アレカヤシの育て方!冬越や挿し木はできるの?注意すべき害虫は?

 

アレカヤシは細い幹と大きく広がった細い葉が特徴の観葉植物です。

お店や職場などに飾られていることが多いので、私たちの生活の身近にある印象がありますよね。

そんなアレカヤシですが、水やりや肥料以外と同じくらい大事なのが剪定です。

また、害虫がつきやすいので予防や対処を事前に知っておくことがポイントです!今回は、アレカヤシの育て方についてご紹介いたします。

 

アレカヤシの特徴・基本データ

観葉植物として人気の高いアレカヤシ。

オフィスやショップなどに飾ってあることが多いので、よく目にする植物ではないでしょうか。

アレカヤシはマダガスカルやアフリカなどが原産のヤシ科の植物で、細長い葉が南国を思わせるトロピカルな見た目が人気です。

 

自生しているアレカヤシは、8m以上の大きな樹木に成長することもありますが、日本で一般的に販売されているものも、8号や10号など大きめのサイズが人気です。

アレカヤシの育て方は比較的簡単で、大きくなりやすいと言われています。

 

また、上手に育てると可愛らしいクリーム色の小さな花を咲かせることがあります。

開花期は3~5月頃の暖かい時期で、花言葉は「元気」や「勝利」です。

とても縁起の良い観葉植物なので、開業祝や開店祝いにもよく選ばれています。

 

風水においてアレカヤシは出会い運を高める効果があると言われています。

東南の方角に置くと良いとされていますが、やる気を出したい時は仕事部屋や勉強部屋に、リラックスしたい時は寝室にと、気分に合わせて置き場所を変えてみてもよいかもしれません。

アレカヤシの種類と品種

市場に出回っているアレカヤシの種類はそれほど多くはありません。

中には珍しくてあまり見かける機会がないものもありますが、オンラインショップなどでは手に入れることも可能です。

代表的なものは、リアル・アレカヤシ、ラタニア・イエロー、ケーン・ファーンの3つです。

それぞれ、濃い緑の細い葉が印象的で、存在感もあるので様々なシーンで見かけることがあるかもしれません。

 

リアル・アレカヤシ

リアル・アレカヤシは、竹のように節がある幹が上がったタイプのアレカヤシです。

かつてこの品種が市場に出ることは少なかったようですが、ここ最近はその迫力のある見た目が少しずつ人気を呼んでいます。

上がった幹で葉が展開しているので、よりヤシらしい印象を与えてくれます。

通常のアレカヤシでは物足りない、ヤシ感がもっと欲しいという方におすすめです。

育て方は通常のアレカヤシと変わりませんが、大きくて幹が太い分、丈夫な品種のようです。

 

ラタニア・イエロー

ラタニア・イエローは、葉脈や葉が鮮やかな黄色に染まることから、別名黄ベニオウギヤシとも呼ばれています。

とても珍しい品種で、幹の先の1箇所から葉が広がっているのが特徴です。

シルエットが美しいのでインテリアのアクセントにもぴったりです。

寒さや日陰にも強いので、室内でも大きく育ってくれます。

 

ケーンファーン

ケーンファーンは、アレカヤシの代表的な品種で、一般的にアレカヤシはこのケーンファーンであることが多いです。

幹にたくさんの細い葉が連なり、爽やかで夏らしい見た目が美しく一般家庭や職場、お店など様々な場所に飾られています。

観葉植物として以外にも、葉を切り取って切り花としても楽しめます。

1枚でも十分存在感がありますが、大きな花瓶に数本まとめても素敵です。

葉も丈夫なので、長期間グリーンを楽しむことができます。

 

