ポピーの花言葉は怖い?ポピーの色別・種類別の花言葉、育て方

ポピーは春の花壇を彩る、日本ではポピュラーなお花。ポピー全般的な花言葉には、「思いやり」「いたわり」「恋の予感」「陽気で優しい」などの意味があります。ポピーは色別でも花言葉がついていて、中には西洋の花言葉、ギリシャ神話由来の花言葉があり、そこから捉え方によってはネガティブなイメージがついているものもあるようです。

以下詳しくお伝えします。

ポピーの花言葉は?

ポピーの花言葉は日本で一般的なものは、いたわり・慰め・思いやり・心の平静・恋の予感・陽気で優しい、などポジティブな意味合いのものです。

ポピーの西洋の花言葉は、oblivion(忘却)・sleep(眠り)consolation(慰め)思いやり・心の平静(consideration)といった花言葉があります。

ポピーの名前の由来

ポピー(Poppy)の名前の由来は、ラテン語のpapa(粥)から来ています。 古来では、鎮静作用・眠りの作用のあるケシの乳液が使われており、子供を眠らせるためにお粥にケシの乳液を入れたという説からポピー(Poppy)と名づけられたとされています。ポピーは茎に傷をつけると出てくる乳液にアルカロイド成分が含まれており、睡眠導入薬や麻酔薬として使用されてきたことから「心の平静」「いたわり」などの言葉が与えられています。

 

ポピーは怖い花?ケシとの違い

ポピーの和名は「ヒナゲシ」と紹介されることが多いですが、ヒナゲシはポピーの中のひとつの種類です。世界では一般的にケシ科ケシ属の植物、場合によってはケシ科の植物全部を「ポピー」と呼んでいます。

 

日本でも、店頭でポピーの名で流通しているのは、ヒナゲシのほか、アイスランドポピー、オリエンタルポピー(和名オニゲシ)などの品種。

アヘンの原料成分となるモルヒネが含まれる品種も、ポピーの一種で、日本ではこちらを「ケシ」と呼んで、園芸種のポピーと区別しています。

モルヒネは、厳重な管理のもとに医療に活用されますが、古代文明の頃は民間の睡眠薬としてポピーが日常的に利用されていました。

麻薬が違法で、ケシの栽培や所持が禁止されている現代の日本では、園芸用で流通しているものは勿論全て安全なものとなっているので安心して購入してくださいね。

ポピーの花言葉の元となったギリシャ神話の女神

ポピーには怖い花言葉はなく、いたわり・慰め・思いやり・心の平静・恋の予感・陽気で優しい、など温かくてポジティブな花言葉が多くなっています。

その中で、花言葉の由来であるギリシャ神話の内容がポピーの花言葉が怖いと言われる理由かもしれません。

ギリシャ神話の中でのお話です。

昔、デメテルという女神と、その娘のペルセポネがいました。ある日、ペルセポネが野原で花を摘んでいると地獄の神プルトンが現れて地獄へ連れ去ったそうです。

これを知った母親のデメテルは心労で疲弊してしまい、眠れなくなってしまいました。その姿を憐れんだ眠りの神ヒュプノスがケシの花を贈ります。これによりデメテルは心の平静と安定した眠りを取り戻したというお話です。

 

このお話に由来して西洋での花言葉「忘却」「眠り」「慰め」「いたわり」「思いやり」「心の平静」という花言葉がつけられたといわれています。

ポピーの花言葉の色ごとの違い

次に、ポピーの色ごとの花言葉の違いをお伝えします。

赤 

慰め・感謝・喜び

 

赤いポピーの花言葉は、「慰め」「感謝」「喜び」です。お世話になった方や両親に贈るのにぴったりです。たとえば母の日のイメージではマーガレットが一般的ですが、赤いポピーを感謝の言葉とともに贈るのも素敵です。

眠り・忘却・疑惑・推測・我が毒

 

「眠り」「忘却」「疑惑」「推測」「我が毒」などです。とても美しい花ですが、白いポピーはギリシャ神話や西洋の由来が色濃く、贈り物としては適さないことがありそうです。可憐で美しい花ではあるので自宅に飾っておくには問題ないでしょう。嫌なことがあって悩んで眠れない方にプレゼントに渡す場合は「よく眠れるように」など、一言添えると良いかもしれませんね。

