おしゃれなしめ飾りを飾って、新しい気持ちで新年を迎えよう

最近では、お正月にしめ縄・しめ飾りを必ず用意するというご家庭は減っているようです。毎年なんとなくお正月を迎えているけれど、実際なんのためにしめ縄やしめ飾りを飾るのかは知らないという方も多いのではないでしょうか。

お正月のデザインというと、なかなか気にいるものがないという方もいらっしゃるかもしれません。

しかし最近では、おしゃれな色合いのしめ縄・しめ飾りが増えて、おうちやお部屋の雰囲気に合わせて豊富なデザインから選ぶ事ができるようになっています。

今年はお気に入りのしめ縄・しめ飾りを探して、いつもとは違った新しい気持ちで新年を迎えてみませんか。

 

しめ縄・しめ飾りとは。何のために飾るの?

門松、しめ縄や鏡餅、お正月と聞いて連想するアイテムはいくつもありますよね。毎年お正月を迎える前に、それらのアイテムをなんとなく飾っているという方はいませんか?

新しい年を迎えるというのは分かっているけれど、本来お正月がどんな行事なのかを意識した事がある方は少ないかもしれません。

まずはしめ飾りについての基本知識を見ていきましょう。

 

そもそもお正月ってどんな行事?

お正月は本来、豊穣(ほうじょう)や幸福を運んでくれると言われている年神様をお迎えするために行う行事です。

日本での年神様は、民間信仰で拝められている古くからの神様のことを示すことが多く、特定の宗教の神様を意味しているわけではないと考える場合が多いです。

実は、私たちが普段使っている1年、2年の「年(歳)」という数え方は、お米をはじめとする収穫のサイクルを数えたものがはじまりであるといわれています。

1年を守ってくれる年神様は、同時に農耕の神様でもあると考えられているのはこのためです。

 

しめ縄としめ飾りの違い

年末になると、花屋さんやスーパーの店頭でも販売されるお正月用のお飾りですが、しめ縄としめ飾りの違いがよくわからないという方もいるかもしれません。

「しめ縄」は縄を編んだだけのシンプルな状態を言い、それに願いや祈りを込めて飾りつけをしたものを「しめ飾り」と呼びます。

明確な基準がある訳ではないので、最近ではそれらを広く総称して、お飾り、お正月飾り、しめ飾りとして販売しているお店が多いようです。

 

しめ縄を飾る意味

しめ縄とは、稲わらなどを束ねてつくった縄のことを言います。稲わらは神様が降りてきた神聖な場所を指し示すものとして、神社に張られているのを見たことがある方もいるでしょう。

これが張ってある場所は、悪霊や不浄なものが入れない場所とされており、魔除けに似た意味をもって張られているのが本来の形です。

下をくぐって神域に入るという意味合いから、少し高いところに飾る風習があります。

しめ縄を玄関に飾ることは、ここが年神様を迎える家であることを示すのと同時に、悪霊を払う魔除けの意味も兼ねているのです。

しめ縄にみかんや松の葉などの飾りを施し、しめ飾りとするのは、年神様を迎えるおめでたい気持ちを表し、食料を蓄え飢えることがないように、という願いも込められていると考えられています。

お正月に飾るイメージが強いしめ縄やしめ飾りですが、実は1年中飾っていても問題はありません。のちほどご紹介しますが、最近はおしゃれにアレンジされたリース型のしめ飾りも多いので、年明けも少しアレンジすればそのまま飾り続けられるタイプも増えており、普段のインテリアにも取り入れやすくなっています。

 

しめ縄・しめ飾りを飾るのに縁起の良い日

せっかくしめ縄・しめ飾りを飾るなら、縁起の良い日を選んで飾りたいものです。

お正月飾りは大掃除を終えたあと、12月28日から30日までに飾るのが良いとされています。

29日に関しては、地域によって「二重苦」で縁起が悪いとされていたり、逆に29を「ふく(福)」と読み、福を呼ぶとされていたりと諸説あるため、気になる方は避けてもよいでしょう。

31日は「一夜飾り」になるため、避けたほうがよい日とされていることが多いです。

年神様をお迎えするのに、大みそかに飾りつけをするようでは神様への敬意にかけるとされるのがその由来です。

最近ではクリスマスツリーやリースを飾るおうちも多いので、クリスマスが終わり、大掃除を終えた後に飾るのがよいでしょう。

 

しまうのはいつ?

