「幸せの木」ガジュマルってどんな植物?風水効果や育て方は?

ガジュマルには「キジムナー」という木の精霊が宿ると伝えられており、「幸せの木」として人気の観葉植物。

ガジュマルが「幸せの木」と呼ばれているのは有名ですが、その理由をご存じですか?それは、沖縄に古くから伝わる伝説に由来しています。

他にも、花言葉も縁起がよく、風水的効果も高く魅力的な植物です。樹形も個性的で、お部屋のインテリアや贈りものにもぴったりですよ。

今回はそんなガジュマルの品種や育て方、トラブルの対処法などをご紹介します。

ガジュマルをおうちに迎えたいと考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。

 

「幸せの木」ガジュマルとは?

独特な樹形をもつガジュマル。園芸店やホームセンターなどでも気軽に購入できる観葉植物ですが、まずはその基本的な情報から見ていきましょう。

よく目にするガジュマルは1つの品種にすぎず、実は他にもさまざまな樹形や性質を持つガジュマルが存在しているんですよ。

基本情報

ガジュマルは、東南アジアやオーストラリア北部が原産の植物。しかし、日本でも沖縄に自生し、「ガジュマル」という名前は、沖縄の現地名から付けられた和名です。

ガジュマルは地表からぷっくりと生やした「気根」と呼ばれる根が個性的で、ユニークな樹形が人気を集めています。

自然に自生しているガジュマルは高さ20mまで生長することもありますが、一般的に観葉植物として流通しているものには、小ぶりなものから大型までさまざまです。

 

種類と品種

ガジュマルは世界に約800種、日本の中だけでも約20種類あると言われています。一般的によく見るガジュマルの他にも、個性的な樹形を見せてくれる種類がたくさんあるので、好みに合わせて選んでみましょう。

基本的なガジュマルの種類をご紹介します。

 

ガジュマル(ニンジンガジュマル)

一般的に園芸店やホームセンターで多く流通しているガジュマル。まるでニンジンのような丸くて太い根が特徴的で、1つ1つ違った樹形が楽しめます。小さなサイズが多く、テーブルや棚の上にも置きやすい品種です。

 

黄金ガジュマル(ゴールド・リーフ)

黄金ガジュマルは、新芽が黄緑色に輝くことからこの品種名が付けられました。台湾で育種された園芸品種で、日当たりの良い場所を好みます。沖縄では公園など街中に植えられていることもありますよ。

 

センカクガジュマル

センカクガジュマルは沖縄の石垣島などに自生している品種です。一般的なガジュマルよりもシャープな葉を持ち、枝を垂直方向に伸ばします。日本で流通している多くは、ガジュマルにセンカクガジュマルを接木して育成されたものです。

 

パンダガジュマル

パンダガジュマルは、センカクガジュマルの突然変異によって生まれた品種です。葉が丸みを帯びており、癒し効果があると人気ですが、希少種でなかなかお目にかかれません。

 

フィカス・シャングリラ

フィカス・シャングリラは、別名つる性ガジュマルと呼ばれる品種で、一般的なガジュマルと違い、地を這うようにして生長するのが特徴です。ハンギングなど吊るして飾るとおしゃれになります。

 

花は咲く?

あまり花のイメージがないガジュマルですが、実は大きく生長すると春ごろに薄黄色の花を咲かせることがあります。1cmほどの丸くて小さな果実の中に花を咲かせるので、外から花のみを見ることはできません。

このガジュマルの花を包んでいる果実は鳥が好んで食べ、消化しきれなかった実が排出されて新たな地で発芽していきます。そのサイクルから、ガジュマルの実は「花糞」とも呼ばれています。

 

ガジュマルが「幸せの木」と呼ばれる理由

ガジュマルが「幸せの木」と呼ばれているのは、沖縄に伝わる「キジムナー」という木の精霊からきています。沖縄には、大きく生長したガジュマルにはキジムナーが宿るという伝説があり、キジムナーと仲良くなるとその家が反映し、幸せをもたらしてくれるとされているのです。

そのため、そのキジムナーの住処であるガジュマルを「幸福の木」として扱うようになりました。その考え方が沖縄だけでなく日本全国に広がっていったのです。

 

「幸せの木」ガジュマルの花言葉と風水

観葉植物を部屋に飾る際に、その花言葉や風水的効果を意識する人も多いのではないでしょうか。ガジュマルは沖縄で「幸せの木」と伝えられていますが、その他にもよい意味合いがたくさんあります。

ガジュマルの花言葉と風水効果、さらにおすすめの飾り場所を解説します。

 

花言葉

ガジュマルには「健康」や「長寿」といった花言葉があります。これは、ガジュマルの持つ生命力の高さから由来しており、ぽっこりとしている「気根」が水分調節の機能に優れているからです。絡みつく気根から水分を吸収できていれば、例え岩の上であっても育つことができるそうなので驚きですね。

どんな環境の中でも力強く生きていこうとするガジュマルを家に飾ることで、自分や家族の健康を守ってくれそうな気がします。

 

