多肉植物が白くなるのはなぜ?葉が変色する原因を徹底解説

多肉植物は初心者でも育てやすいといわれていますが、育て方を間違えてしまうと病気になってしまうこともあります。

その中でも起こりやすいのが、多肉植物が白くなってしまうということ。

自宅で育てている多肉植物が白くなってしまった……という場合、どうしたら良いのか、どうして白くなってしまったのか気になりますよね。

この記事では、多肉植物が白くなる原因と、白くなってしまった際の対処法についてご紹介します。

多肉植物をこれから育てる方も参考にしてください。

 

多肉植物が白くなるのはなぜ?原因と対処法

多肉植物が白くなってしまう原因として、

  • 果糖(ブルーム)
  • 葉焼け
  • 白カビの繁殖
  • 害虫がついている
  • 凍傷になっている
  • 高温障害
  • 日照不足
  • うどんこ病
  • 水分過多や水分不足

以上のものがあげられます。それぞれ詳しくみていきましょう。

 

果糖(ブルーム)の可能性

多肉植物の表面に白い粉が沢山ついている場合、これは果糖(ブルーム)と呼ばれるものかもしれません。果糖(ブルーム)は、多肉植物が自ら作り出す果糖の結晶です。

多肉植物だけでなく、果物や野菜でも果糖(ブルーム)ができるものがあります。果糖(ブルーム)ができてしまう理由は、植物が直射日光から身体を守るためです。葉を守ったり、葉からの水分蒸発を防ぐなど身体を守るためにできているものなので、触らないようにしましょう。

触って害があるものではないものの、植物が環境に適応するために出しているものなので、触ってしまうことで葉の水分が蒸発しやすくなったり、葉が焼けてしまう可能性があります。もし取れてしまった場合は、日当たりの良い場所に多肉植物を移動させましょう。これにより再び果糖(ブルーム)が作られます。

水やりをする際は、果糖(ブルーム)がある箇所に水がかかると水をはじいてしまいます。葉ではなく土に水を与えるようにしましょう。

 

葉焼けしている

多肉植物が茶色く変色している場合は、葉焼けしている可能性があります。また、葉焼けしていると葉が白くなってぽろぽろと落ちてきてしまうこともあります。

葉焼けが起こる原因は、植物が強い日差しを浴びてしまっているからです。葉っぱは葉緑素があることで緑色をしていますが、日に当たり葉緑素が破壊されてしまうと、白っぽく色が抜けたようになり、そこから黄色や茶色に変色していきます。

葉緑素の機能が失われてしまうと、葉っぱは光合成ができなくなり枯れてしまいます。日光に当てすぎないことと、気温が上昇し過ぎないように注意しなければいけません。気温が上昇している季節は、室内で多肉植物を育てることをおすすめします。

 

白カビが繁殖している

多肉植物は、水をやり過ぎてしまい土が濡れた状態だったり、用土の過湿(蒸れ)があったりすると、カビが繁殖しやすいです。土の表面が乾いていて、中が湿っている場合があり、それに気が付かずに水をあげてしまうとカビが発生してしまうのです。

また、風通しの悪い場所に置いている場合、土は蒸れやすくなるのでカビの発生率も高まります。夏場は特に高温多湿になりやすいので、注意しなければいけません。水やりをした後は、風通しの良い場所に置くようにしましょう。

 

害虫がついている

多肉植物には、カイガラムシやハダニ、アブラムシ、ナメクジ、ネジラミ、コナカイガラムシなどの害虫がつきやすいです。

花や野菜よりは害虫がつきにくい多肉植物ですが、害虫がついてしまった場合は、早急に取り除かなければいけません。特にコナカイガラムシは、多肉植物で発生しやすいです。2mmから3mmくらいの大きさで、綿に包まれているようなふわっとした見た目です。乾燥した場所を好む害虫で、葉っぱの隙間や葉っぱの裏につくので見つけにくいです。

乾燥により発生しやすくなるので、乾燥のし過ぎに注意しなければいけません。特に柔らかい新芽につきやすい害虫です。見つけたら消毒用のアルコールをつけた綿棒やピンセット、筆などで取り除きましょう。取り除いた後は、再発を予防するために薬剤を散布しておくのが安心です。

 

凍傷にかかっている

多肉植物は真夏の気温にも注意しなければいけませんが、真冬の寒さにも注意が必要です。外に出しっぱなしにしていたり、寒い場所に置いていたりすると、凍傷を起こして葉が白くなる可能性があります。凍傷を起こしてしまうと、葉がブヨブヨになってしまうため注意してください。

凍傷にかかると葉っぱが水を含んでいるように見えます。これは組織が破壊されている状態なので、放置してしまうと腐って枯れてしまいます。

 

高温障害

多肉植物は高温障害にも気をつけなければいけません。特に、40℃以上は要注意です。

高温過ぎると熱のダメージで細胞が死んでしまい、葉っぱもダメになってしまうのです。

高温で起こりやすいのが葉焼け。葉焼けすると、葉の色が変わってきてしまいます。白っぽくなっている場合は、室内の涼しい場所に移動させましょう。

 

