エバーフレッシュの室内での育て方・枯れた時の対処法も紹介
エバーフレッシュは鳥の羽のような繊細な葉が印象的な、人気の観葉植物です。
また、夜になると葉を閉じ、日中は葉が開くという特性を持っているため、室内に置いてゆったりと眺めたいという方も多いでしょう。
そんなエバーフレッシュを室内で育てるには、いくつかのポイントを押さえる必要があります。
この記事では、室内でのエバーフレッシュの育て方と注意点、枯れてしまった場合の対処法などを詳しく解説していきます。
エバーフレッシュ室内での育て方の基本
エバーフレッシュを室内で育てるには、時期にあわせた置き場所と水やりについて理解する必要があります。そして、適切な用土を選び、枝葉を剪定し、肥料を撒くことも大切なポイントです。まずは、エバーフレッシュの室内での育て方に関する基本について詳しく解説します。
置き場所
エバーフレッシュを室内に置く場合は、日当たりのよい場所を選びましょう。エバーフレッシュは、暖かく日当たりのよい環境を好む植物です。
ただし、直射日光をそのまま浴びせると葉にダメージを与える可能性があるので、薄手のカーテンなどである程度遮光する必要があります。
なお、夏・冬など温度や日照の変化が大きくなる時期には適切な対応が必要になります。詳しくは以下で解説します。
夏の置き場所
気温が上がり日差しが強い夏は、20℃台の適切な室温と日当たりがある場所にエバーフレッシュを移動させましょう。クーラーがきいている涼しい部屋の窓辺に置くのがおすすめです。
また、夏は日差しが強くなる季節です。直射日光を浴びる時間が長くなると、葉焼けを起こす可能性が高くなってしまいます。日陰の場所に移動させたり、カーテンで遮光したりして調節しましょう。
エバーフレッシュを移動させた後で、再び設置場所を変える場合には数週間程度の間隔を置いてください。頻繁な移動はエバーフレッシュの成長を阻害し、ストレスを与えることにつながるので注意が必要です。
冬の置き場所
エバーフレッシュは耐寒性が低い植物です。もし外で育てている場合は、寒くなりだす10月頃から室内に取り込んでください。
気温が10℃を下回ると落葉してしまうので、室内のできるだけ暖かい場所に移動させましょう。十分に日光があたる場所を選ぶことで、寒い冬でも元気に育ちます。
エバーフレッシュの生育適温は20℃から25℃なので、この室温を保つよう意識しましょう。
水やり
エバーフレッシュは水分を好む観葉植物なので、土が乾いている時にたっぷりと水やりを行い、日に一度は霧吹きで葉水を行いましょう。ただし、季節ごとに必要な水分量は異なるので、具体的な水やりの方法は以下で解説します。
受け皿に溜まった水はそのままにしておくと根腐れに繋がるので、水やり後には必ず捨てるようにしましょう。エバーフレッシュの場合、昼間に葉が開いていれば水分量は十分だと判断することができます。
夏の水やり
気温や室温が高くなる夏は、土を触って水分を感じなくなったら水やりをします。水の量は、受け皿に溜まるまでを目安にしてください。
気温が高い正午に水やりをすると、鉢の中で水が蒸れて根腐れが発生してしまうため、朝や夕方などの涼しい時間帯に水やりを行います。
冬の水やり
エバーフレッシュを置く場所にもよりますが、原則として冬は数日に1回水やりをすれば十分です。
気温が下がる冬の間はエバーフレッシュの成長が緩やかになるため、必要な水分量は夏に比べると少なくなります。そのため、土が乾いてから2〜3日経過したタイミングの水やりが最適です。
ただし、ストーブなどの暖房を使用しており、夏場と室温があまり変わらない場合はこの限りではありません。冬場でも20℃台に保たれているとエバーフレッシュねむの木の活性は落ちず、暖房によって土が乾きやすくなるためです。そのため、室温が夏場と比較してあまり変化がない場合は、夏の水やりを継続させて十分な水分を根に与えましょう。
用土
エバーフレッシュは水はけのよい用土を使えばよいので、一般的な観葉植物用の土などで育てれば問題ありません。具体的には観葉植物用の培養土、もしくは小粒の赤玉土と腐葉土などを混ぜあわせたものがあてはまります。前者はホームセンターなどで手軽に購入ができるので、初心者にもおすすめの用土です。
剪定
冬は休眠期で生長が止まりますが、春になると新しい枝がどんどんと伸びていきます。
小さく育てたい場合や形が崩れてきた場合は、春から夏の終わりまでの時期に剪定しましょう。生育期を迎える5〜9月が最も適切な時期です。
