ウンベラータの枯れない育て方|植え替え方法や剪定のコツをご紹介!
独特の曲がった形の幹に、ハート型の丸い葉っぱで、インテリアとしても人気のウンベラータ。
安価なものだと100円で手に入る一方、高級インテリアとして購入されることもあります。
今回は、そんなウンベラータの特徴や花言葉から、育て方の注意までを解説していきます。
新しくウンベラータを育てるなら、是非参考にしてみてください。
ウンベラータとは
ウンベラータは、ハート型の丸い葉っぱと、独特の曲がった形の幹が特徴の観葉植物です。
幸運を呼び寄せる、といわれている縁起の良い観葉植物で、お祝いごとに贈られることも多いことで知られています。
ここでは、そんなウンベラータの特徴や育て方について、解説していきます。
ウンベラータの基本情報
科 | クワ科 |
属 | フィカス属 |
和名 | フィカス・ウンベラータ |
英名 | Umbellata |
学名 | Ficus umbellata |
原産地 | 熱帯アフリカの低地 |
開花時期 | 時期不明。めったに咲くことはない |
ウンベラータの特徴
ウンベラータは、常緑高木の一種です。緑色の鮮やかな葉は、丸いハート型をしているのが特徴的です。高木というだけあって、育てていくと天井にまで届くような、大きな木に育ちます。ゴムノキの仲間なので、枝葉を切ると出てくる樹液は、粘着性があることも特徴の一つです。耐陰性や耐寒性があるので、初心者でも育てやすい観葉植物です。
この育てやすさと、見た目のおしゃれさから、インテリアショップやカフェなどでも良く見かけることがあります。
ウンベラータの花言葉
ウンベラータの花言葉は、「すこやか」「永久の幸せ」「夫婦愛」です。「すこやか」は、耐寒性と耐陰性を持つ生命力の強さにちなみ、つけられました。出産祝いなどに贈られることが多い花言葉です。
「永久の幸せ」や「夫婦愛」は、ハート型の葉にちなんで、愛情・幸せを意味する花言葉としてつけられました。
どれも縁起の良い花言葉ばかりなので、出産祝いだけでなく、結婚祝いや新築祝いなど、祝い事に送るのにうってつけの植物といえるでしょう。
風水での効果。どこに置くべき?
ウンベラータは、風水的には恋愛運をあげる効果があります。ハート型の葉が、「愛」を象徴している、と考えられているためです。
また、葉に丸みがある、という特徴から陰の力を持っている、ともいわれています。「落ち着き」「リラックス」などを与えることができるのです。
置く場所は、南、もしくは南東、西側が効果を高める。南や南東は、人気や恋愛の運気を高めるのに適した方角なのです。
ウンベラータの寿命
観葉植物は、基本的に育て方次第で、かなり長持ちするといわれています。ウンベラータの場合、生命力の強さから、初心者でも寿命を伸ばせることが予想されます。例えば、同じフィカス属のガジュマルという木は、樹齢100年を超えるものも存在します。
実際にウンベラータを購入して育てた人の中にも、部屋の天井に達するまでに成長したということもあります。
長く付き合っていける観葉植物なので、置けるスペースと、育てられる環境を考慮した上で購入するのが望ましいです。
ウンベラータの値段・相場
観葉植物の中でも、ウンベラータはここ数年で、人気を急上昇させてきました。その理由が、「曲がり仕立て」と呼ばれる幹の形の特徴です。
職人の手によって、意図的に幹を曲げられ、芸術性を高めたものが、インテリアとしておしゃれだということで、人気を得ています。値段は安くても、5,000円〜7,000円ほどします。より一般的に流通しているものだと、1万円〜2万円のものが多いです。さらに、高級なものだと、3万円、5万円もするものもあります。
その芸術性の高さから、比較的高額な植物となっているようです。
ウンベラータの種類
実はウンベラータには、葉の形、大きさ、色、幹の形などが異なる、様々な種類が存在します。赤くて丸い花をつけるものから、他の木を締め殺すような強靭な種類。淡く可愛らしい色の葉を持つ種類も存在します。ここではウンベラータの種類を紹介します。
ベンジャミン
別名、シダレガジュマル、とも呼ばれています。ガジュマルに似た、光沢のある葉が特徴です。高さ・幅が30mもの大木となる種類もあり、生命力が強い木です。「隠頭花序」という、まるで木の実のような、丸くて赤い花をつけます。若木には柔軟性があるため、幹を編んで仕立てることも可能です。籠のように編み上げ、葉を刈り込むことで、造形作品のようにして楽しむこともできます。癖が少ない見た目のため、自然のままにして楽しむのなら、馴染みやすい植物ともいえます。楽しみ方のバリエーションが豊富な植物です。