アレカヤシを育てるまでの準備

アレカヤシは耐陰性があり、寒さに弱い植物なので、できるだけ室内で育てることをおすすめします。

アレカヤシは根の成長が旺盛なので鉢の大きさは少し大きめにしましょう。

他にも肥料や水やり用の道具を揃えます。

あたたかい地域では庭などに直接植えることも可能ですが、大きく育つので支障のない場所をよく考えましょう。

鉢で育てるための準備

アレカヤシは水はけのよい土を好みます。

アレカヤシを鉢で育てる場合は、小粒の赤玉や腐葉土を用意しましょう。

また、市販の観葉植物用の土でも大丈夫です。

アレカヤシの葉は深い緑色なので、白い鉢を選ぶとコントラストが美しくなります。

葉が細いので、四角い形のスタイリッシュな鉢がよく似合います。

他にも、水やりするための水さしや霧吹きなども必要です。

アレカヤシは葉がどんどん増えるので、剪定ばさみも用意しておきましょう。

肥料も必要になるので、事前にいくつか購入しておきましょう。

 

庭などに直接育てるための準備

アレカヤシを大きく育てたい場合は、鉢ではなく庭などに直接植えることをおすすめします。

ただし、アレカヤシは寒さに弱い植物なので、暖かい地域に限ります。

寒い地域で直植えすると、枯れてしまうことがあるので注意しましょう。

ホームセンターや園芸店で販売されているアレカヤシは幼木であることが多いですが、庭に植えるとどんどん成長して10mほどになることもあります。

アレカヤシを直接植えるときは、木が伸びても大丈夫な場所を考える必要があります。

そのほかは、通常の植物と同様のお世話になりますが、水やりの他に成長や時期に合わせて肥料をあげると育ちが良くなります。

 

アレカヤシを育て方の基本情報

アレカヤシの育て方は、基本的には他の観葉植物と変わりません。

成長が旺盛な暖かい時期に水やりや肥料をこまめに与え、成長が止まる冬場は水や肥料を控えめにします。

ただ、アレカヤシはどんどん葉が成長する植物なので、定期的な剪定が必要になります。

また、挿し木で増やすことはできないので、株分けで増やす方法をご紹介します。

 

植え付けの仕方

アレカヤシを購入したら、元の鉢より一回り大きなサイズの鉢を用意しましょう。

アレカヤシは根がよく成長する植物なので、鉢の中が根でいっぱいになると根腐れを起こしてしまいます。

植え付けるときは、鉢の一番下に軽石などを敷いて水はけをよくしましょう。

観葉植物専用の土や、自分で配合した土を入れ、根を軽くほぐしたアレカヤシを植え付けます。

アレカヤシがまっすぐに立つようにバランスを調整し、植え付けが完了したら水をたっぷり与えます。

その後しばらくは、直接風の当たらない明るい場所に置きましょう。

 

水やりの仕方

アレカヤシは成長のスピードが早く、水をよく欲しがります。

春から秋の、比較的暖かい季節は、鉢の中の土が乾いてきたらたっぷりと水やりをしましょう。

ときどき霧吹きなどで葉水をすると、乾燥を防ぐだけでなく害虫の発生も抑えられます。

アレカヤシの葉の先が枯れてきたら水不足の合図です。

ただし、土の表面が乾いていない間に水を与えすぎると根腐れを起こしてしまいます。

水は、必ず土の表面が乾いてからにしましょう。

成長が緩やかになる冬場は水やりの回数を減らして、やや乾燥気味にさせましょう。

葉が乾燥しているようなら、ときどき葉水をし、土には1週間に2~3回程度で大丈夫です。

 

肥料のあげかた

アレカヤシは肥料を与えることでぐんぐん成長していきます。

春から秋の成長期には、2か月に1度は観葉植物用の置き肥を与えましょう。

このとき、やや多めに与えると成長が早まって大株になります。

鉢でもアレカヤシを大きく育てたいときは、多めに肥料を与えましょう。

逆に、あまり大きくしたくない場合は、肥料を控えめにしましょう。

成長が緩やかになる冬場は、肥料は与えなくて大丈夫です。

この時期に肥料が残っていると、アレカヤシが弱ってしまう恐れがあります。

有機肥料だと、コバエが発生することがあるので、固形の化成肥料や液体肥料を与えるようにしましょう。

 

