ルピナスの色別の花言葉|育て方も詳しく解説
小さな花を垂直に花穂につけ、まるで藤の花を逆さにしたように咲くルピナス。
比較的育てやすく、複数株で一緒に育てるととても華やかな見た目になることから春の花壇のガーデニングでも人気のお花です。
色も豊富にあり、花の大きさや背の高さも品種によってさまざまです。
別名「ノボリフジ」とも呼ばれるルピナスは歴史も古く、観賞用から肥料、薬草にと幅広い用途で育てられてきました。
この記事では、ルピナスの基本情報や名前の由来、色別の花言葉、人気の種類など、具体的にご紹介します。
ルピナスの色別の花言葉
ルピナス全体の花言葉には、「あなたは私の安らぎ」「貪欲」「いつも幸せ」などがあります。
また、「想像力」「空想」という花言葉もあり、ルピナスはその昔、想像力を高め人間の心を明るくする薬草としても利用されていました。
「あなたは私の安らぎ」という花言葉も薬草としての効果からつけられたとされています。
ルピナスは花色が豊富な花で、各色にもさまざまな花言葉がつけられています。
濃いピンク色のルピナスの花言葉
ローズ色のような濃いピンク色のルピナスの花言葉は「珍奇」です。
ルピナスは、元々は青・白の色が基本色であり、赤系の色はさほど多くはありませんでした。
ましてやピンク色となるとさらに珍しかったため、その希少性がそのまま「珍奇」という花言葉として名づけられたとされています。
由来を聞くと納得ですが、少し意外な印象も受ける花言葉であるため、ギフトとして贈る際は注意したほうが良いかもしれません。
黄色のルピナスの花言葉
黄色のルピナスの花言葉は「多くの仲間」です。
これはルピナスの花の形状に由来し、藤の花のように小さな花をたくさんつけ、まとまって咲かせることからついた花言葉です。
明るい黄色いルピナスが春に咲いていると青や白、ピンクなど、ほかのカラーに比べてより一層可憐で可愛らしい印象があります。
たくさんの花が集まっている様子は、たくさんの仲間たちが1つの生を共有している姿のようで、見ている人の気持ちをあたたかくさせてくれるでしょう。
白色のルピナスの花言葉
白色のルピナスの花言葉は「つねに幸福」です。
ルピナスは薬草・肥料として使用されることがあり、食用にもされてきました。
現代でも地中海地方では白いルピナスの種(ホワイトルーピン:食用に育てられている種)がビールなどのおつまみとして食べられています。
また、ルピナス全体の花言葉「空想」があるように、ヨーロッパでは食べると想像力を高め、心を明るくしてくれる薬草としても食べられていたといわれています。
「お酒のお供」「食べると明るい気持ちになれる」といったところから「つねに幸福」の花言葉がついたことが想像できるでしょう。
青色のルピナスの花言葉
青色のルピナスの花言葉は「母性愛」です。
ルピナスは肥料・牧草などの農作物や家畜の餌としても長い間利用されてきており、人間にとっても食用として大いに役立てられてきました。
そんな栄養や滋養を与えるものというイメージから母性が連想されたとされています。
また、薬草としての利用などで人間の心を支え癒す力からも、大いなる大地の母・包み込んでくれる母性などが連想され、「母性愛」という花言葉がつきました。
ルピナスの花言葉に怖い意味はある?
