ポインセチアの育て方!基本のお手入れやポイント、注意点を解説
緑と赤のコントラストが美しく、クリスマスムード漂うポインセチア。
冬になると多くの園芸店やホームセンターなどの店頭に並んだり、お店に飾られたりして街を鮮やかに彩ります。
そんなポインセチアを自宅で育ててみませんか?鮮やかな赤が美しいポインセチアは、お部屋に飾れば季節感漂う素敵なインテリアにもなるはずです。
この記事では、ポインセチアの育て方の基本やポイント、注意点などを解説していきます。
ポインセチアの基本情報
ポインセチアは、メキシコの山地原産のユーフォルビア・プルケリマを改良して作られた、トウダイグサ科トウダイグサ属の常緑性低木です。
開花期は12月〜2月であることから、日本においてクリスマスのイメージが強い植物になってきました。
赤く色づく部分は花のようにも見えますが、実はこの部分は苞(ほう)といって、花を守るために葉が変化したもので、ポインセチアの花は苞の根元部分に咲いた黄色くて小さなものです。
ポインセチアの花言葉は「聖夜」「祝福」「幸運を祈る」「私の心は燃えている」など、クリスマスにぴったりの意味合いになっています。クリスマスの贈り物にもぴったりですよ。
ポインセチアの種類
ポインセチアには、苞の色や形状によってさまざまな種類が存在します。基本的には赤い苞が多いのですが、中には白や黄色、ピンクといった鮮やかな苞をもつポインセチアもありますよ。
苞のイメージから好みのものを探してみてください。
プリンセチア
プリンセチアの苞はピンクや白になるのが特徴的で、赤いポインセチアとは違った優しい印象の花です。2009年にサントリーフラワーズ株式会社によって品種改良された花で、プリンセスのようなイメージからこの名がつけられました。
プリンセチアは独自の花言葉を持っており、「思いやり」という意味合いになります。
自宅に飾るのはもちろん、大切な人へのプレゼントにもおすすめです。
アイスパンチ
アイスパンチは、赤い苞に白い斑が入っているのが特徴です。まるで雪がうっすら積もったかのような色合いで、冬やクリスマスらしさがぐっと増します。
ポインセチアらしい緑と赤のコントラストが楽しめますが、独特の風合いがおしゃれな品種です。
株によって斑の入り方が違うので、お好みのアイスパンチを探してみるのも良いかもしれません。
レモンスノー
レモンスノーは、ポインセチアの中でも黄色い苞をもつ珍しい品種です。
通常のポインセチアがドラマチックなクリスマスカラーなのに対し、爽やかで優しい印象の花になります。
寂しくなりがちな冬の室内や庭先を、明るく彩ってくれることでしょう。
レモンスノーのみで飾っても素敵ですが、通常のポインセチアも一緒に飾って赤と黄色のコントラストを楽しむのもおすすめです。
ウインターローズ
ウインターローズは、赤い苞がくるんとカールしている姿がまるでバラのように見える華やかな品種です。通常のポインセチアよりも苞の「花感」が大きく、ボリューミーで豪華な印象になります。
一般的に花が少なくなる冬でも、美しい花のようなインテリアフラワーを飾りたい方におすすめです。自宅用だけでなく、プレゼントとして贈っても喜ばれることでしょう。
ジングルベル
ジングルベルは、真っ赤な苞に雪のようなクリームイエローの斑が入った色鮮やかな品種です。紅白のコントラストが美しく、ボリュームもあるので1株だけでも存在感が大きくなります。
株によって斑の入り方に個性があるので、お好みのものを探してみるのも楽しいかもしれません。
ジングルベルという品種名も、クリスマスムードをより盛り上げてくれそうですね。
ポインセチアの育て方【準備】
それでは、ポインセチアを実際に育ててみましょう。まずは、元気なポインセチアの選び方やポインセチアの育成に必要なものから解説します。
ポインセチアを楽しく育てるために、スタートから大切にしましょう。
選び方
ポインセチアの鉢植えを選ぶ際には、まず生産者や品種名が明記されているかに注目してみてください。情報があるほど、きちんと管理されて育てられたポインセチアであるので、元気で丈夫な株であることが多いです。
次のポインセチアの状態についてですが、苞の赤い色が鮮やかで黒ずんだりベタついたりしていないかをチェックしてみましょう。
可能であれば、ポインセチアの苞や葉を触ってみて硬くて張りがあるかを確認してみてください。
また、緑の葉の裏側にある葉脈がくっきりしていると、水やりのバランスが良く元気に育っている証拠になります。
必要なもの
温度変化に敏感なポインセチアは、基本的に鉢で育てるのがおすすめです。
鉢植えの状態で購入する事が多いと思いますが、受け皿が用意されていない場合は鉢の大きさに合うものを別途購入しましょう。
