フラワーデザイナーとフラワーコーディネーターの違いとは?
フラワーデザイナーやフラワーコーディネーター、フローリストなど、花のプロフェッショナルを指す呼び方にはいくつかの種類があります。花関連の仕事に就きたいと考える人にとっては、いったいそれぞれの違いはなんだろうかと悩む人も少なくありません。
実は、フラワーデザイナーやフラワーコーディネーターの仕事に明確な線引きは存在しません。働く場所によって、呼ばれる名前が変わるため、同じ花のプロフェッショナルでも現場によって違う名前で呼ばれるなんてこともよくある話です。
フラワーデザイナーとフラワーコーディネーターはちがう仕事?
日本では花関連の仕事に従事している人全般をフローリストと呼んでいます。
そのためフローリストの中には、花屋さんだけではなくホテルや結婚式、葬儀などで装花を担当する人、花市場に従事する人や花卉栽培者なんかも含まれるという考え方が一般的です。
フラワーデザイナー、フラワーコーディネーター、フローリストなど、どの肩書きを選ぶかは本人や周りの意向によって決められているだけで、明確な線引きはありません。
フローリストの中でも、主に花の販売を行う人を花屋さん、花束やアレンジメントを製作する人をフラワーデザイナー、結婚式やイベント会場などで空間装飾を手掛ける人をフラワーコーディネーターと呼び分けていることが多いようです。
実際は、1人のフローリストがさまざまな現場で仕事を担うことも多いため、フラワーデザイナーはフラワーコーディネーターであり、花屋でもある、ということが起こりえるのです。
働く場所によって呼び名が変わる?
フラワーデザイナーやフラワーコーディネーターという呼び名は、働く場所によっても変わることが多くなります。
フラワーデザイナーは1人で花束やアレンジメント製作をする人を指すのに対し、フラワーコーディネーターはクライアントありきで仕事を請け負うイメージで使用されることも多いです。
フローリストが活躍する場は多岐に渡り、みなさんが想像しやすい花屋さん以外にも、結婚式場、葬儀場、イベント会場などが挙げられます。同じ花を扱う仕事でもその仕事内容は異なるため、それぞれの活躍の場をみていきましょう。
花屋さん
花を扱う仕事と聞いて真っ先に思い浮かべるのが花屋さんではないでしょうか。
花屋さんは、主に仕入れた花をお客さまに販売するのが仕事です。切り花をそのまま販売するだけではなく、花束やアレンジメントに加工して販売する役割も担っています。
花屋さんでのフローリストの呼び名は、主にフラワーデザイナー。花屋さんには、花束やアレンジメントの製作ができないスタッフも働いている場合があるので、技術のあるプロフェッショナルに対してフラワーデザイナーという呼び名を使うことが多いです。
結婚式場
結婚式でも、フローリストは欠かせない存在です。
結婚式場では、ブーケやブートニアなどのアイテムを作るフローリストをフラワーデザイナー、会場装飾やテーブルコーディネートを担当するフローリストをフラワーコーディネーターと呼び分けることもありますが、実際は1人でどちらも任されるケースも多いです。
実際は呼び名が違うだけで、結婚式の花に関するすべての業務を担当しているのがフラワーデザイナー、あるいはフラワーコーディネーターです。
お客さまのウェディングブーケはデッサンで提案するなど、ウェディングドレスと合わせたコーディネートも必要なので、花の技術以外に美的センスも問われます。
一生に一度の大切な日の花を担当するので、責任感やプレッシャーも大きいですがその分お客さまに喜んでもらえたときの達成感は計り知れません。
ホテル、イベント会場
ホテルやイベント会場の装花を担当する場合は、空間装飾がメインとなるのでフラワーコーディネーターと呼ばれることが多いようです。フラワーデザイナーが花を扱うのに対し、フラワーコーディネーターは花と花以外の空間デザインも含めて担う場面で使われることが多いでしょう。
会場装花を担当する場合、生花以外にも観葉植物やドライフラワー、花以外の雑貨や装飾品を扱うことが多くあります。植物とアートを融合させたフローラルアートのようなディスプレイも近年では増えています。
そのため、花をデザインする技術の他に空間デザインの知識や技術、芸術的な独創性も必要とされる職場と言えます。クライアントからの依頼で仕事を受注するため、要望を忠実に再現することも求められるスキルでしょう。