冬場に剪定作業をするとエバーフレッシュねむの木にとって大きなダメージとなり、最悪のケースでは枯れてしまいます。
また、枯れた葉が落ちずにそのまま枝についている状態の場合は風通しが悪くなったり害虫が発生する原因になったりするため、早急に葉の付け根から剪定してしまいましょう。
肥料
エバーフレッシュは肥料がなくても育てられますが、より元気よく成長させたければ、5月〜9月の成長期に、2ヶ月に1回くらいのペースで緩効性肥料を施すのがおすすめです。
なお、重要なポイントとして肥料は必ず適正量を確認した上で与え、冬場には撒かないようにしてください。冬は肥料焼けを起こしやすく、逆にエバーフレッシュを弱らせてしまう原因にもなりかねません。
過剰な肥料や活性が落ちたタイミングでの投与は、根腐れなどを引き起こして枯れてしまうこともあるので注意してください。
注意すべき病害虫
エバーフレッシュは害虫が付着したり、病気を発症することがあるので普段から注意が必要です。
普段から状態をよく観察したうえで病害虫を特定し、適切な対処をしましょう。
具体的な害虫・病気について詳しく解説します。
害虫
エバーフレッシュにつくことが多い害虫は、ハダニやカイガラムシです。
ハダニは葉の裏側に発生する害虫であり、葉・枝などから栄養を横取りすることで葉を白く変色させたり、蜘蛛の糸のようなものが付着します。こちらは何の対策も打たないと害虫の数が増え、葉が枯れてしまいます。
カイガラムシはハダニと同様にエバーフレッシュの葉・茎から栄養を吸い、成長を阻害するだけではなく病気を誘発させる害虫です。
これらの害虫を発見した場合には、歯ブラシなどで物理的に排除するか、薬剤で対応しましょう。また、害虫がつかないように霧吹きなどで定期的な葉水を行い、通気性を確保することが有効です。
病気
エバーフレッシュはカビによる病気を発症することがあるので、葉・枝・茎に黒い斑点がみえたら注意しましょう。主な病気の原因はカイガラムシのフンと生育環境の問題です。先述した通りカイガラムシは害虫としても厄介ですが、排出するフンが放置されると、カビ由来のスス病を発症させます。こちらは発症すると葉などに広がり成長を阻害するため、該当箇所は切除、もしくは綿棒などでふき取り、極力被害を軽減する必要があります。
また、生育環境が湿度の高い状態であると、葉や茎にカビが発生する炭疽病を発症します。こちらも黒い斑点ができて成長を阻害し、該当箇所を枯れさせるなどの悪影響をもたらします。そのため、剪定で通気性を良くしたり、湿度の上昇を防ぐために適量の水を与えるようにしてください。
エバーフレッシュの基本情報
エバーフレッシュの育て方についてわかったところで、ここからはエバーフレッシュの基本情報や特徴について見ていきましょう。
植物名 | エバーフレッシュ |
科・属 | マメ科・コヨバ属、ピテケロビウム属 |
和名 | アカサヤネムノキ |
英名 | Pithecellobium confertum ever fresh |
学名 | Cojoba arborea var. angustifolia、
Pithecellobium confertum |
原産地 | ブラジル、ベネズエラ、ボリビアなど |
エバーフレッシュの特徴
エバーフレッシュはマメ科の植物であるため、「就眠運動」という特徴を持ちます。これは昼は葉を広げ、日が落ちてくると葉を閉じる行動をすることです。
就眠運動は葉の水分の蒸発を防ぐために行なわれるものですが、小さくて細長い葉が仲良く閉じる姿がまるで眠っているようで可愛らしく、とても人気のある観葉植物となっています。
ねむの木(合歓木)も同じマメ科の植物で姿がよく似ていますが、属や原産国など、性質の異なる植物です。
同じマメ科の植物なので就眠運動もしますが、ねむの木は落葉樹で日本にも自生し、エバーフレッシュは常緑で耐寒性がなく、日本には自生していません。
どちらも最大10m以上の背丈に成長しますが、温暖な気候に生息するエバーフレッシュのほうがより大きく育ちます。こんな時はどうすればいい?エバーフレッシュが枯れる原因と対処法
エバーフレッシュを鉢植えで育てていると、昼間に葉が閉じていたり、ポロポロと落葉していたりなど、普段の様子とは異なる状態を目にすることがあります。
