おしゃれな鉢カバーを使って、観葉植物をもっと楽しもう
お部屋に飾るだけで、おしゃれな雰囲気を演出してくれる観葉植物。
園芸店ではプラスチックのポットに植えた状態で販売しているので、そのまま飾っているという方もいるのではないでしょうか。
プラスチックポットのままだとシンプルですが、なんだか味気ないですよね。そうはいっても、植木鉢に植え替えをするのはちょっと億劫。そんな方のために、今回の記事では鉢にかぶせるだけで簡単に取り入れられる「鉢カバー」の魅力をご紹介します。
さまざまな素材でできた鉢カバーはお部屋のテイストに合わせて自由に選ぶことができ、自分だけの一鉢に仕上げることができますよ。
そもそも鉢カバーってなに?
鉢カバーと植木鉢って何が違うの?と疑問に思う方も多いですよね。
鉢カバーとは、植物を植えているプラスチックのポットや、ポリポットにかぶせて使う容器のことを言います。
布やブリキ缶、木でできたものなど、さまざまな素材、大きさのものが販売されています。
これを取り入れれば、植え替えをしなくても、プラスチックポットやポリポットをおしゃれに変身させることができます。
鉢カバーと植木鉢のちがいとは?
用途や見た目も植木鉢と似ていますが、鉢カバーとのちがいはあるのでしょうか。
植木鉢は、直接土を入れて、植物を植え替えて育てることを目的として作られています。
そのため、水をあげたときに底から余分な水が溢れ出るように、鉢底に穴が開いています。そのまま室内に置くと、水が漏れてしまうので、受け皿と呼ばれる植木鉢をのせるためのお皿がセットになったものが多いのが特徴です。
鉢カバーは、直接植えるために作られているものではありません。そのため、鉢カバーには耐水性のない素材で作られたものも多く、鉢底に水を抜くための穴は開いていません。
鉢カバーはどんな植物にも使用できる?
鉢カバーは、すべてのプラスチックポットやポリポットに使用することができます。
植木鉢同様サイズがあるので、飾りたい植物に合ったサイズの鉢カバーを見つけましょう。
鉢カバーは、底に穴が開いていないため、屋外で使用すると鉢カバーの中に水が溜まってしまいます。基本的に屋外の使用には向いていません。
鉢カバーの素材にはどんなものがある?
植木鉢同様、鉢カバーもさまざまな素材でできたものがあります。
鉢カバーはインテリアとして観葉植物をより楽しむためのアイテムなので、見た目重視で選びがちですが、素材によってメリットデメリットがあります。
まずは鉢カバーを素材別にみていきましょう。
バリエーション豊かな陶器製
植物を直接植え替えて使用する際にもよく使われる陶器素材の鉢カバーは、鉢カバーの中でもサイズやカラー、デザインのバリエーションが豊富です。
中でも釉薬(ゆうやく)が塗られた陶器の鉢カバーは、表面にツヤがあるのが特徴。釉薬が塗られたものは耐水性があるので、そのまま水やりをする必要のある、大きな植物の鉢カバーとして使用するときに向いています。
鉢カバーは室内で使用するものなので、水漏れして部屋を汚してしまう心配がないのは安心です。
デメリットは通気性が悪いこと、鉢カバー自体が割れものであり重い事です。
通気性が悪いと中の植物が蒸れて根腐れしてしまう原因になるため、受け皿に水をためないように気を付けましょう。
室内で育てている動かせるサイズの植物であれば、たまに外に出して、外気に触れさせてあげるのも効果的です。
陶器は割れものなので、管理にも気を付けましょう。
特に大きなサイズの植物の鉢カバーとして使用する場合は、水やりの際に無理に出し入れせず、給水スポンジやスポイトを活用して受け皿に水が溜まるのを防ぐようにしてください。
軽くて扱いやすい樹脂製
軽量で、その分価格も陶器鉢に比べてリーズナブルに購入できるのが、樹脂製の鉢カバー。
陶器に比べると、ビビットなカラーのバリエーションが豊富です。リーズナブルなのでお部屋に合わせて気軽に買い替えられることができます。
樹脂製の鉢カバーも耐水性に優れていますが、その分通気性が悪くなりがちです。陶器製に比べるとさらに土が乾きづらいので、中が蒸れてしまわないように気を付けましょう。
本体が軽量なので、大きな植物の鉢カバーとして使用すると、鉢のバランスが悪くて倒れてしまうことがあります。植物とのバランスを考えて選ぶことも必要です。
おしゃれな部屋に映える金属製
メタリックの鉢カバーは、お部屋をスタイリッシュに演出してくれます。
ブリキ缶のような軽い金属から、重厚な金属製の鉢カバーまで使われる金属の素材によってさまざまなバリエーションを楽しめるのも魅力です。
個性的な植物や多肉植物との相性が良く、インテリアと絡めるとお店のようなディスプレイを楽しめるのが金属製の鉢カバーです。
ナチュラルに飾れる自然素材
籐や麻、竹、木材などの自然素材を生かした鉢カバーは、どんなお部屋にもよく馴染み、アジアンテイストなお部屋に特におすすめの素材です。
1点1点編み目や、風合いが異なるのが魅力で、使うほどに味が出ていくのも天然素材ならではの特徴ですね。
ただ、自然素材を使用しているので耐水性は期待できません。鉢カバー自体が軽くて柔らかいので、中の植物も軽い場合は、安定させるために底に受け皿を敷いて使用すると良いでしょう。
