梅の花言葉は素敵な意味が多い?人気の種類なども紹介

梅は、古くから日本の文化と深い関わりを持ち、春の訪れを告げる象徴として親しまれてきました。

そんな梅ですが、花言葉にはどのような意味や由来があるのかと気になる方は多いのではないでしょうか。

そこで今回は、梅の花言葉の背景から梅の基本情報、色や種類による花言葉の違い、梅の育て方などを詳しく解説します。

梅の豊かな歴史と文化、その美しさを深く理解することで、梅の魅力をより一層感じられるようになるでしょう。

 

梅全般の花言葉

梅の花全般の花言葉は「高潔」「忍耐」「忠実」「不屈の精神」などです。

花言葉には、梅の花の開花時期に由来するものと、菅原道真の「飛梅(とびうめ)伝説」に由来するものがあります。

ここでは、梅全般の花言葉の由来を詳しく見ていきましょう。

 

梅の花言葉の由来

梅は1月下旬から2月の非常に寒い時期に咲き始める植物です。

冷たい風が吹き荒れる季節にも関わらず、寒さに耐え忍びながら他の春の花に先駆けて力強く咲く梅の花の姿が、「高潔」「忍耐」「不屈の精神」といった花言葉を生み出しました。

また、「忠実」という花言葉は、平安時代の学者である菅原道真がその才能を疎まれ、遠く九州の大宰府に左遷された際、彼を想う梅の木が道真のもとへ飛んできたという物語に由来します。

 

梅の花言葉には怖い意味がある?

梅を贈りたいと考えた際、花言葉の中に怖い意味はあるのかと気になる方はいるのではないでしょうか。

結論からいうと、梅の花言葉には怖い意味はありません。

梅に怖い意味の花言葉があると思われているのは、梅は早春に咲き、卒業や定年退職などの別れのシーンが多い季節と重なることから、怖い不吉な意味を持つと考える方がいるためだといわれています。

めでたい植物の代表「松竹梅」の一つでもあるので心配する必要はなく、プレゼントとして安心して贈れるでしょう。

 

梅の色別の花言葉

梅全般には「忍耐」や「不屈の精神」、「忠実」などの花言葉があると紹介しましたが、色によっても花言葉が異なります。

ここでは、色鮮やかな「紅梅」と可愛らしい「白梅」の花言葉を紹介します。

 

紅梅

紅梅の花言葉は「あでやかさ」「優美」であり、紅梅の華やかな美しさと魅力的な香りが由来といわれています。

また、紅梅が平安時代の著名な文学者であり歌人でもある清少納言によって特に好まれたことも、花言葉の背景にあります。

彼女の代表作である「枕草子」では紅梅の美しさを称える言葉が見られ、「木の花はこきもうすきも紅梅(木の花は色濃くも薄くも、紅梅が最も美しい)」との表現で紅梅への深い愛情が伝わってきます。

 

白梅

白梅の花言葉は「気品」「上品」です。

紅梅の派手さとは対照的に、穏やかで洗練された美しさが花言葉に反映されています。

また、梅にはピンク色の花をつける品種もあり、「清らかさ」がその花言葉として挙げられます。

これらの花言葉は、紅白それぞれの梅の花が持つ雰囲気と魅力が、よく捉えられているといえます。

 

梅の基本情報

科・属 バラ科・サクラ属
和名 ウメ(梅)
英名 Chinese plum、Japanese apricot など
学名 Prunus mume
原産地 中国中部

 

梅はバラ科サクラ属に分類され、中国原産の果樹です。

紀元前の中国の文献「神農本草経」に記載があるほど、古い歴史を持っています。

日本には約1500年前、薬用目的で「烏梅(うばい)」として伝えられ、現在も漢方薬の成分として利用されています。

また、日本では平安時代に記された「医心方」で梅干しが言及されており、古くから食養生にも用いられていたことが分かるでしょう。

 

梅の特徴

早春から春にかけて香り高い花を咲かせる梅は、果実収穫のみならず、観賞用の品種も広く栽培されています。

花の形は単純な5弁の単花から豪華な八重花まで多様な品種があり、花色も赤やピンク、白と豊富です。

細かい鋸歯を持つ葉縁が特徴で、やや丸みを帯びた中程度のサイズ、葉の先端は尖っています。

自然な樹形の場合、樹高は5~10mで枝張りは3~8mにもなりますが、庭植えや観賞用では管理しやすいように樹高2.5m、枝張りも2.5mほどに育てられます。

 