日照不足

多肉植物が元気に育つには、水と光と温度と土がとても重要です。その中でも特に光は重要で、基本的に日光を好む植物なのでしっかり日にあてなければいけません。

しかし、直射日光はダメージがあるため注意しましょう。直射日光のあたらない日当たりの良い場所で育てることで日照不足により葉が白っぽくなることを防げます。

葉が白くなっているのにそのままにしていると、枯れてしまいますので注意してください。

 

うどんこ病にかかっている

うどんこ病は、うどんの粉のように白いものが多肉植物に発生してしまう病気。この白い粉はカビです。カビでおおわれてしまうと、その部位は光合成ができず、生育が悪くなるので花が咲かない、葉が委縮する、株が弱るなどの症状があらわれます。特に春から秋に起こりやすい病気で、多湿と乾燥に気をつけなければいけません。風通しの良い場所で育てることで、うどんこ病を予防できます。

水分過多・水分不足

多肉植物は葉っぱに水分を溜めているので、葉がふっくらとしていますよね。水分が不足していると葉のふっくらした感じが失われ、白く元気がなくなってしまうことがあります。しっかりと水分を与えることは大切ですが、水分過多になると根腐れしてしまう可能性があるため、水やりの頻度には注意しましょう。

成長期にはたっぷりと水をあげてください。土に水をあげるのとは別に、葉っぱにも葉水を行います。霧吹きで葉に水をかけましょう。

梅雨の時期は、水やりは避けてください。夏場の気温が高くなる時期は、朝夕の涼しい時間に水やりをするようにしましょう。

 

白くなった多肉植物の復活方法は?

白くなってしまった多肉植物を復活させるためには、どうすれば良いのでしょうか。

上述した果糖(ブルーム)以外の場合は、そのままにしておくと多肉植物が傷んでそのまま枯れてしまう原因になってしまいます。

ここからは、白くなってしまった多肉植物の対処法、復活させる方法についてご紹介します。

 

病気の部分を取り除く

多肉植物の病気が確認されたら、まずは病気の部分を取り除きます。この時、手でちぎってしまうと傷みやすくなるのでハサミでカットしましょう。

変色が進んでしまっている部分は、変色している部分からしっかり取り除きます。綺麗な部分だけが残るようにしてください。

根詰まり、根腐れの場合は植え替えを行います。根腐れの場合は水分過多な状態になっていますので、1週間ほど水を与えないで乾かすことが大事です。

もし元気がある状態なら、新しく根っこが出てくる可能性もあります。それでもダメなら植え替えしましょう。

 

植え替えする

植え替えは、水気の無い新しい土に植え替えてください。

植え替えしてから1週間ほど間隔をあけて水やりします。再度根腐れさせないためにも、水やりの頻度に注意し、撥水性の高い土を選ぶようにしてください。

また、鉢受けの水はこまめに捨てるようにしましょう。

 

元気な茎や葉を使って復活させる

多肉植物の病気が分かったら、病気の部分を取り除くことで復活させることができます。

また、植え替えを行う方法とは別に、挿し木という方法で新しい株として増やしてみるのもおすすめです。元気な茎や葉を使って復活させる方法がいくつかあるので、代表的な4種類の方法をご紹介します。

 

茎挿し(挿し木)の方法

茎挿し(挿し木)は、今残っている茎を使用して新しい土に植え替える方法になります。

鉢と用土、ピンセット、消毒済みのハサミやカッター、土入れなどが必要です。病気になっていない茎を選んでハサミでカットしたら、根元の土を切り落とします。

そして、切り落とした茎を1週間から2週間乾燥させます。挿し穂にしたら、鉢に乾いた新しい土を入れて挿し穂を植えます。その1週間後から水やりをしてください。

半日陰に置くことで、根っこが出てきます。

 

胴切りの方法

腐った部分を切り落として植え替えるのが胴切りです。

根腐れしている場合は、根腐れしている部分よりも上の先端、変色している部分がある場合は、変色している部分よりも上を切ります。

切りはなしたら、1週間から2週間乾燥させ、切断面を下にして鉢に植え替えます。この時、必ず新しい用土を使ってください。水やりは植え替えから1週間後です。半日陰で根が出るまで待ちましょう。

 

葉挿しの方法

多肉植物の中には、茎が無いものもあります。このような場合は、葉っぱを使うことで発芽させることができます。

傷んでいない葉っぱをピンセットで付け根からつみ、1週間ほど乾燥させます。そして乾いた新しい用土に差し込んでください。

水やりは3日後くらいから開始します。霧吹きで水をふきかけましょう。発根したら植え替えします。

 

芯止めの方法

多肉植物の中心部分が傷んでいて胴切りも難しいという場合は、芯止めします。

中心部分から成長をとめる方法です。中心部分の葉っぱは全部取り除き、茎の上をカッターで切ります。それから茎の中央をえぐって生長点をつぶし、半日陰に置きます。

1ヶ月程すると新しい芽が出てくるので、半年ほど子株として育ててください。大きく成長したら、植え替えします。

 

