カポック(シェフレラ)の基本的な育て方|管理や植え替えの方法

 

 

観葉植物の「カポック」をご存知でしょうか。

お店やオフィスなどに置かれることも多く、一度は見かけたことがあるかもしれません。

いろいろなテイストの部屋に馴染むので、インテリアとしてもおすすめです。

さらに、丈夫で育てやすいため、これからグリーンインテリアを取り入れたいという初心者の方にもおすすめしたい観葉植物です。

今回は、カポックの特徴や種類、育て方のポイントなどについてまとめました。

購入をお考えの方は、参考になさってみてくださいね。

カポックの特徴・基本データ

科名:ウコギ科

属名:シェフレラ属(フカノキ属)

学名:Schefflera arboricola

英名:Dwarf Schefflera

和名:シェフレラ、ホンコンカポックなど

原産地:台湾、中国南部

常緑植物のカポック(シェフレラ)は、熱帯アジアを中心にして広く分布しています。

とても丈夫で寒さや日陰に強く、育て方が簡単な観葉植物です。

実は、本来のカポックとはパンヤ科ワタノキ属「パンヤ」のことを指し、シェフレラとは全く別の種類です。

しかし、シェフレラの葉がカポックと酷似しているので、日本では「ホンコン・カポック」として定着しました。

日本国内でカポックといえば、ホンコン・カポックとして流通しています。

そのため今回は、ホンコン・カポックのことを、以下ではカポックとしてご紹介します。

カポックの種類と品種

手のひらのような形の葉が魅力的で、観葉植物の中でも人気の高いカポック。

カポックには600種類以上もの品種が存在しています。

ここでは、特に人気のあるカポックの品種を3つご紹介します。

ぜひ、あなたのお気に入りのカポックを見つけてみてくださいね。

シェフレラ・アンガスティフォリア

シェフレラ・アンガスティフォリアは、別名「ベヌローサ」とも呼ばれます。

細く長い葉には光沢があり、涼やかでスタイリッシュな印象を受けます。

すらりと伸びた美しいフォルムです。斑状模様の入った種類も出ており、葉のバリエーションも楽しめます。

繊細な姿ですが、とても丈夫で強く育ってくれるので、初心者の方でも気軽に育て始められますよ。

耐寒性はありますが、5℃以下の気温には弱いので、冬は室内で冬越しさせましょう。

希少価値のある品種なので、出会えたらかなりラッキーかもしれません。

シェフレラ・コンパクタ

どことなくアジアンテイストの漂うシェフレラ・コンパクタは、耐陰性があるので、室内の日陰でも育ってくれます。

耐寒性や耐暑性にも優れているので、初心者でも安心して育てられますよ。

ただし、0℃以下の寒さには弱いので、冬季は念のため暖かい室内に入れてあげましょう。

コンパクタの中には、キングとクイーンの2種類に分けられます。キングは尖った笹のような葉や、斜め上へと広がって生長するのが特徴です。

クイーンは葉に丸みがあり、キングに比べると広がり過ぎず、コンパクトに育ちます。

シェフレラ・トリネッティ

つやつやとした葉が美しいシェフレラ・トリネッティは、ホンコン・カポックに斑が入った品種です。

丸みのある葉に、黄色の斑模様が入っています。

斑の色は黄色が多く流通していますが、白い斑の入ったものもあります。

とても珍しい種類なので流通が少なく、希少価値が高いです。

丈夫に育ってくれるので、ギフトや観葉植物の入門としてもおすすめですよ。

カポックを育てるまでの準備

鉢植えのカポックを、購入時の鉢でそのまま育てるのもいいですが、苗木をお気に入りの鉢に植えて育てるのも楽しいですよ。

インテリアとして飾るのであれば、素敵な鉢でおしゃれさもぐんとアップします。

家にお庭がある方は、地植えもできます。

ここからは、鉢や庭でカポックを育てるために、必要な準備や手順をご紹介します。

鉢で育てるための準備

①苗よりも一回り大きい鉢を用意します。

②鉢底石を敷き、土をふんわり入れたら苗を入れます。

③苗と鉢の間を土で埋めるように足していきます。

④手でしっかり土を固め、株を固定します。

⑤水を与え、風通しの良い明るめの日陰か、レースカーテン越しに置きます。

