魅力たっぷりのペチュニアの育て方・種からでも簡単に育てるコツ

ペチュニアは、春から秋にかけて咲くナス科の植物です。

大変たくましく誰にでも簡単に育てることができるので、ガーデニング初心者の方に人気があります。

枝分かれして、こんもりとたくさんの花を咲かせる特徴があり、コンテナ栽培にも向いているでしょう。

今回は、花期が長く寄せ植えやガーデニングに人気があるペチュニアの魅力を解説していきます。

種から育てるコツや、初心者の方におすすめの品種まで徹底的に紹介しますので、最後まで是非ご覧くださいね。

 

ペチュニアってどんなお花? 

名前を聞くのが初めてでも、お花を見れば誰でも一度は見たことがあるのがペチュニアの花なのではないでしょうか。

ペチュニアはタフなので、公園や公共の施設などでも見かけることが多いですよね。

また、茎が伸びて垂れ下がる品種もあり、こちらはハンキングに向いています。

ここでは、さまざまな楽しみ方があるペチュニアの魅力をご紹介しましょう。

 

ペチュニアの基本データ

ペチュニアの原産地は南アメリカ。ナス科のペチュニア属の植物です。

また、日本に入ってきたのは江戸時代の後期で、花姿が朝顔に似ていることから別名「衝羽根朝顔(つくばねあさがお)」と呼ばれています。

ペチュニアという名前は、ブラジル語の「petun」(ペチュン)に由来しており、これは「タバコ」という意味です。

これにはさまざまな説がありますが、発見当時タバコ属の植物によく似ていたことから名付けられたのではないかと言われています。

 

ペチュニアの魅力 

ペチュニアの魅力は何と言っても、花の色が鮮やかで豊富であることや、一重咲きや八重咲きなどの品種が多いことです。

今でも毎年品種改良が進んでおり、細かい種類を合わせると300種類くらいあると言われています。

見た目がゴージャスなタイプや、個性的なタイプまで、好みに合わせて選べるところも人気の秘密でしょう。

ここでは、ペチュニアの魅力について詳しくご紹介します。

①初心者にも育てやすい

丈夫で育て方もシンプルなことから、ガーデニングが初めての方でもなじみやすい植物。

夏の暑さや直射日光にも負けずに、次々と新しい花を咲かせるのが特徴です。

ペチュニアは本来多年草ですが、日本の冬の寒さには耐えられないことが多いので一年草として扱われています。

 

②花姿がかわいい

一重咲きのペチュニアは朝顔によく似ています。

またフリルが積み重なったように咲く八重咲きは、ボリュームがあって豪華な印象です。

花の大きさは小さいものから大きなものまで多種多様でフォルムはラッパに似ています。

花筒が長いため、蜂より蝶々の方が蜜を吸いやすい形と言えるでしょう。

また、ペチュニアにはかすかに甘い芳香があるのも特長です。

 

③長く楽しめる

ペチュニアは花期が長く、寄せ植えとしても人気のお花。

雨が当たる場所や炎天下でもたくましく育って、枝がぐんぐんと伸びて株全体を包むかのように花を咲かせ続けます。

日本では昔から春から夏にかけて咲くお花として親しまれてきましたが、品種改良によって高温多湿な日本の環境の中でも、たくましく咲くペチュニアが誕生しました。

平成3年から販売された「良く咲くペチュニア」シリーズは、花びらが肉厚で雨にも強く育てやすいのがセールスポイントです。

またロングセラーになっている「サフィニア」も、どんな環境にも強く長く楽しめる品種。

現在では春から晩秋まで長く楽しめるお花として、ガーデニング好きの方に人気です。

コンテナはもちろんのこと、地植えでもハンギングでも楽しめるところから「花壇の女王」とも言われています。

 

