一輪の花をさりげなく飾る。花があるおしゃれな暮らし

私たちの暮らしや生活空間を彩ってくれるお花。だけど、切り花はいつまでも咲いてくれる

わけではなく、いずれは枯れてしまいます。いつもたくさんの花でお部屋を飾りたいけれど、頻繁にお花を買うのはやっぱりコストが気になりますよね。

そんな悩みをお持ちの方は、あえてお花を一輪だけ飾り、すっきりとさせてみるのはいかがでしょうか。たった一輪ながらも、あるのとないのとではお部屋の印象がかなり違います。

今回は、一輪の花をおしゃれに飾る、一輪挿しの魅力をたっぷりご紹介していきたいと思います。

 

リーズナブルな一輪挿し

切り花を花束にして毎週購入していると、やっぱり気になるのは価格ですよね。花のある暮らしには憧れるけど、節約もしたい……というジレンマにお悩みでしたら、一輪挿しで解決しましょう。

お花を一輪だけ買うのでしたら、飲み物を買うぐらいのリーズナブルなお値段で買い求めることができます。大輪のお花を選べば、一輪だけでも十分な存在感や豪華さがあるので、満足感もありますよ。

茎が長く枝分かれの少ない花を選ぶ

一輪挿しにぴったりなお花として、茎がしっかりとして長いものを選ぶと、おしゃれに飾ることができます。また、茎が複数に分かれておらず、すっきりとしたものもおすすめです。

これらの条件を満たしており、かつリーズナブルな価格で買い求めやすいのは、ガーベラです。太い茎をまっすぐに伸ばして、茎先に大きく花を咲かせるガーベラは、一輪挿しにぴったりな切り花です。アレンジメントの花材としても人気が高いため、生花店で通年買い求められるのもポイントです。カラーバリエーションも豊富にありますので、お部屋の雰囲気やインテリアにあわせて花色を選べます。

 

1:1のバランスで飾る

一輪挿しを美しく飾るには、花器と花を1:1になるように飾るという黄金比率があります。

この比率を守って飾ると、とてもバランス良く品のある飾り方が叶いますよ。

大ぶりなお花の場合には、花器の1.5倍までにバランスが収まるように心がけると、美しくまとまります。

 

一輪挿しには季節の花を取り入れよう

お花を飾るメリットとして、お部屋でも季節を感じられるという点があります。

一輪だけでも旬の花を飾れば、インテリアに季節感を取り入れることができますよ。

次は、春・夏・秋・冬の季節ごとに、一輪挿しの花材としておすすめしたい種類をご紹介します。

 

春:ミモザ、ヒヤシンス

ぽんぽんとした黄色い花が集まって咲いているミモザは、とてもボリューミーな枝ものなので、一輪だけでも豪華な印象になります。明るい黄色がお部屋に春を呼び込んでくれるようで、インテリアアイテムとしても優秀で、写真映えもするお花です。

春にはヒヤシンスの切り花もおすすめです。ヒヤシンスも小花をたくさん咲かせるのでボリュームのある花姿です。さらにはとても良い香りを楽しめるのがおすすめポイント。一輪だけなのに、お部屋に甘くて良い香りがふんわりと広がって、香りにも癒されるお花なのです。ディフューザー代わりにヒヤシンスの切り花を飾るのも素敵ですよね。

 

夏:ヒマワリ、ミント、ドウダンツツジ

夏のお花の代表格でもある「ヒマワリ」は、切り花にしてもその豪華さを失いません。

大輪のヒマワリを飾るのも良いですが、小輪のヒマワリを小さめのフラワーベースにすっきりと飾るのもおしゃれです。

また、暑い夏には清涼感のある「ミント」を飾ってみましょう。ミントは他の切り花と組み合わせて飾るのも良いですが、単体で飾っても涼しげで夏にはぴったりです。葉を指で擦れば、ミント独特の爽やかな香りを楽しむこともできます。