オレンジ

思いやり・いたわり・恋の予感・陽気で優しい

 

オレンジ色のポピーの花言葉は、全体と同じ、「思いやり」「いたわり」「恋の予感」「陽気で優しい」という意味があります。

 

ピンク

思いやり・いたわり・恋の予感・陽気で優しい

 

ピンク色のポピーの花言葉も、全体と同じ、「思いやり」「いたわり」「恋の予感」「陽気で優しい」という意味があります。

黄色

成功・富

 

黄色のポピーの花言葉は、「成功」「富」です。目標に向けて努力している方へのプレゼントにぴったりです。黄色という花色からも、見るだけで前向きな気持ちになれる花です。

 

ポピーの種類

代表的なポピーの種類を紹介します。

 

・ヒナゲシ(雛罌粟/雛芥子)シャーレーポピー

・カリフォルニアポピー(花菱草)

・アイスランドポピー

・オリエンタルポピー(オニゲシ)

ヒナゲシ(雛罌粟/雛芥子)シャーレーポピー

 

ひなげしの園芸品種は、1880年頃にイギリスで生まれたシャーレーポピー。現在育てられているひなげしのほとんどがこのシャーレーポピーで、花つきがよく育てやすいのが特徴です。花が小さいことから「ヒナゲシ」と呼ばれています。ポピーというとヒナゲシを一番に思い浮かべる人が多いのではないでしょうか。

 

ヒナゲシの花言葉は、「心の平静」「乙女らしさ」「別れの悲しみ」「休息」です。

 

花言葉:心の平静、乙女らしさ、別れの悲しみ、休息

基本の色:赤、ピンク、白など

 

カリフォルニアポピー(花菱草)

カリフォルニアポピー(花菱草)は、春から初夏にかけて開花するケシ科の一年草。寒さには強いですが高温多湿が苦手。日本では梅雨を越えられないことが多いので一年草とされています。梅雨~夏を越すことができれば、二年草、もしくは多年草となることもあります。花菱草は和名で、通称ではカリフォルニアポピーと呼ばれています。色はオレンジが基本で、園芸用に最近では赤やピンクなども出回っています。

 

花言葉:夢、青春、自由、情熱

基本の色:オレンジ、園芸用では白、赤、ピンクなど

 

アイスランドポピー

アイスランドポピーは、シベリアから極東の原産で、1759年に北極探検隊の植物学者によって発見されました。

日本のお花屋さんでもよく目にします。高さは30〜40センチになり、3月から5月ごろ、鮮やかな色の花を咲かせます。

アイスランドポピーは、白・赤・ピンク・オレンジ・黄色などのとりどりの花色が入り混じって群生しているので、花言葉は「七色の恋」です。

 

花言葉:七色の恋、思いやり、慈愛、幸せな愛、希望

基本の色:白・赤・ピンク・オレンジ・黄色

 

オリエンタルポピー (オニゲシ)

オリエンタルポピーは大型の宿根草で、ボタンかシャクヤクを思わせるような豪華な花を咲かせます。花径は大きなものでは20cm近くになり、色彩が鮮やかなので、遠くからでもよく目立ちます。特に、大株になると何輪もの花が林立し、圧倒されるような迫力が感じられます。蕾の姿もユニークで、ほかのケシ類では垂れ下がるように下を向きますが、本種は最初から上向きに直立します。

1つの花の寿命が4~5日と観賞期間が短いため、ある程度の株数を植えるか、大株に育てるほうが見栄えがします。

 

花言葉:自己主張、豊かな想像力、深い思索、自由な心、楽観主義

基本の色:オレンジ、赤、白、ピンク、

 

一年草では春に咲くアイスランドポピー、初夏に咲くシャーレーポピー、宿根草ではオリエンタルポピーがありますが、高温多湿に弱いため、どちらかというと寒冷地向きのポピーです。

 

ポピーの基本情報 科・属、和名、英名、学名、原産地などを表で解説

次に、ポピーの基本情報を表にしてお伝えします。

植物名 ポピー
学名 Papaver
英名 Papaver
科目 ケシ科
属名 ケシ属
耐寒性 強い
対暑性 弱い
原産地 北アメリカ、イギリスなど
草丈 20〜80cm
開花時期 4〜7月
種まきの時期 9月中旬〜10月

 

ポピーはいつの誕生花?