お正月から、年神様がお帰りになる「松の内」と呼ばれる期間中に飾っておくのが本来の伝統です。

関東と関西ではこの期間が異なっており、関東では1月1日から7日まで、関西では1月1日から15日までとする場合が多くなっています。

昔はしめ縄を神社に奉納して燃やしてもらう風習がありましたが、最近では家庭で処分したり、そのままアレンジし直してリースとして飾ったりする場合もあるようです。

本来は、神様に失礼にあたるという理由からお正月飾りの使い回しは避けられていましたが、現在ではインテリアとして飾るケースも増えているため、毎年同じお正月飾りを使用することも多くなっています。

新しい年を迎える、気持ちの切り替えの儀式として行う行事なので、自分が納得できる形であれば、お正月飾りも去年と同じものを使ってもよいと考える傾向にあるようです。

ただ、お正月飾りを保管する際には、カビが生えないよう保管方法に気をつけましょう。稲わらを使ったしめ縄は湿気が大敵です。湿気を避けて保管し、防虫剤も入れておくと安心です。

 

地域によって違う、全国各地のしめ縄、しめ飾り

しめ縄、しめ飾りは地域によって異なります。もともと民間信仰から派生している行事なので細かく分けるとかなり種類がありますが、代表的な3つをご紹介します。

  • ごぼうじめ・大根じめ
  • 玉飾り
  • 輪飾り

それぞれの特徴を見ていきましょう。

 

ごぼうじめ・大根じめ

それぞれ名前の通り、ごぼうのような形をしたしめ縄を「ごぼうじめ」、それがもう少し太くなった大根のような形をしたしめ縄を「大根じめ」と呼びます。別名両端じめ、両じめと呼ばれる事もあります。

神棚に飾ってあるものをイメージすると分かりやすく、紙垂がついた、シンプルな形をしています。

 

玉飾り

太いしめ縄を輪にして結び、下げと呼ばれる長いわらを垂らした形に縁起物を飾ったものが玉飾りです。

もともとは玄関に飾る伝統的な形でしたが、現在ではデパートやお店のお正月飾りとしてよく見るお正月飾りとなっています。

 

輪飾り

細いしめ縄を輪にしたもので、現在飾っているしめ飾りの中では最も種類が豊富です。

稲わら以外の素材を使ってアレンジしたものも多く、洋風のお部屋やおうちのドアの雰囲気にも合うようにおしゃれなものが増えています。

 

しめ飾りに使われるのはどんな花材?

最近では、多様な素材を使ったしめ飾りが増えていますが、本来しめ飾りに使われるお花、花材にはどんな種類があり、それぞれどんな意味を持つのでしょうか。

しめ飾りに使われる代表的な花材について、詳しく見てみましょう。

 

稲わら

稲作文化のある日本では、稲は命の源です。

自ら稲を育てそれを刈り取り、手間をかけて作った稲わらを使うことは、心を込めて年神様を迎える準備をするという意味が込められていました。

また、豊穣を願うお正月において米は豊かさの象徴であったため、しめ縄には稲わらを使用していたと考えられています。

 

裏白(うらじろ)

裏白とはシダの葉で、裏が白いことからその名前がつけられました。

大きな葉は1mにもなることから、子孫繁栄や生命力を感じさせるものとして使用されます。

また、葉が左右対称なことから夫婦円満の象徴とも考えられています。

 

ユズリハ(譲り葉)

ゆずり葉はミカンの葉っぱによく似ていますが、ユズリハ科の常緑樹の葉っぱです。

前の年につけた葉が次の葉に場所を譲るように落ちていく姿から、「譲り葉」という素敵な名前がつけられました。子孫が代々受け継がれるという意味で、縁起の良い植物とされています。