受け皿を使用しない場合は、水やりの際には一度カバーを外す必要があります。水やり後しばらくは土から余った水分が排出されるため、しばらく水を切ってから鉢カバーに戻すようにしてください。
個性豊かなファブリック素材
軽いので、壁のフックやカーテンレールに引っ掛けて飾る、ハンギンググリーンにもおすすめなのがファブリックの鉢カバーです。
色や柄も豊富で、もともと観葉植物の鉢カバーとして作られた雑貨でないものでも、サイズが合えば活用することができます。コンパクトに収納できるので、お部屋のインテリアに合わせて交換できるのもファブリックならではの魅力です。
自然素材同様、耐水性は期待できないので水やりの際には一度外すか、底に受け皿を敷いて使用しましょう。
お気に入りの鉢カバーを選ぼう
さまざまな素材やサイズ展開があり、おしゃれなものが多いのでどれを選ぼうか迷ってしまう鉢カバーですが、選び方のポイントも知っておきましょう。
植物の雰囲気に合わせて鉢カバーを選ぶのも良いですし、お気に入りの鉢カバーに合わせて中の植物を探してみるのも楽しいです。
鉢カバーのサイズはどうする?
まずは、植木鉢のサイズについて確認しておきましょう。
植木鉢のサイズは、1号=直径約3cmで作られています。3号なら約9cm、4号なら約12cmという具合にサイズが大きくなれば、直径が大きくなっていきます。
鉢カバーは上にかぶせて使うので、中に入れる植物に対して少しサイズの大きいものを選ぶと良いです。
また、鉢カバーの素材によっても選び方が変わります。
例えば、陶器製や金属製など重みのある鉢カバーであればある程度サイズが大きくても安定感があるので、中の植物が倒れてしまう心配はありません。自然素材やファブリックの鉢カバーを選ぶ場合は、あまり大きいと不安定で倒れやすくなるので、ちょうどよいサイズのものを選ぶようにしましょう。
植物とのバランスを確認しよう
観葉植物には背の高い植物や、背の低い植物など、さまざまな樹形があります。
鉢カバーを選ぶ際には、植物とのバランスもチェックしてみましょう。
例えば、背の高い植物であれば、重厚感のある素材のものを、逆に葉が柔らかい華奢な植物には天然素材の軽い素材を選ぶなど。同じ植物でも、選ぶ鉢カバーによってイメージが変わるので、お部屋のインテリアと合わせてこだわってみるのがおすすめです。
また、せっかく選んだ鉢カバーも高さが合っていないと、中のプラスチックポットやポリポットが見えてしまいおしゃれさも半減してしまいます。中の鉢がしっかり隠れるように高さのチェックも忘れずに行いましょう。
サイズが大きすぎたらどうする?
大きすぎる鉢カバーを使用すると、中の観葉植物が鉢に埋まってよく見えないなんてことも起こりえます。そんなときには、底上げをしてバランスを整えてあげましょう。
簡単なのは、底に軽い発泡スチロールやプチプチと呼ばれるような梱包材を使用して底上げしてあげる方法です。新聞や段ボールでも良さそうに思えますが、鉢底に水が漏れたときに紙素材のものは給水して腐敗しやすいため、耐水性のある素材がおすすめです。
梱包材を隠すために、上の部分にはココヤシファイバーと呼ばれるヤシ実の繊維から作られたマルチング材や、麻布を使用すると良いでしょう。水やりのときにも取り外しがしやすいのでおしゃれに緩衝材を隠しつつ、管理もしやすい素材です。
マルチング材とは、土の上をおおって寒さや虫の被害から植物を守るための材料のことをいいます。土の乾燥や急激な温度変化を防ぐ効果もあるので植物を保護する役割も期待できますよ。ただしカビを防ぐためにも、水やりのあとはしっかり水を切ってからかぶせるように気を付けましょう。
マルチングについて詳しく知りたい方は、こちらの記事もご覧ください。
鉢カバーを使っているときの水やり方法
鉢カバーを使用する場合、水やりにもコツが必要です。基本的にはカバーを外して水やりを行いますが、大きな鉢カバーを使用する場合は外さずに道具を使って水が溜まるのを防ぐこともできます。
鉢カバーを使用する際の、詳しい水やりの方法をみていきましょう。
まずは水やりのコツをおさらいしておこう
観葉植物の水やりの基本は、表面の土が乾いたら、鉢底から水が溢れ出るくらいたっぷりと水やりをすることです。
毎日ちょこちょこと水やりをしていると、土全体に水がいきわたらず植物が水分を吸収できません。
また、いつまでたっても中の土が乾かないので、そこから蒸れて、根腐れし枯れてしまう原因になるので気をつけましょう。
鉢カバーを外してから水やりをしよう
水やりの際には一度鉢カバーから植物を取り出して水やりします。セットした状態で水やりをしてしまうと、鉢底から溢れた水が鉢カバーの内部に溜まって腐ってしまったり、夏場はたまった水から虫が発生したりする原因になります。
布でできた鉢カバーの場合は鉢カバー自体が濡れてしまうので、どんな素材の鉢カバーでも必ず外してから水やりを行いましょう。
鉢カバーを外したら、屋外やシンクの中など、水が溢れ出ても問題のない場所で、鉢底から水が溢れ出るくらい、たっぷりと水やりを行います。
水やりの際には植物の状態もチェックして
水やりするときには、葉に害虫がついていないか、枯れこんでいる個所はないかなど、植物の様子をよく観察してあげましょう。習慣化することで、植物の病気にいち早く気がつけるので、早めの対処ができるはずです。
受け皿はどうするの?
