ヒヤシンスの色別の花言葉は?由来となったギリシャ神話などを紹介

ヒヤシンスは、目を惹かれる美しい花の姿と甘い香りが魅力的な花です。そんなヒヤシンスの花言葉は色別に違う意味があり、「スポーツ」「しとやかなしあわせ」「悲しみを超えた愛」など。ヒヤシンスのこれらの花言葉は、ギリシャ神話に登場する美少年・ヒュアキントスの逸話が由来となっています。

この記事では、ヒヤシンスの色別の花言葉や由来となったギリシャ神話について紹介します。また、ヒヤシンスの基本情報や育て方のポイントなどを知って、贈り物に選んでみたいという方はぜひ最後までご覧ください。

 

ヒヤシンスの色別の花言葉

強く甘い香りがあり、花色の品種も多いヒヤシンス。そんなヒヤシンスの全体の花言葉は「スポーツ」「遊戯(ゲーム)」「悲しみを超えた愛」です。

花色が豊富にあるヒヤシンスは、色別にも花言葉があります。花色によっては花言葉の意味が異なるため、贈る相手や贈る場面などの参考にしてみて下さいね。

白色のヒヤシンス 

白色のヒヤシンスの花言葉は『控えめな愛らしさ』『心静かな愛』です。この花言葉は、花嫁衣裳に用いられる色からつけられたと考えられており、清楚で美しい印象がある白色のヒヤシンスにぴったりですね。

また、英語の花言葉には「loveliness(愛らしい)」「I’ll pray for you(あなたのために祈ります)」という花言葉があり、白色のヒヤシンスはとても優しい雰囲気を演出してくれます。

紫色のヒヤシンス

紫色のヒヤシンスの花言葉は『悲しみを超えた愛』です。この花言葉は、後述するギリシャ神話の物語が由来になっています。紫色は悲しみを象徴する色としても使われる色なので、「悲」という言葉が入っているようです。ほかにも紫のヒヤシンスは「悲しみ」「悲哀」「初恋のひたむきさ」「ごめんなさい」という花言葉があります。

ピンク色のヒヤシンス

ピンク色のヒヤシンスの花言葉は『しとやかなかわいらしさ』『スポーツ』『ゲーム』です。可愛らしいピンク色のヒヤシンスは、豪華な見た目だけでなく、やさしく可憐な印象を感じられます。また、ピンクのヒヤシンスの「スポーツ」という花言葉は、ヒヤシンス全体にも使われている花言葉でもあるようです。英語では「play(遊び)」の花言葉もあり、これもギリシャ神話の物語でヒュアキントスが円盤投げという遊びをしていたことに由来しています。

赤色のヒヤシンス

赤色のヒヤシンスの花言葉は『嫉妬』です。赤色は、情熱や嫉妬を象徴する色とされていますが、赤色のヒヤシンスではギリシャ神話の物語が由来となっており「嫉妬」の意味合いが強いとされています。

赤色のヒヤシンスはその情熱的な見た目がとても魅力的ですが、「嫉妬」という花言葉を強く感じる場合には、贈り物には避けた方が良いでしょう。

青色のヒヤシンス

青色のヒヤシンスの花言葉は『変わらぬ愛』です。青色は、しずけさや安定感、誠実さを感じさせてくれる色。青色のヒヤシンスは、ハッキリとした色合いや優しい色合いなど様々な品種があるのも魅力ですよ。

また、英語でも「constancy(不変、節操)」「sincerity(誠実)」という花言葉があります。青色のヒヤシンスは、贈る相手に「変わらぬ愛」という深い愛情を伝えることができるでしょう。

黄色のヒヤシンス

黄色のヒヤシンスの花言葉は『あなたとなら幸せ』『勝負』です。黄色は、明るさや希望を象徴する色として人気があります。明るいビタミンカラーは春先に咲くヒヤシンスにぴったりの色です。

大切にしたい家族や友人など、いつも頑張っている相手に贈るのも喜ばれるでしょう。黄色のヒヤシンスは、青系やピンク系と比べると流通量が少ないため、早めに購入しておくのがおすすめですよ。

ヒヤシンスの花言葉に怖い意味はある?