ガジュマル
曲線の輪郭をした太い幹と、濃い緑色の葉に生命力がみなぎった植物です。また、幹の途中から気根と呼ばれる根を出し、地面に新しく幹を作って移動する、ということでも知られています。木の根はコンクリートを突き破ったり、他の木を締め殺したりするほどの力を持ち、「絞め殺しの木」という恐ろしい二つ名も持ち合わせています。
沖縄地方では「キジムナー」と呼ばれる精霊が宿る、といわれていたり、海外でも神聖な木として扱われていたりと、神聖視されることも多いようです。非常に生命力が強い木なのです。
カシワバゴムノキ
別名、「フィカス・リラータ」とも呼ばれています。カシワバゴムノキの名前は、柏の葉に似ていることに由来しています。波打った薄くて大きな葉は、かしわ餅を包んでいる、あの葉っぱにそっくりです。葉は大きいものだと20~40cmくらいになります。
葉が大きい一方で、幹は細く、大きな鉢で直立させるには支柱が必要となります。
葉の形や幹を含めた全体の形が特徴的なため、部屋に存在感が欲しいとき、インパクトが欲しいときに置きたい植物です。
フィカス・ティネケ
葉の縁に沿って、黄色がかったクリーム色の斑が入った植物です。新芽は淡いピンク色をしていて、葉の縁の斑も、一部が桃色がかかっています。
葉の緑色は淡く、クリーム色部分やピンク色部分と溶け合った、柔らかくも個性的な色合いを生み出しています。
特徴的な見た目をしていますが、同じフィカス属なので、耐寒性があり、丈夫で成長力も強い植物です。初心者でも管理しやすい、育てやすい植物です。
見た目の特徴に合わせて、愛らしいナチュラル系の部屋に置くと良いかもしれません。
ウンベラータを贈るときの注意点
贈り物としても好まれるウンベラータですが、実は注意点がいくつかあります。
ウンベラータの白い樹液は毒性を持っているので、場合によっては育てるのが難しいこともあります。また、成長速度などを考えると、置ける場所にも制限があるんです。
ウンベラータを贈るときは、どのようなことに注意すれば良いのでしょうか。
ここではウンベラータを贈るときの注意点を紹介していきましょう。
猫や犬などのペットがいる場所にはおかない
ウンベラータは、ゴムの木の一種です。ゴムの木と同じく、樹液には人間の皮膚をかぶれさせるほどの毒性があります。ペットなどの動物も、例外ではありません。
ペットが観葉植物を舐めたりかじったりしてしまう事例は、珍しくありません。
ウンベラータの場合、神経症状を起こさせることがあるので、注意が必要です。
たとえば、猫の場合、口の痒みや、過剰なよだれ、場合によっては、痙攣や気道閉塞などの症状を引き起こします。
もし、ウンベラータがある部屋で、このような症状が出た場合は、すぐに動物病院を受診しましょう。
成長を見越しておく
ウンベラータは、成長が早い植物の一つです。買ったときに20cm程度でおm、2年で1mにまで成長することもあるようです。単純計算で、1年に40cm、凄まじい成長速度です。しかも、ひたすら上へ上へと伸びていってしまうので、簡単に天井まで届いてしまうのです。
室内で育てたい場合は、適度に剪定を行い、部屋の中に収まるサイズに留めましょう。
成長を見越して、短めにしておくと良いかもしれませんね。
ちなみに、剪定自体にも、風通しをよくしたり、葉にまんべんなく日が当たるようにしたり、病気や害虫を防ぐ、などの効果があります。
害虫に注意
湿度が高く、風通しが悪い梅雨などの時期は、外注に注意しましょう。アブラムシ、カイガラムシ、コナカイガラムシ、などの害虫が寄ってきてしまいます。葉を触ってみて、べたつくようなら、害虫の存在を疑いましょう。
カイガラムシは、文字通り、小さなタニシのような貝殻を持つ虫です。殺虫剤で落とせない場合は、歯ブラシなどで擦りとり、駆除しましょう。
また、逆に乾燥した環境にあるときは、ハダニに注意が必要です。
ウンベラータの育て方・手入れ
初心者にも育てやすいウンベラータですが、育て方・手入れにはコツがあります。
日当たりや置き場所、土などを間違えると、うまく育たなかったり、元気がなくなってしまったりすることもあります。育て方のポイント、手入れ方法について、考えてみましょう。
日当たり・置き場所
日当たりを好む植物ですが、急な直射日光などに当てると、葉焼けの原因になります。
室内の場合は、日当たりの良い部屋を、外の場合は、少しずつ慣らしながら置くようにしましょう。
耐陰性はあるものの、冬は日光不足になってしまうため、窓辺など日当たりの良い場所に置いてあげるようにします。また、ウンベラータは元々アフリカ原産で、寒さがあまり得意ではありません。最低気温が15度未満になってきたら、室内に入れて、暖かさを保つことが大切です。8度以上あれば、問題ありません。