花に関するレッスンを行うスクール、講師
花の教室や専門学校で教える場合は、フローリストあるいはフラワーデザイナー以外に先生と呼ばれることも多いかもしれませんね。
講師として雇われるために、資格を取得している人も多いです。
日本唯一の花に関する国家資格「フラワー装飾技能士」や、民間の日本フラワーデザイン協会(NFD)が認定している「フラワーデザイナー資格認定試験」の資格などを所有している人が多いでしょう。
花屋さんで教える場合、資格なしでも講師になることはできますが、技術や経歴の証明のために資格を取得する人も少なくありません。資格を取得せずとも、SNSで自分の今までの作品をポートフォリオとして掲載していたり、経歴を名刺代わりに紹介して信頼を得たりなど、資格取得に囚われない働き方をしているフローリストもたくさんいます。
フラワーデザイナー、コーディネーターの働き方
フラワーデザイナーもフラワーコーディネーターも花を扱う仕事であり、呼び名に明確な線引きがない事が分かりましたが、それぞれ実際どんな仕事を担っているのでしょうか。
フラワーデザイナーが花屋さんで生花を販売したり、花束をつくったりしているイメージはつきますが、他にどんな仕事をこなしているのか見えづらい部分も多いですよね。この記事を読んでいる人の中には、将来このような仕事を目指している人も多いはず。
ここからはフラワーデザイナーとコーディネーターの仕事を時系列に沿って比較していきます。
早朝・花の仕入れ
花屋さんの仕事は朝が早いと聞いたことがあるかもしれません。
フラワーデザイナーとして店舗で働く場合、市場への仕入れが必要なケースがあります。市場の仕入れは早朝4時~5時頃に行く店舗が多く、仕入れのある曜日は早朝からの勤務です。全国チェーン展開するような大手の花屋さんでは、店舗にトラックで納品があるケースもあります。
一方でフラワーコーディネーターはクライアントのスケジュールに合わせて動くのが基本です。自身で仕入れが必要な仕事を請け負った場合は市場に行くこともあります。
午前中・水揚げ作業とお店の開店準備
花屋さんのオープンは10時〜11時頃、駅ビルに入っているテナントでは9時開店というお店もあります。市場から帰ると、水揚げという作業を行います。水揚げは、切り花を長持ちさせるために、水を吸わせやすくすることです。お店のオープンまでに、フラワーデザイナーが水揚げした花を店頭にディスプレイします。
花屋さんで働いていないフラワーコーディネーターは、一般企業と同様に会社に出勤したり、フリーランスであればクライアントの打ち合わせの時間からの勤務だったりと、多様な働き方をしています。
案件によっては作業が深夜に及んだり、徹夜での作業になったりするケースもあるので毎日スケジュールに合わせて動くのも特徴です。
日中・デザイナーはお店の営業、コーディネーターは製作や打ち合わせ
花屋さんに勤務するフラワーデザイナーであれば、日中はお客さまへの接客、花束やアレンジメントの製作、店内を整えたりディスプレイを直したりと忙しく過ごします。お店の込み具合に合わせて交代で休憩を取ることが多いです。
フラワーコーディネーターは、日中、結婚式のお客さまとの打ち合わせをしたり、クライアントとの打ち合わせをこなしたり、依頼を受けている花束や装花の製作を行ったりします。
花屋さんの店舗に所属しながらフラワーコーディネーターとして活躍している人だと、お店でお客さまとの打ち合わせを行ったり、お店をスタッフに任せてイベント会場に赴いたりと、フレキシブルな働き方をする人が多いでしょう。
夕方以降・明日の準備、製作
花屋さんでは、お客さまが引いたタイミングを見計らって店内の水替えを行ったり、店内の清掃を行ったりして次の日の準備をします。閉店後は、レジ締め業務や次の日のディスプレイ替え、店内清掃を行います。フラワーデザイナー1人で店を切り盛りしていれば、仕入れから清掃まですべての業務を1人でこなす必要があります。
フラワーコーディネーターは翌日のイベントの有無によって、夕方以降も装花やディスプレイを準備が続きます。生花を使用する場合は日々状態に変化があるので、イベント開催期間中も点検や修正作業が欠かせません。大がかりなイベントの装花では徹夜で仕上げることもあるので、勤務時間は担当する仕事によって大きく変わってきます。
必要なスキルに違いはある?
