ジニア(百日草)の花言葉とは?色別の花言葉や代表的な種類などを解説

花の色や咲き方のバリエーションが豊富なジニア(百日草)は、視覚的に楽しませてくれる花です。

また、株の種類によって草丈が違うため、複数を庭に植えても単調にならず、そうした特色は鉢の寄せ植えにも適しています。

多種多様な楽しみ方があるうえに比較的育てやすい花であるため、高い人気を誇っています。

この記事では、ジニアの基本情報や色別の花言葉、代表的な種類などをご紹介するので、自身の好みに合ったジニアを探してみてはいかがでしょうか。

 

ジニアの色別の花言葉

ジニアの花言葉は色によって異なります。

ジニアは、長く咲き続けるという特性から、「いつまでも変わらぬ心」「遠方の友を思う」など、ジニア全般を意味する花言葉も存在します。

それらが色別に細分化されたのは、視覚情報によって揺れ動く感情や心の機微をより正確に表現したかったからかもしれません。

 

赤色のジニア

赤いジニアの花言葉は「幸福」「絆」です。

その由来は情熱の国とも称される南米ブラジルにあり、カーニバルの際に魔除けの花としてや、幸福を招く花として飾られています。

カーニバルは単なるお祭りではなく、家族や友人、近隣住民との絆を深め、1年を通した無病息災を願う大切な行事です。

同時に古くからのしきたりも踏襲しており、そういった点はジニア全般の花言葉である「いつまでも変わらぬ心」「遠方の友を思う」などを指す花言葉にも反映されています。

 

ピンク色のジニア

ピンク色のジニアには、その可愛らしい色味からは少し想像しづらい花言葉がつけられています。

「あなたの不在を悲しむ」「別れた友への思い」「不在の友を思う」など、いずれも故人に思いを馳せた花言葉です。

ジニアという名前は、植物学者であるヨハン・ゴットフリート・ジン氏への献名としてつけられました。

そこには彼への敬意と早逝を惜しむ気持ちが込められています。

一方で、先に枯れゆく草花を見送る立場となるジニアに思いを巡らせた花言葉でもあります。

 

白色のジニア

白という色から連想される言葉として、純粋や純潔、無垢などが挙げられます。

白色のジニアにもそのイメージに合った花言葉が与えられており、ジニア全般の花言葉の「いつまでも変わらぬ心」は、永遠を誓うウエディングシーンにおいて最適です。

また、「不在の友を思う」というピンク色のジニアの花言葉も、白色のジニアでは少し意味を変えて用いられており、その美しさを今ここにいない大切な友と分かち合いたいとの願いが込められています。

 

紫色のジニア

紫色のジニアには「追憶」という固有の花言葉があります。

過去に思いを馳せる言葉ではあるものの、ほかの花言葉と違い、その対象が個人ではなく自身も含めた思い出全体を指しているという点です。

また、紫は日本に限らずさまざまな文化圏で高貴な色とされており、些末なことに囚われない高貴な人物の振る舞いに倣って「大胆」という花言葉も持っています。

 

オレンジ色のジニア

オレンジ色のジニアの花言葉は「古き良き時代」です。

古い写真では色褪せた状態を感覚的にセピア色と表現しますが、実際は橙色に限りなく近い色味であり、オレンジ色のジニアの花言葉はそこに由来しています。

科学の発展や文化的成長を鑑みたとき、「昔は良かった」と思える事柄はそう多くないかもしれません。

しかし、良否ひっくるめて懐かしむのが思い出の醍醐味でもあるといえるのではないでしょうか。

 

ジニアの花言葉の由来

ジニアの花言葉は、過去や思い出をイメージさせるものが多くあります。

また、長く咲き続ける性質にちなんで、「いつまでも変わらぬ心」と表現する場合もあります。

「長く会えない」や「二度と会えない人への思いを募らせる」、「どれほどの時間が過ぎ去ろうとも気持ちは変わらない」など、そんな意味が込められた数々の花言葉には共通して時間の経過が背景にあります。

そのため、それに伴う心情がジニアの花言葉の由来となっているといえるでしょう。

 

ジニアの花言葉に怖い意味はある?