ポピーは、2月23日(ヒナゲシ)、3月2日(アイスランドポピー)、3月4日(アイスランドポピー)が誕生花です。ポピーの種類によって誕生花が異なってきます。

ポピーの育て方

日当たり・置き場所・寄せ植え

ポピーは春に花を咲かせます。

ポピーを育てるときは、日当たりの良い場所、風通しのいい場所に植えることが大切です。

なお、ポピーには一年草タイプと宿根草タイプがあります。一年草タイプは夏に枯れてしまいますが、宿根草タイプは夏に地上部が枯れても、地下の根は生きて休眠しています。

そのため、宿根草タイプは夏になったら鉢植えなら明るい日陰に移動させ、地植えならほかの草花を使って、日陰を作って株を長持ちさせましょう。

 

ポピーはどれも花色がカラフルで、花のサイズも大きいので、群植すると迫力があります。草丈は30〜80cmで、花壇の中段くらいで活躍。花茎を長く伸ばした頂部に咲き、株元が寂しくなりがちなため、草丈の低い植物を手前に合わせるとより華やかになります。

水やり

鉢植えは、土の表面が乾いたら、鉢底穴から流れ出すまで水を与えます。庭植えは根が張ってしまえば水やりは不要ですが、植えつけ後1か月後は土の表面が乾いたら水を与え、葉がしおれてきたときにも水やりをしましょう。

鉢植え、庭植え共に、水を与えすぎると病気が発生しやすくなるので、土が乾いているのを確認してから水やりをするよう心がけてください。

特に気温が高いときに土が湿りすぎると根から傷んで枯れやすくなります。

幼苗は病気で枯れてしまうこともあるので、水やりは土が乾いてから行うようにしましょう。

庭植えは、植えつけ直後は必要に応じて水を与えますが、根づいてからは雨の水分で十分育つので基本的に水やりは必要ありません。 ただ水分過多が苦手な植物なので雨が続く際は雨が当たらないように工夫することが長持ちさせるコツです。

病害虫

主な害虫に、アブラムシが発生することがあります。

アブラムシは、茎や葉に集団で寄生し、植物の栄養を吸汁して株の生育を阻害します。

ウイルス病を媒介し、すす病を誘発することもあるので、早めに殺虫剤で駆除してください。

日当たりや風通しが悪いと発生しやすいので、花がらを摘んで風通しをよくします。

アブラムシは薬剤に弱いので、オルトラン粒剤などを株元にまいて防除します。

発生した場合は、ガムテープなどで貼りつけて取り除きます。大量に発生した場合は、殺虫剤で早めに駆除しましょう。

病気に関しては、多湿に弱いので、水をやりすぎると根腐れを起こしやすいので気を付けましょう。

また、肥料の与えすぎにも注意。

移植が苦手な植物ですので、苗を植え付けるときは、根鉢を崩さないようにします。

とにかく、多湿に弱く、水をやりすぎると根腐れを起こしやすいので気を付けながら、肥料の与えすぎにも注意し根鉢を崩さないようにすれば比較的育てやすい植物です。

選び方

冬から春にかけて苗が出回ります。苗を選ぶ際は下葉に傷みがなく、葉の色がきれいな色をした苗を選びましょう。

種まき

3〜4月、9〜10月に行います。ポピーはゴボウ根と呼ばれる太い根を出しますが、この根は植えかえなどで根を移植されることが苦手。植える場所、鉢に直接まくか、小さなポリポットにタネまきをしてしっかり根鉢のある苗を作るのがおすすめです。

ただ、ポピーは種まきから育てることもできますが、種子が細かく取り扱いが難しいので、通常は苗から育てることが多いです。品種にもよりますが、市販の苗は10月~4月に出回ryことが多いでしょう。

 