風水効果とおすすめの置き場所

風水の考え方では、下向きに生える葉や丸い葉を持つ植物には癒し効果があるとされており、その両方の特徴を併せ持ったガジュマルは、高いリラックス効果が期待できます。そのため、気持ちを落ち着かせてくれる寝室や集中した書斎などに置くのがおすすめです。

他にも、「幸せの木」と呼ばれていることから金運アップも期待できます。金運を司る方角は西なので、家の中の西側に置くと良いでしょう。

風水効果を高めるためには、衛生管理も大切です。ガジュマルを置く鉢やその周りを、いつもきれいに掃除しておきましょう。

他にも、玄関に置いて悪い気が侵入してくるのを防いだり、水と火という相対する気が乱れやすいキッチンに置いて中和させたりといった方法もおすすめです。

 

「幸せの木」ガジュマルの育て方

ガジュマルの育て方はそれほど難しくなく、初心者でも育てやすい観葉植物。生命力が強いので、ちょっとしたことでは枯れません。耐寒性も強いので、四季のある日本でもよく育ちますよ。

「幸せの木」と呼ばれるガジュマルの基本的な育て方を解説します。

用土

観葉植物を育てる際に、まず必要になるのが鉢と土です。鉢はガジュマルの大きさに合ったものを選び、新品でない場合は汚れを洗い流してしっかり乾燥させておきましょう。

ガジュマルは、水はけと水持ちの両方のバランスが良い土を好みます。自分でブレンドする場合は、赤玉7、腐葉土3の割合で混ぜましょう。ガーデニングに慣れていない方は、市販の観葉植物用の土を購入するのが簡単。ホームセンターや園芸店などで気軽に購入できますよ。

インテリアグリーンとしてガジュマルをおしゃれに飾りたいのであれば、通気性の良い軽石を根元に敷いて土を隠すようにするのもおすすめです。

 

置き場所

ガジュマルは熱帯地方で自生している植物なので、基本的に温かい環境を好みます。室内に置く際には、日当たりの良い窓際に置いてしっかり日光浴をさせてあげましょう。

ただし、夏の厳しい日差しに当てすぎると弱ってしまうので、レースカーテンなどで直射日光から守ってあげてください。

また、ガジュマルは比較的耐寒性も強く、5度以上であれば越冬できます。冬場は温かい室内の窓際に置いてあげましょう。夜間など窓際の温度が下がる際には、部屋の中心部分に移動させてください。

 

水やり

熱帯地方で自生しているガジュマルは、どちらかというと湿度の高い環境を好みます。春から夏にかけては、土の表面が乾いたタイミングでしっかりと水やりをしましょう。特に、夏場は乾燥しやすいので、様子を見ながら水を切らさないようにしてください。

秋から冬にかけては、ガジュマルの生育がゆるやかになるので、水をやりすぎると土が腐り、根腐れを起こしてしまいます。この時期には、土の表面が乾いてから2〜3日を目安に水をやるようにしましょう。

 

肥料

ガジュマルは肥料を与えなくても十分育ちますが、より大きく、力強く育てたいのであれば緩効性肥料を与えると良いでしょう。春から夏にかけて月に1度程度、土の上にぱらぱらと固形肥料を撒きます。

水やりによってゆっくりと肥料成分が溶けていき、ガジュマルに栄養を与えてくれますよ。

あまり肥料をやりすぎると、根腐れを起こすこともあるので注意してください。

 

「幸せの木」ガジュマルの育て方のポイント

ガジュマルの基本的な育て方を解説しましたが、ここからは必要に応じたおすすめのお手入れ方法をご紹介します。ガジュマルをより美しく元気に育てたい方や、増やしたい方、土を使わずに飾ってみたい方は参考にしてみてください。

 

植え替え

ガジュマルは生長するのが早いため、定期的な植え替えによってそれまでより一回り大きな鉢に植え替える必要があります。目安としては2年に1回ですが、鉢の底から根がはみ出しているようならすぐにでも鉢を変えなければなりません。

ガジュマルの植え替えに適している時期は、生長期に入る4〜7月。植え替えの際には、鉢から取り出したガジュマルについている土を1/3程度取り除き、根腐れしている部分はカットしておきましょう。

植え替えが終わったら日陰に置いてしばらく休ませ、元気に育ち始めるまで見守ります。

 

剪定方法

ガジュマルは放っておくとどんどん生長し、枝や葉が生い茂っていきます。見た目を整えるだけでなく、風通しを良くするためにも適度な剪定が必要です。

剪定するのは、ガジュマルの生長期であり、剪定によるダメージが少なく済む4〜7月がおすすめ。枯れている枝や、邪魔な枝を根元からバッサリ切り落としましょう。1週間程度で脇芽が生えて、再び葉が茂るようになります。

ガジュマルの背を高くしたくないのであれば、上端からカットすると縦に伸びにくくなりますよ。

 

増やし方

ガジュマルは剪定した枝を挿し木にすることで増やすことができます。

方法としてはまず、剪定した枝を2〜3節で切り、染み出てくる樹液を洗い流します。上の方の葉を3枚程度残し、水はけの良い赤玉土やバーミキュライトに植えましょう。

その後、乾燥しないように水を与えながら根が出るまで日陰で休ませます。根がしっかり生えてきたら、新しい鉢に植え付けてください。

新しい苗を買うことなく簡単にガジュマルを増やせます。

 

