胡蝶蘭の茎が黒いのは病気のサイン!茎が茶色いときや、茎の手入れ方法もご紹介!

代表的なフラワーギフトである胡蝶蘭。

プレゼントとして頂いた後でも、大切にお世話を続けている方も多いのではないでしょうか。

胡蝶蘭も生き物なので、育てていると葉に元気が無くなったり、茎の色が変色したりしますよね。

そこで今回は、胡蝶蘭の茎に焦点を当てた記事を作成しました。

胡蝶蘭の茎が黒いとき茶色いときなどの原因や、茎のお手入れについても詳しくご紹介しています。

まずは胡蝶蘭の茎が黒いことについて、原因や対処法をお伝えしていきますね!

胡蝶蘭の茎が黒いのは「軟腐病」

胡蝶蘭の茎が黒い時は、「軟腐病」という病気にかかっている可能性が高いです。

文字通り「軟化して腐る」という植物の病気。

茎だけでなく、葉が変色する場合もあり、胡蝶蘭がかかりやすい病気の一つです。

軟腐病になった胡蝶蘭は、以下のような症状がでます。
独特の異臭がある
患部はブヨブヨとしてやわらかく湿っている
茎や葉が黒い

茎や葉の変色だけでなく、独特の異臭や患部の湿っぽさなど、他の病気と区別しやすいので、発見したらすぐに対処していきましょう。

茎が黒い原因は「細菌感染」

胡蝶蘭の茎が黒い「軟腐病」の原因は、「細菌感染」です。

細菌は、茎や葉の傷口や気孔から侵入してきます。

茎や葉に侵入した細菌は、水の中を泳いで広がるので、水やりの際に飛び散った水や、感染した胡蝶蘭に触れただけで感染していきます。

また、乾燥した際は埃のように風に乗って飛び散って感染する場合もあります。

そのため、同じ部屋に胡蝶蘭が複数ある場合、他の健康な胡蝶蘭にも感染する可能性があり、感染力の強い病気です。

茎が黒い時の対処法

それでは、胡蝶蘭の茎が黒い「軟腐病」の対処法についてお伝えしていきます。

【対処法①感染した胡蝶蘭を別室に隔離】
前述したように、軟腐病は感染力が非常に強い病気です。

そのため、軟腐病に感染した胡蝶蘭を発見した際、最初に行うのは「感染した胡蝶蘭を別室に隔離」すること。

もし放置したら、同じ部屋にある胡蝶蘭が全滅する危険性があるので、健康な胡蝶蘭とは部屋を必ず分けましょう。

【対処法②患部をカットして殺菌剤】
次に、黒く変色している茎や葉を大胆にカットし、切り口に殺虫剤(ベントーレ・ダニコール等)を散布します。

ただし、この方法は軟腐病を早期に発見し、感染部分が根元まで広がる前にできる対処法です。

もし胡蝶蘭の広域が黒い場合は、手の施しようがないため、新聞紙などに包んで可燃ゴミへ処分しましょう。

胡蝶蘭の茎が黒以外に変色するとき

ここまで、胡蝶蘭の茎が黒い時は「軟腐病」のため、発見したらすぐに対処が必要とお伝えしてきました。

胡蝶蘭の場合、茎の色が黒以外にも、茶色・黄色・オレンジなどに変色する場合もあります。

胡蝶蘭の茎が茶色・黄色・オレンジなどに変色していくのは、役目を終えた胡蝶蘭が枯れていくサイン。

変色していると心配になるかもしれませんが、これは花が咲き終わった後の自然な現象なので、問題はありません。

でも、変色した茎をそのままにしていても大丈夫なのか、気になりますよね。

そこで、胡蝶蘭の茎が「茶色・黄色・オレンジ」などに変色した場合の対処法をご紹介していきます。

茎が茶色・黄色・オレンジの時の対処法

胡蝶蘭の茎が茶色・黄色・オレンジなどに変色した場合の対処法は、2つあります。

胡蝶蘭の体力を温存したいか、2番花を咲かせたいか、で変わってくるので、どちらかお好きな方法を試してみてくださいね!