これらは植物からのSOSであり、正しく対処を行わなければエバーフレッシュが枯れてしまうこともあるでしょう。
- 昼間も葉っぱが閉じている
- 葉がポロポロと落ちてしまう
- 葉がパリパリと乾燥している
- 全体的にしおれている
それぞれの問題ごとに、対処法を詳しく見ていきましょう。
昼間も葉っぱが閉じている
先述の通り、エバーフレッシュは昼間に葉を開き、夜に閉じる就眠運動という性質を持っています。しかし、昼間にも葉っぱを閉じてしまう場合があります。
エバーフレッシュは、水分量が足りていないとできるだけ水分の蒸発を抑えようとするため、昼間にも葉を閉じてしまうのです。これは水分が足りないというサインなので、水をたっぷりと与えましょう。
葉がポロポロと落ちてしまう
エバーフレッシュの葉がポロポロと落ちてしまう場合は、環境に問題があるので改善が必要です。
落葉してしまう原因は色々ありますが、育てている環境が寒すぎたり、日照不足だったりする可能性があるでしょう。
エバーフレッシュは暖かい国が原産の植物なので、室温が10℃以下の場合や日中の寒暖差が大きい場所で育てると、負荷がかかるため葉が落ちます。
また、日光が不足していたり、逆に直射日光を浴びすぎるとダメージが蓄積し、葉が変色して落葉します。
葉がポロポロと落ちている場合は、日光量や気温を確認し、より適切な環境に整えてあげましょう。
葉がパリパリと乾燥している
葉が乾燥してパリパリになっている場合は、何らかの原因で水分が足りなくなっているので十分な水を与えるか、乾燥しない場所にエバーフレッシュを設置しましょう。
葉が乾燥する原因は水不足以外に、空調の風を浴びすぎているということも考えられます。
夏や冬はクーラーの風が直接当たらない場所に設置してください。
全体的にしおれている
エバーフレッシュが全体的にしおれている場合は、「1年中同じ手入れをしている」可能性があります。
特に冬場にあてはまりますが、水やりや肥料が過剰になるとエバーフレッシュが全体的にしおれてしまうのです。
春〜秋は生育期なので、水をたっぷりと与え、肥料を撒くことでエバーフレッシュはぐんぐん成長していきます。一方で気温が低くなる冬は活性が落ち、水の必要量が少なくなり、肥料も要らなくなります。
冬場も夏場と同じように水やりなどを行うと、エバーフレッシュが栄養過多でしおれてきます。
全体的にしおれてしまっている場合には、水と肥料を時期にあわせた量と頻度で与えるよう心がけましょう。上記でご紹介したように、季節によって置き場所を変えるのも大切です。
エバーフレッシュの植え替え方法
エバーフレッシュの植え替えは、数年に一度、生育期にあたる春〜秋に行いましょう。真夏は避け、5月〜9月頃がおすすめです。
定期的な植え替えは、より大きな鉢に変えるだけで問題ありません。ただし、鉢植えの底から根が出ていたり、根詰まりを起こしている場合はすぐに植え替えしましょう。
ここからは、エバーフレッシュの植え替えで必要なものや、植え替えの手順を詳しく解説します。
用意するもの
エバーフレッシュを植え替えするには、以下のものを用意しましょう。
- 鉢植え
- 観葉植物用などの培養土
- 鉢底ネット
- 鉢底石、もしくは軽石
- 支柱、麻ひも
- ゴム手袋など
- 小型のシャベル
- ビニールシート、または新聞紙
鉢植えは現在使っているものよりも大きなものを選びましょう。
背丈が低くしっかりと自立しているエバーフレッシュの場合は、支柱と麻ひもは不要です。
手順
以下の手順でエバーフレッシュの植え替えをしましょう。
- 水やりを行わず、あらかじめ鉢植えの土を乾燥させておく
- ビニールシート、または新聞紙を引いて作業スペースを確保する
- 植え替えする鉢に鉢底ネット、3cm程度の鉢底石を敷く
- 用土を鉢に対して1/3ほど入れる
- 既存の鉢から株を取り出し、土がついたまま植え替える
- 縁から数cmまで土を追加し、株が動かないようにする
- 背が高い株の場合は支柱を立て、麻ひもで固定する
- たっぷりと水やりを行う
上記の手順はエバーフレッシュをより大きく成長させるときの植え替え方法になります。もし、これ以上大きくさせたくない場合には5の手順の際に多めの土を落とし、根と枝を1/3〜1/2ほど切除して植え替えをしましょう。
エバーフレッシュを育てる際によくある質問
エバーフレッシュを室内で育てる際によくある疑問として、以下が挙げられます。
- エバーフレッシュを購入する際の選ぶコツは?
