当選祝いの花選びに、胡蝶蘭がすすめられる理由

当選祝いに贈られるものとしていちばんにイメージされるものは、なんといっても花ではないでしょうか。
選挙に関する法律は多々あり、当選祝いに贈っていいものとダメなものがあります。
公職選挙法では花を贈ることに規制はないことから、「当選祝い=花」と思う方も多いようです。
花の中でも、胡蝶蘭を選ぶ方が圧倒的に多いのが当選祝いの場となっています。
胡蝶蘭は高級花に分類されます。
胡蝶蘭自体に普段そんなにお目にかかる機会は少ないかと思われますし、自分が胡蝶蘭をプレゼントされる機会もそうそうない方が多いでしょう。
花の種類は数多くあるのに、なぜ当選祝いでは胡蝶蘭が選ばれるのでしょうか。
その理由や胡蝶蘭の選び方、好まれる胡蝶蘭の花色、胡蝶蘭以外に適した当選祝いの花など、当選祝いと花についてまとめました。

当選祝いに胡蝶蘭を贈ることが多い理由とは

地元の知事や、市町村長や市町村議員などの選挙の際、当選した方の事務所には数多くの花々が届けられます。

その様子をテレビや新聞で見ていると、胡蝶蘭の多さに気付かれるものです。

赤だるまと数多くの胡蝶蘭が並ぶ横で、当選者がガッツポーズをしている光景はいつの時代も同じです。

 

古くから、選挙事務所に届けられる花といえば胡蝶蘭と言われていました。

胡蝶蘭の原産地は東南アジアで、ラン科に属する花です。

名前に蝶の字が入っているのは、花の形が優雅に舞う蝶のようであることに由来します。

通常の開花時期は1~5月頃とされてはいますが、温室を利用した栽培技術の向上などから、1年のうちどの時期でも販売されています。

胡蝶蘭は「幸福が飛んでくる」という花言葉を持っていることや、鉢の中で根を生やして育つことから「根付く」という意味合いもあり、無事に当選した方の益々の活躍を祈願できることも選ばれる理由です。

確かに胡蝶蘭は当選祝いとして贈られる花でありますが、その前の事務所開きや陣中見舞いの段階から贈られる花でもあり、当選後の就任祝いでも贈られる花です。

 

胡蝶蘭の最大の特徴は、開花期間が非常に長いことです。

数日でしおれてしまいがちな切花やフラワーアレンジメントと違い、胡蝶蘭は通常1~2か月は程度きれいな花を咲かせています。

手入れがよければ、また室内環境がよければ、さらに長い間楽しめる花です。

季節によって違いはありますが、水やりは春から夏であれば週に1回程度、秋から冬なら2週間に1回程度でよいため、手間がかからず管理しやすいことも特徴のひとつです。

当選直後から、贈られる側は取材やこれからの準備などで非常に多忙になりますので、簡単にお世話できる花は好まれます。

 

花の贈り物は、当選祝いを贈る側、贈られる側、両方の立場を尊重した贈り物です。

親しい知人が選挙に当選したとして、何を送ろうか悩まれる方は多いでしょう。

そこに立ちはだかるのが公職選挙法です。

公職選挙法という法律は実に厳しい反面、どこまでが法に触れてどこまでなら大丈夫かといった区別が難しいものです。

その点、花の贈り物は法律に違反しないため、選びやすいとされています。

 

当選祝いに贈る胡蝶蘭の選び方

胡蝶蘭の種類や本数、輪数(花の数)、色は実に様々ですし、予算によって出来上がりに違いが出ます。

当然、予算が多ければ多いほど、本数や輪数が多ければ多いほど見栄えします。

 

当選祝いに贈る胡蝶蘭を選ぶ際には、暗黙の了解があります。

それは、4と9の数字につながるようなものを選ばないことです。

どちらも縁起が悪いという意味で、冠婚葬祭に関わらず日常生活でもよく避けられている数字です。

胡蝶蘭は1本の軸が頭を下げるように垂れ下がりながら咲く花で、それぞれに本数が違います。

9本立ちの胡蝶蘭はあることはありますが、流通量ははるかに少なくあまり現実的ではないので最初から除外できます。

4本立ちの胡蝶蘭も避け、3本立ちもしくは5本立ち以上のものを選ぶとよいでしょう。

 

ほとんどの方が、5~6本立ちの胡蝶蘭を選ばれます。

輪数は多ければ多いほどボリュームが出るのが胡蝶蘭の特徴なので、贈られる側の事務所の大きさや、花を置くスペースの広さなどを考えて選ぶとよいでしょう。

 

選挙事務所の大きさや当選された方との関係などにもよりますが、一般的に、当選祝いで贈る花代にかかる費用は3~5万円前後とされています。

3~5万円でどのような胡蝶蘭が用意できるのだろう、大きさは?色は?など、お悩みの方も多いでしょう。

実際にはなかなかイメージがつかめない方も多いと思われるので、一般的な胡蝶蘭の値段相場と大きさについてまとめます。

 