【対処法①茎の付け根から切る】
まず最初にご紹介するのは「茎の付け根から切る」方法。

この方法をすることで、2番花を咲かせることはできなくなりますが、胡蝶蘭の体力を温存し、次のシーズンに元気な花を咲かせやすくなります。

そのため、胡蝶蘭の株が余計な体力を使わずに済むので、胡蝶蘭に対して最も優しい方法です。

茎の付け根から切る方法
使用するハサミを殺菌消毒する
変色している茎を、付け根から1cm程度切る

【対処法②変色部分の少し下を切る】
2つ目の対処法は、「変色部分の少し下を切る」方法。

この方法をすることで、胡蝶蘭が2番花を咲かせてくれます。

ただし、同じシーズンに何度も花を咲かせると、胡蝶蘭は疲れてしまいます。

そのため、株を長く丈夫に保ちたい場合は、対処法①のように茎の付け根から切る方法をとりましょう。

変色部分の少し下を切る方法
使用するハサミを殺菌消毒する
変色している部分から1〜2cm下(正常な色の部分)を切る
※茎の根元から2〜3節残しておくと、2番花を咲かせやすいです。

胡蝶蘭の茎のお手入れ

ここまで、胡蝶蘭の茎が変色した際の対処法について、様々お伝えしてきました。

茎が黒い場合は病気の可能性が高いですが、茶色やオレンジなどの場合は、変色部分を切ってあげればまたお花を咲かせてくれます。

そこでここからは、胡蝶蘭の茎に焦点を当てて、胡蝶蘭を元気に管理するためのお手入れについてご紹介していきます。

胡蝶蘭の茎のお手入れが必要な理由

そもそも、胡蝶蘭の茎のお手入れはなぜ必要なのかご存知でしょうか。

前述でもお伝えしたように、茶色や黄色に変色した胡蝶蘭の茎を切ることで、胡蝶蘭は再びお花を咲かせることができます。

つまり、胡蝶蘭は茎を切ることで何度もお花を咲かせる植物なのです。

また、胡蝶蘭は寿命が長い植物で、しっかりお世話をすることで50年以上生きることも可能になります。

そのため、できるだけ長く胡蝶蘭を楽しみたい方、大切に育てたい方は、胡蝶蘭の茎のお手入れが大切になります。

よってここからは、胡蝶蘭の茎のお手入れのポイントについてご紹介していきます。

胡蝶蘭の茎は好きなタイミングで切る

まず、胡蝶蘭の茎のお手入れでポイントとなるのが「茎を切るタイミング」。

どんな風に胡蝶蘭のお花を楽しみたいかによって、以下2通りのタイミングがあります。
開花中に茎を切る
開花後に茎を切る

上記のタイミングについて、メリット・デメリットをお伝えしていくので、どちらでもお好きなタイミングで、茎を切りましょう。

【タイミング①開花中に切る】
メリット:株の体力を温存でき、毎年元気な胡蝶蘭を咲かせられる
デメリット:胡蝶蘭のお花を切り取ってしまうこと

開花中の胡蝶蘭の茎を切るのは、少し勇気が要るかもしれません。

せっかく頂いた胡蝶蘭をそのまま飾っておきたいと思うのが普通です。

でも植物にとって花を咲かせることは、とてもエネルギーが必要なこと。

そのため、開花中の胡蝶蘭の茎を切ると、次のお花を咲かせるために体力を温存できるようになり、毎年元気な胡蝶蘭を咲かせることができます。

よって、開花中に切るというタイミングは、株をしっかり育てて毎年元気な胡蝶蘭を咲かせたい場合や、大輪で花数の多い胡蝶蘭の場合などにおすすめです。

【タイミング②開花後に切る】
メリット:花が咲き続けている間、ずっと胡蝶蘭を飾っていられる
デメリット:株の体力の消耗が大きい

一般的には、開花後の「お花が終わってからお手入れしよう」と考えている方が多いのではないでしょうか。

また、せっかくお祝いで頂いた胡蝶蘭ですし、できれば長く飾りたいですよね。

そのため、開花後に胡蝶蘭の茎を切る場合は、頂いた胡蝶蘭を最後まで飾っていられるのがメリット。

一方、デメリットとしては、株の体力の消耗が大きい点です。