剪定の仕方

年間を通して、アレカヤシの葉はよく成長するので、お手入れのメインは剪定といっても過言ではありません。

葉が込み合いすぎると、風通し悪くなって害虫の発生につながるので、重なり合っている葉を剪定しましょう。

また、アレカヤシの葉は枯れても落ちることはありません。

枯れた葉をそのままにしておくと見た目が悪くなるので、黄色や茶色に変化している葉は取り除いておきましょう。

ただし、葉の一部が変色している場合は、葉っぱごとではなく、枯れている部分だけ取り除いても大丈夫です。

剪定の時期は春から秋にかけての成長期に行うようにしましょう。

 

冬越しさせる方法

アレカヤシは暖かい地域が原産の植物なので、冬越しさせる場合は注意が必要です。

晴れた日の日中は、できるだけ日光の当たる暖かい場所に置きましょう。

雨の日や天候の悪い日には、室内でエアコンなどを利用し、部屋の温度が10°以上になるように調節しましょう。

冬場は成長がとまるので、水やりの頻度は抑えるようにしますが、暖房器具を稼働せると空気が乾燥しやすいので土の表面の乾燥具合をこまめにチェックしましょう。

鉢の側に加湿器をおいたり、こまめに葉水をすると健康的な葉を維持できます。

また、この時期は肥料を与えないようにしましょう。

 

挿し木での増やし方

とても大きく育つアレカヤシは、挿し木や水挿しで増やすことはできません。

しかし、株分けという方法で増やすことは可能です。

株分けは、アレカヤシがよく成長する5~6月頃に行うのがベストです。

まず、アレカヤシを鉢から出して、根についている土を軽く払い落します。

次に、ハサミやナイフを使い、株本から根へ向かってなるべく傷つかないように切り分けます。

このとき、傷んでいる根は取り除いておきましょう。

元のアレカヤシの大きさに合わせて2~3つに切り分け、それぞれの鉢に植え替えます。

その後、たっぷりと水を与えて、あたたかい場所に置いておきましょう。

 

アレカヤシの育て方のポイント

アレカヤシは耐陰性が高いので、室内でもよく育ちますが、基本的には明るい場所を好みます。

また、寒さに弱いので、冬場の管理には注意が必要です。

苗を購入するときは、まっすぐ伸びているものを選ぶと間違いありません。

アレカヤシは根がよく成長するので、定期的な植え替えを行います。

しかし、鉢の大きさには注意が必要です。

 

置き場所

アレカヤシは耐陰性が高く、半日陰で育てることが可能です。

しかし、日光に当てるほうが元気によく成長するので、できるだけ明るい場所に置きましょう。

日差しが強い時期に、アレカヤシの葉に直射日光が当たると、葉焼けを起こすことがあります。

夏場は、レースカーテン越しの窓際に置くと、柔らかな光が当たるのでおすすめです。

また、アレカヤシは寒さに非常に弱いため、冬場は必ず室内の暖かい部屋に置いてください。

普段ベランダや屋外に置いている場合は、外の気温が15°以下になったら室内に移動させるようにしましょう。

 

苗の選び方

アレカヤシを購入するときに注目すべきポイントは、まっすぐに育っているかどうかです。

もし成長が止まっていたり栄養が足りてなかったりすると、歪んで育つことがあります。

また、葉の緑色が濃いほど、元気な苗だと言えます。

そして、苗に害虫がついてないかもよく確認してください。

もし害虫がついていることに気づかないまま育てていると、アレカヤシが弱って枯れてしまうだけでなく、その害虫が他の植物にうつってしまう恐れもあります。

オンラインショップでは、苗の状態をこまかくチェックするのは難しいかもしれませんが、店頭で購入する場合はこれらの点に注目してみましょう。

 