ジニアの花言葉には、「注意を怠るな」というほかの花言葉とは少しテイストの異なる言葉があります。

一瞬ドキッとするような表現ですが、縁起の悪さや怖い意味が込められているわけではありません。

この花言葉もジニアが長い期間咲き続けることに由来しており、時間の経過とともに注意力が薄れることを危惧する気持ちが反映されています。

そのほかにも、ジニア自身が長く咲くために「気を抜くな」と自分に対して注意喚起しているように見えるからという説もあります。

 

ジニアの基本情報

科・属 キク科・ヒャクニチソウ属
学名 Zinnia
英名・英語名 zinnia・Youth and old age
和名 百日草(ひゃくにちそう)
原産地 メキシコを中心とした南北アメリカ
形態 一年草

 

ジニアの名前の由来

学名である「Zinnia(ジニア)」は上述した通り、ドイツの植物学者であるヨハン・ゴットフリート・ジン氏への献名としてつけられたとされています。

そこには、早逝したジン氏の若き才能を惜しむ気持ちが込められています。

和名の「百日草(ひゃくにちそう)」はその名の通り、100日以上咲き続ける花を意味します。

また、「英名のYouth and old age(若さと老年)」も長い期間咲き続けた花と新たに咲きはじめた花が同じ株に同居することに由来しています。

 

ジニアの特徴

園芸用の草花の多くは、「より美しく」「より丈夫に」などを目的として品種改良が行われています。

ジニアも地道な改良の積み重ねによって種類を増やしてきました。

その過程でさまざまな変化を遂げながらも、「長期間咲き続ける」というジニア最大の特徴は失われることなく引き継がれています。

5月〜11月までの約半年間にわたって絶えずに楽しませてくれる花です。

また、耐暑性の高い植物であるため夏の暑さを苦ともせず、秋頃の気温が下がりはじめると花の色はより一層鮮やかになります。

 

ジニアはいつの誕生花?

ジニアの誕生花として、「5月4日」「7月4日」「7月17日」「7月26日」「8月4日」「8月6日」「10月3日」「12月22日」などが挙げられます。

「長く咲き続ける」というジニア最大の特徴を反映するかのように、誕生花が該当する期間は半年以上にわたります。

また、暑さに強いことから夏場を代表する誕生花としても有名です。

 

ジニアの代表的な種類

ジニアは豊富な花の色があることはもちろん、草丈や花の付き方まで多様な園芸品種が揃っています。

シンプルな一重咲きのものや球状にも見えるほど花びらを重ねた八重咲きなど、さまざまです。

ここでは、代表的な品種を5つ紹介しますので、「庭に植える」や「鉢に寄せ植えする」、「切り花として室内に飾る」など、さまざまなシチュエーションで想像してみると良いでしょう。

 

ジニア・エレガンス

古くから百日草として親しまれている品種であり、「ジニア」「百日草」の名称で流通しているもっともポピュラーな品種です。

長く愛されながらも改良を施したため、花の形は一重大輪のものや小輪の球状咲き、花びらがよじれるカクタス咲きなど、さまざまな種類があります。

花の色も懐かしさを覚えるアンティークカラーや、一片の花びらに複数の色が混ざり合う複色咲き、一風変わった絞り咲きなど、幅広くあります。

生育環境にもよりますが、その多くは茎が長いため、切り花にも適している品種です。

 

ジニア・リネアリス

ジニア・リネアリスは枝分かれしつつ、四方八方へ伸びていくのが特徴な品種です。

草丈が低く、3~5㎝大の小さな花を数多くつけるため、切り花よりも花壇やプランター栽培に適しています。

花付きが非常に良く、夏から秋にかけて途切れることなく次から次へと開花します。

ただし、草丈が低く地面に近いという特性上、梅雨の時期や夏場に雨に濡れて蒸れてしまうとカビが発生しやすいので注意が必要です。

 

ジニア・ドリームランド

ジニア・ドリームランド最大の魅力は、花径が約9㎝にもなる巨大輪です。

草丈は20~30cmと低めではあるものの、花びらが幾重にも重なってボリューム満点なため、一輪挿しとして存在感を楽しむこともできます。

エレガンス種をもとに花下の茎が伸びすぎないよう改良された矮性(わいせい)種であり、F1ドリームランド系と呼ばれています。

花色はビビットなものが多く、一際目を惹く鮮やかなライトグリーンやレモンイエローなどの蛍光色が人気です。

 