ヒヤシンスの全体の花言葉は「スポーツ」「遊戯(ゲーム)」「悲しみを超えた愛」ですが、色別の花言葉には赤いヒヤシンスの「嫉妬」、紫色のヒヤシンスの「悲しみ」「悲哀」などから怖い意味と捉えることもできます。

また、これらのヒヤシンスの花言葉の由来となっているギリシャ神話の物語には、悲しい内容が含まれており、ヒヤシンスの花言葉を怖いと感じてしまう原因になっています。

花言葉の由来となったギリシア神話とは

「スポーツ」「ゲーム」「嫉妬」など、これらのヒヤシンスの花言葉は、ギリシャ神話に登場するヒュアキントスという美少年の逸話が由来となっています。

美少年のヒュアキントスは、西風の神・ゼピュロスと太陽の神・アポロンに愛されていました。ある日、美少年ヒュアキントスと太陽の神アポロンが仲良く遊んでいる姿を見た西風の神ゼピュロスが嫉妬をしてしまい、二人を邪魔しようと突風を吹かせました。なんと、その風が原因で円盤がヒュアキントスの額に当たり、大量の血を流して死んでしまいます。

死んでしまったヒュアキントスから流れた血で草が染まり、そこから1本の紫色のヒヤシンスが咲きました。それがヒヤシンスの始まりという愛や悲しみが深い物語が由来になっています。

ヒヤシンスの基本情報 

それでは、ヒヤシンスの基本情報について見ていきましょう。

科名 ユリ科
属和 ヒアシンス属
英名 Hyacinth、common hyacinth、

garden hyacinth

学名 Hyacinthus orientalis
原産地 地中海沿岸(ギリシャ、シリア、トルコ)
耐寒性 耐寒性あり

ヒヤシンスは、ユリ科ヒアシンス属の球根植物で、チューリップなどと同じ秋に植えつけをします。耐寒性があり丈夫ですが、春に花を咲かせるためには冬の寒さに当てる必要があるので、外や冷蔵庫で球根の管理をしてください。主な原産地は、地中海沿岸のギリシャ、シリア、トルコです。

ヒヤシンスの特徴

ヒヤシンスは、鮮やかな花色と上品で甘い香りが楽しめる春咲きの球根植物です。花は茎の先に小花が集まって花穂状に咲きます。

花色は、白色、ピンク、青紫、赤紫、黄色、とバリエーションも多く香りがあるのも魅力のひとつ。また、ヒヤシンスは寒さにも強く、春の訪れを告げる花としても人気があります。

鉢植えや地植えの場合には、秋に植えて春に花が咲く秋植え球根ですが、水耕栽培にしても簡単に育てられる花としても人気です。水耕栽培のヒヤシンスを玄関先や窓辺などへ飾ると気軽に季節の変化を楽しむことができるでしょう。

ヒヤシンスはいつの誕生花?

ヒヤシンスは、2月7日、4月11日の誕生花です。

4月11日はヒヤシンスが咲くころになるため4月誕生日の人への贈り物としても喜ばれるでしょう。

また、色別にも誕生花があり、1月2日(白)、1月4日(白)、1月26日(白)、1月7日(赤)、1月16日(黄)と冬の時期が多くなっています。

1月〜2月は、球根の販売時期が過ぎて花が咲く前の待機期間になるため、売り場に並ぶことが少ないかもしれません。そのため、ヒヤシンスとほかの花を一緒に寄せ植えされた鉢を贈ると、春先のヒヤシンスがサプライズになるでしょう。

 

ヒヤシンスの種類とは

ヒヤシンスには美しく魅力的な見た目から品種改良が行われており、とても多くの種類があります。代表的な園芸種は、オランダで改良された小花タイプの「ダッチ・ヒヤシンス系」と、フランスで改良された「ローマン・ヒヤシンス系」です。

基本的にはどの種類も耐寒性があり育てやすいですが、水耕栽培に向く種類や花の大きい種類などがあります。球根の状態で販売されるヒヤシンスは、パッケージをよく確認して選ぶと良いでしょう。

オランダ発祥のダッチ・ヒヤシンス

ダッチ・ヒヤシンスは、オランダで品種改良されてきたヒヤシンスです。大ぶりの花が1つの細長い茎にたくさんの花を咲かせる系統で、満開になるとボリュームがでます。

花壇に植えると、春に目を惹く存在になれるだけでなく、切り花として室内に飾って長く楽しむこともできるでしょう。

また、球根が大きめで水耕栽培に利用されることが多く、初心者にもおすすめの系統です。寄せ植えや花壇に植える時にヒヤシンスを主役にすることで、全体がまとまりやすくなりますよ。