土
一般に販売されている、観葉植物用の土、と書かれているような土なら大丈夫です。元から肥料が入っているので、初心者でも簡単に育て始めることができます。
自分で土を配合する場合は、赤玉土:腐葉土=6:4となるように混ぜましょう。
また、置かれている場所の通気性が悪かったり、土がずっと湿っていたりすると、土にカビが生えることがあります。
土にカビが生えても、植物自体は元気なことが多いので、鉢ごと捨てたりせず、対策を行いましょう。
最も簡単なのは、表面の土を入れ替える方法です。無機質の土に変えることで、カビの発生を抑制する効果があります。
ハイドロカルチャーの場合の育て方
ハイドロカルチャーで育てる場合は、ハイドロボールや水位計、根腐れ防止剤、育成活性剤などを用意します。根についている土を落とし、水で洗い流します。
根腐れ防止材を鉢に入れ、水位計は鉢のそこ面につくように設置します。
ウンベラータを支えながらハイドロボールを入れていき、しっかり植え込みし、あとは、水を入れ管理していきます。土から移した場合は、根からの吸収が足りなくなる可能性があるので、葉に水を吹きかけ葉水を行いましょう。
過剰な水やり、直射日光は、葉から水分を蒸散させたりして根腐れの原因になります。
種から入手した場合の育て方
ウンベラータは苗で販売されることが多く、種から育てるのは一般的ではありません。増やし方は基本的に挿し木で増やすことが多く、種から発芽させる必要性は低いです。
しかし、うまくウンベラータを育てていくと、花がつき、種が実ることもあります。
種を収穫できること自体が難しいので、手に入れられればかなり幸運といえるでしょう。
もし種を手に入れられた場合は、市販の種まき用の土やピートモスを使います。
種まきは5、6月ごろがおすすめです。
土が常に湿っている状態になるように、水やりを欠かさず行い、反日陰で発芽まで管理しましょう。
育て方のポイント
水や肥料は、たくさん与えれば、与えるだけ育つ、というものではありません。適正な量やタイミングが存在します。
植え替えをしないでいると、根詰まりによって栄養を吸収できなくなることもあります。
ウンベラータの育て方を見ていきましょう。
ウンベラータの水やり
水やりは季節によって変える必要があります。春や秋は、土の表面が乾いてきたら、水やりのタイミングです。鉢のそこから水が流れ出るまで、たっぷり水を与えます。
夏は土が乾く前に水を与え、水切れを起こさないように注意します。気温が高い夏は、土がすぐに乾いてしまい、葉が下にたれがちです。水をあげて少しすれば元に戻ります。
冬は室内で管理します。水を吸い上げる力が弱くなっているので、水やりは禁物です。
根腐れを防ぐため、霧吹きで水を与えましょう。土の表面が乾いても、2〜3日開けてからにしてください。
肥料は必要?時期や量
肥料不足が起こると、葉のツヤが悪くなったり、成長できなくなったりします。肥料は固形肥料でも液体肥料でも問題ありません。
液体肥料は、表記通りに希釈しないと、肥料焼けを起こすので注意しましょう。
また、肥料を与えてはいけない時期があることも、忘れないでください。
春から秋にかけての3月〜11月、そして冬季にあたる12月〜2月は、ウンベラータにとっては休眠期です。一時的に成長を止めているので、肥料をあげると悪影響を及ぼす可能性があります。
ウンベラータの剪定・切り戻し
剪定・切り戻しは、春〜秋の生長期に行いましょう。一年で最も枝葉を伸ばす、元気な時期だからです。黄色く変色し、枯れそうな葉っぱ、混み合って日当たりが悪くなりそうな葉は優先して剪定します。
大きくなりすぎて天井についてしまいそうな場合も、剪定を行いましょう。ウンベラータは上に伸びる植物なので、「上に伸びた場合、どのような形になるか」を想像することも大切です。伸ばしたい方向や、必要なボリュームなどを考慮しながら剪定を行います。
ウンベラータ植え替え
ウンベラータの植え替えは、2〜3年に1回ほど必要となります。植え替えをしないでおくと、根詰まりを起こしてしまいます。見た目にも、大きな木に対して小さな鉢、とバランスの悪い印象になってしまいます。時期は5〜6月の、生長期のはじめ、元気な時期に行います。植え替え直後は、直射日光の当たらない明るい場所で2週間ほど管理してあげましょう。ハイドロカルチャーに植え替える場合は、根からの吸収が正常になるまで、葉に水を与える葉水を行いましょう。
太くするにはどうすれば良い?