ジニア・ハーゲアナ

ジニア・ハーゲアナは、花びらの中央と先端で色が異なるツートンカラーの品種です。

二色がグラデーション状に混ざり合っているものもあれば、花びらを縁取るように色が分かれているものがあります。

中央が濃い赤色で周囲が黄色の八重咲きがもっとも一般的です。

茎が細く、花径も大きすぎないため、ほかの草花と合わせてアレンジメントとして多く使われています。

ジニア・ハーゲアナ単体でも十分に華やかな色合いなので、花壇や鉢植えにも適している品種です。

 

ジニア・プロフュージョン

ジニア・プロフュージョンは、豊富な花色と原種に近い素朴さを併せ持つジニア・エレガントと、うどんこ病や斑点病に強く矮性品種であるジニア・リネアリスの交配で生まれた品種です。

それぞれの良い部分を受け継いだ品種であるため、比較的育てやすいという特徴があります。

花径は6㎝ほどで花付きが良く、きれいな半球状に茂ります。

さらに、ジニア・プロフュージョンにはセルフクリーニングという特性が備わっており、リネアリスほど低草ではないため、雨による蒸れを気にせず育てることが可能です。

 

ジニアの育て方

ジニアには多種多様な品種がありますが、いずれも暑さに強く、長期間花を咲かせ続けます。

数ある園芸用草花のなかでも手入れが簡単な部類なので、初心者向けの花といえるでしょう。

ここでは、基本的な育て方を解説するので、育てる際の参考にしてみてください。

 

用土・肥料

地植えの場合は、種まきや苗を植える1~2週間前に堆肥や腐葉土などの有機質肥料と緩効性化成肥料を投入し、空気を含ませながら十分に耕します。

ふかふかになるまで耕すことで有機物が分解され、土の熟成が進みます。

鉢植えの場合は、地植え用に作った土をそのまま流用できます。

鉢植えのみで栽培する場合は、園芸店やホームセンターなどで販売されている園芸用培養土を利用することで、手間とコストを軽減することが可能です。

開花後は10日に1度を目安に液体肥料を与えるようにしましょう。

 

置き場所

多種多様な品種があるジニアですが、いずれも共通して日当たりと風通しの良い場所を好みます。

日当たりが悪いと茎ばかりが伸びてしまい、草姿が間延びした印象になってしまうだけでなく、花付きも悪くなるので注意しましょう。

地植えの場合は、水はけと水持ちともに良い土壌を好むため、植え付け前の土づくりが重要です。

鉢植えの場合は、日当たりの良い軒下などでの栽培をおすすめします。

また、地植えほど水がはけないため、梅雨の時期は雨が当たりにくい場所に避難させるようにしてください。

 

水やり

水やりの際は、花や葉のうえから全体的にかけるのではなく、根本の地面を狙って与えてください。

真夏は気温の高い日中に水やりすると、すぐにぬるくなって株を弱らせてしまう可能性があるので、早朝か日暮れ後の涼しい時間帯に行うようにしましょう。

鉢植えの場合、表面の土が乾いたら水を必要としているサインであり、鉢底から水が流れ出すまで十分に与えます。

一方、地植えは基本的に水やりは基本的に不要ですが、夏場などで何日も雨が降らないときは、様子を見ながら補ってあげましょう。

 

植え付け・植え替え

植え付けは、苗を購入する場合はその直後が最適です。

種をまいて苗から育てる場合は、本葉が5~6枚になったころに地植えや鉢に植え替えましょう。

一から種をまいて発芽を待つ期間も植物を育てる醍醐味ではありますが、初心者の場合はすぐに植え付けられる苗の購入をおすすめします。

ジニアは種子が実ると枯れていく一年草なので、翌年にその種を使って発芽に挑戦してみても良いかもしれません。

 

剪定

枝ぶりや全体の草姿を整えるだけでなく、より長い期間美しく咲かせるためには適度な剪定が必要です。

しかし、それほど神経質にならなくてもジニアは立派に成長してくれるので安心してください。

剪定の仕方を一言でいうなら「余計な部分を取り除く」です。

具体的にはヒョロっと伸びた脇芽を切ったり、混み合っている箇所に隙間を作ったりします。

清潔で切れ味の良いハサミを使い、できれば良く晴れた日に行いましょう。

 