梅雨の時期には、「アジサイ」の一輪挿しも風情があって良いですね。最近では、母の日にアジサイを贈る方が増えたこともあり、以前よりも多く生花店でアジサイを見かけるようになりました。品種も豊富にあり、種類ごとに花の咲き方も違うので、お気に入りのフォルムのアジサイを探してみてくださいね。

夏におすすめしたい枝ものとして、「ドウダンツツジ」があります。おしゃれなインテリアのお部屋などにさりげなく飾られていることが多いドウダンツツジは、飾っていても水が汚れにくく、とても長持ちする枝ものなのです。大きな枝を選び、大きめの花器に挿して床置きで飾れば、お部屋の雰囲気がワンランク上のおしゃれな空間に様変わりしますよ。

 

秋:ダリア、コスモス

秋にはダリアやコスモスを飾って、夏の終わりと涼しさを楽しみましょう。コスモスの中でもおすすめしたいのが、まるでチョコレートのようなこっくりとした色合いを持つ、「チョコレートコスモス」です。一般的な白やピンクのコスモスよりも、より秋らしさを感じられる色ですよね。しかもこのチョコレートコスモス、香りを嗅いでみるとチョコレートのような匂いがするのだそうです。あまり店頭に並ばないかもしれませんが、見つけたら購入して、ぜひご自身で確かめてみてくださいね。

 

冬:コットンフラワー、ツバキ

冬になるとお花はだんだんと減ってきてしまいますが、生花店には冬の時期ならではの切り花が並びます。例えばコットンフラワーは、ほとんどはドライの状態で販売されていますが、ふわふわの綿がいくつも付いている姿が雪を連想させて、とても可愛らしいですよね。

茶色系のコットンフラワーには「テディベア」と呼ばれるものもあって、白のコットンフラワーよりもよりナチュラル感が増しています。

日本の冬を代表するツバキの花も、枝ものの一輪挿しには適しています。コットンフラワーとは違い、和モダンの雰囲気を味わえるツバキは風情がたっぷりで、お部屋もシックな印象になりますね。

 

一輪挿しの花器を選ぶコツ

少量の花や一輪だけでもすっきりと飾れる一輪挿しでは、花材だけではなく花器の選び方も大切です。置き型の花器や壁掛けタイプなどもありますので、飾りたい場所に応じてチョイスすることもできます。

一輪挿しの形状は、高さがあるもの、器の裾が広く安定感のあるものなどがあります。挿したい切り花や枝ものによって適した花器を選ぶことで、より美しく一輪挿しを飾ることができますよ。

続いては、花器の選び方についてご紹介していきましょう。

 

口が狭いものを選ぶ

複数の切り花を束ねて飾るのであれば、口径の広い花器が必要になりますが、一輪挿しに口径が広いものを選ぶと、花が安定せずに美しく飾れません。

特に、花が大きめで重みを持っている切り花などは、花の重みによって傾いたり、茎がしなだれてしまったります。一輪挿しには、口の狭い花器を選んで、花を安定させて飾りましょう。

 

茎の長さで選ぶ

先ほど、花材と花器は1:1の比率で飾るとバランスが良く、見た目も美しく飾れるとご紹介しましたが、この比率を作れるように、茎の長さに適した花器を選ぶことも重要です。

高さがある茎の長い花には、背丈の高い花器を用意して、短めの茎であれば小さく低めの花器を用意しましょう。

 

飾る場所で選ぶ

一輪挿しのお花を、実際にどこに飾りたいかによって花器を決める方法もあります。

基本的には置き型のタイプが多い花器ですが、壁に掛けて飾ることを目的とした壁掛けタイプもあります。

ダイニングテーブルの上や棚など、卓上に置いて飾りたい場合には置き型の花器を選び、壁などに掛けて空間を飾りたい場合には壁掛けタイプの花器を選びましょう。

壁掛けタイプのメリットとしては、空間を有効に使えることや、狭い場所でも飾れることなどが挙げられます。

 

