ブライダルシーンに人気!デイジー(ヒナギク)の花言葉・魅力とは
デイジー(和名:ヒナギク)は、素朴な印象ながらもとても可愛らしく、ブライダルシーンで人気の花です。
デイジーは、ヨーロッパや地中海沿岸が原産のキク科に属する植物であり、切り花として古くから日本でも人気がありますが、最近では園芸品種としても楽しまれるようになりました。
マーガレットに似た可愛らしい一重咲きのものから、ガーデニングで楽しまれる八重咲きのものまで、種類もさまざまです。
この記事では、12月~5月まで長く開花期も楽しめるデイジーの種類や花言葉について解説します。
デイジー(ヒナギク)の花言葉とは
デイジー全般の花言葉としては、主に「純潔」「美人」「平和」「希望」といったものが挙げられます。
花言葉の1つである「美人」は、デイジーの学名に由来するといわれています。
デイジーの学名は「Bellis perennis」、そのうちの「Bellis」の語源は、ラテン語で「bellus(美しい)」です。
そこから「美人」という花言葉が生まれたとされています。
下記では、色別の花言葉をご紹介します。
赤色のデイジーの花言葉
赤色のデイジーの花言葉は「無意識」です。
その由来は定かではないようですが、無意識に見とれてしまうことから「無意識」という花言葉がつけられたと推測ができます。
また、赤色は情熱の色ともいわれており、そんな赤色と「美人」なデイジーが合わさって、情熱的な美人が無意識のうちに人を惹きつけるようなイメージで「無意識」とつけられたのかもしれません。
自然体でありながらも魅力的で情熱的な方への贈り物に向いているでしょう。
白色のデイジーの花言葉
白色のデイジーの花言葉は「無邪気」です。
白色には純真無垢なイメージがあり、そんな白色のイメージに「無邪気」という言葉はぴったりでしょう。
白色のデイジーといえば、いわゆる「ノギク」といわれる分類の古典的な花姿のものも多いです。
ノギクは小さい子どもがよく摘んで遊ぶ花の一種でもあります。
そんな白色のデイジーは、無邪気で純粋無垢な方や子どもへのお祝いのお花として贈ると喜ばれるでしょう。
黄色のデイジーの花言葉
黄色のデイジーの花言葉は「ありのまま」です。
燦々と光る太陽に向かって咲き誇る黄色のデイジーは太陽にも似ています。
ありのままでいてほしい方やいつも頑張っている方への贈り物として、黄色のデイジーは向いているでしょう。
また、「ありのままのあなたが好き」といった直接伝えるには少し気恥ずかしい言葉も、黄色のデイジーを贈ることで素直に伝えることができるかもしれません。
青色のデイジーの花言葉
青色のデイジーの花言葉は「幸福」「恵まれている」です。
青色のデイジーを見慣れないという方もいるかもしれませんが、実は青色のデイジーはブルーデイジーと呼ばれる別の花です。
デイジーはヒナギク属、ブルーデイジーはルリヒナギク属に属しており、同じキク科でも少し種類が違います。
ブライダルシーンにおけるウェディングブーケや装飾品の「サムシング・ブルー」としても、「幸福」の花言葉を持つ青色のデイジーは新しい門出に向いているでしょう。
また、クールな印象も与える色であるため、男性へ贈る花としてもおすすめです。
紫色のデイジーの花言葉
紫色のデイジーの花言葉は「健やか」「元気」です。
紫色といえば、日本では古くから高貴な色として用いられてきました。
しかし、デイジーにとっては健康的な美しさこそが誇りあるイメージなのかもしれません。
見た目も落ち着いていて可愛らしい紫色のデイジーは、元気でいてほしい方への贈り物にぴったりです。
敬老の日などに、「これからもずっと元気でいてね」というメッセージをこめて贈ることもおしゃれで喜ばれるでしょう。
ピンク色のデイジーの花言葉
ピンク色のデイジーの花言葉には「美人」「希望」があります。
ピンク色は柔らかさや甘さ、女性的な印象を与える色です。
そんなピンク色のデイジーは「美人」をより一層引き立てる存在としてうってつけでしょう。
また、「希望」という花言葉もありますから、未来への希望をこめて恋人や配偶者へ、特別な瞬間にプレゼントするのも良いのではないでしょうか。
デイジー(ヒナギク)の花言葉に怖い意味はある?