室内のインテリアとしても人気のウンベラータですが、室内にあるがために、幹が細く弱くなってしまうことがあります。ウンベラータの幹を太くしたい場合は、幹の成長にエネルギーを集中させましょう。
まず、4月後半〜5月にかけての成長期に、葉を全て取り除きます。こうすることで、エネルギーを茎・幹の成長に集めることができるのです。
ウンベラータの増やし方
水耕栽培、挿し木、どちらでも増やすことが可能です。ただし、いずれの場合も、しっかりゴム手袋などで皮膚を保護した上で、作業を行いましょう。ゴムの木の一種であるウンベラータからは、かぶれを引き起こす樹液が出るからです。
水耕栽培の場合
ウンベラータは水耕栽培でも増やすことが可能です。まず枝をカットします。白い樹液はよく拭き取っておきましょう。余分な葉を切り落として、一枚程度にしておきます。
あとは、新鮮な水に挿すだけです。毎日水を取り替えることも忘れないようにしましょう。
根が伸びてきたら、植え替えを行います。
挿し木の場合
まず、新しい鉢を準備します。茎は7cmほどに切り、上の方の葉は1〜2枚残して切ってしまいます。葉は半分に切り、蒸散を抑制します。
白い樹液が出てきたときは、水で洗い流しましょう。
茎を植える土は、水で湿らせておきます。指で穴を空けたら茎を挿し入れ、涼しい日陰で管理し、根が出るまでは常に土を湿った状態に保ちます。
ウンベラータが枯れた・病気になった!トラブルまとめ
丈夫で育てやすいウンベラータですが、病気になって、枯れてしまうこともあります。しかし、原因と対処法を知っておけば、慌てることなく対応できるはずです。病気はどんな植物でも、誰にだって起こりうることです。落ち込まず、冷静に対処しましょう。ここではウンベラータのトラブルを紹介していきます。
ウンベラータが枯れる原因と対処法
元気がなくなってくると、ウンベラータは葉が黄色く変色し、枯れてしまうことがあります。原因として考えられるのは、害虫、水不足や乾燥、寒さ、日照不足、根詰まりなどです。害虫の場合は害虫除去を行う必要があります。水不足・乾燥の場合は、水やりの仕方や置いてある環境を考えてみましょう。
水のやりすぎは根腐れにつながります。また、エアコンの風が直接当たることで、乾燥を引き起こす場合もあります。気温もチェックしましょう。
日当たりが悪い場合は、より日の当たる場所に移してみましょう。時期を見て、植え替えをしてみるのも、一つの方法です。
ウンベラータが根腐れする原因と対処法
葉や幹に元気がないとき、触ると幹が妙に柔らかいときなどは、根腐れを疑いましょう。
根腐れの原因は、酸素不足といわれています。
たとえば、水のやりすぎで、土が乾かない状態にあると、酸素が根や土に行き渡りません。
土自体の水捌けが悪い場合も、根腐れを起こします。風通しが悪く、湿気が多いときも注意が必要です。
もし根腐れを起こしてしまった場合は、腐ってしまった部分を切り落とし、新しい土に変えてあげましょう。ぶよぶよしている部分も中が腐っている可能性があるので、取り除いてください。
ウンベラータが葉焼け・変色する原因と対処法
ウンベラータは、季節の変わり目など直射日光によって、葉焼けを起こすことがあります。もし、葉焼けを起こしたら、それはウンベラータが日の強さに慣れていない証拠です。
一日のうち、日光に当てる時間を少しずつ増やす、などをして、慣れさせてあげましょう。
また、葉の変色には、根腐れや外注など、他の原因が根本にある場合もあります。
現在のウンベラータが置かれている状態をよく見て、総合的に判断し、対処しましょう。
ウンベラータに虫がつく原因と駆除方法
害虫や病原菌は、服について侵入したり、窓から入ってきたりすることで、ウンベラータにつくことがあります。
葉に穴が開いていたり、白い斑点が現れたりしたら、害虫や病気を疑いましょう。
放置しておくと、害虫の排泄物にひかれた菌によって、枝や葉が黒く変色する「すす病」にかかることもあります。
殺虫剤を撒き、見つけたアブラムシやカイガラムシは駆除しましょう。
霧吹きを吹くことも、害虫対策につながります。
乾燥したところを好む、ハダニという害虫を防ぐことができるのです。
被害にあった部分は切り落とし、捨てるようにしましょう。
被害の拡大を予防できます。