アザミの花言葉とは?由来や品種、育て方などを解説
アザミはユニークな花姿が独特の存在感をかもしだす花です。日本でも多くの種類が生息しており、私たちの生活にもなじみが深いのですが、葉に棘があるので取扱いには注意が必要です。そのことから花言葉も少し厳しいものになっているので、プレゼントする際には誤解を与えないように工夫しましょう。
この記事では、アザミを贈るときに役立つ花言葉や誕生花、さらにガーデニングで楽しみたい方に向けた育て方などを解説します。
アザミの花言葉
アザミの花言葉やその由来・英語版の花言葉について解説します。アザミの花言葉には怖い印象があるかもしれませんが、プレゼントに向いている意味合いも存在するので、贈り方を工夫すれば問題ありません。
アザミ全般の花言葉
アザミ全般の花言葉は「厳格」「高潔」「独立」「報復」「安心」などがあります。一方で、「触れないで」や「人間嫌い」などがあり、プレゼントには適さない意味合いなので、贈る際には注意しましょう。また、「安心」「守護」「満足」「善行」「恩恵」など、ポジティブなイメージの花言葉もあります。
花言葉の由来
「厳格」や「高潔」は、アザミの花の凛とした姿や動物を寄せ付けないような独特の存在感のイメージに由来しています。ギリシャ神話では、女神アフロディーテが厳格で高潔な性格の羊飼いに恋をした伝説に由来しているとも言われています。
「独立」「報復」「安心」等の花言葉は、ノルウェー軍がスコットランドの城を攻めた際に、アザミの葉の棘が侵入を阻止した伝説に由来しているそうです。このエピソードから、アザミはスコットランドの国花にも指定されています。
「触れないで」や「人間嫌い」等の花言葉は、アザミの葉の棘のイメージから付けられたようです。
英語版の花言葉
アザミの英語版の花言葉は、「独立」「人格の高潔さ」「厳格」「人間嫌い」など、日本語版の花言葉と似た意味合いになっています。そのため、プレゼントに適していないわけではないのですが、人によっては気にする方もおられるため、贈る際には「人格の高潔さ」や「厳格」など、ポジティブな花言葉を書いたメッセージカードを添えましょう。
アザミの色ごとの花言葉
紫色のイメージが強いアザミですが、赤や白など他の色も存在します。それぞれの色で花言葉が異なるため、伝えたい思いや自分が好きな意味合いに近い色を選ぶのもおすすめです。アザミは控えめでシンプルな印象の花なので、いくつかの色を組み合わせると華やかさが増すでしょう。
赤いアザミの花言葉
情熱的な赤いアザミの花言葉は「権威」「報復」「復讐」です。赤い色が強い熱意と力強さを感じさせることからこのような花言葉になったと言われています。一見怖いイメージの花言葉ですが、決断力と自信に満ち溢れている権威性のある方に贈るにはおすすめです。
白いアザミの花言葉
ふわふわとした雪のような白いアザミの花言葉は「自立心」や「ひとり立ち」となっており、新しい環境に飛び込む人や自分の力で頑張ろうと励んでいる人におすすめです。卒業祝いや就職祝い、引っ越し祝いなどにいかがでしょうか。また、自分を鼓舞するために、自宅や職場に飾るのも良いでしょう。
紫色のアザミの花言葉
紫色のアザミは落ち着いた雰囲気で大人っぽい印象があります。花言葉は「厳格」や「気品」となっていますが、これは紫色が古くから高貴な色とされていた背景に由来しているようです。優雅に咲き誇る紫のアザミにふさわしい花言葉になっています。年上の方や目上の方へのフラワーギフトにいかがでしょうか。
青いアザミの花言葉
青いアザミは深い海のような優しい色合いをしています。静寂で落ち着いた印象の青には、見る人の心を鎮める効果があるとされており、そんなイメージから「安心」や「満足」といった花言葉が付けられました。ほかにも、アザミの棘によってほかの動物が寄ってこなくなり、身を守る意味合いも関係しているようです。
アザミの種類ごとの花言葉
アザミにはさまざまな種類があり、中には独自に花言葉が付けられているものもあります。アザミの中でもどのような種類を贈ろうか悩んでいる方や、育てたい品種が決まらない方は、花言葉を参考にしてみるのも良いかもしれません。アザミの代表的な種類と各花言葉を解説します。
ルリタマアザミ
ルリタマアザミは棘のあるボールのような個性的な花を咲かせる品種です。白や薄紫の優しい色合いで、花壇やフラワーギフトに爽やかさを加えてくれるでしょう。また、暑さにも寒さにも強いので、初心者の方にも育てやすい傾向にあります。
そんなルリタマアザミには「鋭敏」「傷つく心」「豊かな感情」等の花言葉を持ち、棘のある花のイメージから由来しています。
チョウセンアザミ
チョウセンアザミは別名「アーティチョーク」とも呼ばれており、ヨーロッパではチョウセンアザミのつぼみが身近な食材として親しまれています。チョウセンアザミの葉に鋭い棘があることから、「傷つく心」「警告」「傷つく恋」「そばにおいて」「孤独」等の花言葉が付けられています。
キツネアザミ
キツネアザミは厳密にはアザミの仲間ではないですが、花がアザミに似ていることから、狐につままれたイメージでこの花言葉が付けられました。日本の本州から沖縄にかけて道端やあぜ道に自生しており、身近な草花です。花はアザミそっくりですが、アザミのような棘はありません。
アザミの基本情報
アザミの花言葉について解説しました。ここからは、アザミの基本情報や誕生花など贈り物にも役立つ情報を解説していきます。