フランス発祥のローマン・ヒヤシンス

ローマン・ヒヤシンスは、フランスで品種改良されてきたヒヤシンスです。花の数や全体のボリュームはダッチ・アイリスと比べると少ないですが、1つの球根から数本の茎が立ち上がります。また、香りはダッチ・ヒヤシンスよりも強く感じられるのが魅力のひとつです。豊かな香りが魅力的なローマン・ヒヤシンスは、来客時にテーブルに切り花として飾っても良いかもしれませんね。

ヒヤシンスの育て方

ヒヤシンスは寒さに強く簡単に育てられるため、初めてでも挑戦しやすい植物です。

育てるにあたって、どんなことに気をつけるべきか、育て方別でまとめました。

  • 用土・肥料 
  • 置き場所
  • 水やり
  • 植え付け・植え替え
  • 増やし方

それぞれの育て方を詳しく見ていきましょう。

用土・肥料 

ヒヤシンスは、水はけの良い砂質土壌を好みます。鉢植えの場合には鉢底石を入れるなどして水はけを良くしましょう。また、水耕栽培でも育てることができますが、その場合は専用の器を使用するのがおすすめです。

肥料は植え付けの際に緩効性肥料を与え、花が咲きはじめる頃からの成長期には液体肥料を与えると良いでしょう。毎年花を咲かせるためには、花が終わった後に球根にしっかり栄養を与えることがうまく育てるコツです。

置き場所

ヒヤシンスは日当たりを好むため、なるべく朝日が当たる日当たりの良い場所に植え付けましょう。半日陰でも育ちますが、花が咲かなかったり、発色が悪くなる可能性があります。

水耕栽培の場合には、明るい玄関や窓辺が良いでしょう。蕾に色が入り、咲き始めたら移動させたり、切り花として楽しむこともできます。

花が終わったあとも葉っぱが光合成をして球根を太らせるためにも日当たりの良い場所に置くと良いです。水耕栽培のヒヤシンスの場合、水のままでは球根が太りません。翌年も楽しみたい場合には、咲き終わった球根を土に戻しましょう。

水やり

ヒヤシンスの原産地である地中海沿岸は、夏は雨が少なく乾燥しています。水を与え過ぎると球根が腐る原因になったり、病害虫が発生しやすくなったりするため、ヒヤシンスの水の与えすぎには注意しましょう。

鉢植えの場合、土の表面が乾いたタイミングで与えます。地植えの場合は基本的に水やりは不要ですが、雨が1週間以上降らないなど土が乾燥しているときには、土の様子を見ながら水やりをすると良いです。

 

植え付け・植え替え

ヒヤシンスを土に植え付ける際には、地植えの場合は深さ10cm、鉢植えの場合は深さ5cmを目安に植え付けましょう。15cm程度の間隔を空けるのが理想ですが、色違いの球根をまとめて植えると花束のようなボリューム感ある鉢に仕立てることもできます。

花が終わったら花がらを摘み取りましょう。葉が枯れはじめたら球根を掘り上げて、十分に乾燥させてから保管すると、秋に再度植え付けられます。

葉が枯れる前に掘り上げると球根に栄養が戻らず、翌年の花が咲かない場合があるかもしれません。その場合、もう1年球根を太らせることで、また花を咲かせることができます。

増やし方

ヒヤシンスなどの球根植物の多くは、球根を分けて増やすことが可能です。ヒヤシンスは、葉が肥大したタイプの球根で「鱗茎」に分類されており、親株に子株(新しい球根)がくっつく形で増えます。分球のタイミングは、葉が枯れて球根を掘り上げる5〜6月頃です。

子株がついていない場合には、球根下の部分を清潔ナイフなどで十字に三分の一程度の切り込みを入れる「ノッチング」という作業を行います。切れ込みから出る小さな球根を大きくすることで、球根を増やすことが可能です。