植え替え時期の方法

アレカヤシは根がよく成長するので、植え替えをしないでいると鉢の中が根でいっぱいになり、根詰まりを起こしてしまいます。

そのため、1~2年に1回は一回り大きな鉢へ植え替えを行いましょう。

植え替えは、5~6月頃が最適です。

観葉植物用の新しい土を用紙し、鉢の底には必ず鉢底石などを敷いて水はけを良くしておきましょう。

ただし、大きな鉢に植え替えると、それだけどんどん育っていきます。

もしこれ以上大きくしたくないようであれば、それまでと同じくらいの大きさの鉢を用意し、根を少しカットして植え替えを行いましょう。

 

アレカヤシにつく害虫・病気とその対処法

アレカヤシには、つきやすい虫やかかりやすい病気があります。

気づかずに放っておくと、アレカヤシが弱って枯れてしまったり、他の植物にも感染してしまうこともあります。

水やりついでに葉や幹の状態を良くチェックして、虫や病気などの異常があれば早めに対処するようにしましょう。

 

カイガラムシ

カイガラムシはアレカヤシにつきやすい害虫です。

カイガラムシは1~10ミリほどの小さな虫で、綿毛を背負っているような見た目が特徴です。

カイガラムシは植物の栄養を吸い取ってしまうため、アレカヤシが弱ったり枯れてしまう原因になります。

カイガラムシを見つけたら、殺虫剤をかけたり歯ブラシなどでこすって落とすなどしてすみやかに駆除しましょう。

放っておくと大量発生してしまい、成虫になると殺虫剤が効かなくなることもあります。

また、カイガラムシの排泄物が原因で、アレカヤシがスス病にかかってしまう恐れもあります。

 

アブラムシ

アブラムシは植物全般につきやすい害虫と言われています。

2~4mmほどの小さな虫で、植物の葉やつぼみから汁を吸って成長します。

黄色っぽい見た目をしていて、植物に同化するので気づきにくいことがありますが、群生していることが多いので早めに駆除しなければ手遅れになってしまいます。

アブラムシはスス病になどのウイルス病の媒介者で、植物の汁を吸うことで病気をうつす厄介な害虫です。

しかし、小さな株であれば、病気にかからずとも汁を吸われただけで枯れてしまうこともあります。

 

うどんこ病

うどんこ病は、風で胞子が運ばれて植物につき、カビを発生させる病気です。

被害を受けると、全体的にうっすら白くなり、次第に濃くなってうどん粉をまぶしたようになります。

葉の表面が覆われると光合成が阻害されたり、栄養を吸収されることによって育成不良になります。

被害が広がると、アレカヤシ全体が枯れてしまう恐れがあります。

うどんこ病は、湿度が低かったり、風通しの悪い場所で発生しやすくなります。

防除するには殺虫殺菌剤が効果的ですが、すでに枯れてしまった葉は元には戻らないので、その部分は取り除くようにしましょう。

 

炭疽(そ)病

炭疽病もカビが原因の病気で、野菜や果実など様々な植物に発生します。

感染すると、葉や茎に灰褐色~黒色の斑点ができ、病気が進むにつれてその斑点は大きくなっていきます。

炭疽病は湿度が高くなると発症しやすくなるので、アレカヤシの葉が密集してきたら適度に剪定して風通しを良くしておきましょう。

もし発症してしまった場合は、被害部分を除去し、胞子が飛ばないようにビニール袋などに入れて処分しましょう。

また、予防や治療に効果のある農薬を使うと効果的です。

 

おしゃれなアレカヤシでインテリアを楽しもう!

アレカヤシは存在感抜群の観葉植物なので、インテリアの主役になってくれます。

花言葉的にも縁起がいいので、プレゼントにも喜ばれること間違いなし!

お世話も特別難しくはないので、観葉植物初心者さんでも育てることができますよ。

定期的な剪定は必要かもしれませんが、切り取った葉は花瓶に挿して飾ったりすることもできるので様々な楽しみ方ができます。

 

大切なあの人にお花を送ってみませんか?