ここまでの紹介で、デイジーの花言葉は良い意味ばかりだと感じられるかもしれませんが、一部に怖い意味があるとささやかれています。
その理由は、シェイクスピアの戯曲でしばしば怖い意味で用いられているためです。
戯曲「ハムレット」のなかでのデイジーは、「不実」の象徴として登場しています。
そのほかにも、戯曲「シンベリン」でも「純真・有徳な者の死」という意味で取り扱われたりしています。
そのため、ネガティブなイメージを持つ方も少なくありませんが、怖い意味で用いられているのはシェイクスピアの作品内でのことが多いため、後付けされた意味合いの可能性があります。
デイジー(ヒナギク)の基本情報
科・属 | キク科・ヒナギク属 |
和名 | 雛菊(ヒナギク) |
英名 | Daisy |
学名 | Bellis perennis |
原産地 | ヨーロッパ、地中海沿岸 |
開花期 | 12月~5月 |
後述では、デイジーの特徴や誕生花についてご紹介します。
デイジー(ヒナギク)の特徴
デイジーはヨーロッパや地中海沿岸原産の一年草の植物です。
呼び方としては、「デイジー」や「デージー」といった西洋風のほか、和名としても「雛菊」や「長命菊」、「延命菊」など、さまざまな呼び方をされています。
上述したように、学名の「Bellis」の由来にラテン語で「bellus(美しい)」という語源があるといわれています。
和名の「雛菊」に関しても、可愛らしい花の姿から名付けられたとされており、普遍的に美しく可愛らしい花だと認識されているといえるでしょう。
花の大きさは直径5cm程度で、草丈も10~20㎝程度とコンパクトな姿をしており、狭い場所でも育てやすいのが特徴です。
ただし、暑さには弱い花であるため、夏の場合は注意が必要といえます。
デイジー(ヒナギク)はいつの誕生花?
デイジーが誕生花の日は、1月9日、1月12日、1月27日、2月15日、3月4日、3月5日、3月6日、3月10日、3月12日、3月17日、5月27日などといわれています。
色別だと、赤色のデイジーが3月17日、白色のデイジーが1月4日、紫色のデイジーが1月27日です。
誕生花になっている日が冬から初夏のはじめまでと非常に長く、デイジーの開花期がとても長いことがよく分かる分布をしているといえます。
デイジー(ヒナギク)の種類とは
デイジーの種類は、主に花びらの姿によって「リグローサ系」と「フィストゥローサ系」の2つの種類に分かれます。
下記では、それぞれの違いについて解説します。
リグローサ系
リグローサ系のほとんどが花びらの平たい「舌状花」の姿をしています。
さらに細かくすると、モンストローザ系やシベリウス系、コロナ系、エノルマ系、ムルチ系の5系統に分けられます。
それぞれの花の大きさや咲く時期、耐寒性などが異なるため、あらかじめ理解しておきましょう。
フィストゥローサ系
一方、フィストゥローサ系は花びらの大半がくるりと巻いた「筒状花」が特徴的です。
こちらにも、さまざまな系統があり、下記では「チロリアンデイジー」「ポンポネットデイジー」「イングリッシュデイジー」の3つをご紹介します。
チロリアンデイジー
チロリアンデイジーは、ピンクや白の花がポンポン咲きで開花するデイジーであり、園芸品種としてはこのチロリアンデイジーが最も一般的です。
丸くふんわりとした花姿はとても可愛らしく、存在感がある品種であり、ほかの一般的なデイジーよりも大輪であるといわれています。
また、大輪を咲かせるエネルギーが必要となるので肥料が多く必要となる傾向にあります。
ポンポネットデイジー
ポンポネットデイジーは、花びらがドーム状になる八重咲きのデイジーであり、古くから日本でも「ヒナギク」と呼ばれ親しまれてきました。
花色は赤やピンク、白などがあり、草丈は約15cm、花径は直径約3cm程度と全体的に小ぶりの分類になります。
しかし、小さくとも八重咲きの球状の花をたくさん咲かせる姿は、とても華やかで高い人気があります。
また、コロコロとした可愛らしい花姿は手毬のようだとも評される種類です。
イングリッシュデイジー
イングリッシュデイジーは、デイジーのなかでも最も代表的な品種といわれており、ヨーロッパに自生している原種のデイジーです。
花は小ぶりで花びらも少なく、山野草にも似た自然で野性味のある花の姿をしています。
花色は主に白であり、薄紫や赤紫、ピンクのものもあります。
自然な印象を与えるので、イングリッシュガーデンなどに植えることもおすすめです。
また、デイジーのなかでも特に丈夫で比較的育てやすく、初心者向けの種類といえるでしょう。
デイジー(ヒナギク)の育て方
デイジーの栽培は比較的容易だといわれています。
そのため、園芸初心者という方でも育てやすい花といえるかもしれません。
ここでは、デイジーの育て方について具体的に解説します。
用土・肥料
デイジーは、水はけと水もちの良い土を好みます。
酸性土を非常に嫌う性質もあるため、園芸に詳しい方は苦土石灰を用土に混ぜ、酸度を調整してみましょう。
基本的には市販されている培養土で十分に育ちますが、粘土質で湿った土を選んでみるとより良く生育します。
また、デイジーはたくさんの花を咲かせる植物なので肥料はとても重要です。