 

常緑樹で1年を通して青々としていることから、永遠の命の象徴、縁起の良い花材とされています。

昔はしめ飾りとは別に門松として松を飾るおうちが多かったのですが、現在はその代わりとして、松を使用したしめ飾りが多くなっています。

 

南天

「難を転ずる」という由来があり、魔除けや、火災除けの効果があるとされている縁起が良い実ものです。赤い実には華やかさがあるので、飾りとしても重宝されます。

 

水引

水はすべての汚れを清め、水が引いたあとには清らかになるということから水引と呼ばれます。水引を結ぶということから、人と人を結びつけるという意味も込められており、お正月以外にも婚礼や祝儀にも使用されています。

 

おしゃれなしめ縄・しめ飾りが増えている

しめ縄・しめ飾りには、年神様を迎えるための、大切な意味があることが分かりましたが、

伝統的なしめ飾りをマンションのドアに飾るには少し仰々しいイメージを感じる人もいるかもしれません。

せっかく新年に向けて飾るなら、気に入ったデザインのものを選びたいものです。

花屋さんでは、おしゃれなデザインのしめ縄・しめ飾りが種類豊富に販売されており、おうちの雰囲気に合わせて飾る事ができるようになりました。

しめ縄リースや、しめ縄アレンジと呼ばれ、ドライフラワーや水引、リボンやタッセルを組み合わせたおしゃれなお飾りがたくさんあります。洋風のインテリアにも馴染むものも人気です。

ここからは、どんなデザインのしめ縄・しめ飾りがあるのかをご紹介していきましょう。

 

リースのようなしめ飾り

近年特に人気があるのが、しめ縄をリースのように仕立て、お正月を迎えるにふさわしい赤と白、金などの色でまとめたリース型のしめ飾りです。

色味やテイストも豊富で、伝統的なお正月の雰囲気を残しつつもスタイリッシュに仕上げた和モダンテイストのものが特に人気があります。

小さなしめ縄リースであれば1,000円ほどで購入できるものもあるので、これなら気軽に取り入れられそうですね。

水引や、お正月に由来した花材は取り外せるようになっているものもあるので、取り外してそのままリースとして1年中使える便利なタイプもあります。

 

スワッグタイプ

スワッグとは、花束を逆さまにしたような形をした壁飾りです。

本来お花で作るスワッグの花材に、シダや稲穂、松などを混ぜて束ねたナチュラルな雰囲気に仕上げたお正月用のスワッグも人気があります。

下に向かって広がる末広がりの形は縁起の良い形とされており、水引や南天なども合わせたスワッグはお正月のお飾りの中でも特におしゃれです。

 

ドライフラワー

ドライフラワーは、飾るだけでお部屋をおしゃれに見せてくれる人気のアイテム。

お正月由来の花材にとらわれず、ユーカリや赤い実をつける枝ものである野バラ、コットンフラワーなどを使った新しいテイストのしめ飾りも素敵です。

ひとつひとつハンドメイドで作られているものがほとんどで、自然の花材を使ったドライフラワーのしめ飾りには全く同じものがありません。自分だけの特別なお正月を迎えるためのアイテムとして、お気に入りの1点を探すのも楽しい時間です。

 

ハンドメイドの縄リースやスワッグも人気

せっかくお正月の準備をするなら、自分だけのオリジナルしめ飾りをつくってみるのはいかがでしょうか。

お花屋さんや、ホームセンター、100円ショップなど手軽に材料が手に入るので、誰でも気軽に作ることができますよ。

 