梅の花の名前の由来

ウメ(梅)の名前の由来にはうむみ(熟実)が梅に変化したことに由来する説や、加工した漢方薬の「烏梅(うばい)」が伝来した際の発音が梅となった説など、複数の説が存在します。

また、梅の漢字は「木」と「毎」で構成されていますが、「毎」は氏族の中で多くの子どもを育てた母親を象徴し、梅が豊富に実をつける様子から子孫繁栄や幸福を願う意味合いを持つめでたい樹木と考えられています。

 

梅の誕生花

梅の誕生花は、「1月3日」「2月1日」「2月7日」「10月24日」などです。

また、紅梅は「2月3日」、白梅は「1月11日」とする説もあります。

誕生花はその人の生まれた日に対応する特別な意味を持つ花であり、神秘的な能力を秘めているともいわれています。

該当する誕生日に花をプレゼントしたいと考えている場合は、梅を贈ってみてはいかがでしょうか。

 

花梅と実梅の違い

「花梅」は主にその美しい花を楽しむために育てられた梅の品種を指し、「実梅」は梅干しや梅酒などの加工用に収穫される実を目的とした品種です。

しかし、花梅と実梅の区分は明確ではなく、花を鑑賞しつつ実も収穫できる品種も存在します。

食用には適さないことが多い花梅でも条件が揃えば実を結ぶことはあり、その逆も然りです。

花梅と実梅を分けるなら、鑑賞を目的とする花梅は寒い時期に咲く早咲き(12月中旬~2月中旬)で、実を取ることを目的とした実梅は遅咲き(2月中旬~3月上旬)で判断できます。

 

松竹梅の「梅」とは?

「歳寒の三友(さいかんのさんゆう)」と称される「松」「竹」「梅」は、寒い季節にも絶える植物として知られています。

この組み合わせは中国宋代の文人画で好まれた主題で、日本では慶事に「松竹梅」の言葉が用いられます。

歴史を遡ると、平安時代に常緑の松が不老長寿を象徴し、室町時代には節目に沿って直立する竹が吉祥とされ、江戸時代に冬に咲く梅が新春を祝う花として親しまれました。

そのため、縁起の良いものとして時系列により「松竹梅」として定着しましたが、本質的には三者間に優劣は存在しません。

 

梅の主な種類

梅は日本の風景や食生活にも欠かせない花木であり、その種類は豊富で多彩です。

美しい花から美味しい実まで、梅の魅力を引き出すさまざまな品種が存在します。

ここでは、特に注目すべき3つの系統に焦点を当て、それぞれの特徴と魅力を紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。

 

緋梅系

緋梅系の多くの品種は紅色や緋色の花を咲かせますが、一部には白い花を咲かせる品種も含まれている系統です。

分類基準は梅の花の色ではなく、あくまでも枝の断面の色にあり、切り口は淡い紅色をしています。

花の香りは豊かで、紅梅系はさらに「紅梅性(こうばいしょう)」「緋梅性(ひばいしょう)」「唐梅性(とうばいしょう)」の3つの特性に細分化されますが、明確に区別されるわけではなく、枝の断面の色によって同じ緋梅系の品種群と認識されます。

 

野梅系

野梅系は野生種に最も近い梅の品種群で、山地に自生する種から派生しました。

この系統は一重咲きや八重咲きなど、さまざまな花色を持つ多様性が特徴です。

「野梅性(やばいしょう)」「難波性(なにわしょう)」「紅筆性(べにふでしょう)」「青軸性(あおじくしょう)」の4つの特性に分かれ、その中でも野梅性は一般的によく見られます。

白から紅色まで花色が豊富ながら、強い香りと小さめの花、枝が多く生じる点が共通しています。

その野性味あふれる強健さから、他の梅品種の台木としても活用されている系統です。

 