④種類が豊富

種類がたくさんあるのも、このお花が人気を誇る理由です。

花の色も多彩で、白やピンク・赤・黄・紫をはじめとして大人かわいいバニラやブラック・ピーチアイスなど珍しいカラーが毎年増えています。

イメージに合わせたお庭を造りたい方にも、色彩豊かなペチュニアは強い味方になってくれますね。

ポップなカラーを合わせればたちまち明るい雰囲気になりますし、大人かわいいカラーを組み合わせればアンティーク調のすてきなお庭になるでしょう。

 

花言葉について 

ペチュニアにつけられている全体の花言葉は「心の安らぎ」「あなたといっしょなら心が和らぐ」です。

見た目と同じように、癒されるような柔らかい花言葉がつけられていますね。

色別にも花言葉があるので見てみましょう。

 

  • 白・・「淡い恋」
  • ピンク・・「自然な心」「繁栄」
  • 赤・・「決してあきらめない」
  • 青・・「ためらうきもち」
  • 黒・・「危険な恋」
  • 紫・・「人気者」

 

また八重咲きのペチュニアには「変化に富む」という花言葉がついています。

プレゼントに贈る際の参考にしてみてくださいね。

 

ペチュニアを種から植える時のポイント

 

ペチュニアの種はとても小さくて1mm以下です。そのため、とても繊細なので取り扱いには注意してください。

種はすぐにつぶれてしまうので、やんわりと持つか、あるいは紙の上などに出して滑らせるように撒いていくと良いでしょう。

ここでは、ペチュニアを種から育てたいと思っている方に、失敗しないコツを伝授します。

 

種まきに最適な温度(季節) 

種まきに最適な温度は25℃前後です。

春の場合は3月〜4月に種まきすると、6月〜7月に花を咲かせます。

早く咲かせたい場合は3月の初めでも大丈夫ですが、夜間はまだ寒いので、ビニール袋などを被せて置きましょう。

その際に、ビニール袋に爪楊枝などで細かい穴を空けるようにしてください。

秋植えの場合は、9月頃に植えるのがベストです。

ただし、冬はいったん成長が止まるので、春になったら植え替えをしましょう。越冬させる場合も、天気の良い日は太陽の光を浴びさせてくださいね。

 

種をまく前の準備について

種をまく前にはポットと土を用意してください。

ポットがない場合は、ペットボトルなどの底の部分を利用しても良いでしょう。

まだ寒い時季なら、発泡スチロールなどを利用する方法もあります。

土は種まき専用のものを使うのがおすすめ。しかし、基本的には花用の培養土が安心です。

また、先ほども書きましたが、種が細かくてつぶれやすいので種をのせる紙を用意しておくと安心ですよ。

 

種まき

ペチュニアの種は小さいのでポット(鉢)の中で一か所に固まりやすくなってしまいます。

固まらないようにするためには、種を2つ折りにした紙の上にのせて円を描くように落としていくのがコツです。

 

発芽しやすくする方法 

発芽しやすい温度が比較的高いので、まだ寒い時季に種まきした場合は夜間の冷え込みに注意してください。

発芽までの間はビニール袋などを利用して保温しましょう。

また、発芽までの間は、乾燥を防ぐために、温かい時間帯を選んで霧吹きで水を与えてくださいね。

この際にジョウロなどで大量に水をかけると種が流れてしまうので気をつけましょう。

付けくわえると、ペチュニアは「好光性種子」です。好光性種子とは、光が在ることで発芽しやすくなるということ。

したがって、土はかぶせなくて良いでしょう。気になる場合は、うすめにかぶせる程度にしてください。

 

育苗と定植

ペチュニアは、種をまいてから約10日前後で発芽します。

発芽後は光の当たる場所で育てましょう。ただし、直射日光に当てると弱ってしまうことがあるので注意してください。

段々と子葉が伸びて、葉と葉が触れ合って混み合ったところはピンセットや割りばしなどを使って間引きしましょう。

種まきから順調に育って、約1ヶ月前後で本葉が出ます。葉が3枚~4枚になったら移植するタイミングです。

ペチュニアは湿度に弱いので、植え替えは梅雨に入る前の方が適しています。

 