何度も出馬されていて大きな事務所を持っているような方へ贈るには、事務所玄関を飾るくらいの大きな大輪の胡蝶蘭を選ぶ方が多いです。

一般的な目安ですが、5本立ちの大輪の胡蝶蘭で、花輪は70輪前後のものを選ばれる方が多いです。

値段は5万円ほどです。

高さが90㎝前後と大きなものとなり、横幅も70㎝程度になるので、この胡蝶蘭が1つあるだけで存在感が一気に増します。

 

初当選や限定された地域での選挙戦で当選された方へ贈るには、選挙事務所内に置ける大きさの一般的な大輪の胡蝶蘭を選ぶ方が多いです。

こちらも5本立ちの大輪の胡蝶蘭で、花輪は60輪弱のものを選ばれる方が多く、値段は3~4万円前後です。

高さは80㎝前後で花台に置きやすく、横幅も65㎝程度なので持ち運びしやすいのが特徴です。

 

ちょっとした気持ちを伝えたい、贈られる側の負担にならない大きさにしたいとお考えの方でしたら、小ぶりの胡蝶蘭をおすすめします。

中大輪の胡蝶蘭でも、例えば6本立ちにすると、5本立ちと違い本数が多くなるぶん輪数も多くなります。

高さは80㎝弱のものが多く、横幅は60㎝程度なのでコンパクトです。

値段は3万円前後です。

 

まずは花のプロ、花屋に相談するのがいちばんです。

上記以外にも、その日の花材の入荷状況によって違った魅力を持つ胡蝶蘭が入荷しているかも知れません。

現在ではインターネットのサイトから注文する方も多くなっています。

インターネット上のサイトでは予算と用途に応じた様々な胡蝶蘭が画像から選べますので、店舗まで足を運ぶ時間のない方にはイメージがつきやすく、注文しやすいと思われます。

 

当選祝いに好まれる胡蝶蘭の花色

当選祝いの花を贈るマナーはいくつかあります。

「クリーンなイメージを表現するためにあえて純白の花を選ぶ」とこだわりを持つ方は多くいらっしゃいます。

同じく、「黄色の花はお金を連想させるので、当選祝いの場では避ける」という方も一定数いらっしゃいます。

どちらも間違ってはいませんが、ここ最近で少しずつ当選祝いの花選びの様子は変わってきています。

 

花の品種改良技術は年々向上し、胡蝶蘭は年々様々な色合いの種類が登場しています。

中には特許技術を駆使した画期的な色合いの胡蝶蘭を見かけることもあり、驚きと発見の日々です。

 

白の胡蝶蘭はオールマイティー、どのような場所でも凛とした華やかさと落ち着きを引き出します。

当選祝いだけではなく、冠婚葬祭の幅広い分野で白の胡蝶蘭は使われています。

胡蝶蘭の中でも、白という色を尊重しつつ、花びらの部分が白で花弁の部分がピンク系の赤リップという種類の胡蝶蘭があります。

白のキャンバスにちょっぴりピンク系が入った絵画のようで、ピンク系の鮮やかさが引き立ちます。

他にもオレンジ系や赤系など、様々な色合いの胡蝶蘭があります。

黄色系の胡蝶蘭ももちろんあります。

当選祝いの花については、お金を連想させる金色の素材を用いたラッピングは避けるのが花屋の暗黙のルールです。

しかし、金色の花はなかなかありませんし、ましてや黄色系の胡蝶蘭はお金のようなギラギラしたものではなく、淡く優しい色彩でその場を和ませます。

 

選挙に出馬される方の中には、自分のイメージカラーをアピールした選挙活動をされてきた方もいらっしゃるでしょう。

例えばイメージカラーが黄色だったら、あえて黄色の胡蝶蘭を選ぶと喜ばれるかと思います。

イメージカラーが渋めの方でも、ピンク系や赤系などの暖色系の色の胡蝶蘭が手元にあると、ふとした瞬間に気持ちが安らぐこともあるでしょう。

 

白系やピンク系の胡蝶蘭は比較的多く販売されていますが、一方でオレンジ系や赤系などの胡蝶蘭はその時期によっては入手しにくい場合があります。

大きさなどにもよりますが、オレンジ系や赤系の胡蝶蘭の値段は、白系やピンク系の胡蝶蘭と比較して若干お高めな印象です。

他にも、紫系やグリーン系の色合いの胡蝶蘭をたまに見かけることがありますが、こちらは染色技術を駆使して作られているのでなかなか入手しにくく、流通頻度も少ないです。

店頭で販売されていたらラッキーくらいにレアな胡蝶蘭です。

当然、大きさなどにもよりますが、他の色合いの胡蝶蘭と比較して値段はぐっとお高めになります。

 

イメージカラーがグリーン系の方への当選祝いのタイミングで、グリーン系の胡蝶蘭が運よく入手できればよいのですが、街中の一般的な花屋ではなかなかご希望に添えないことが多いのが現状です。

 

胡蝶蘭以外に、適した当選祝いのお花とは

当選祝いイコール胡蝶蘭、というイメージは非常に強いものとなっていますが、選挙事務所に届く花全てが胡蝶蘭ではワンパターンになってしまいます。

 