- エバーフレッシュはどうやって増やすの?
- エバーフレッシュの幹を太くするには?
- 新芽が茶色だけど大丈夫?枯れてる?
一つずつ、回答していきます。
エバーフレッシュを購入する際の選ぶコツは?
エバーフレッシュは個体の健康度とサイズから選ぶのがおすすめです。
個体の健康度は、葉が変色しておらず、葉の密度が高い元気な株かどうかで判断できます。これらの要素を満たしておらず、健康面で問題のあるエバーフレッシュは既にダメージを受けているので、購入後のことを考えると選ぶのはおすすめできません。
また、エバーフレッシュの株の大きさごとに適したサイズの鉢があるので、設置場所や室内にあうものを選ぶことも大切です。
エバーフレッシュはどうやって増やすの?
エバーフレッシュは挿し木で簡単に増やせます。具体的な手順は次の通りです。
- 10~15センチメートルの枝を用意する(葉は数枚程度残しておく)
- 枝の切り口をV字にカットする
- 水を入れたコップに枝を数時間つけておく
- 植え替えの手順と同様に用意した鉢植えに枝を半分入れる
- 水を与えて世話をする
挿し木を行うタイミングは、エバーフレッシュが元気な5月〜9月にに行うとよいでしょう。なお、上記の手順で挿し木を世話していくと、数週間後には根が張るのでそのタイミングで一回り大きな鉢植えに植え替えるとより成長させられます。
エバーフレッシュの幹を太くするには?
エバーフレッシュは、ブラジル、ベネズエラなどの原産地では30mにもなる植物です。大きく、幹を太くするには長い年月が必要ですが、根気よくお世話をしていきましょう。
エバーフレッシュは、順調に成長すれば幹が太くなっていきます。そのため、現在よりも幹をより太く立派にしたければ、背丈を短くするような剪定を行わず、そのまま伸ばしていきましょう。
より効率的に太くしたい場合は、適切なタイミングで肥料を与え、順次植え替えを行ってください。
エバーフレッシュは、大きくなるほど必要な日照量が増えていくので、設置場所を室内から外に移動させることも幹を太くするコツです。外に出す際は、葉焼けしないよう日差しの強い日や真夏の西日には気を付けましょう。
新芽が茶色だけど大丈夫?枯れてる?
エバーフレッシュの新芽はもともと茶色なので焦って摘み取らないようにしましょう。一般的に植物の新芽は緑色ですが、エバーフレッシュは茶色い芽を出します。このとき、枯れていると思って新芽を摘み取ってしまうと、せっかく大きくなろうとしているエバーフレッシュの成長を阻害してしまいます。
茶色からきれいな緑色へと成長していくので、安心して育てていってくださいね。
まとめ
この記事では、エバーフレッシュを室内に置く場合の育て方について詳しく解説いたしました。
エバーフレッシュを室内で育てるには、夏と冬の時期にあわせて置き場所や水やりを変えましょう。また、室内であってもエバーフレッシュねむの木に害虫がついたり、病気になる可能性があるので、普段から葉や茎を確認しておき、万が一病害虫が発生したときには適切に対処してください。
この他、葉の状態やエバーフレッシュねむの木自体に元気がないと感じた時には、水をたっぷり与えるなど状況にあわせた対応を行いましょう。
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