・注意点

 移植したばかりのペチュニアは、まだ苗が小さくうまく根を張れません。

したがって、ジョウロで勢いよく水をかけてしまうと傷ついてしまう可能性があります。

苗が新しい環境になじむまでの間は、十分に気をつけてあげてください。

なるべく、じょうろのハス口の穴が細かいものをチョイスして、上向きに水を与えると負担が少なくて済みます。

 

ペチュニアの育て方(環境編) 

ペチュニアは毎年新しい品種が生まれていて、バリエーションが豊富な草花です。

ひとかぶでも大きく広がっていくので、効率が良く費用をかけた以上のお花を咲かせてくれるでしょう。

ここでは苗で購入する場合の選び方と、ペチュニアの丈夫な育て方を解説していきます。

 

苗の選び方 

ホームセンターやフラワーショップなどで、苗の購入を検討されている方も多いのではないでしょうか。

もし苗を購入する場合は、茎がヒョロヒョロと細いものや間延びしているものは避けてください。触ってみて茎がグラつくときは弱っている可能性があります。

見分け方としては、生き生きとしていて張りのある葉っぱが生えている苗を選ぶと良いでしょう。また、いくつか蕾がついている苗を選ぶのがおすすめです。

 

置き場所 

室内・室外問わず、ペチュニアは日当たりの良い場所で育てるのが丈夫に育つポイントです。

地植えや花壇に植えるケースでは、あらかじめ雨に強い品種を選ぶようにしてください。(雨に強い品種・・スーパーチュニア・サフィニアなど)

その理由は、ペチュニアは夏の暑さや乾燥には大変強いのですが湿気には弱いからです。

梅雨時にはカビが生えやすくなるので、黄色く変色した葉や、咲き終わった花をこまめに取り除いて、風通しを良くして置きましょう。

 

注意したい病気・害虫など

次にペチュニアを育てるときに注意したい病気や害虫・対処法を紹介します。

 

・うどんこ病

うどんこ病は葉全体を白いカビが覆うように発生してしまう病気です。

最初は葉や茎にポツンと白い点が表れます。

ひどくなると小麦粉が付着したように白くなるのが特徴。

早い段階で気がついた場合は、重曹を薄めたものをスプレーするか市販のエアゾールタイプスプレーが有効です。

また、白くなってしまった葉は、他の葉に移らないようになるべく早く摘み取りましょう。

 

灰色カビ病

灰色カビ病は梅雨時によく発生する病気です。

はじめは元気がなくなり葉や茎に褐色の斑点が見られ、そのまま放置しておくと腐ってしまいます。対策としては、早めにカビが生えた部分を取り除くことです。

しかしカビは土の上にも広がる可能性があるため、ひどい時は株ごと片づけなくてはいけなくなります。

灰色カビ病にかからないように、咲き終えた花は小まめに処理して梅雨時には水の与え過ぎに注意しましょう。

 

なめくじ

なめくじは普段はプランターや落ち葉の下にいて、夜間に活動することが多いでしょう。

植物の葉や花を知らない間に食べられてしまうので注意してください。

白っぽい筋のような跡があれば、なめくじが発生しているかもしれません。

予防法は常に周囲をきれいにして、なめくじの隠れ場所を失くすことです。もし見つけた場合は、薬剤などで駆除しましょう。

木酢液を薄めて散布すると、予防になるのでおすすめですよ。

 

ペチュニアのお手入れ方法

 

ペチュニアは春から秋にかけて長く楽しめる草花です。

お手入れの方法も比較的簡単で育てやすいですが、高温多湿に弱いので梅雨時の管理には注意しましょう。

また植える時にも水はけの良い土をチョイスするようにしてください。

ここでは、ペチュニアをきれいにたくさん咲かせる方法を紹介していきます。

 

