枯れたパキラを復活させる方法はある?枯れる原因を知って対策してみよう
パキラは生命力があり、初心者にも育成しやすい植物です。しかし温暖な地域が原生であるため、寒さには弱いのが弱点なのです。
大切に育てている観葉植物が元気を失くしてしまったら、悲しい気持ちになりますよね。もしパキラが枯れてしまったら再起させることは可能なのでしょうか。
この記事では、枯れたパキラを復活させる方法を詳しく説明していきます。
パキラってどんな植物?
パキラは、メキシコ・中南米原産のアオイ科の植物です。暑さや乾燥に強く、初心者でも育てやすいという特徴があります。
一方、寒さには弱く5℃以下の屋外では育てることができません。そのため、冬期は室内に置くことをおすすめします。
ここでは、パキラの基本的な情報や魅力などを紹介していきます。
特徴
太くて丈夫な幹とフレッシュな葉っぱが持ち味のパキラは、贈り物としても人気の観葉植物です。日陰でも育つことから、室内で育成しやすい点も大きな魅力となっています。
100円ショップなどでも販売されているので、一度は見たことがある方も多いのではないでしょうか。パキラのミニサイズは約10cm前後で、デスクやキッチンの窓辺などに置くのに向いています。
野生のパキラは10m以上になることもありますが、これは年間を通して暖かい自生地だからこそで、四季のある日本ではそれほど大きくなることはありません。
ただし成長のスピードは早いので、2年に一度くらいの植え替えが必要になります。
パキラの魅力は?
パキラは和洋どちらのお部屋にも調和するので、古くから多くの方に親しまれている植物です。
そんなパキラの魅力は何でしょうか。詳しくチェックしてみます。
丈夫で扱いやすい
生命力が強いパキラは、成長のスピードが早い点が特徴の一つです。
しっかり管理された場合、1年で70cmくらい伸びるとも言われています。そのため、剪定などで枝をカットしても、すぐに新しい葉っぱが出ます。
丈夫でお手入れが簡単なので、コツさえ掴めば長く楽しむことができる観葉植物です。
美しいフォルム
お部屋のインテリアとしても人気のパキラは、細長い葉が掌のようなフォルムで四方八方に伸びるのが特徴の植物です。
幹の色は若いものはグリーンですが、段々と灰色がかった緑色に成長していきます。
一般的なパキラの葉はきれいなグリーンですが、中には迷彩柄のような模様入りの葉を持つ種類もあるのです。
また剪定した枝などを利用して、幹を三つ編みスタイルに作り上げることができるのもパキラの魅力でしょう。
このようにパキラは見た目も良く、デザイン性にも優れた植物です。
素敵な花言葉
パキラには幸運を呼ぶ花言葉が込められています。
一つは「快活」で、これは生命力あふれる植物の性質から付けられました。
バイタリティあふれる太い幹や、青々とした葉っぱからも活力を感じられますね。
またパキラには「勝利」という花言葉もあるのです。
この花言葉にはあるエピソードがあり、昔貧しい村民がパキラの苗を増やして、財力を得たことが由来と言われています。
このことからも、パキラは大変縁起が良いとされ贈り物にも人気です。
パキラが枯れた原因って何?
パキラは本来が中南米原産なので、日本の風土には少々馴染みにくい一面があります。パキラが元気を失ってしまう原因の多くは寒さや水不足、水の与え過ぎによるものです。
植物は話すことはできませんが、元気がなくなった時、しっかりとサインを出しています。サインに気づくことができれば、枯らすことなく元気に育てられるでしょう。
ここでは、パキラに多く見られるトラブルを紹介していきます。
①水枯れ(水不足)
パキラが枯れてしまうトラブルで多いのは、水枯れです。水が不足してしまうと、パキラの葉は元気を失くして垂れ下がってきます。さらにひどくなると、葉っぱが変色して枯れてしまうのです。
水不足の原因は、多くの場合、鉢に与える水が足りていないことによります。「何となく葉っぱがうなだれてきた」「葉に張りがない」と感じたら、土に触れて乾燥度合いを確認してみてください。
②根腐れ
パキラが枯れる原因の中で、次に多いのが根腐れです。
これは水の与え過ぎによるものが多く、幹に弾力がなくなってくるので、それが判断材料になります。
初期では鉢受け皿から異臭がするなどの変化がみられることもあるでしょう。
また水やりをした時、吸い上げが悪い時も根腐れの可能性があります。
症状が進むと、幹を指で触るとぷよぷよとしたやわらかい感触があるので、すぐに気づくはずです。
ただしここまで来ると復活が難しいので、日頃からよく観察してあげましょう。
③根詰まり
パキラは成長の速度が早いので、購入してから1~2年目には根詰まりに気をつけてください。
まず鉢の裏側をチェックして、根が飛びだしていたら植え替えが必要です。
根詰まりを起こしているときは、その他に以下のような症状も出ます。
- 水が吸収されにくい
鉢の中で根がパンパンに詰まっているので、水分や栄養を摂れなくなっている可能性があります。
- 葉っぱに弾力がない
水はけが悪くなり、葉っぱにまで栄養が行き渡らなくなっているのかもしれません。
④冬の寒さ
パキラは熱帯地方が原産なので、高温多湿の環境で育っています。
寒さに弱く、5℃〜10℃までは何とか耐えられますが、それ以下になる時は対処が必要になります。冬は室内で管理するのがおすすめです。