受け皿を使用する場合は、鉢カバーの中にセットして使います。
この場合は、あげる水の量を把握できるようになれば、鉢カバーをセットした状態でも水やりが可能です。
虫が発生したり、腐ったりする原因になるので、水やりをしたあと、受け皿に溜まった水は必ず捨てましょう。
大きな植物の場合は、無理に取り出さずに道具を使う
鉢のサイズが大きくなればなるほど、土の量も増えるので全体が重くなります。そんな植物を、毎回鉢カバーから取り出して水やりをするのは大変です。
大きなサイズの植物に鉢カバーを使用する場合は、普段とおなじように水やりを行い、鉢底から出た余分な水分は、給水スポンジやスポイトを使用して排出するのがおすすめです。
そのため、出し入れせずに鉢カバーを利用したい場合は、耐水性のある素材の鉢カバーを選ぶと良いでしょう。
飾りたいシーン別!おすすめの鉢カバーは?
観葉植物は床やデスク、シェルフの上に飾ったり、壁やカーテンレールに引っ掛けて飾ったり、さまざまな楽しみ方が可能です。
水に弱い木製のシェルフやデスクですが、鉢カバーを使用することで、安心して観葉植物を飾ることができます。
また、観葉植物をギフトで贈る際に、鉢カバーもセットで添えればおしゃれな贈り物としても喜ばれるはずですよ。
ハンギンググリーンにはファブリックか天然素材がおすすめ
飾るスペースの少ない部屋でも、空いた空間を上手に利用して飾ることができるのがハンギンググリーンの魅力です。目線の高い位置にグリーンがくるので、少ない分量でもグリーンを豊かに感じることができます。
ハンギンググリーンは壁や、カーテンレールに吊るして飾るため、軽いファブリック素材か天然素材の鉢カバーがおすすめです。ハンギングのフック部分に布を編み込んだものや、ビーズを使用したものも販売されているので、インテリアアイテムとしてこだわってみるとよりおしゃれな空間に仕上がりますよ。
ハンギングで飾る際に鉢カバーを使用すれば、水やり後に水を切っても、時間が経つと上から水が垂れてきてしまうという心配事も解決できるはずです。
センターグリーンに選ぶなら重厚感のある陶器素材を
お部屋のアクセントになるセンターグリーンに選ぶなら、安定感もある陶器素材の鉢カバーはいかがでしょうか。
大きな植物もバランス良く安定して飾ることができ、お部屋の雰囲気に合わせて釉(うわぐすり)を塗った光沢感のあるものか、素焼きの質感がおしゃれなテラコッタを選ぶことができます。
大きいものは重量があるので、接地面の床が傷つかないようにクッション材かコルクマットを敷いて置くと安心です。鉢の下に、小さなラグを敷いてインテリアと絡めて飾れば、床を保護しながら、まるで雑貨屋さんのようなおしゃれなコーナーが完成します。
多肉植物やサボテンにおすすめなのは木製の鉢カバー
多肉植物やサボテンは、木製の鉢カバーとの相性がバツグンです。小さな植物こそ鉢カバーにこだわれば、そのかわいさが一層引き立ちます。
サイズの小さな多肉植物やサボテンは、鉢カバーを使用することで植物の存在感が増し、お部屋のインテリアとしてより楽しむことができるはずです。
鉢カバーに数種類の植物を寄せ植えのように集めてみたり、個性的なサボテンをアートのように飾ってみたり、楽しみ方は無限大です。
木製の鉢カバーは、ナチュラルな風合いが魅力ですが、飾るうちに自然の木ならではの表情や味が出て、より愛着のわく一鉢になるはずです。植物の成長とおなじように、風合いの変化も楽しめるのが木製の鉢カバーの魅力でもあります。
まとめ
今回は、便利な「鉢カバー」についてご紹介しました。
同じ種類の植物でも鉢カバーを変えるだけで、印象はガラリと変えることができます。
この機会に、インテリアやお部屋の雰囲気に合わせて、お気に入りの植物を着せ替えてみてはいかがでしょうか?