科:キク科
属:アザミ属
和名:薊
英名:thistle
学名:Cirsium japonicum
原産地:北半球の温帯
開花期:4~10月
特徴
アザミはキク科アザミ属の多年草で、葉に深い切り込みと棘があるのが特徴です。この棘は動物に食べられないように進化したものと言われており、花言葉の由来にもなっています。
アザミの花はとても繊細で優しい印象で、複数の細長い花弁が集まって1つの花のように見えます。開花期は夏~秋にかけてですが、4~11月くらいまで市場に流通しているので比較的手に入りやすい花です。
また、昔から日本各地に自生しており、食べられる部分もあることから人々の生活の身近にありました。
名前の由来
アザミの棘は、花言葉だけでなく名前の由来にも関係しています。きれいな花だと思って手に取ると棘で怪我をすることから「驚く」や「興ざめする」意味をもつ「あざむ」という古語が語源です。
また、沖縄の方言で棘を「アザ」と呼ぶことからアザミの名前になったという一説もあります。
誕生花
アザミを誕生日プレゼントに贈るのならば、誕生花を意識してみましょう。誕生花とは、365日それぞれの生年月日にちなんだ花のことで、その季節に旬を迎える花などが指定されています。
アザミが誕生花となる日は4月19日なので、この日に誕生日を迎える方がいればぜひアザミを贈ってみましょう。
アザミの育て方
アザミは日本各地で自生している姿を良く見かけますが、暑さにも寒さにも強いのでガーデニング初心者の方でも育てやすくなっています。ここからは、アザミの基本的な育て方を解説するので、アザミを育ててみたい方はぜひ参考にしてみてください。
用土・植え付け
アザミは水はけが良く、有機質をたっぷり含んだ土を好みます。自分で配合する場合は、赤玉土と腐葉土を7:3で混ぜたものを使いましょう。市販の草花用の培養土を用いても問題ありません。
アザミの植え付けは2~3月頃に行いましょう。アザミを鉢植えで育てる場合、5~6号の鉢に1株を植えるのが基本です。地植えする場合は、植え付ける前に土を掘り起こし、腐葉土などを混ぜ込んでおきましょう。苗の植え付けは30cm間隔ほどにしておきます。
置き場所
アザミは日当たりの良い場所で良く育ちますが、半日陰でも育たないことは無いので、あまり場所にこだわる必要はありません。ただし、常に日陰になっているような場所だと花付きが悪くなったり茎が細くなったりするので、適度に明るい場所がおすすめです。
四季の気温差が激しい日本において多く自生しているほどなので、暑さや寒さ対策は特に必要ありません。
水やり
アザミは乾燥に強い性質がありますが、良く育つ時期である春〜夏にかけては土の表面が乾いたタイミングで水やりをするようにしましょう。ただし、アザミは多湿を嫌うので、水のやりすぎには注意しましょう。冬は成長が緩やかになるので、水やりは3~5日に1度程度にして乾燥気味に育てます。
アザミを地植えしている場合は、よほど乾燥する時期が続いたり雨が長期間降らなかった時は水を与えてください。
肥料
アザミを地植えで育てているなら、肥料を与えなくても十分に育ち、花も咲かせます。しかし、鉢植えで育てている場合、土から得られる水分や養分が限られるので、適度に肥料を施して株の充実を促しましょう。
春〜秋の良く育つ時期に化学肥料を株元に撒き、月に2回ほど液体肥料を薄めたものを追肥します。肥料が多すぎると枝葉が過剰に茂るので、控えめくらいでも構いません。
摘芯
アザミの高さを抑えつつ、花の数を増やしたい場合は摘芯を行いましょう。伸びている茎の先端を切り取ることで下の方から脇芽が伸び、茎が増えて花数も多くなります。摘芯を行うとアザミの株にボリュームが出て、こんもりした形に整えやすくなるでしょう。
植え替え
アザミを新しい鉢に植え替える時は、植え付け同様2~3月の間に行います。アザミは大きく育つので、成長に合わせて大きな鉢に植え替えてあげましょう。その際、鉢だけでなく土も新しいものを用意して株をリフレッシュさせてください。
地植えで育てている場合は、植え替え作業は必要ありません。
増やし方
アザミは、種まきや株分けで増やすことができます。アザミの管理に慣れてきたら、株を増やして花壇やお庭をよりにぎやかにしてみましょう。
花が咲いた後に実った種を採取しておき、平地や暖地では9~10月の間に、寒冷地では4~5月の間に種撒きをします。発芽後は大きな苗を残して間引き、本葉が4~5枚になったら鉢や花壇に植え付けましょう。
株分けは、植え替えをするタイミングで行うと効率的です。株が自然に分かれているところを探すか、それが無ければ根からハサミで切り分けましょう。切り分けた株は、そのまま別の鉢や花壇に植え付けた後にたっぷり水を与えてください。
アザミの注意すべき病害虫
アザミはアブラムシが付きやすい植物です。アブラムシは葉や茎などから樹液を吸い取り、株を弱らせてしまうため、見つけたら植物用の殺虫剤などを用いて速やかに駆除しましょう。また、葉に白い粉が付着しているような斑が出ている場合、うどんこ病が疑われます。放置していると株を弱らせてしまうため、悪くなった部分を切り取るか全体に殺菌剤を噴霧して対策します。
いずれも、風通しが悪くなったり日照不足になったりすると発生しやすいトラブルなので、育成環境に注意して予防しましょう。
アザミは食べられる?