フラワーデザイナーには技術はもちろんですが、花を製作する技術や色、花合わせのセンスが求められます。コーディネーターも空間デザインをするためにはセンスが必要です。
どちらも基本的な花に関する技術を習得したあと、トレンドを研究したり、美しいものを見たりして日々感性を磨く努力をすることが求められます。
またフラワーデザイナーもフラワーコーディネーターも、お客さまやクライアントがあって成り立つ仕事です。知識や技術に加えて、コミュニケーション能力が必要不可欠と言えるでしょう。
どちらの仕事も共通して、技術力、センス、コミュニケーション能力が求められます。
フラワーデザイナー、コーディネーターに欠かせない技術力
どんなに素敵な花束や装花をイメージできたとしても、それを形にできなければ意味がありません。フラワーデザイナー、コーディネーターとして生きていくために、花束や装花を製作するための技術はなくてはならないものです。
花束や装花の美しさには正解がありません。だからこそ基礎を学んだあとは、先輩の花束や装花を見て勉強したり、何度も繰り返し作品を制作したりして、自分だけの花合わせのセンスや、技法を確立していく必要があります。
トレンドを意識したセンス
ファッションに流行があるように、花束や装花にもトレンドが存在します。
例えばビビッドな色合いの花が流行ったり、くすみカラーの花がトレンドになったり、世間でいま何が注目され、どんなものが美しいとされているかを知っておくことも大切です。
トレンドを意識し、その中でいかにオリジナルな作品を生み出すか。アーティスティックな要素もフラワーデザイナー、コーディネーターに求められるスキルです。
コミュニケーション力の中でも特に必要なのはヒアリング力
どんなに自分では素敵だと思った花束や装花でも、お客さまやクライアントが喜んでくれなければ、それはプロとは呼べません。
例えば一言で「かわいいピンク」と言っても、想像するピンク色は濃いのか、薄いのか、人によってイメージはさまざまです。
フラワーデザイナー、コーディネーターは、お客さまやクライアントとの会話から、相手の想像するイメージを引き出し、すり合わせをする必要があります。どれほどイメージを共有できるのかはお客さまやクライアントの満足度に大きく関わってきます。
フラワーデザイナーとコーディネーター、どちらを目指すかによって就職のルートは違う?
まずは花屋さんで花の知識と技術を学び経験を積み、フラワーデザイナーとして独立してから、結婚式やイベント装花を任されフラワーコーディネーターとしても活躍するという働き方をしている人が多いです。
どちらを目指すかよりは、どういった内容の仕事を中心に働いていきたいかによっては就職先を選ぶ必要があるかもしれません。
花屋さんの店舗に勤務したい・開業したい
花屋さんでお客さまに接客しながら花束やアレンジメントをつくりたい。ゆくゆくは自分の花屋さんを出店したい。という人であれば、花屋さんや専門学校で知識や技術を学び、フラワーデザイナーとして1人前になれるように修行するのがおすすめです。
花屋さんによって花の仕入れ、花束や装花の雰囲気が違っているので、自分の理想とするお店に近い店舗で働く方がストレスも少ないかもしれません。
結婚式やイベントの装花を担当したい
小さな花屋さんでは、結婚式やイベントの大がかりな装花は請け負っていないお店もあります。フラワーコーディネーターとして会場の装花や空間デザインを手掛けたいと考えているなら、結婚式場やイベント事業の装花を担当している企業への就職が近道です。
また、花の知識と技術に加え、専門学校に通い空間デザインに関する知識を学んでおくと、活躍できる場が広がるかもしれません。
フリーランスとして組織に所属せず働きたい
会社や企業に所属せずにフリーランスとしての活躍を目指すのであれば、花屋で修業を積んだり、専門学校やスクールで知識や技術を学んだりしてから現場で経験を積む必要があるでしょう。
フリーランスとして活躍するためには、クライアントに実績を認めてもらい仕事を受注する必要があります。経験やスキルを証明するために、資格取得を目指すのも良いでしょう。近年ではSNSで情報を発信し、そこからお仕事を得る形もポピュラーですね。
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まとめ
フラワーデザイナーとフラワーコーディネーターに明確な線引きはなく、場所によっても呼ばれ方が変わることを紹介しました。どちらも花に関する知識や技術はもちろん、センスや感性を磨くことが求められる仕事です。
お客さまの大切な日の花を製作したり、大きなイベント会場の装花を手掛けたりすることは、喜びとやりがいがある仕事です。将来、花関連の仕事を目指しているという人は、プレミアガーデンの求人情報も合わせてぜひチェックしてみてくださいね。