ます。瑞々しい緑色のものを選んでください。黄色くなっていたり先が茶色くなっている場合は、日光不足や根腐れの可能性もあります。また、害虫がついていないか新芽、葉裏、土の表面をチェックしましょう。最後に根元を確認します。根元がグラグラしている場合は根がしっかり張っていない弱い株であるので注意しましょう。

 

植え替え時期の方法

ドラセナの植え替えに適した時期は生育が活発になっている5月~9月です。まず、汚れないよう新聞やシートを敷きます。一回り大きな鉢を用意し、鉢底ネットの上に鉢底石を敷き詰め、土を鉢の1/3ほど入れます。古い鉢からドラセナを抜き、根についた土を軽く落とします。腐った根などは全て切り落としドラセナを新しい土の上に置きます。鉢の縁2~3cm下まで土を入れ、たっぷり水を与え植え替え完成です。その後明るい半日陰で管理してください。植え替え時に肥料を与えると焼けて痛んでしまう可能性があるため、1、2週間は控えましょう。

 

ドラセナにつく害虫・病気とその対処法

植物を育てる上で害虫や病気は大敵です。ドラセナを元気に長く育てるためには、気づき次第対処することが重要です。カイガラムシやアブラムシは日ごろから葉や幹をチェックする癖をつけると気づきやすくなります。ここではドラセナを弱らせてしまう害虫や病気、その対処法をご紹介します。

 

カイガラムシ

カイガラムシの体長は1mm~3mmほどで形状は丸や縦長です。殻をかぶる「カタカイガラムシ」または、ふわふわした「コナカイガラムシ」を見かけることが多いです。カイガラムシは幹や枝葉から養分を吸い植物の生育を悪化させます。またカイガラムシの排泄物は、葉が黒くなるすす病を誘発します。対処法は事前の薬剤散布が効果的ですが、成虫には薬剤が効きにくいため、ふ化直後の5月~7月頃の散布が良いでしょう。成虫は歯ブラシや布などでこすり落としましょう。

 

アブラムシ

体長1〜4mmほどで、体色は緑色、黒色、灰色、赤褐色など様々です。柔らかい部分を中心に養分を吸います。アブラムシの排泄物は粘着質な甘い蜜状になっていて、カイガラムシ同様すす病を誘発します。放置しておくと枯れてしまうため、見つけ次第、粘着力が弱いテープなどを使い取り除きましょう。強いシャワー状の水流で洗い流すのも良いでしょう。予防としては事前に薬剤を使用し、害虫がつきにくい状態にすることです。天然のものがお好みの場合、木酢液を希釈して散布すると良いでしょう。害虫を忌避するだけでなく、土壌改良にもなり、植物の生育に良いとされています。

 

うどんこ病

うどんこ病は、その名の通りうどんの粉のようなものが植物につく病気です。多くの植物が発病する代表的な病気でもあります。この正体はカビで、放置すると葉が黄色くなり枯れてしまいます。また病原菌は空気中へ舞い、次から次へと移り一気に広がります。一度侵されると光合成ができなくなり弱っていきます。予防は水はけの良い土を使い、葉が混み合わないよう間引いて風通しを良くするなど、こまめな手入れが必要です。乾燥もカビの活動を促してしまいますので枯れ葉を取り除いたり葉水をし、カビの発生しにくい環境を作りましょう。

 

炭疽病

炭疽病はカビが原因で発生する病気で、茎や枝に灰褐色や黒色の病斑がつき葉には穴があきます。高温多湿が続くと一気に広がるので厄介です。風雨や、植物に水を与える時の水はねで菌が広がるので梅雨時期は特に気をつけましょう。炭疽病が葉に発生した場合は枝ごと切ります。株全体に発生してしまった場合は株を処分し、それ以上広がらないよう処置を行います。水はけの良い土に変える、葉が混み合わないよう間引いて風通しを良くするなど、病原菌が発生しない環境づくりが大切です。

 

まとめ

ドラセナは生命力が強く品種が豊富なので自宅のインテリアに合わせて選べるところがポイントです。また、「幸福の木」という別名があるように花言葉や風水面でも良い意味を持ちお祝いギフトにも喜ばれます。置き場所に気を付けたり、冬越しの管理をしっかりしてあげると元気な姿を長く楽しむことができますよ。幸せを呼び込むドラセナを飾って、生活空間を明るくしてくださいね。

大切なあの人にお花を送ってみませんか?