日本では鑑賞用として親しまれているアザミですが、ヨーロッパでは食用としての文化もあり、市場で見かけることがあります。食べられているのは主にアザミの若芽や根の部分で、日本でもアザミの根は「ヤマゴボウ」と呼ばれ、味噌漬けなどで食べられています。
他にも、生薬として漢方薬に用いられることもあり、効果は利尿作用・止血作用・解毒作用などです。
アザミにおける注意点
アザミはきれいな育てやすく花を咲かせるためギフトに適していますが、取扱いには注意が必要なこともあります。アザミについて気を付けてほしいことを解説するので、トラブル防止のために参考にしてみてください。
棘で怪我をしないようにする
アザミの葉には深い切り込みが入っており、さらに縁には棘もあります。手に棘が当たるとチクリとした痛みがあるので、ギフトで贈る際やお世話をする際には注意しましょう。この棘は、アザミの名前や花言葉の由来になっており、最大の特徴とも言えますが、草食動物に食べられないよう進化した説もあります。
「ヨウシュヤマゴボウ」と間違えないように注意する
アザミの根が「ヤマゴボウ」と呼ばれ、日本でも食されていることを解説しましたが、良く似ている植物に「ヨウシュヤマゴボウ」があります。このヨウシュヤマゴボウは日本の山野に自生しており、ブドウに似た実が特徴ですが、食べると中毒症状を引き起こすこともある有毒植物です。アザミの別名である「ヤマゴボウ」と名前が似ていることから間違いやすいので注意しましょう。
花言葉で誤解を与えないようにする
アザミには、「報復」や「私に触れないで」等のマイナスイメージを持つ花言葉もあります。アザミは凛とした美しさがある花なのでギフトにもおすすめですが、花言葉に詳しい人や後から調べた人に思わぬ誤解を与えてしまうこともあるかもしれません。
アザミを贈るときには、「高潔」や「安心」「守護」などポジティブな花言葉を記したカードなどを添えると良いでしょう。
アザミを贈るおすすめのシーン
コロコロした独特な花姿をしたアザミは、花束やアレンジメントなどフラワーギフトのおしゃれなアクセントになってくれます。ほかの花との相性も良いですが、アザミのみのギフトも素敵です。最後に、アザミを贈るおすすめのシーンをご紹介します。
母の日・父の日・敬老の日
アザミの中でも紫色のアザミには「厳格」や「気品」といった花言葉があるため、母の日や父の日・敬老の日など、お世話になっている家族に贈ると良いでしょう。紫は高貴な色でもあるので、敬う気持ちを込めて贈ることができます。
結婚記念日
青いアザミには「安心」や「満足」等の花言葉があるため、あなたといると安心する気持ちを込めて大切なパートナーに贈りましょう。アザミは派手すぎない花なので、女性はもちろん男性にも贈りやすい花です。
結婚記念日や2人の記念日などに贈り、相手への愛情を伝えましょう。
卒業祝い・就職祝い
白いアザミには「自立心」「ひとり立ち」の花言葉があるため、新しい世界へと踏み出す子どもを応援する気持ちを込めて、卒業祝いに贈ってみてはいかがでしょうか。また、花言葉の通り、自立に向かって頑張る人を応援する際や就職祝いにも最適です。
アザミの花言葉を知ってギフトに生かそう!
アザミの花言葉は一見、厳しいものが多い印象ですが、色別に見るとポジティブでプレゼントにも適した意味合いもあります。アザミは丈夫で育てやすいため、ガーデニングにもおすすめですが、葉には棘があるので取扱いには十分注意しましょう。
アザミの花言葉を生かして、大切な人に華やかなフラワーギフトを贈ってみてください。