ハイドロカルチャー(水耕栽培)

キッチンに飾る場合など土を持ち込むことに抵抗がある場合は、ハイドロカルチャーで育てるのがおすすめです。ガジュマルは水耕栽培が可能なので、衛生面が気になるときに試してみてください。

ハイドロカルチャーで育てる場合は、土の代わりにハイドロボールという人工土を使用しますが、ハイドロボールには栄養が含まれていないので、月に2回程度薄めた液体肥料を与えましょう。

 

「幸せの木」ガジュマルに多いトラブル

ガジュマルは比較的育てやすく、初心者にもおすすめですが、まれに以下のようなトラブルが見られます。気付かずに放置しているとガジュマルが枯れてしまう原因にもなるので、日常の水やりの際に、健康状態をチェックしておきましょう。

 

根腐れ

水やりの後に土がなかなか乾かなかったり、土の表面にカビが生えていたりする場合は、ガジュマルが根腐れを起こしている可能性があります。根腐れは、土中の酸素濃度が低下して細菌が繁殖し、有機物の腐敗が進むことで発生します。

土が常に湿っているので根が呼吸できず、水を吸い上げることもできなくなってしまうので、その結果株全体に水分が行き渡らないのです。

根腐れを起こしてしまったら、新しい土に植え替え、傷んでいる根や枝はカットしましょう。根元から腐敗している場合は、まだ生きている枝を剪定し、挿し木にすることで生き残れるかもしれません。

 

葉焼け

ガジュマルの葉の一部が白くなっていたり、茶色く枯れていたりしていたら、ガジュマルが葉焼けを起こしている可能性があります。葉焼けは、強い日差しを浴びすぎて葉が傷んでしまうことで起こる症状で、傷んだ葉が回復することはありません。

もしガジュマルが葉焼けしていたら傷んだ葉をカットし、直射日光を遮ることができるレースカーテン越しの窓際などに移動させましょう。

 

害虫

ガジュマルの葉に蜘蛛の巣のような糸が付いていたり葉に傷があったりすると、ガジュマルにハダニが発生している可能性があります。ハダニはさまざまな植物に付きやすく、放置すると大量発生して植物の樹液を吸い取り、次第に弱らせてしまいます。

ハダニを見つけたら、傷んだ葉を取り除き、観葉植物専用の殺虫剤で駆除しましょう。

ハダニは乾燥した環境を好むので、定期的に霧吹きなどで葉水を与えれば予防になります。

 

「幸せの木」ガジュマルはプレゼントにもおすすめ!

個性的なガジュマルは自宅用として飾って楽しむのも良いですが、「幸せの木」と呼ばれる縁起の良さからプレゼントにもおすすめです。

ここからは、ガジュマルを贈るときにおすすめのお祝いシーンをご紹介します。花言葉や風水効果、言い伝えなどを参考に大切な方に贈ってみてください。

 

開業・開店祝い

「幸せの木」と呼ばれているガジュマルは、これから新しい事業をスタートさせる方への開業・開店祝いとしておすすめです。生花よりも手間がかからず、長く生長を楽しめる観葉植物は、オフィスやショップにも飾りやすいというメリットもあります。

開業・開店祝いでガジュマルを贈る際には、置き場所に困らないようにサイズをよく確認しておくことが大切です。

また、金額は3,000円〜10,000円程度で、相手に気を遣わせない相場で贈りましょう。

 

新築・引っ越し祝い

沖縄では、ガジュマルに宿る「キジムナー」がその家に幸福をもたらすという言い伝えがあることから、新築や引っ越し祝いのお祝いとしてもおすすめです。その家族の幸せを願い、長い間見守ってくれるようなガジュマルをプレゼントしましょう。

引っ越し直後は、荷ほどきや後片付けで忙しいこともあるので、相手の方に都合を聞いて落ち着いた頃にお届けします。

ガジュマルは個性的な樹形を持ちながらも、どんなインテリアにもマッチする観葉植物なので、きっと新居を明るく彩ってくれることでしょう。

 

敬老の日

ガジュマルに「健康」や「長寿」といった花言葉があることから、敬老の日の贈り物としておすすめです。ご高齢の方にとって、大きな植木鉢は移動や植え替えなどが大変な作業になるので、窓辺にちょこんと置けるような小さめのガジュマルを贈りましょう。

ガジュマルの花言葉を意識した贈り物であることを伝えるため、花言葉を記したメッセージカードを添えると喜ばれます。ほかにも、「いつまでも元気でいてください」など気持ちを記しても良いでしょう。

 

まとめ

ガジュマルは「幸せの木」と呼ばれ、縁起が良い観葉植物です。育て方もそれほど難しくないので、初心者の方にも挑戦しやすいでしょう。

独特な樹形が特徴ですが、品種によっても姿が個性豊かなので、好みやインテリアに合ったものを選んでみてください。

自宅に飾る以外にも、大切な人へのプレゼントとしてもおすすめです。

大切なあの人にお花を送ってみませんか?