簡単に手作りできるしめ縄リース

しめ縄は、輪にしたり結んだり、好きな形にアレンジできます。

リースのベースにする素材には、本来は稲わらを湿らせて編んで使うのが本格的ですが、クラフト用のしめ縄や、既にリース状になったものを使えばより手軽に制作が可能です。

稲わらを使う場合は、束ねた後に霧吹きで濡らし、柔らかくなるまで叩いてから、上部を固定してきつめに編んでいきます。

しめ飾りの飾り部分には、松ぼっくりや、南天、木の実やドライフラワーをそれぞれワイヤーで固定していきましょう。水引を加えるとぐっとお正月らしい雰囲気に仕上がり、華やかです。

できる限り、色数や使う花材を少なくすると、スタイリッシュでモダンな雰囲気の縄リースに仕上がりますよ。

 

束ねるだけのスワッグ型

松やユーカリ、アワ、稲穂やシダなどを束ねた、ナチュラルな雰囲気のお正月用のスワッグも簡単に手作りできます。

スワッグを作る際には、まず最初に使用する葉物の持ち手となる部分の葉はすべて取り除いておきましょう。

ベースとなる長い葉物の部分を作ったら、バランスを見ながら少し短めの実物やアクセントになる飾りを足していきます。

束ねた部分をワイヤーか麻ひもなどで固定し、背面に壁掛け用の輪を取り付ければ、あっという間にスワッグの完成です。

全体のバランスを見ながら、飛び出ている部分をカットしてあげるとより綺麗な仕上がりになります。

 

ハンドメイドで松を扱うときには注意

花屋さんにも取り扱いがあり、この時期にぴったりの松やモミですが、取り扱いには少し注意が必要です。

松やモミは切り口からヤニが出るので、使っているとすぐ手がべたべたしてきます。黒っぽいヤニがつくので、花材として利用する場合は汚れてもいい服やエプロンを用意しておきましょう。

手についたヤニは、石鹸やハンドソープでは意外と落とせません。アルコールやお酢を使うとすんなり落ちるので、困った方は試してみてくださいね。

 

お正月が終わってもアレンジが楽しめるタイプ

先ほど少しご紹介しましたが、水引やお正月飾りを外せばリースとして通年飾る事ができるタイプのしめ飾りもあります。

西洋から発祥したリースですが、しめ縄・しめ飾りと同じように縁起のいい意味を持っています。お正月が終わってもアレンジが楽しめるタイプのしめ飾りを買えば、お気に入りのしめ飾りを長く楽しむことができますよ。

 

リースを飾る意味

クリスマスのイメージがあるリースですが、丸い形をしたリースは終わりのこない「永遠」の象徴でもあります。とても縁起の良い意味をもつので、ウェディングシーンでも利用されることが増えてきました。

リースは西洋ではヒイラギを使って作っていたことから、魔よけの効果を持ち、家に飾ると禍から守ってくれると信じられています。キリスト教圏ではクリスマスから新年の幸福を願って年明けまで飾るのが一般的です。

リースにも枝や実を飾って、1年の豊作を願います。まさにリースは、日本のしめ縄のような役割を担っているようですね。

 

しめ縄リースはお正月明けも楽しめる

おしゃれなしめ飾りを見つけたら、せっかくなら長く楽しみたいですよね。

新しい年に年神様をお迎えしたしめ縄リースは、お正月飾りを外しておうちを守ってくれるリースとして楽しむのもよいでしょう。

花材を足してアレンジしてみたり、ドライフラワーを足してみたり、世界にたったひとつの自分だけのリースを作れば、その時間はとても充実したものになるはずです。

 

まとめ

毎年なんとなく飾っているしめ飾りにも、実はいろいろな意味や由来があることをご紹介しました。

昔は当たり前だったしめ縄やしめ飾りですが、最近では準備をする方もだんだんと減ってきているようです。

この記事を参考に、今年はおしゃれなしめ飾りを飾ってみませんか?

忙しい毎日を過ごす現代だからこそ、新年を迎えるための準備の時間をつくることで、1年の振り返りや、新しい年への気持ちの切り替えができるかもしれません。

伝統的な由来を継承しつつも新しい風も取り入れて、自分のライフスタイルに合った形で新しい年を迎える準備をしてみてはいかがでしょうか。

大切なあの人にお花を送ってみませんか?