クワズイモの枯れない育て方|特徴や植え替え・挿し木の方法のコツまで解説

クワズイモとは、大きな葉っぱが特徴的な人気の観葉植物です。

和風洋風どちらの雰囲気の部屋にも合わせやすく、安いものだと100円から購入することができる、身近でお手頃な種類です。

また、新築祝いや出世祈願などで贈り物にされることもあります。

今回は、そんなクワズイモについて、特徴や育て方などを紹介していきます。

クワズイモとは

クワズイモは、地上に突き出している芋の先から育っていき、大きく広がる葉をつける観葉植物です。

そのスタイリッシュな外見からも部屋のインテリアとしても人気があります。

クワズイモの基本情報

サトイモ科
クワズイモ属
和名 クワズイモ
英名 Alocasia
学名 Alocasia odora
原産地 中国、台湾、東南アジア、インドなど
開花時期 4~8月

クワズイモの特徴

ある程度の寒さなら耐えられる耐寒性を持っています。

太い茎と大きな葉が特徴で、大きな種類になると、人間が傘にして入れるほどの多きさの葉をつけます。

サトイモとよく似ていますが、葉、茎、根、全てに毒があるので、食べることはできません。

日本の「毒物及び劇物取締法」では劇物に指定されています。

湿地の常緑樹林の根元部分に生える多年草です。

万が一食べてしまうと、悪心や嘔吐、下痢、麻痺、皮膚炎などの症状を引き起こしてしまうので、絶対に食べたりしてはいけません。

クワズイモの花言葉

クワズイモの花言葉は「復縁」「仲直り」です。

大きな葉がハート型をしていて、「人の心を取り持つ」といわれているため、復活愛のシンボルともいわれています。

このため、「復縁したい相手の写真と並べて飾ることで、相手との関係が修復できる」ともいわれています。

風水での効果。どこに置くべき?

復縁を望む場合は、家の中心から南東の方角に位置する部屋に置きましょう。

また、クワズイモは成長が早く、ぐんぐん上へ伸びていく性質があるため、別名「出世芋」とも呼ばれており、復縁のほかにも、出世運を強めたい場合に使うこともできます。

出世運を向上させるときは状況によって置く場所が異なり、縁を増やしたい場合は南東、才能を発揮したい場合は南、粘り強さを高めたい場合は南西に置くようにしましょう。

クワズイモの寿命

クワズイモは多年草で、株を増やすこともできるため、明確な寿命はありません。

しかし、葉焼けや根腐れなどが原因で枯れることがあるので、注意が必要です。

育て方次第では、かなりの大きさにまで成長させることができます。

クワズイモの値段・相場

小さいサイズなら、1000円未満で買うことができ、最も安いものであれば100円で買うことができます。

一方、プレゼントなどの贈り物用として買う場合は1~2万円することがあります。

さらには、法人向けギフトとして送られるものでは、2~3万円が相場です。

状況に応じて、クワズイモのサイズや料金を選ぶと良いでしょう。

クワズイモの種類

クワズイモには、葉の形や大きさなどによって、複数の種類があります。

色合いが違いや触り心地が違い、光沢があるものなどが存在します。

また、小型のものから大きなものまで、大きさにも幅も広い種類があるのがクワズイモの特徴です。

順番に紹介していきましょう。

アロカシア・オドラ

一般的にクワズイモといったら、「アロカシア・オドラ」を指すことが多く、緑の大きな葉が特徴のクワズイモです。

葉の形は丸みを帯びていて、先は矢尻のように尖っており、茎は太く立ち上がっています。

シマクワズイモ

別名、アロカシア・ククラタ(Alocasia Cucullata)とも呼ばれています。

全体的に小柄なのが特徴であり、室内栽培に向いています。

アロカシア・オドラよりも、葉がハート型に近い形状をしています。

また、葉脈が葉の縁に沿って走っているのも特徴的です。

アロカシア・アマゾニカ

葉の表面の光沢があるのが特徴で、まるで金属のような輝きを持っています。

葉の縁と太い葉脈が銀白色なのも特徴的で、また、葉の縁が波状に切れ込んでいる独特の形も目を引きます。

風が苦手な種類なので、風から守れる場所に置きましょう。

アロカシア・グリーンベルベット

1本の茎に大きな葉をつける姿はインパクトがあり、ベルベットのような光沢とくっきりとした白い葉脈の色合いが魅力的なクワズイモです。

別名、アロカシ・カディエリ(Alocasia cadier)とも呼ばれます。

クワズイモの選び方

将来的に大きく成長し長持ちする植物、それがクワズイモです。

最初の苗選びは、最も重要で慎重になる必要があります。

あらかじめ置く場所を決めておかないと、いざ買っても場所に困ってしまうことにもなりかねません。

クワズイモの選び方について詳しく紹介します。

選び方のポイント

見るべきポイントは、葉と茎、そして根です。

葉は艶が良く、裏面などに病害虫であるアブラムシやハダニがいないことをしっかり確認しましょう。

もし、病害虫がついていると、ほかの植物に移ってしまうこともあるので注意が必要です。

茎は太くてしっかり根付いていて、ずっしりと育ったものがおすすめです。

鉢の裏を見られる場合は、鉢底から根先が見えるものにしましょう。

根が充実しているのは、苗が元気な証拠です。

大きさ・サイズで選ぶ

クワズイモの大きさは、号数によって別れています。

号数とは、鉢の一番膨らんでいる部分の直径により決められています。

クワズイモの場合、3~4号だと高さが40~50cmほどで、デスクサイズのものになります。

6~8号だと、50~100cmの自宅鑑賞用にぴったりなクワズイモです。

10号ともなると160~200cmにもなるので、オフィスなど広い場所が必要になります。

置く場所やシチュエーションによって、合うサイズを検討しましょう。

100均のクワズイモはあり?