直根性の植物のため移植が苦手ですので、購入した苗を植え付けるときは、根鉢を崩さないようにしましょう。種から育てる場合は、移植に弱いので、通常は直まきにしてください。

品種によって種まき時期が異なります。

アイスランドポピーであれば、9~10月に種まきを行いましょう。

植え付け

植え付け時によく耕して堆肥や腐葉土を混ぜ込み、緩効性化成肥料を施しましょう。

品種によって株間が異なりますので、それぞれに適した株間で植え付けます。

アイスランドポピーであれば20cm、オリエンタルポピーであれば50cmくらいあけるようにしてください。

 

肥料・用土・追肥

基本的に、植えつけの際に肥料を与えてあれば不要です。(苗で売られているものはすでに最低限与えられています。)鉢植えの場合は、芽が伸び出してきたら2週間間を置いて2回、1000倍に薄めた液体肥料を与えます。4月中旬を過ぎて気温が高くなり、最低気温が20℃を超えるようになったら、土に肥料分が残っていないように気をつけてください。鉢植えの場合は、5号鉢(直径15cm)に2株を目安にしましょう。

用土は市販の草花用培養土を使用すると手軽です。

用土を自分で配合する場合は、赤玉土小粒7、腐葉土3などの割合で配合し、緩効性化成肥料を施します。

元肥に緩効性肥料を施しておくと、追肥の必要はありません。葉がつやのない黄色になってしまった場合は薄めた液体肥料を与えましょう。

花・収穫

花が終わって花びらが落ちたら、花茎を根元から切り取りましょう。

ポピーは次から次へと花が咲くので、終わった花は花茎の元から摘み取り、まめに花がらを摘んで株まわりを清潔に保つことで、病害虫発生の抑制につながります。

いつまでも花がらを残しておくと、種をつけようとして株が消耗し、老化が早まって花数が少なくなってしまうので注意が必要。花がらをまめに摘み取ると、次世代を残そうとして次から次に花がつき、長く咲き続けてくれます。

ポピーは、切り花としても楽しめます。切り花として流通しているのは、おもにアイスランドポピーです。シャーレーポピーは花が開いてから3日程度のため、少量が流通している程度です。

夏こし

多年性のポピーは、夏には地上部が枯れ、根だけになって夏越しをします。土が熱くなると根が傷むことがあるので、ポピーが植えられている場所に直射日光が当たらないようにしましょう。鉢植えは、日が当たらない風通しのよい場所に秋まで移動させておきます。庭植えは腐葉土などをかぶせておくのもよいですが、花壇であれば夏に咲く花を植えて、生い茂る葉に日よけになってもらうのもよいでしょう。5月以降に出回る花付きの苗であれば、夏の日よけになってくれるはず。

増やし方(株分け、根伏せなど)

宿根草のタイプのポピーの株分けは、10月〜11月にかけて行うと良いです。株分けを行う際は大株を選びましょう。大株は手で分けるかナイフなどで切り分けてください。

地植えの場合、植えていたところとは別の場所を設けて植え付けます。鉢植えでは、新しい土を鉢に入れて植え付けます。

根伏せは10月〜11月頃に作業します。18cm程度の成長した根を、3cm〜5cmに切断します。

新しい土を入れた鉢などを、横に向けて寝かせていきます。乾燥を防ぐため、根の半分ほどを外に出すようにして、ビニールなどを用いて密閉した状態にします。葉が出てきたら密閉状態から解放させて育てていきましょう。

上手く育てば翌年には開花します。「種まき」でも増やせますが、根伏せでの増やし方が簡単なのでおすすめです。

 

まとめ

ポピーの花言葉は色ごとや花の種類でも分けられ、贈り物としても選ぶことが楽しいお花です。花束やフラワーアレンジメントにポピーを入れた際も、ポピーの茎の様子から立体的で動きのあるデザインを表現することもできます。苗で贈ってもその後も楽しんでもらえ、見るたびに元気を分けてもらった気分になりますね。

明るく前向きな花言葉をもち、お手入れも簡単なポピーをぜひ身近なお花として親しんでいただけたらと思います。

大切なあの人にお花を送ってみませんか?