ヒヤシンスを水耕栽培で育てる際のポイント

ヒヤシンスは、水耕栽培で有名な球根植物のひとつです。ヒヤシンスの水耕栽培キットも販売されているため、はじめてでも簡単に育てられます。

水耕栽培のヒヤシンスは、花が徐々に開きはじめる姿や甘い香りを室内でじっくり楽しめますよ。とても簡単な水耕栽培ですが、球根は寒さに当たることで花が咲くため、冷蔵庫で管理しておくなど注意ポイントもあるので注意しましょう。

事前に球根を冷蔵庫で管理する

ヒヤシンスの球根は、事前に冷蔵庫へ入れて寒さに当てる「春化処理」を行うことが、丈夫に育てるポイントです。冷蔵庫に入れなくても花が咲く場合もありますが、しっかりと寒さに当てることで、より花付きが良くなります。

冷蔵庫に入れる期間は1〜2ヵ月程度で、水耕栽培をはじめる時期は10〜12月が適期です。球根が出回りはじめるのは9〜10月頃のため、出回りはじめたら早めに購入しておきましょう。ヒヤシンスは、チューリップと比べるとお店に並ぶ種類や数が限られる場合が多いため、多くの種類の中からお気に入りを見つけたい方は入荷時期を確認することが大切です。

水の量に注意

ヒヤシンスの水耕栽培をする時には、根が出るまでと根が出てきてからの水の量を変えるのが失敗しないためのポイントです。根が生えてこれば根から水分を吸収するため、根が出てきてからも球根のお尻部分がずっと水に浸かっていると球根が腐る原因になります。

ヒヤシンスの水耕栽培は、ハイドロカルチャーや家で余っている瓶なども使用できますが、口が大きいと球根が水に漬かりやすくなるデメリットもあるため、注意が必要です。はじめての場合は、水耕栽培専用のキットを使用すると良いでしょう。

週1で水換えをする

水耕栽培で育てる場合には、水替えをして清潔に保つことも元気に育てるためのコツです。水耕栽培の水替えは週に1回を目安に行いますが、成長期などは水の減り具合が早くなるため、水の量を確認しながら必要に応じて行いましょう。

水を交換する時には、白い根がしっかり伸びているか確認します。また、水替えの時に根を傷つけないように注意することも大切です。水耕栽培のビンや器が汚れているときには、容器をキレイに洗って清潔な状態を保つことで、病害虫の予防にもつながります。

注意すべき病害虫

ヒヤシンスは比較的丈夫な植物ですが、虫がついたり病気にかかったりすると最悪枯れてしまうことがあります。寒い冬を越えてやっと花が咲く時期になったにも関わらず病害虫で枯れてしまうのは防ぎたいですよね。

ここでは、ヒヤシンスに付きやすい害虫や病気をご紹介します。

害虫

ヒヤシンスをはじめとする植物には、アブラムシが付きやすいです。アブラムシは小さな虫で、ヒヤシンスに群がるようについて栄養を吸収してしまいます。そのため、アブラムシを見つけたら、すぐに取り除いてあげましょう。害虫スプレーを散布するか、牛乳や石鹸水でも効果があります。

また、アブラムシは周りの植物にも移ることが多いため、見つけたらヒヤシンス以外の植物も確認しましょう。発生元になっている植物を見つけたら、できる限り取り除いて花壇全体の大量発生を防ぐことが大切です。

ほかにも、ハダニやエカキムシなどが付くこともあります。これらの害虫は湿気のこもった場所につきやすいため、風通しを良くすると発生を防げますよ。

 

病気

ヒヤシンスは、「葉枯病」「緑かび病」などに罹りやすい傾向があります。

葉枯病は、春先に罹りやすい病気で、萌芽した葉の先端が黄色っぽく腐食する症状があります。

緑かび病は、水耕栽培の株に見られる病気で、カビが密集してつく症状が特徴です。

どちらの病気も、症状を見つけたらすぐに取り除き、周りの植物に移らないように注意しましょう。病気の発生を防ぐためには、なるべく新鮮な球根を入手して清潔な土や水を使用することが大切です。

まとめ

ヒヤシンスには、それぞれの花色に個性的な意味が込められていることがわかりました。由来となっているギリシャ神話の物語には悲しい内容もありますが、とても強い愛を感じられる花言葉があるので、ぜひ大切な人へプレゼントとして贈ってあげてください。

甘い香りを楽しむことができるので、自分へのプレゼントとしてもおすすめです。球根から育てることもできるので、ぜひ挑戦してみてくださいね。

 

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