100均の植物、と考えると不安に思うかもしれません。

しかし、実際のところ、100均の観葉植物は、丈夫で繁殖力が盛んなものが多い傾向にあります。

デスクサイズで購入しても、育てた結果1mにまで育った例もあります。

ただし、日当たりや水のやり方など、最低限の注意は必要です。

植え替えなどの手入れも行い、丁寧なお世話を心がけましょう。

クワズイモの育て方・手入れ

クワズイモは初心者向けで比較的育てやすい植物です。

しかし、日当たりや置き場所、水のやり方を間違えてしまうと、途端に元気をなくしてしまうこともあります。

「どんな場所に置いて、どのように育てればいいのか」や「手入れは何が必要なのか」など、ここではクワズイモの正しい育て方と手入れを紹介します。

日当たり・置き場所

元々は大きな木の根本に生えて、木漏れ日を浴びて育つのがクワズイモです。

このため、直射日光は苦手なので反日陰の場所を選ぶか、カーテンで日光を調節できる場所に置きましょう。

長時間直射日光に当てると、葉焼けすることがあります。

ただし、暗いところだと生育が悪くなるので、ある程度の明るさは必要です。

また、雨に当たりすぎてしまうと根腐れを起こす場合があるので、雨の当たらない場所を選びましょう。

温度

夏場では、屋外が40度以上になったら日陰に移動させます。

冬場では、13度を下回ってきたら屋内に避難させましょう。

クワズイモは、3~0度程度なら耐えられる耐寒性があり、室内が5度程度に保たれていれば問題ありません。

クワズイモを育てるときは、赤玉土の小粒が6、腐葉土が4の割合で混ぜた土がおすすめです。

ただし、「土の配合が難しい」や「もっと手軽に始めたい」というときは、一般的に販売されている「観葉植物専用の用土」が良いでしょう。

土にカビが生えるような場合は、通気性が悪いことが原因に挙げられるので、風通しの良いところで育てるのがおすすめです。

また、カビが生えてしまった場合は、「表面の土を除去」「植え替える」「アルコールで土を消毒する」などで、対策することができます。

ハイドロカルチャー(水栽培)の場合の育て方

ハイドロカルチャーによる栽培は、土で育てるよりも難易度が上がります。

水の入れ替えを怠ったり、水量を間違えるなどすると、すぐに根腐れを起こして枯れてしまいます。

ハイドロカルチャーで始める場合は、専用のハイドロコーンと適当なガラス容器、根腐れ防止剤、液体肥料などを用意してから育てましょう。

まず、ガラス容器に根腐れ防止剤を入れ、ハイドロコーンは水に浸して汚れを取っておきます。

容器の1/4までハイドロコーンを入れ、クワズイモは土を取り除き、水で洗い流します。

あとは、ハイドロコーンを土にみたてて植えるだけです。

種から入手した場合の育て方

クワズイモを種から育てる方法は一般的ではありません。

ですが、育てているクワズイモから取れた種で、クワズイモを新しく育てることは可能です。

注意が必要なのは、取り出した種はすぐに種まきを行わなくてはならないということです。種が乾燥しすぎると発芽率が下がってしまいます。

植えるときは、一定の間隔を空けて、あとから目切り・間引きなどができるようにしましょう。

クワズイモの水やり

基本は、「土の表面が乾いたら、たっぷりあげる」ことです。

葉先が丸まったり、しんなり萎れてきたら、水が足りないサインです。

霧吹きで葉に水をかけておけば、害虫対策と埃除去の両方の効果があります。

高温多湿を好むクワズイモは、葉に水をあげることで病気にかかりにくくなります。

また、夏と冬で水の与え方を変える必要があります。

夏場は夕方~夜にかけて水やりを行います。

その理由は、暑い時間帯に水をあげると根が煮えてしまうことがあるからです。

冬場はクワズイモが休眠期に入るため、あまり水を吸収できません。

表面が乾いたとしても、3~4日ほど空けてから水をあげましょう。

 肥料は必要?時期や量

クワズイモは基本的に肥料はなくても育ちます。

ただし、成長を早めたい場合は、肥料を使うのも一つの手でしょう。

春~秋にかけてが生育期であり、その期間に栄養を与えると葉の色を鮮やかになります。

おすすめの肥料は液体肥料で、使う場合は1000~3000倍に薄めてから、10日に一回のペースで与えます。

薄める倍率はきちんと守らないと、肥料焼けしてしまうので注意しましょう。

クワズイモの剪定・切り戻し

古くなって茶色くなった葉や、邪魔になっている葉は剪定しましょう。

切る場所は、木質化している茶色い部分と、茎につながる緑部分の境目です。

クワズイモの樹液は皮膚に付着してしまうとかぶれることがあるので、作業をするときはゴム手袋などで皮膚を守りましょう。