ただし、開花後に茎を切る場合でも、正しくお世話をすることで、来シーズンもお花を咲かせることはできます。

よって、開花後に切るというタイミングは、頂いた胡蝶蘭のお花を最後まで飾っていたい場合におすすめです。

胡蝶蘭の茎は好きな位置で切る

次に胡蝶蘭の茎のお手入れのポイントとなるのが「茎を切る位置」。

前述の茎が茶色に変色した際の対処法でもお伝えしましたが、以下2通りの切る位置があります。
茎の付け根から切る
根元から2〜3節残して切る

【茎を切る位置①茎の付け根から切る】
「茎の付け根から切る」ことは、胡蝶蘭の体力を温存し、次のシーズンに元気な花を咲かせたい方におすすめです。

この時、節を残してしまうと、節から新しい芽が出てくる可能性があり、胡蝶蘭の体力を温存できません。

そのため、できるだけ根元に近い位置で茎を切るのがポイントです。

【茎を切る位置②根元から2〜3節残して切る】
「根元から2〜3節残して切る」ことは、2番花を楽しみたい方におすすめの切り方。

根元から2〜3節残して茎を切ることで、切り口のすぐ下の節から2番花を咲かせてくれます。

また、2番花を咲かせた後の胡蝶蘭は、体力をかなり消費しているので、茎の付け根から切り、次のシーズンに備えてあげましょう。

胡蝶蘭の茎の切り方

胡蝶蘭の茎を切るタイミング・切る位置を決めたら、さっそく胡蝶蘭の茎を切っていきましょう。

そこで、茎の切り方のポイントは以下の2つ。
一気にスパッと切る
ハサミを消毒する

まず、一気にスパッと茎を切ると、茎の断面をきれいに切断することができます。

茎の断面がきれいだと、周辺の組織が痛みにくく、水の吸い上げも良くなります。

また、ハサミを消毒することも大切です。
もしハサミに細菌や汚れがあると、茎を切った際に胡蝶蘭にトラブルが起こり、病気や枯れる原因になる可能性があります。

そのため、ハサミは熱湯に浸けたり、ライターなどで温めたりなどして、必ず殺菌してから茎を切るようにしましょう。

胡蝶蘭の茎を切った後のお手入れ①基本的な管理

ここまで、胡蝶蘭の茎の切り方について詳しくご紹介してきました。

もちろん、胡蝶蘭の茎を切った後のお手入れも様々なポイントがあります。

胡蝶蘭の茎を切った後は、次の花を咲かせるために、株を成長させるための大事な期間です。

まずは、葉や根を健康に成長させて、次のシーズンまで胡蝶蘭の体力を蓄えておきましょう。

そこで、植え替え・水やり、置き場所などの基本的なお手入れについてお伝えしていきます。

【植え替え】
胡蝶蘭の植え替えを行うことで、根の成長の促進・根腐れの予防などの効果があります。

1鉢に1株だけ植えられている場合は、2年に1度植え替えを行いましょう。

ただし、通常の胡蝶蘭は「3本立ち」「5本立ち」など、1つの鉢に数株が寄せ植えになっています。

その場合の胡蝶蘭は、根腐れや渇水になる可能性があるので、茎を切った後は1株ずつに分けて植え替えすることをおすすめします。

【温度】
胡蝶蘭は熱帯雨林が原産地のため、寒さに弱い植物です。

そのため、15℃〜35℃の温度の中で育ててあげるのが望ましいです。

15℃を下回ると枯れてしまうため、特に秋〜冬の温度管理は十分気をつけましょう。

【置き場所】
胡蝶蘭の置き場所は、直射日光を避け、風通しのよい場所を選びましょう。

直射日光が強いと葉が日焼けしてしまい、病気の原因になってしまいます。

また、胡蝶蘭はオフィスなどの室内に置く場合も多いですよね。

室内に置く場合は、エアコンの風にも注意が必要です。

エアコンの風が花や葉に直接当たると、乾燥して枯れる原因になってしまいます。

そのため、胡蝶蘭を室内に置く際は「直射日光とエアコンの風が直接当たらず、風通しが良い場所」を選びましょう。

【水やり】