植え付け時と開花中に緩効性肥料を施し、特に開花中の追肥を忘れないようにしましょう。
置き場所
デイジーを育てるときは日当たりが良く、北風を避けられる場所に置きましょう。
デイジーは日光を好むため、日中はしっかりと太陽の当たる場所で管理することをおすすめします。
日陰で育てると茎ばかりがひょろひょろと伸びる徒長という状態になってしまい、花数も減ってしまいます。
また、デイジーは寒さには強いですが霜には弱いという性質を持っており、霜が降りる時期には霜がかからない場所を避けて栽培しましょう。
霜に当たると株自体が傷んでしまうことがあるため、注意が必要です。
水やり
デイジーは水切れに弱い植物であるため、土の表面の乾き具合を確認しながら適切なタイミングでたっぷりと水をやりましょう。
デイジーは冬から春に開花が集中するので、水やりは午前中に済ませるのがおすすめです。
午後に水やりをすると夜まで土が湿った状態になってしまい、根が霜でやられてしまう可能性があります。
水やりのタイミングは、土の表面が薄茶色に乾いてきたタイミングが良く、日々土を観察していると乾くタイミングが分かるようになります。
土の表面が乾いたら、鉢底から水が溢れ出てくるまで数回に分けて水をあげるようにしましょう。
植え付け・植え替え
デイジーの苗は秋から出回るようになり、植え付ける時期は9月から10月までがおすすめです。
秋に買った苗を植え付けるときは、霜が降りる時期までにしっかりと根付かせることが大切です。
10月以降の植え付けは苗が十分に根付かず、枯れてしまう原因になりかねません。
また、デイジーは種から育てることもでき、種を蒔いたポットなどから本葉が2~3枚生えてきたら植え付けのタイミングです。
種から育てる場合も、苗から育てる場合と同様に寒さが厳しくなる前に根付かせることが大事です。
剪定
デイジーの開花期間をより伸ばすには、切り戻しなどのお手入れが重要です。
一番に咲いた花が枯れてきたら、花茎の根元でカットする花がら摘みを行いましょう。
枯れた花を放置してしまうと、種を作るために次の花を咲かせるエネルギーを奪われてしまいます。
また、株全体の花がある程度咲き終わったら株全体を切り戻しましょう。
時期は4月頃が適期であり、切り戻し後も適切な水やりを行っていくと脇芽が伸びて、再び開花を楽しむことができます。
夏の管理方法
デイジーは夏の暑さに弱い植物ですから、戸外に置いておくと自然に枯れてしまいます。
そのため、日本では一年草として扱われている場合が多いほどです。
どうしても夏越しをさせて多年草として楽しみたい場合は、株に体力を残させるように育て、夏場は涼しい屋内に取り込みましょう。
屋内に取り込む際は茎を根元からカットしておきます。
12月頃になれば再び屋外に移動させられるので、もう一度花を楽しみましょう。
増やし方
デイジーの増やし方は、種を採取することに限られます。
夏越しに行った場合は種を採取できないため、あらかじめ理解しておくことが大切です。
また、デイジーの種は花が咲き終わった後に作られるので、花がら摘みをやめ、種が作られるのをゆっくりと待ちましょう。
花が枯れてきたタイミングで花を花茎からカットすると小さな種を採取できるので、種まきのシーズンである8~9月まで乾燥させた状態で保管しておくことをおすすめします。
注意すべき病害虫
デイジーは害虫や病気には比較的強い植物です。
しかし、デイジーを育てるうえで注意すべき病害虫として、アブラムシやカメムシ、菌核病などが挙げられます。
また、デイジーにとってカタツムリも害虫扱いです。
これらの病害虫に注意を配っていればデイジーはきちんと育っていくため、事前に対策を行うようにしましょう。
下記では、具体的な対策などをご紹介します。
害虫
デイジーにとって最も害のある害虫はアブラムシです。
アブラムシは3~5月に大量発生する害虫であり、新芽や茎、若い葉など、やわらかい部分に好んでくっつき、吸汁することで株の体力を奪って弱らせます。
春や秋などの気候の良い時期に発生しやすいため、見つけ次第対処しましょう。
主な対処方法としては農薬の使用か、直接捕殺するかのどちらかです。
農薬を使用するときは必ず適応内容を確認してから購入し、手軽なスプレー式のものを使用して直接かからないように気をつけましょう。
病気
デイジーは比較的病気に対して強いですが、注意すべき病気として菌核病があります。
菌核病は地面近くの茎に発生し、菌核病にかかった茎には褐色の斑点が現れます。
病気が茎にまで進行すると茎はしおれて腐り、最終的には枯れてしまうという非常に怖い病気です。
菌核病にかからないように、殺菌剤を散布するなどして予防に努めましょう。
まとめ
デイジーは12~5月という比較的長い開花期を楽しめる非常に可愛らしい花です。
花言葉の意味も「純潔」「美人」「平和」「希望」と素晴らしい意味合いが多く、ブライダルシーンや大切な人へのプレゼントにもぴったりといえるでしょう。
花形や花色も豊富であり、園芸品種としても丈夫なデイジーは、ガーデニングをはじめたばかりの初心者の方におすすめです。
切り花としてもガーデニング用の花としてもとても優秀なデイジーをぜひ一度、さまざまな方法で楽しんでみましょう。