よく、花束を抱えた後援者が事務所を訪れ、当選者に笑顔で花束を渡している場面がテレビ画面に映ることがあります。

なので、当選祝いに花束を贈ることも全く問題ありません。

同じく、フラワーアレンジメントを贈ることも全く問題ありません。

どちらも平均予算は胡蝶蘭同様に3~5万円を設定される方が多いです。

胡蝶蘭と違い、花束やフラワーアレンジメントに用いられる花材は胡蝶蘭よりも安価なので、胡蝶蘭の予算で花束やフラワーアレンジメントを用意する場合はかなりのボリュームで華やかなものが出来上がるでしょう。

 

花束とは、切花を束ねてラッピングしたものです。

ラッピング素材に用いられるビニールやペーパーの色、結ぶリボンの色などを工夫することで、花そのものの持つ色彩や存在感をぐっと引き立ててくれます。

花束と胡蝶蘭を比較したときのメリットを数点挙げますと、

・胡蝶蘭よりボリュームを出せる

・色とりどりの多種多様な生花を楽しめることができる、です。

反対に、花束と胡蝶蘭を比較したときのデメリットも数点挙げますと、

・月単位で長持ちさせることは困難

・花瓶が必要

・日々水替えや茎の手入れなどが必要で、胡蝶蘭より手がかかる、です。

 

フラワーアレンジメントとは、スポンジ状の土台に花の茎を埋め込むように挿しているものです。

花束と違ってコンパクトとなりますが、持ち運びに便利です。

フラワーアレンジメント用の容器に入れた状態で届くので花瓶は不要、数日おきの水やりで花を楽しむことができます。

フラワーアレンジメントと胡蝶蘭を比較したときのメリットを数点挙げますと、花束同様に

・胡蝶蘭よりボリュームを出せる

・色とりどりの多種多様な生花を楽しめることができる、さらに

・さほど置き場を取らない、です。

反対に、フラワーアレンジメントと胡蝶蘭を比較したときのデメリットを数点挙げますと、

・月単位で長持ちさせることは困難

・花束ほどではないが水やりが必要なので、胡蝶蘭より手がかかる、です。

 

胡蝶蘭同様、花束もフラワーアレンジメントも、ラッピングやリボンなどに金色の素材を使うことは避けましょう。

 

ちょっとした気配りが、贈られる側としては嬉しいことも

フラワーショップ店員の私が、当選祝いの花選びで実際にあった心がほんわかした出来事をご紹介します。

 

当選祝いの花束を、当選された方の奥様(もしくはパートナー様、ご両親様など)をイメージして作ってほしいとのご依頼を受けたことがあります。

当選された方へはもちろんのこと、奥様の苦労をねぎらいたいという話を聞いて、素敵な考えを持たれた方だなと思いました。

 

当選祝いの花をあえて数日遅らせて贈られた方もいらっしゃいました。

その方も当初は胡蝶蘭を選ぼうと思われていたそうです。

選挙事務所に届いた多くの胡蝶蘭や花束、フラワーアレンジメントを見たときに、長持ちする胡蝶蘭はさておき、届いた花束やフラワーアレンジメントが枯れる頃合いを見計らって自分が予定していた生花を贈り、事務所内を花で華やぐ期間を長くしたいと思われたそうです。

確かに、華やいだ事務所の花が枯れて少しずつ減っていくのは淋しいものです。

 

小さなハーバリウムの花を贈られた方もいらっしゃいました。

一般的に、ハーバリウムを当選祝いにしようと思われる方は少ないと思われます。

ハーバリウムとは、花を特殊オイルに浸けて、蓋つきのガラスボトルに入れたものです。

数千円単位から販売しています。

水やりや水替えといった手入れが不要で、花の魅力を長期間楽しむことができます。

ちょっとしたインテリアのワンポイントとなることや、花のプレゼントの中でもコンパクトで持ち運びに楽とされています。

当選祝いの場に飾るには小さすぎて、胡蝶蘭や花束、フラワーアレンジメントの存在感に圧倒されてしまうことは確実です。

その方は、胡蝶蘭より長持ちするハーバリウムの特性を生かして、当選した方の仕事部屋の片隅、本棚や机の上などに長く置いてもらえるという思いから選ばれたそうです。

値段ではなく、気持ちが伝わる贈り方だなと思いました。

 

当選祝いの花選びに困ったときは、プレミアガーデンへ相談を

選挙慣れしている方ならともかくとして、一般的に、当選祝いの花を選ばなくてはいけないとなると戸惑う方がほとんどだと思われます。

そういったときは、花屋へ相談するのがいちばんです。

花選びのプロがいる場所ですので、あなたの予算や希望をうかがって、相手方へ失礼のないような花選びをしてくれます。

選んだ花にかかった金額よりも、当選した方へあなたのおめでとうの気持ちが伝わるよう、一生懸命に心を込めて選びます。

 

大切なあの人にお花を送ってみませんか?