夏の管理方法

ジニアは耐暑性に優れており、夏場こそ本領を発揮する花として知られています。

しかし、いくら暑さに強いといっても乾燥には強くないため、乾燥しすぎていると葉枯れを起こしてしまいます。

そのため、夏の乾燥期には1日1回の水やりが必要であり、高温になる日中を避け、早朝もしくは日没後に行ってください。

また、乾燥防止と水はねからの病菌侵入防止を兼ねて、根元にワラを敷いたり、マルチシートで覆ったりするとより効果的です。

 

冬の管理方法

暑さに強い反面、寒さには極めて弱いジニアは、霜や雪に当たると枯れてしまうため、越冬はできません。

原産地であるメキシコでは茎が木質化して低木のような性質を持ち、冬を越せる品種もありますが、日本の環境下ではそれも難しいといえます。

 

増やし方

ジニアは基本的に種をまいて数を増やします。

種を採取する際は、花付きが良かった株を選んで枯れるまで放置し、種子が完全に熟してから収穫しましょう。

ただし、購入した際の種袋に「交配種」「F1」「○○交配」などと記載されていた場合は、今年咲いたものと同じ花が翌年も咲くとは限りません。

また、ジニアは挿し芽という手法でも増やすことができます。

春や秋に先端から6㎝ほどで茎を切り、育苗ポットに挿します。

十分に発根するまで半日陰で管理し、発根して本葉が数枚育ったら鉢に植え替えてください。

 

注意すべき病害虫

比較的丈夫で育てやすいジニアですが弱点もあります。

ここでは、ジニアにとって特に気をつけたい病気と害虫をご紹介します。

予防法と対処法も詳しく解説しますので、ぜひ参考にしてください。

 

害虫

ジニアを育てるうえで、特に注意したいのが「アブラムシ」と「ハダニ」です。

アブラムシやハダニは、植物中のアミノ酸を吸って生育を妨害します。

アブラムシは比較的見つけやすいものの、ハダニは葉の裏側に発生しやすいため注意しましょう。

どちらも手袋をつけて駆除するか、薬剤を散布して駆除するのが一般的であり、予防法としては、窒素肥料を控えめにするのが効果的です。

 

また、株全体を食べてしまう「ヨトウムシ」にも用心してください。

分かりやすく茎葉をかじるので、ボロボロの葉などがあったらヨトウムシが潜んでいる可能性があります。

4月と9月の初旬に発生しやすいため、その少し前から葉裏を確認し、卵を見つけたら葉ごと処分してください。

 

病気

ジニア最大の敵といっても過言ではない病気が「うどんこ病」です。

梅雨時などの高温多湿な時期に発生しやすく、感染すると茎・葉・つぼみや花など、あらゆる箇所が白い粉状の菌糸に覆われます。

発見したら即座に取り除き、市販されている殺菌剤を使用しましょう。

 

また、「斑点細菌病」も地植えのジニアにとっては厄介な病気です。

この病気は雨や水やりなどの際に、地中の細菌が葉につくことで発生することが多く、葉や花びらに黄色や褐色の斑点が現れ、やがてその部分が破れます。

感染部分を取り除いたら、鉢植えであれば軒下などの雨の当たらない場所に移動しましょう。

地植えの場合は移動できないため、根元をワラやマルチシート、新しい腐葉土などで覆ってください。

どちらの病気も湿気や蒸れによって発生しやすくなるため、枯れた葉や咲き終えた花をまめに摘んで風通しを良くすることが一番の予防策です。

 

まとめ

ジニアは、日本のみならず多くの文化圏で古くから親しまれ、愛されている花です。

季節をまたいで長く咲き続ける姿は、目にした人々にさまざまな思いを抱かせるでしょう。

その奥深さを楽しむだけでなく、比較的手入れが簡単で栽培しやすいという点もジニアの魅力です。

地植えや鉢植え、切り花など、用途に合わせて多種多様な品種から選べるので、ぜひこの機会にお好みのジニアを見つけてください。

大切なあの人にお花を送ってみませんか?