クワズイモの植え替え

クワズイモは成長が早いので、1~2年に一回の植え替えが必要です。

鉢植えの底の穴から根がたくさん出始めたら、植え替え時です。

植え替えのポイントは、一回り大きな鉢に植え替えると良いでしょう。

大きすぎる鉢だと、水捌けが悪くなり、根腐れを起こす可能性があるなど、クワズイモに良くないので注意が必要です。

植え替える時期は、できるだけ5~6月に行うのがおすすめです。

万が一、植え替えを行わないで放置した場合は、根詰まりを起こして徐々に弱ってしまいます。

太らせ方

クワズイモを太らせるには、栄養を溜めさせる必要があります。

そう簡単には太くなりませんので、長い目で見て、じっくり時間をかける必要があります。

太らせるために重要なのは、水と日光と肥料です。

水を正しく与えるのはもちろんのこと、日当たりが足りないようだったら、より日が当たる場所に変えるなどの工夫が大切です。

また、肥料を与えることも効果的に太らせることができます。

ただし、やりすぎには注意しましょう。

クワズイモの増やし方

クワズイモを増やしたいときは、挿し木と株分け、2つの方法があります。

いずれの場合も、暖かくなってくる5~6月が行うのに一番良いタイミングです。

作業中は、樹液で皮膚がかぶれないよう手袋などで保護して作業しましょう。

挿し木

切る場所は、枝の茶色い木質化したところと、緑の茎の部分の間で、茶色い部分を5~10cmほど切り取りましょう。

切り取った部分は、半日~2日ほど乾かして、根腐れを防ぎましょう。

また、切り取った株についている葉は、全て半分の大きさにカットしておきましょう。

葉から蒸発する水分によって株が痛むのを防ぐことができます。

株分け

根部分の小さな新しい株を取り分けで、別の鉢に植え付けます。

切り取った株は、10日ほど涼しい日陰で管理します。

新しい葉が出てきたら、半月かけて少しずつ日向に移していきます。

クワズイモが枯れた・病気になった!トラブルまとめ

初心者でも育てやすいクワズイモですが、育て方によっては枯れたり根腐れしたりするなど、トラブルが起こることもあります。

しかし、原因と対処を知っておけば問題ないでしょう。

それぞれの対処法を紹介します。

 クワズイモが枯れる原因と対処法

クワズイモの元気がないときは、根や幹をチェックしてみてください。

もし、ぶよぶよと柔らかくなっている場合は、幹が腐っている可能性があります。

柔らかくなってしまった部分をカットすれば問題ありません。

硬い部分から、新しい芽が出てきます。

また、日照不足や肥料不足で葉が黄色くなり、枯れる原因になることもあります。

クワズイモが根腐れする原因と対処法

主に水のやりすぎが大きな要因に挙げられます。

常に土が濡れていたり、鉢皿の水を放置していないかを確認しましょう。

鉢が大きすぎて水捌けが悪くなることも原因として挙げられます。

そのほかにも、多湿は根腐れの原因となるので、冬場のクワズイモには水のやりすぎには注意が必要です。

また、細菌性の病気である軟腐病にかかった場合も根腐れを起こします。

病気が広がる前に腐った部分を切り落とし、しっかりと乾燥させ、切り口には殺菌剤や癒合剤などを塗ると良いでしょう。

クワズイモが葉焼け・変色する原因と対処法

冬から春への切り替わりなど、日光の強さに変化が生じるときに、葉焼けが起こりやすくなります。

また、急に屋外に出してしまうと、クワズイモは葉焼けを起こしてしまいます。

少しずつ日光に慣らしていき、長時間の直射日光を避けるように気をつけましょう。

季節の変わり目や屋内から屋外への移動の際には、数日間かけて徐々に慣らすことが肝心です。

クワズイモに虫がつく原因と駆除方法

クワズイモにつく虫として、代表的なのがハダニです。

3~10月にかけて、乾燥した場所で発生するダニで、ハダニはクワズイモの葉にくっついて、白い斑点を作ったり、かすり傷をつけたりします。

ハダニがついていることがわかったら、殺虫剤を散布して駆除しましょう。

殺虫剤が使えない場所や抵抗がある場合は、水と牛乳を1:1の割合で混ぜたものを吹きかけることでも効果が得られます。

クワズイモが折れてしまった場合の対処方法

不注意や台風などの強い風、あるいは自分自身の重さによってなど、クワズイモが折れてしまうことも少なくありません。

しかし、多くの場合は4~6週間ほどで発芽して復活します。

たとえ葉の部分が全て折れてなくなってしまっても、時間が経つと勢い良く葉が生えてくることがあるので、諦めずにお世話を続けてください。

大切なあの人にお花を送ってみませんか?