豊後系

豊後系はアンズと梅の雑種で、大きな花を持つ特徴的な系統です。

他の系統と比べて枝や葉なども大きく、美しい外見をしていますが、香りはほとんどありません。

豊後系は「豊後性(ぶんごしょう)」と「杏性(あんずしょう)」の2つの性に分かれ、杏性は最も遅く咲く特徴があります。

主に台木や庭木、実用品種として使われることが多く、花の見栄えから盆栽としても市場に出回ることがありますが、適性に関しては疑問も持たれています。

 

梅の人気の品種

日本の冬から春にかけての風景を彩る梅の花は、多くの人に愛されています。

ここでは、特に人気のある「冬至梅」「春日野」「おもいのまま」の3つの品種をピックアップして紹介します。

それぞれ独自の魅力と特徴を持っている本品種は梅愛好家の間で高い評価を受けており、庭や盆栽での栽培に選ばれています。

 

冬至梅

「冬至梅(とうじばい)」は野梅系野梅性に分類され、原種に近い早咲きの花梅です。

特に暖かい地域では12月中旬から開花し、冬至の頃に美しい白い花を咲かせることが名前の由来になっています。

お正月飾りとしても人気があり、中輪で一重咲きの白花が特徴です。

花梅の代表格として知られており、その枝が細いことから鉢植えや盆栽としての栽培に適しています。

 

春日野

「春日野(かすがの)」は、野梅系の野梅性に分類される八重咲きの花梅です。

開花期は2月下旬~3月上旬であり、蕾のときは桃色、開花後は紅白の咲き分けを見せる淡紅色や白色などの花を咲かせます。

この咲き方は後述する「おもいのまま」と似ており、一本の木で多彩な色の花が楽しめるため、複数の梅の木が混在しているかのような豊かな表情を見せます。

花径は約2.0~2.5cmと樹勢が強く、春の庭を彩る華やかな品種です。

 

おもいのまま

「おもいのまま」は野梅系・野梅性に属する遅咲きの品種で、別名を「輪違い」とも呼ばれています。

中輪八重咲きの梅であり、紅色や白色、その両色の絞り模様の花を一本の木で咲かせる特徴があります。

樹勢が強く、庭植えはもちろん、鉢植えや盆栽としての栽培にも適している品種です。

開花期は2月中旬~3月中旬にかけてであり、毎年同じ場所に同じ色の花が咲くわけではなく、環境によっては単色の花が咲くこともあります。

この品種は、園芸家の「おもいのまま」には咲かず、梅自身の「おもいのまま」に花色が変わるともいわれています。

 

梅の育て方

梅の栽培は、その豊かな花や実を楽しむ上で大きな喜びの一つです。

ここでは、梅を美しく育てて長くその魅力を維持するための基本的な育て方や具体的な管理方法などを紹介します。

 

梅の用土・肥料

梅は、排水性と通気性に優れた肥沃な土壌を好むため、鉢植えではハイポネックス培養土のような緩効性肥料を含む専用土が推奨されます。

地植えの場合、完熟堆肥や苦土石灰を混ぜ込んで土を耕すことが大切です。

梅の肥料は主に3回施し、1回目は花が終わったあとの3~4月、果実の成長を支えるために行い、2回目は収穫後の7~8月にお礼肥として行います。

3回目は冬の11~12月に翌年の成長に備えて行うと良いでしょう。

適切な用土と肥料管理によって梅の健康的な成長を促し、豊富な花と実を楽しむことが可能です。

 

梅の置き場所

梅の栽培(盆栽)において、置き場所によって成長と花の美しさに大きく影響します。

室内で梅を楽しむ場合は直接暖房の風が当たる場所は避け、冷暖房の影響を受けない場所に設置しましょう。

春から秋にかけては日光が豊富に降り注いで空気の流れが良い場所を選び、冬場は風や霜から植物を守れる日当たりの良い日だまりの位置が最適です。

 

梅の水やり

梅の水やりには特に注意が必要であり、夏や蕾の時期に水切れが起こらないようにしましょう。

土の表面が乾いたら鉢の底から水が流れ出るまでしっかりと水を与えますが、開花期間中は水が直接花にかからないよう注意してください。

4~6月にかけて新芽が伸びて植物の成長が活発になるため、水やりをこまめに行うことが大切です。

朝晩の気温が低い時間帯に水やりをすると、水分が植物により吸収されやすくなります。

蕾の期間は乾燥を避け、霧吹きで梅の木全体に湿り気を与えると良いでしょう。

 