怖いとまではいきませんが、ルピナスの花言葉のなかには「貪欲」という花言葉があります。
これは吸肥力が高く、荒れた大地でも栄養を確保し、どんどん成長して生きていくことができるルピナスの特性に由来しているとされます。
ルピナスはとても強い花で荒れた大地でも育つため、観賞用としてはもちろんのこと、食用や肥料、家畜の餌、薬草などとして人間の生活を支えてきました。
しかし、その逞しさゆえについた花言葉を、ギフトとして添えると相手を少しびっくりさせてしまうかもしれません。
ルピナスの基本情報
科・属 | マメ科・ハウチワマメ属(ルピナス属) |
和名 | ハウチワマメ(葉団扇豆) |
英名 | Lupin |
学名 | Lupinus |
そのほかの名前 | ノボリフジ(昇藤) |
原産地 | アメリカ、アフリカ、地中海沿岸部 |
寒冷地では多年草、温暖な地域では1年草や2年草となり、品種によっては草丈は150㎝程度まで成長する植物です。
寒さには比較的強く、開花時期は4~6月、ワンシーズンで2~3回花を咲かせる品種が多くあります。
ルピナスの名前の由来
諸説ありますが、英名の「Lupin」はラテン語の狼「Lupin」に由来しているといわれています。
ルピナスの荒れた大地でも育つ逞しさ、栄養の吸肥率の高さが狼の食欲の貪欲さと結びつけられたのではないかと考えられています。
「狼=貪欲」のイメージは、主にヨーロッパで古代から持たれていたイメージです。
一方、日本でよく呼ばれる「ノボリフジ(昇藤)」は、ルピナスの花の形状が日本で親しまれてきた藤の花に似ており、うえに向かって咲いている藤の花のように見えたからだといわれています。
ルピナスの特徴
ルピナスは、垂直の花穂に蝶のような小さな花をたくさんつけ、藤の花を逆さにしたように花を咲かせます。
日本へは明治時代にわたってきたといわれています。
とても強い花であるため、観賞用としての栽培から薬用、食用、肥料など、幅広い用途で栽培されている植物です。
人類との歴史も古く、6000年~3000年前には人の手による栽培がはじまっていたといわれています。
原産地である南北アメリカやヨーロッパでの栽培が盛んでしたが、現在では世界中で見られる花です。
なお、ルピナスが食べられるのは地中海沿岸などで食用に育てられている種のみであり、日本で流通している園芸用のルピナスには毒性があるため、食べないように注意してください。
ルピナスはいつの誕生花?
ルピナスは、「1月29日」「3月10日」「3月17日」「5月31日」「11月2日」「11月4日」などの誕生花です。
誕生花は元々、ギリシャ・ローマで花や植物に神秘的な力や人に霊感を授ける力が宿ると考えられていたことからはじまり、その誕生日に生まれた人の存在や人格、パーソナリティを表している花や植物を当てはめたものです。
ルピナスを誕生花に持つ人は、ルピナスの花のように可愛らしく、そして隠れた強さや母性的な性質を持っている人が多いのかもしれません。
ルピナスの人気種類
ルピナスの品種は豊富で、一般的に最もよく出回っているラッセルルピナスから背が低く春の寄せ植えに人気のピクシーデライト、キバナルピナス、ホワイトルピナス、ルピナス・ペレニスなどがあります。
品種により色も異なり、サイズ感はさまざまです。
ここでは、人気のある代表的な種類の特徴などを7つご紹介します。
ラッセルルピナス
ラッセルルピナスは、ルピナスのなかで最もポピュラーな種類です。
一般的に日本で「ルピナス」といえばこのラッセルルピナスのことを指すことが多く、「宿根(しゅっこん)ルピナス」、または「ルピナス・ポリフィルス」とも呼ばれます。
しかし、高温多湿には弱いため、温暖地では根は定着せず1年草です。
青や白、ピンク、赤、複色など、さまざまな花の色があり、草丈は100㎝ほど、花穂は大きく豪華で50cm~70cmにまで成長します
ルピナス・ぺレニス
ルピナス・ペレニスはルピナスの園芸種の1種であり、冬季には地上部を枯らすものの、環境が整えば再度発芽して生育や開花する宿根草です。
年々花数が多くなっていき、花の色は青や紫に白が混ざっているのが特徴です。
開花時期は5~7月の夏で、草丈は80㎝~100㎝ほどになります。
ほかのルピナスと同様に、夏の暑さと湿気に弱い傾向があるので、水のあげすぎには注意しましょう。