季節に合わせた素材を選ぶ

旬のお花を飾るなら、花器も季節を意識した素材を選んで飾ってみるのはいかがでしょうか。例えば、透明感があるガラス素材やクリアな素材の花器は、涼しげで爽やかな印象がありますので夏に向いていますよね。

一方で秋や冬には、温かみを感じられる陶器の素材や、木製の花器がおすすめです。素朴な雰囲気を持つ木製の花器は、木のテーブルとの相性もばっちりです。

年末年始には竹製の花器を使うなどして、季節感や行事を楽しむのも素敵ですね。

 

花の色で選ぶ

花器の素材や大きさ以外にも、切り花の色に合わせたカラーリングで花器を選ぶのもおすすめです。いちばん簡単な方法としては、お花の色と花器の色を同系色でまとめることですが、あえて自分の好きな色の組み合わせで選ぶのも良いでしょう。

花材と花器が補色になるようにして、互いの色を引き立てるのもおすすめの配色です。例えば、緑色の補色は赤色なので、赤い花にはグリーンの花器を、グリーンの枝ものには赤い花器を使うと、どちらの色も魅力的に演出できます。

パステルカラー同士で組み合わせてみるなど、バリエーションを楽しみながら飾ってみてください。色の組み合わせが苦手でセンスに自信がないという方は、どんな花色でも間違いなく似合う、白や無色透明の花器を用意しておけば安心です。

 

お部屋のインテリアで選ぶ

あなたのお部屋は、どんな雰囲気のインテリアでまとめられているでしょうか?

ワイヤーやラック系を使ったクールなお部屋、木の温もりや暖色を多く取り入れたナチュラル系、北欧インテリアを意識したお部屋、カフェ風のおしゃれな空間など、さまざまなタイプのお部屋がありますね。

お部屋のインテリアに合わせて花器を選ばなければ、かえって一輪挿しが浮いてしまうこともあります。木の質感を大切にしているお部屋には木製の花器、アメリカンダイナーのようなメタルチックなお部屋には透明な素やアイアン素材、シャビーシックなお部屋には白い陶器製の花器、カフェを意識したお部屋にはブリキ素材、アンティーク調のお部屋には柄が描かれている花器など、インテリアのひとつとしてすんなり溶け込むように花器を選んでみましょう。

 

一輪挿しの花器に代用できる!おすすめアイディア3選

家に一輪挿し向きの花瓶がないときには、花器として代用できそうなものを探してみましょう。きちんとした花瓶を用意しなくても、水を入れられる器であればなんでも良いのです。

続いては、一輪挿しの花器として代用できそうなアイディアを3つご紹介したいと思います。

 

お気に入りのグラスを使う

とても気に入っているけど、残念ながら出番が少なく、食器棚の奥でずっと眠っているようなグラスなどはありませんか?そんなお気に入りの食器類こそ、一輪挿しで活用していきましょう。

マグカップやティーカップ、さらには徳利なども、立派な花器になりますよ。

茎が短めのものは、ティーカップに浮かべるようにしてダイニングテーブルにさりげなく飾っても良いですし、柄などがデザインされたグラスもお花の魅力を引き立ててくれる素敵な花器になります。

 

試験管を並べてみる

おしゃれなお店のディスプレイなどで、試験管に挿してあるドライフラワーや造花を見かけたことはありませんか?実験などで使われる試験管とお花の組み合わせはなんだか不思議な気もしますが、実はとても相性が良いのです。さらに試験管は細口ですから、まさしく一輪挿し向けの花器だと言えます。

木製の試験管立てなどにいくつか試験管を立てて、一輪ずつ花を挿すのもかなりおしゃれな雰囲気になります。ひもなどを使って、ひもの長さを変えてメリハリをつけながら吊るして飾るのもおすすめですよ。

 

100円ショップで探す

お近くの100円ショップへ足を運んでみると、インテリアグッズコーナーにもキッチングッズコーナーにも、一輪挿しに使えそうな器がたくさんありますよ。

空き瓶やオイル瓶、キャンドルホルダーなども花器にできますし、インテリア用として販売されているブリキ素材のアイテムも、おしゃれに飾ることができる優れものです。

中でもおすすめなのが、ワインなどを入れておくための「デキャンタ」です。口径が細く、底が広がっているフォルムのものが多いので、一輪挿し用として使うと安定感があります。