水やり 

土の表面が乾いてきたら、たっぷりと水を与えるのがポイントです。

基本的には春や秋は、それほど神経質になる必要はないでしょう。乾燥には強いので、少々水やりを忘れても枯れてしまうことはありません。

しかし、ジメジメした環境には弱いので長雨が続く季節には注意が必要です。

水を与え過ぎると根腐れを起こして、弱ってしまう可能性があるので注意しましょう。

また、真夏の時期は日中だとすぐに水分が蒸発してしまうので、涼しい時間帯を選んで水やりをしてください。

 

肥料について 

ペチュニアは茎を伸ばして次々と花をつけていくため、肥料は欠かせません。

肥料を与えないと、花の付き方が悪くなるので注意しましょう。

目安としては10日に1回程度の割合で肥料を与えてください。液体肥料は、即効性がありおすすめです。

ただし夏の暑さで苗が弱っているときは、肥料を吸収できないため控えるようにしましょう。

 

切り戻しの方法 

ペチュニアは育て方も簡単で、初心者の方でも失敗が少ないお花です。

しかし、より豪華に、こんもりとしたドーム型に育てるには切り戻し作業は欠かせません。切り戻しは苗を整えて、花の数を増やすために必要な作業です。

また、風通しを良くするためにも不可欠となります。

せっかく咲いているお花や茎を切ってしまうのはかわいそうだと思うかもしれませんが、お花を長く楽しむには必要なことなのです。

株の根元から10cmほどの高さでハサミを使用してカットしましょう。

 

咲き終わったお花は早く摘み取る 

咲き終った花を放置してしまうと、その分の栄養を吸い取られてしまうので花の付き方が悪くなってしまいます。放置せず早めに摘み取りましょう。摘み取る際は、ガクごと摘み取るのがコツです。

枯れたお花をそのままにして置くのは見た目も悪いですが、病気の原因にもなるため早く摘み取ってあげてください。

 

 

初心者におすすめのペチュニア3種

ペチュニアにはたくさんの品種があるので、購入する時どれにしようかと迷ってしまう方も多いのではないでしょうか。

ここでは比較的育て方がシンプルで、人気のあるペチュニアを3種類紹介します。購入する際の参考にしてください。

 

①サフィニア 

サントリーが品種改良した「サフィニアシリーズ」は、育て方も簡単で色も美しいため大変人気があります。

たくましいのでそれほど手を掛けなくても育ちますが、摘芯することでよりゴージャスに仕上げることができるでしょう。

サフィニアの花言葉は「咲きたての笑顔」

花弁にピンク色のハートが浮かぶ「ももいろハート」や大人かわいい色味の「あずきフラッペ」などが人気です。

 

②ギュギュ 

ペチュニアの中では、小輪の花を咲かせるタイプのギュギュ。

葉が見えなくなるくらいに花がたくさん咲くことにちなんで「ギュギュ」と名付けられたと言われています。

夏の暑さや蒸れにも比較的強く、育てやすい点が魅力です。

中でも可愛らしい「ピーチアイス」や八重咲きでソフトな色合いの「ダブルイエロー」などがおすすめですよ。

 

③バカラiQ 

よく咲くペチュニアシリーズのバカラiQも暑さや雨にも強く、園芸初心者の方におすすめです。

ペチュニアは屋外での栽培が難しいと言われていましたが、このシリーズによってこの弱点が改善されました。

花の中心がホワイトで外側に淡いピンクが広がっていく「ブラッシュピンク」は、春らしい新鮮な色合いです。

 

たくさんの品種の中から好みのペチュニアを探してみよう

育て方のコツを掴んでしまえば、初心者でも簡単に育てられるペチュニア。

日当たりの良い場所で育てれば、たくさんの可愛らしいお花をつけてくれます。また、摘芯することで脇目が出て、より豊かに育ってくれるでしょう。

ある程度大きくなったら、切り戻しをすることがこんもりと育てるポイントです。

春から秋の終わりまで長く楽しめるペチュニアのお花はたくさんの種類があるので、あなたも是非好みのペチュニアを探してみませんか?

 

 

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