白花ルピナス
白花ルピナスはホワイト・ルーピンやルピナス・アルバスとも呼ばれる種類で、白い色の花を咲かせるのが特徴です。
名前の「アルバス」はラテン語で「白」「白い」という意味です。
現在でもヨーロッパで食用として栽培されており、花のあとのもっちりとした豆がビールなどお酒のつまみとして食べられています。
1年草で草丈は30cm~120cmになり、ワンシーズンの間に数回花を咲かせます。
テキサスルピナス
テキサスルピナスはテキサス・ブルーボネットやテキサス・ルーピンと呼ばれている種類です。
その名の通り、アメリカ合衆国のテキサス州周辺に自生しています。
草丈は30~50cmと比較的小ぶりで、たくさんの花を花穂につけるほかの品種に比べて、花数も控えめな可憐で可愛らしいルピナスです。
開花時期は3~5月の1年草で花の色は青が多いですが、桃色や白色の花を咲かせる種類もあります。
キバナルピナス
キバナルピナスはルピナスのなかでも黄色の花をつける園芸種であり、ヨーロピアン・イエロー・ルーピンやアニュアル・イエロー・ルーピンとも呼ばれます
地中海沿岸の南ヨーロッパ原産で草丈は30~80㎝ほどの1年草であり、茎や葉全体が白いうっすらとした毛で覆われているのが特徴です。
黄色い美しい花は観賞用として利用されるほか、緑肥としても栽培や利用されています。
ルピナス・ピクシーデライト
ルピナス・ピクシーデライトは草丈30~40cmと、ルピナスの仲間のなかでも背が低い矮性種です。
白や淡い薄ピンク、青などの花を花穂の下から順番に咲かせていきます。
丈が低いため、比較的扱いやすく、花壇でほかの花と一緒に寄せ植えにしたり、切り花にしたりしても楽しめます。
開花時期は3~6月、色合いが優しめで淡い香りがするのも特徴の1つです。
ルピナス・テキセンシス
ルピナス・テキセンシスはアメリカ合衆国・テキサス州あたりに自生している種類であり、上述したテキサス・ブルーボネットはこのルピナス・テキセンシスの1種です。
ルピナス・テキセンシスのなかで青色の花を咲かせるものはブルーボネット、赤系の花を咲かせるものでテキサス・マローンと呼ばれる場合もあります。
ルピナス・テキセンシスは全体的に草丈30~50cmと矮性種で、小ぶりなことが特徴です。
ルピナスの育て方
ルピナスは基本的に寒さに強いですが、夏の暑さは苦手です。
そのため、涼しい場所を確保し、水やりは土が乾いたらを目安にやや乾燥気味に育てましょう。
また、移植を嫌うため、種から直撒きで育てることもおすすめです。
花が終わったらふっくらとした種ができ、収穫することができます。
下記では、具体的なポイントに触れながら解説します。
用土・肥料
ルピナスは連作を嫌う性質があるため、前年に同じマメ科の植物を植えていた土地などは避けましょう。
また、酸性の土壌も避け、水はけや水もち、通気性の良い土が適しています。
園芸店などで購入できる市販の草花用培養土などを利用しても育てられますが、その場合は軽石などを混ぜて水はけを良くします。
地植えの場合は、苦土石灰や腐葉土、堆肥などを撒き、ふかふかとした有機質の土壌づくりをします。
置き場所
ルピナスは基本的には日光を好むため、日の当たって風通しの良い場所で育ちます。
寒さには強いですが暑さには弱く、気温が25度以上になると成長を止めてしまう可能性があります。
特に日本の夏の蒸し暑さなどが非常に苦手であり、その場合は半日陰で風通しの良い場所など、涼しい場所で育てましょう。
また、冬に-5度以下になっても凍ってしまう可能性があるため、その場合は暖かい屋内へ移動させます。
水やり
ルピナスは水はけの良い環境を好み、湿気を嫌います。
株が蒸れてしまうのを防ぐため、水やりをするときは水が茎や葉、花などにかからないように注意しましょう。
鉢植えの場合は基本の目安は毎日ですが、土の表面が乾いているかを確認し、乾いていた場合にあげるようにします。
その場合は鉢の下から水が流れるまで水やりをします。
地植えの場合は、酷く乾燥している場合を除いては水やりをせず、自然の雨や根からの吸水に任せます。
植え付け・植え替え
鉢植えの場合、苗よりも2回りほど大きい鉢を用意します。
植え付けに適しているのは10月~11月、または3月頃がベストです。