他にも、水やりに使用するじょうろや霧吹き、成長に合わせて肥料も必要になります。
さらに、植え替えの際には一回り大きな鉢や新しい土、底石などが必要で、剪定や切り戻しをするときには切れ味の良い剪定バサミを用意しなければなりません。
ポインセチアの育て方【適切な環境】
ポインセチアを育てる際には、まずポインセチアに適する環境を整えることが大切です。
ポインセチアの株が育つ土台になるので、基本からしっかり抑えておきましょう。
環境がポインセチアに合っていないと、枯れてしまったり病害虫に侵されたりといったトラブルの原因にもなりえるので注意してください。
用土
ポインセチアの苗を植えるときや植え替えるときには、土作りから始めます。
ポインセチアが好むのは、水はけと水持ちのバランスの良い性質の土です。
初心者の方は、市販の観葉植物や花、野菜などの培養土を使いましょう。さまざまな植物や花に適するようバランスよく作られているので、失敗が少なくて簡単です。
ガーデニングに慣れている方は、自分で土を配合して作ってみるのもおすすめ。小粒の赤玉土と腐葉土を7対3で混ぜたものか、中粒の赤玉と腐葉土と酸度調整済みピートモスを5対3対2で混ぜて作りましょう。
これらの割合はあくまで目安なので、ポインセチアの大きさや品種によって微調整しても構いません。
置き場所
ポインセチアは日光を好む植物なので、できるだけ日当たりの良い窓辺に置きましょう。
日によく当てることで枝が良く伸び、葉も大きく育ちます。
5~9月の暖かい時期であれば屋外に鉢を置くのがおすすめですが、寒さに弱い性質を持っているので秋から冬にかけては室内に置いて室温が10度を下回らないようにしましょう。気温が5度を下回ると葉が黄色く変色して落葉してしまいます。
たとえ室内であっても冬場の夜間は窓際の温度も下がるため、遮熱効果のある厚手のカーテンを取り付けたり、窓際から少し離したりして温度が下がりすぎないように工夫してみてください。
室内にポインセチアを置く場合、エアコンなどの風が直接当たると株が乾燥する原因になるので注意してください。
ポインセチアの育て方【日常のお手入れ】
次に、ポインセチアの日常のお手入れについて解説します。
ポインセチアの育て方はそれほど難しくありませんが、きれいな葉や苞を維持するためにはちょっとしたポイントが必要になります。また、成長に合わせて定期的な植え替えや剪定作業も必要です。
水やり
ポインセチアの水やりの頻度は、季節や気温によって変える必要があります。
まず、ポインセチアの生育期である春から夏にかけては、土の表面が乾いたら鉢底から水が溢れるくらいたっぷりと与えてください。
特に夏場はポインセチアの根が水をよく吸い上げるので毎日を目安に水やりするようにしましょう。
対して、ポインセチアの育ちが緩やかになる秋から冬にかけては、水やりを控えて乾燥気味に育てるのがポイントです。土の表面が乾いてから4〜7日ほどおいて水やりをする程度で大丈夫です。
特に、花が咲き終わる1月以降は、ポインセチアの休眠時期に入るのでしばらく断水したままでも構いません。
肥料
ポインセチアに追肥が必要になるのは、育成期である5〜10月頃です。
まず、5〜7月の間は薄めた液体肥料を月に1回程度与えるようにしましょう。
8〜10月は成長スピードが少し緩やかになっていく時期なので、緩効性の固形肥料を月に2回ほど与えてください。
花が咲き終わってからの休眠期には、根が養分を吸収しなくなるので水と同様に肥料も与える必要はありません。
花が咲き終わったら
ポインセチアの苞の根元にある小さくて黄色い花は、1〜2月頃になると自然に散っていきますが、苞は色あせることなく春頃まで楽しむことができます。
散った花が鉢の中に落ちている場合は、衛生を保つために取り除いておきましょう。
植え替え
ポインセチアの根腐れを防止するために、4〜5月に植え替えを行うのがおすすめです。土が乾いているタイミングで鉢から根を取り出し、割りばしなどで土を落としながら根をほぐして、傷んでいる根や伸びすぎている根があれば切り落とします。
その後、新しい鉢の中に植え替えましょう。このとき、ポインセチアの株を大きく育てたい場合は、これまでより一回り大きなサイズの鉢に植え替えてください。
剪定・切り戻し
ポインセチアの切り戻しや剪定をせずにそのままにしていると、株の上の方からしか新芽が出ずに、下の方がさみしくなって樹形が崩れてしまいます。
全体的にこんもりとしたボリューム感のある花に成長させたい場合は、植え替えのタイミングで同時に剪定も行いましょう。
枝の各節に新芽が膨らんできたら、枝の付け根から新芽を2個ほど残してバッサリと切り落とします。剪定した直後は少し寂しい見た目になりますが、新芽がどんどん成長して秋には再び葉が茂るようになりますよ。