ただし、急激な環境の変化でもストレスを感じ弱ってしまうことがあるので、少しずつ慣れさせていくようにしましょう。
寒さで弱っている場合のサインは、葉の変色です。葉っぱが色あせたり、落葉したら注意してください。また、冬は室内であっても朝夜は冷え込みが激しくなるので、窓際ではなく部屋の中央に移動させてあげましょう。
⑤肥料焼け
肥料焼けとは、必要以上に肥料を与えたことで植物が弱ってしまう現象です。
肥料の中にはさまざまな成分が入っているので、多量に与えることで逆に根を傷めてしまうことがあるのです。症状が進むと株全体が弱り、一気に枯れてしまいます。
追肥をした直後~数日の間にこのような様子が見られたら肥料焼けを疑いましょう。特に冬は植物にとって成長が止まる時期なので、肥料過多には気をつけてください。
⑥日光不足
生命力が強いパキラですが、長い間暗い部屋に置きっぱなしだと枯れてしまうことがあります。けれども直射日光に当ててしまうと、葉焼けする可能性があるため、半日陰に置くのが理想的です。室内ならカーテン越しの弱い光くらいでも十分です。
以下のような症状が見られたら、日光不足の可能性があります。
- 葉っぱに元気がなくなり、パラパラと落ちてしまう
- 生き生きとした緑の葉が何となく薄い色になった気がする
- 茎ばかりが弱々しく伸びて、先端が枯れた
⑦病害虫
パキラが弱ってしまう原因として病害虫も挙げられます。
本来パキラは害虫が付きにくい植物なのですが、いったん害虫が生じるとすぐに増えてしまう場合もあるので注意が必要です。早めに対処することで被害を最小限に留めるようにしましょう。
以下はパキラが被害にあいやすい病害虫です。
ハダニ
ハダニは暖かくなってきた4月~9月くらいまで発生しやすくなります。特に梅雨明けの時期には気をつけましょう。
ハダニはとても小さく、葉の裏を侵食します。症状が進むと葉が白っぽくなり、ひどくなると蜘蛛の巣のような見た目になることもあります。
コナカイガラムシ
コナカイガラムシは、体長2~3mmくらいの極めて小さな虫です。
ジメジメとした暖かな場所を好むので、室内の観葉植物の鉢に発生しやすいのです。
初期は白っぽいワタのようなものが付き、排泄物によって葉が黒くなってしまうことも。またこの虫は葉っぱや茎だけではなく、根まで寄生します。繁殖すると、他の植物にまで被害が及ぶこともあるので気をつけてください。
スス病
葉の全体が黒く、すすを覆ったような症状が現れた場合は「スス病」の可能性があります。
この病気はカビの一種で、カイガラムシなどの害虫の排泄物が原因で発症することが多いです。
広がると光合成ができなくなり、植物が枯れてしまうため注意しましょう。
パキラの葉が変色したら葉焼けの可能性もある?
葉焼けとは、人で例えるとひどく日焼けした状態と同じです。パキラも長く直射日光に当たると葉の色が変色してしまいます。これを「葉焼け」と言うのです。
葉焼けは、過剰な日光により葉緑素が壊されることで発生します。この症状はパキラだけではなく、葉っぱが薄い他の観葉植物でもよく起こるでしょう。
では、葉焼けをしてしまった植物はどのような状態なのでしょうか。
葉焼けしても植物は枯れているわけではない
直射日光を浴びた葉っぱが茶色や黄色になってしまっても、株自体が枯れてしまったわけではありません。葉焼けした葉は枯れたように見えても、根は傷んでいないことが多いからです。
しかし葉焼けを起こすような場所に置いてあったということは、水不足になっている危険もあります。したがって、土の状態もチェックしておくと安心です。
変色した葉は元通りの緑色になることはない
葉焼けで変色し枯れた葉っぱは、どんなに手厚く手入れをしても元通りになることはありません。
一度破壊されてしまった葉緑素は、再生することができないのです。
葉焼けした時の対処法
葉焼けしてしまった葉は、修復することはできないので早めにカットしましょう。
かわいそうだと思われるかもしれませんが、そのまま放置すると、まだ元気な他の葉っぱに悪影響が出てしまいます。健全な葉っぱだけを残して、霧吹きで毎日葉水を行えば生き生きとした葉が蘇ります。
その後は、室内の緩やかな場所に移動させて様子をみてください。それでも元気がないと感じるなら、生育期の5月~7月頃に切り戻しをするのもおすすめです。
パキラは強壮な植物なので、思い切った剪定をしても新芽を出してくれます。
パキラが枯れた場合の復活方法
原産地ではパキラの寿命は数十年から100年にも及ぶと言われています。
もちろん育て方や環境によっても変わりますが、鉢植えでも50年以上長持ちすると言われているのです。
しかし実際に育成していると葉が傷んできたり、元気を失くすことはよくあることですよね。
では万が一パキラが枯れたら、復活することは可能なのでしょうか。
ここではトラブル別の復活方法を紹介します。
水枯れした時の対処法
水をあげ忘れてパキラがグッタリとしていたら、早めに対応すれば復活することができるでしょう。生育期となる春から夏の間は、たくさんの水を必要としますので、たっぷりと水を与えてください。
ただし昼間の暑い時間帯に水やりをすると、鉢の中の温度が上がり蒸れてしまうので、涼しくなってから行うのがポイントです。
水やりは水分補給をするためでもありますが、根に新鮮な空気を届けるという役割も担っています。
したがって鉢底からあふれるほど水を与えることで、根が元気になり肥料の効果も発揮されるのです。
根腐れした時はどうする?