鉢植えや地植え、植え替えの場合に共通していえますが、ルピナスの株は移植を嫌うため、買ってきた苗や元の苗の根鉢を崩さないように慎重に優しく植え付けを行います。
種からの場合は15~20度の気温で、9月終わりから10月頃に植えると良いでしょう。
剪定
ルピナスは上手にお世話をしてあげることができれば、ワンシーズンで2回、品種によっては数回花を咲かせてくれます。
1度目の花が咲き終わったら思い切って花茎から切り落とします。
そうすると側芽が伸びてきて、2回目の美しい花を咲かせてくれるでしょう。
花が咲き終わっても茎をそのままにしておいても2回目の花は咲かないため、思い切って切ることが大切です。
剪定せずに残しておいた花はやがて種をつけるので、種の収穫を目的にする場合はそのままにしておきます。
夏の管理方法
暑さには弱いため、夏になったら半日陰で風通しの良い涼しい場所で管理します。
その際、温暖な地域は特に注意しなければなりません。
庭植えの場合は西日の当たる場所は避けます。
また、多湿を嫌うため、夏の蒸れや水のやりすぎには注意してください。
植物の特性的に日本の温暖地域の蒸し暑い夏では越夏自体が難しい場合も少なくありません。
ルピナスは夏を越せないこともあることを念頭に園芸計画を立てるようにしましょう。
冬の管理方法
ルピナスは元々涼しい気候で育つ植物のため、暑さとは反対に寒さに強い花ですが、気温が-5度を下回って土が凍結してしまうと生育を止めてしまいます。
また、霜には弱いため、冬季は凍結を防ぐことを念頭に管理をしましょう。
耐寒温度は-5度~0度ですが、目安としては5度を下回ったら冬は室内に入れます。
しかし、暖房にも弱いため、暖房が効いておらず、10度以下の室内で管理することが理想です。
冬季の水やりは控えめにし、乾燥気味に育てると良いでしょう。
増やし方
ルピナスは基本的に種で増やすことができます。
花が咲き終わると種ができますが、マメ科の植物は種の殻が硬いため、一晩水につけて柔らかくしておきます。
園芸初心者であっても比較的容易に育てることが可能です。
上述した通り、ルピナスは移植を嫌うため、最初からポットに撒き、9月頃に植えると良いでしょう。
発芽温度は15度~20度であり、光が当たると芽が出ないため、植えた種にはしっかりと土を被せるようにします。
注意すべき病害虫
ルピナスは、基本的に病害虫の心配のない花です。
考えられる病気は、水のやりすぎで起こる「立ち枯れ病」や「うどんこ病」などであり、発生しうる害虫は「アブラムシ」「ハダニ」などです。
4月~10月の生育期、特に5~8月はルピナスの苦手となる高温多湿の時期には、病気や害虫などが発生しやすいため、注意しましょう。
下記では、害虫と病気に関して具体的に解説します。
害虫
あまり害虫の心配のない花ですが、発生しうる害虫としてアブラムシが挙げられます。
緑色や黒色の小さな虫が群がっているのを発見したらピンセットなどで除去します。
暗くジメジメとした場所に発生する傾向にあるため、日当たりや風通しの良い環境に置くようにして予防します。
そのほかにも、ハダニの発生も考えられます。
葉の裏に発生し、白い斑点や症状が進むとカスリ状が広がります。
ハダニは水が苦手なので、葉の裏に霧吹きなどで水を吹きかけると死滅します。
また、市販の殺虫剤でも駆除が可能です。
病気
水のやりすぎで起こる立ち枯れ病は、茎の土近くの部分がくびれたようになり、そのまま株全体が倒れて枯れ死してしまいます。
土壌から伝染するので、新しく清潔な土を使うようにします。
もう1つ考えられるのがうどんこ病という病気であり、芽や茎などに白い粉をまぶしたようなカビが発生します。
風通しを良くして蒸れを防ぐなどの予防をし、発生した場合は市販の薬剤で除去・治療します。
そのほかにも、病気ではありませんが、ルピナスの多湿を避けるあまり乾燥が続いてしまうと、今度は葉が黒くしわしわとなり、悪化すると落葉してしまうので注意しましょう。
まとめ
藤の花のように美しく、そして強い花であるルピナスについて解説しました。
栽培や生育が比較的容易なため、園芸初心者の方にもおすすめであり、春に咲くほかの花との寄せ植えにも相性ぴったりです。
ぜひこの記事を参考に、春のガーデニングに挑戦してみましょう。