他にも、花器に代用できそうなアイテムをいろいろと探して、自分なりのオリジナルアイディアを生み出すのも楽しそうですね。

 

一輪挿しを長く楽しむには

きれいなお花は、なるべく長く美しい状態を楽しみたいものです。切り花は鉢植えとは異なり、あまり日持ちはしませんが、それでもきちんとお手入れをすれば、長くきれいに咲いてくれますよ。

ここからは、一輪挿しを少しでも美しく楽しむために心がけたい、日頃のお世話方法や注意点などについてご紹介していきます。

 

毎日水を替える

花瓶の水は、毎日取り替えるようにしましょう。水中で雑菌が繁殖していくと、茎から水分を吸い上げる力が弱まって、切り花の寿命が短くなってしまいます。

特に夏場などの高温の季節は、とても雑菌が繁殖しやすいです。切り花の延命剤などを使うと、水を清潔に保ちつつ、花も養分を吸収できるので花が長持ちしやすくなりますよ。

また、食器用洗剤やハイターなどの漂白剤を数滴入れておくと、雑菌の繁殖を抑えることができますので、延命剤をお持ちでない場合には試してみてください。

ただし、量を入れすぎるとかえってお花が傷んでしまい、すぐに枯れてしまいますので注意が必要です。

 

こまめに水切りをする

毎日の水替えの際には、茎をハサミでカットして、水切りもセットで行いましょう。

水を溜めた容器の中に茎先を入れて、水中で茎をカットするのが水切りです。切り口がなるべくひろくなるよう斜めにカットすると、茎から水分を吸い上げやすくなりますよ。水に浸かってぬるついている茎先は、水切りの際にやさしく洗ってきれいにしておきましょう。

水を吸い上げにくい枝ものに関しては、枝先の表面を削ったり、十字の切り口を入れたりすることで、水揚げがしやすくなります。

 

直射日光を避ける

切り花の一輪挿しを飾る場所は、直射日光や強すぎる日光が当たらない、明るい日陰に置きましょう。

花瓶の水が高温になると茎が傷んでしまいますし、雑菌も繁殖しやすくなります。お花の水分も蒸発していってしまうので、同様にエアコンの風が当たるような場所も避けてください。

 

花器も清潔に保つ

毎日の水替えと水切りによってお花を清潔に保てていても、花器もきれいにしなければ意味がありません。特に一輪挿し向けの花器は、花が安定するように口の部分が細くなっていますから、洗いにくいため意識して清潔に保つ必要があります。

使い古した歯ブラシや、ペットボトル用の洗浄ブラシなどがあれば、花器をすみずみまで掃除できますね。洗うときは、食器用洗剤などを使うことをおすすめします。

 

枝ものやハーブを飾る

切り花よりも、枝ものやハーブなどのほうが、断然長持ちします。気温や気候によっても日持ちは違ってきますが、切り花より長持ちするのは確実です。中でもドウダンツツジは、季節によっては2週間以上も日持ちする、コスパの良い枝ものです。

枯れるたびに買い求めに行く手間を減らしたい、なるべく長持ちさせてコストを抑えたいという場合には、一輪挿しに飾るものを枝ものやハーブにしてみましょう。

 

まとめ

今回は、お花のある暮らしを手軽に取り入れられる、一輪挿しの魅力をご紹介してきました。

あえて一輪だけで飾ることにより、おしゃれさやスタイリッシュさが生まれる一輪挿し。

花材の購入費用も抑えられますし、コンパクトに飾れるので置き場所の選択肢も広がります。

旬の切り花や枝ものを取り入れつつ、花器やフラワーベースにもこだわって、素敵な一輪挿しを飾ってみてくださいね。

大切なあの人にお花を送ってみませんか?