根腐れの原因は、ほとんどの場合は水の与え過ぎです。
幹を触ってみて固い状態であれば、それほど深刻な状態ではないので、しばらくの間水やりをしないで様子を見てください。
そして季節が夏であれば室内の明るい場所へ、冬なら暖かな日差しが入る窓際に移すのがおすすめです。
それでも回復しない時は「挿し木」を行いましょう。
挿し木に使う枝は、なるべく張りのある生き生きとしたものをチョイスしてください。
切り口に市販の発根促進剤を使うと効果的です。
もし元気な葉が1枚も残っていなくても、幹に固い部分が残っていれば、そこから切り落として復活させることもできます。
日照不足の対処法
日の光が不足して枯れたパキラを復活させるには二通りの手段があります。
一つは剪定です。パキラは大変タフな植物なので、大胆に剪定してもすぐに脇芽が出てきます。ただし真夏と真冬は避けて行ってください。
二つ目は日当たりの良い場所に移すことです。しかしパキラなどの観葉植物は、急な環境変化でストレスを感じて弱ることがあります。
したがって3日ごとに日陰・半日陰と移動させるなどの方法で、少しずつ環境に慣れさせていくと良いでしょう。
病害虫対策
パキラを丈夫に育てるには、病害虫対策は大切です。
植物に付着した害虫は初期ならば、歯ブラシや綿棒(アルコールを含ませる)で駆除することができます。または食器用中性洗剤大さじ2に対して、約2.5リットルの水で溶かしスプレーしても良いでしょう。
3〜4日置きに害虫がいなくなるまで、しっかりスプレーしてください。
ひどい場合は、市販の殺虫剤などを活用するのがおすすめです。深刻な場合は、寄生が目立つ枝を切り落とすことで復活することもあります。
病気対策
スス病は害虫の排泄物のカビが繁殖したような状態です。
カイガラムシなどの樹液を吸う害虫は、糖分を含有した液体を分泌して、カビを引き寄せます。これがススのように黒く見えることから、スス病と名付けられたのです。
スス病にかかった場合の対処法としては、まず汚れを拭き取ることが大切になります。
これだけで復活することもありますが、ひどい部分の枝をカットするのもおすすめです。
パキラを枯らさずに育てるポイント
パキラは枯れそうになっても適切な処置をすれば復活しますが、まずは枯れないように育てることが重要です。
「水管理」と「置き場所」の二つの観点から、コツを紹介します。
水管理
水やりは、季節によって頻度や量を変えることがポイントです。春から夏は土が乾いたら、たくさん水を与えてください。また、受け皿の水はこまめに捨てましょう。
冬は植物が活動を休む時期なので、できるだけ乾かし気味に育てます。
特に冬の室内で床暖房をしている場合、土が温まり湿ってしまうので気をつけてください。
置き場所
パキラは耐陰性があるので、日陰に置いても枯れてしまうようなことはありません。
しかしいっぱい葉をつけて元気に育ってほしいと思うなら、明るい場所に置き、最低でも1日5時間くらい光に当てると良いでしょう。
ただし真夏の直射日光に当てると、葉焼けします。
可能ならば、レースなどのカーテン越しに明るい光が入る場所が最適です。
また風通しが悪いと生育が悪くなります。窓が開けられない時はサーキュレーターなどを活用して、空気を循環させてください。
枯れたパキラを復活させよう
育てているパキラが枯れた時、原因はいくつか考えられます。
例えば水不足や、水の与え過ぎによる根腐れ、鉢が小さくなってしまったことで起こる根詰まり、又は寒さや肥料焼け・病害虫など多岐にわたります。
もしパキラが枯れた時には、原因を探り、それに合った対処をすることで復活させることが可能です。
パキラは環境の変化に適応するパワーがある植物なので、根さえ丈夫なら春には新しい芽を出します。
本記事を参考にして、ぜひ元気なパキラを育ててくださいね。