胡蝶蘭の水やりは、特に頻度・量が重要です。

水やりは「鉢植えの表面が押しても完全に乾いていたら」あげましょう。

頻度は季節・温度で変化しますが、基本的に1週間~10日に1回程度で十分です。

水やりの量は、1株につき、常温のお水をコップ1杯分。

株数が多い場合は、その株数に合わせてお水の量を調節します。

水を与えすぎると、根腐れを起こし、胡蝶蘭が病気になったり枯れたりする原因になります。

適度な水やりを心がけてくださいね。

胡蝶蘭の茎を切った後のお手入れ②花芽の間引き

胡蝶蘭の茎を切った後は、前述のような基本的な管理を行い、まずは株をしっかり成長させることが大切です。

株がある程度育ってきたら、次のステップ「花芽の間引き」に進みます。

茎を切った胡蝶蘭の株が育ってくると、花芽が出てきます。

生育条件が良い場合は、花芽が何本も出てきますが、全ての花芽を育てるのではなく、多少間引くことをおすすめします。

特に大輪系の胡蝶蘭は、間引くことで、よりたくさんのお花が咲きやすくなります。

【間引きとは】
間引きとは、新しい花芽の中から、丈夫な花芽を選び、それ以外の花芽を取り除く作業です。

もし、間引きを行わずにそのままお花を咲かせた場合、根がぶつかったり、お花同士の重なりで湿気が溜まったり、日当たりが悪くなったりなど、弊害がでてきます。

その場合、病気になったり害虫の被害にあう可能性が高くなってしまいます。

【間引きは絶対しないといけない?】
胡蝶蘭の場合、1つの茎から咲かせるお花の数が多いため、間引きは必須です。
胡蝶蘭は、花芽が多いほど、お花を咲かせるために体力を使うため、お花が咲くまでに時間がかかってしまいます。

せっかく出てきた花芽を取り除くのは悲しいですが、販売されている胡蝶蘭を思い出してみてください。

販売されている胡蝶蘭は1株につき茎が1本で、3株・5株・10株のように寄せ植えされていますよね。

つまり、胡蝶蘭にたくさんお花を咲かせるには、茎に注がれる力を最大にする必要があるのです。

よって、胡蝶蘭の花芽は1〜2つだけ残し、その他の花芽は間引くようにしましょう。

【花芽と根の見分け方】
胡蝶蘭の株を育てていると、新しい根も生えてきます、

花芽と根は生え方が似ているため、見分け方についてご紹介していきます。

■花芽
葉の間から上向きに生える
後に節となる部分が現れてくる

■根
基本的には、葉の側面から出てくる(葉の間から出てくる場合もあり)
根の先端には、緑や赤い半透明の根冠がある

花芽と根には上記のような特徴があります。

根は基本的には葉の側面から出てきますが、生育状況によっては花芽と同じように葉の間から出てくる場合もあります。

もし誤って根を切ってしまった場合、胡蝶蘭の元気がなくなってしまいます。

しかし、どちらも少し成長させるだけで、特徴がでてきます。

そのため、花芽か根か、確信もてるようになってから間引きましょう。

胡蝶蘭の茎に関するまとめ

この記事では、胡蝶蘭の茎が黒い原因や、その他の茎の変色に関する対処法、胡蝶蘭の茎のお手入れについてご紹介してきました。

胡蝶蘭は、茎のお手入れをすることによって、毎年元気なお花を咲かせてくれます。

しかし、茎が黒くなる「軟腐病」のように、周りへの感染力が高い病気もあります。

今回は胡蝶蘭の茎に焦点を当てた内容でしたが、基本的な育て方やよくある病気などをご紹介している記事もあるので、ぜひこちらもチェックしてみてくださいね。

胡蝶蘭の手入れ方法と胡蝶蘭の寿命を伸ばすためのコツと手順を解説

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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