また、ポインセチアの葉がチリチリになったり落葉したりした際には、元気な葉や枝を残して切り戻ししてみてください。元気な葉が少ないようであれば、思い切って低めに切り戻すと復活することもあるので、すぐに「枯れてしまった」と判断しなくても大丈夫です。
病害虫
ポインセチアに水をやりすぎると根が水を吸収しきれずに根腐れを起こしてしまいます。
また、風通しが悪かったり枝葉が込み合いすぎたりすると、「すす病」や「灰色かび病」の原因になるので、適度に剪定して風通しのよい場所に置くのが大切です。
さらにポインセチアには、アブラムシやカイガラムシなどの害虫がつくことがあり、枝や葉から樹液を吸い取ってしまうだけでなく病気を媒介することもある厄介なもの。害虫がついているのを発見したら、すぐに歯ブラシなどでこすり取るようにしてください。
被害が大きい場合は植物専用の殺虫剤を使用したり、枝葉を切り落とすことも有効です。害虫は、葉が乾燥するとつきやすくなるので、定期的に霧吹きなどで葉水を与えると予防になります。
ポインセチアの育て方【季節のお手入れ】
続いて、ポインセチアの季節ごとのお手入れ方法を解説します。
四季があって1年を通して寒暖差の大きい日本においては、季節ごとに適した管理が必要になるのです。
また、株を増やしたい場合や苞をきれいに色づかせたい場合にも、ちょっとした工夫を意識することがポイントになります。
冬越し
ポインセチアは寒さに弱い植物なので、屋外での越冬は厳しいでしょう。
気温が下がる冬場には、日中は日当たりの良い窓際に置き、夜間は気温が下がりやすい窓際から離して室温を10度以上に保っておきましょう。
花が落ちる2月くらいから暖かくなるまでは休眠期に入るので水や肥料は必要ありません。
増やし方
ポインセチアは挿し木という方法で増やすことができます。ポインセチアの育成に慣れてきたら、株を増やして部屋や庭先をより鮮やかに彩ってみましょう。
挿し木をする時期は、ポインセチアに負担がかかりにくい5〜6月頃がおすすめです。
挿し木の方法
- ポインセチアの新芽を7cmくらいの長さに切り取り、上の葉を4枚ほど残して下の方の葉は全て取り除きます。
- 切り口から染み出る白い樹液をそのままにしておくと根が出にくくなるので、きれいに洗ってからそのまま1時間ほど給水させます。
- 切り口に発根剤を付けてピートモスや赤玉土などに挿し、根が出るまで乾かさないようにしながら日陰で休ませます。
短日処理
ポインセチアの苞をきれいな赤に変色させるためには、「短日処理」という作業がポイントになります。ポインセチアは日照時間が12時間以下でないと葉の色が変化しないため、人為的に日照時間を調整する必要があるのです。
具体的な方法としては、日照時間が長く日差しも強くなる7〜9月の16時~翌朝の9時頃まで段ボール箱などを被せて真っ暗な状態にしておきます。
日中は日光にしっかり当てますが、直射日光が強い時期には半日陰に置くとポインセチアに負担がかかりません。
ちなみに室内で育てる場合でも、照明を日光と勘違いしてしまうため、上記の時間帯には被せものをしたり照明を点けていない暗い部屋に移動させるなどして光の当たる時間を調整しましょう。
ポインセチアの育て方の注意点
ポインセチアの育て方には抑えるべきいくつかのコツがありますが、人体に害を及ぼす可能性も存在します。特に、小さなお子さまやペットのいる家庭では取り扱いに注意が必要です。
最後に、ポインセチアを育てる際の注意点について解説します。
白い樹液に気を付ける
ポインセチアを剪定したり切り戻したりすると、切り口から白い樹液が染み出してきます。手に付着したままにするとかぶれてしまうこともあるので、剪定作業を行う際には手袋を着用したり、作業後にはしっかり手洗いしたりすると安心です。
室内で作業する場合は、樹液で床が汚れないように敷物をしておきましょう。
毒性がある
白い樹液だけでなく、ポインセチア自体にもホルボールエステルと呼ばれる有毒成分が含まれています。
そこまで強い毒ではないため、室内で通常通り育てる分には問題はありませんが、口に含むと人体に悪影響を及ぼすこともあるので、赤ちゃんやペットのいる家庭では置き場所に注意しましょう。
まとめ
ポインセチアはクリスマスムードをより盛り上げてくれる色鮮やかな花です。
基本的なお手入れはそれほど難しくないのですが、極端な寒さや暑さに弱い性質があるので、季節によって置き場所を工夫しましょう。
よりきれいな色を楽しみたい場合は、短日処理にも挑戦してみてください。お世話に慣れてきたら挿し木でどんどん増やしてみるのもいいかもしれません。
ただし、ポインセチアには多少の有毒性も含まれているので、取り扱いには注意してくださいね。