多肉植物の上手に育てるポイント

多肉植物を枯らさないように育てるためには、いくつかポイントがあります。中でもこれからご紹介する4つのポイントは特に重要になりますので、多肉植物を購入される前にチェックしておきましょう。

 

健康な苗を選ぶ

多肉植物の苗を購入する際は、葉や枝の色を確認しましょう。しっかりとした緑色のものを選ぶと安心です。そして表面に粉や毛がある多肉植物の場合は、粉や毛がしっかりとしているものを選びましょう。

葉がみっしりと詰まっていて、新芽が綺麗な緑色であればより良いです。健康な苗を育てることで、枯れるリスクも減らせますよ。葉や枝が綺麗な緑色をしているものは、光合成がちゃんとできている証拠です。 

 

品種ごとの生育タイプを知る

多肉植物には様々な種類があり、春秋型、夏型、冬型に分けることができます。

春秋型は、春と秋が生育期で、夏と冬は休眠します。

夏型は、夏が生育期で秋から春が休眠時期です。

冬型は、冬が生育期で、春から秋が休眠時期となります。

同じ多肉植物でも品種により特徴や育て方が異なるため、注意してください。その品種に合う育て方をしていくことで、枯れるリスクを減らせます。

 

日当たり・風通しの良い場所に置く

多肉植物を育てる際は、置き場所に注意しましょう。直射日光が当たってはいけませんが、日当たりが悪いのも良くありません。

また、湿気がこもると葉が傷みやすくなるため、風通しの良い場所であることも大事です。半日陰で日当たりがちょうど良く、風通しが良い場所を選びましょう。

季節ごとに水やり頻度を変える

多肉植物は、季節ごとに水やりの頻度を変える必要があります。

夏は水分が蒸発しやすいですし、冬に水やりをすると場合によっては冷えて根が傷んでしまうことも。

多肉植物の水やりは、2週間おきに1回が目安です。ただしこれは目安なので、乾燥しすぎている場合はもう少し間隔を詰めた水やりが必要となります。

 

初心者におすすめの多肉植物

多肉植物は全般的に初心者が育てやすいとされていますが、特に育てやすい多肉植物を選ぶことで、白くなってしまうのも防ぐことができるでしょう。

では、どのような多肉植物が育てやすいのでしょうか。最後に、育てやすい多肉植物についてまとめておきます。

 

セダム属

多肉植物のセダム属は、ベンケイソウ科に分類されるものです。ベンケイソウ科の中でも特に大きく成長するのがセダム属。セダム属は世界で400種類以上が確認されていて、道端にも生息しています。

セダム属の中でも人気な「タイトゴメ」(大唐米)は、米粒のような形をした葉っぱが特徴的です。秋から冬になると紅色になるので見た目の変化も楽しめますよ。花は星のような黄色いものでこちらも可愛いです。セダム属は、春秋型の多肉植物です。

 

エケベリア属

エケベリア属は、多肉植物がブームになる火付け役になったともされている人気の品種です。お花のような形がとても可愛らしく室内でも育てやすい品種になっています。

種類はたくさんあり、赤くなるものやとげとげしているもの、毛が生えてふわふわ見えるものなどがあります。

特に赤くなるバラのように見える品種は人気で、「エケベリア・リラシナ」は、葉っぱがピンク色に変化します。花も外側がピンクで内側がオレンジなので、見ていてとても癒される可愛らしさが魅力です。エケベリア属だけでも1000種類あるとされていますので、自分好みの多肉植物を見つけてみてはいかがでしょうか。

ちなみに、エケベリア属も春秋型の多肉植物です。

 

モニラリア属

モニラリア属は、うさぎの耳のような形が可愛い多肉植物です。

夏に成長期を迎える多肉植物が多いなか、モニラエリア属は冬に成長期を迎えます。

棘が無いので棘が苦手な人にもおすすめですよ。

モニラリア属にもさまざまな種類があり、その中でも人気なのが、「オブコニカ」や「ピシフォルミス」です。この品種はうさぎの耳のようで可愛いと人気です。

「グロボーサ」と呼ばれる品種は、ボクシングのグローブのような形をしています。

「オブコニカ」は光があたるとキラキラし、花はピンク色なのでうさぎの耳の形だけでなく花も可愛いですよ。

ピシフォルミスとグロボーサには、白い花が咲きます。カラフルなモニラリアも存在するため、色々な品種を集めて並べるとより見栄えが綺麗になるでしょう。

 

まとめ

今回は、多肉植物が白っぽくなってしまう原因をお伝えしました。

多肉植物が白くなる原因は、カビや害虫などによる病気だけでなく、日光や水、湿度などの環境の変化でも起こることが分かりました。多肉植物を上手に育てていくためにも、環境には十分注意しましょう。この記事を参考に、まずは育てやすい多肉植物から選んでみてくださいね。

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