梅の植え替え

植え替えは梅の成長と健康を保つために重要な作業です。

11~3月の落葉期に植え替えを行うようにし、極端に寒い時期を避けるようにしてください。

鉢植えの場合は1~2年ごとに行い、開花後の植物は花が終わってから植え替えるのが適切です。

植え替えする際は鉢から植物を優しく取り出し、根鉢の土の約3分の2を落とします。

損傷したり太すぎる根は剪定し、健康な細根を残して新しい鉢へ移しますが、その際は根鉢の表面と新しい土の表面が同じ高さになるようにしましょう。

土を隙間なく詰め、水をたっぷり与えて根と土の接触を良くします。

植物が不安定な場合は根元から鉢の底に針金を通して固定し、安定させることをおすすめします

植え替えたあとの数日間は直射日光を避けた日陰で管理し、徐々に日光に慣らしていきます。

 

梅の増やし方

梅の増やし方で、よく用いられる手法は接ぎ木です。

春の3~4月にかけて前年に育った枝の端から約5cmを切断し、台木になる梅の切断面と結合させます。

接合部をビニールテープでしっかりと固定し、鉢を大きめのビニール袋で覆って半日陰で保管します。

土面が乾燥したら水を供給し、新しい芽が育ってきたらビニール袋を取り除いて通常の栽培を続けましょう。

 

梅の夏の管理方法

梅を夏場に剪定する際は、7月から8月にかけて行うと良いでしょう。

夏場の剪定は、主に樹木の形状を整えるとともに風通しと日光の浸透を改善し、植物の成長を促進させる目的で行われます。

枝が密集している部分は適度に間引き、樹形を乱すような過剰に伸びた枝は適宜短く切り詰めます。

冬期に剪定しても、梅の木は生長が旺盛で新しい芽吹きが多く見られるため、夏になると枝葉が密になりがちです。

この状態は風の流れを妨げ、アブラムシ等の害虫の発生リスクを高めるため、夏場に梅を管理するためにもしっかりと実行することが重要です。

 

梅の冬の管理方法

梅の冬の管理の一環として剪定する場合は11月中旬~1月に行われますが、花梅の場合は特別な配慮が必要です。

冬剪定で枝を大幅に減らすと早春の花の数が減少するため、12~1月にかけては軽い剪定に留め、花が終わったあとに本格的な剪定を行うことをおすすめします。

冬の剪定を2回に分けて実施すると花の美しさを保ちながら樹形を整え、健康的な成長を促すことが可能です。

一方、花や実がつかない古い枝を取りく強剪定を行う場合は、冬に行うのが適しています。

冬は梅の休眠期であるため、この時期に大胆な剪定を行っても植物への養分消費が少なく、樹勢を妨げるリスクが低いため、強剪定に適しています。

 

梅の病害虫

梅の木には、さまざまな病気と害虫が影響を及ぼすことがあります。

代表的なものとしては黒星病が挙げられ、黒い斑点が葉に表れる病気です。

この病気は適切な通風と日光を確保することで予防でき、感染した葉を見つけた場合はすぐに取り除くことで病気の拡大を防ぎます。

また、白い粉状の斑点が葉や花に表れるうどんこ病も梅の木に影響を及ぼす可能性があるので注意が必要です。

害虫に関してはアブラムシがよく見られ、植物の汁を吸うことで梅にダメージを与えます。

天敵であるテントウムシを引き寄せると自然に駆除できる他、農薬を使用することも一つの対策となります。

病気と害虫は適切なケアと管理によって未然に防げるため、定期的に梅の状態をチェックするようにしましょう。

 

まとめ

梅には「百花の魁(さきがけ)」という言葉があるように、年の初めにあらゆる花の先頭を切って咲いて春を告げる花です。

花言葉も「高潔」「忍耐」「忠実」「不屈の精神」など、ポジティブな意味合いを持ち、めでたい植物の代表「松竹梅」の一つでもあります。

また、梅は千年以上昔の医学書にも記載があるほど、生活に密着して親しまれてきた植物です。

ぜひ本記事を参考に、梅の栽培を通じて四季の移り変わりを感じながら、心豊かな時間を過ごしてみてはいかがでしょうか。

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