道具はジョウロ以外にも、ジョウロ、霧吹き、液体肥料、剪定バサミを用意しておくと良いでしょう。

後から揃えても間に合いますので、購入時にすべて準備する必要はありません。

庭などに直接育てるための準備

苗と比べて一回り大きく穴を掘り、中に苗を植えます。

カポックは、地植えにすると1年で1メートル以上も生長し、高いものでは10メートルを越えることもある植物です。

高さや幅など、お庭周りにゆとりを持って植えることをおすすめします。

カポックの育て方の基本情報

耐陰性を持ち、暑さ寒さにも強い丈夫なカポックは、まさしく初心者向けの観葉植物です。

枯らさないか心配な方は、まずカポックから挑戦してみるのも良いかもしれません。

ここからは、カポックの基本的な育て方について、詳しくご紹介します。

植え付けの仕方

カポックの植え付けは、生育期である5~7月に行いましょう。

まだ小さくて、あまり根が出ていない状態の苗は、ちゃんと根が出るまでは、土が常に湿っているよう注意します。

鉢植えには、観葉植物用の土に、赤玉土や腐葉土、堆肥などを混ぜたものを使いましょう。

地植えの場合は、植え付けの2週間前ぐらいから、植え場所の土に堆肥を混ぜて寝かせておくのがおすすめです。

水やりの仕方

カポックの水やりは、鉢土の表面が乾いたタイミングで行ないます。

水やりの際は、鉢の中の土全体に、まんべんなく水が染み渡るように与えます。

あげたお水が鉢底から溢れてくるまで、たっぷりと水やりしましょう。

毎日水を与えなければと思いがちですが、与え過ぎは根腐れの元です。

あくまでも「土が乾いているかどうか」を目安に水を与えましょう。

また、気温が10℃以下になるとカポックの生長が止まります。

冬季は水やりを減らし、土が乾いてから2~3日後まで待ってから水を与えるのがベストです。

肥料のあげかた

生育期である4~10月の間に、2ヶ月に1回のペースで肥料を与えましょう。

緩効性の置き肥料を使うと、養分がゆっくりと溶け出して行き渡ってくれるのでおすすめです。

花芽が増えたり、生長状態を促進したり、健康維持や、根張りが強まるといった効果があります。

肥料を与えるときは、幹に近い部分を避けて、土の表面や中に施肥しましょう。

置き場所やお庭のスペースなどの都合で、あまり大きく生長させたくない場合には、肥料を与えず様子を見ると良いでしょう。

冬は生長が止まり、肥料は必要ないので取っておきましょう。

ただし、暖かい室内に置いていて、新芽が出てきた場合には肥料を与えます。

剪定の仕方

観葉植物を長く楽しむには、剪定作業が欠かせません。

不要な葉や枯れた葉、密集しすぎている部分の葉は、剪定して取り除きましょう。

剪定により、充分な養分が植物全体に行き渡り、風通しが良くなることで病気を防げます。

剪定バサミなど、切れ味のいい清潔なハサミで行ないましょう。

また、湿度が高い日に行うと、切り口が乾燥せず細菌などの発生原因になります。

からりとした晴れの日の剪定作業がおすすめです。

 

カポックは生長速度が早く、形が崩れやすいので、こまめに剪定して整えればコンパクトな状態を保てます。

冬越しさせる方法

霜に当たらず、積雪がなければ屋外で育てることもできますが、できれば冬季は室内で管理しましょう。

暖かい室内であれば、冬場もゆるやかな生長を楽しめます。

寒さで葉が落ちても、冬を越えた春先に日光浴させれば、葉に元気が戻ってきます。

 

挿し木での増やし方

幹や枝部分を切って「挿し穂」を作り、それを新しい鉢土に挿して増やす方法を「挿し木」と呼びます。

挿し穂は、長さは10~15センチほどで、枝の1~2節を残します。

剪定した枝を使うのもおすすめです。

埋める枝先の切り口は斜めにして、残った葉は半分切り、土に挿します。

カポックはとても生命力が強い植物なので、水やりを欠かさずに行えば、土に挿した枝から1ヶ月ほどで新しい根が生え、根付いてくれますよ。

カポックの育て方のポイント

カポックは丈夫で育ちやすい観葉植物なので、初心者の人でも手軽に育て始められます。

正しい育て方やお手入れ方法を学べば、カポックの育成をもっと楽しむことができ、愛着が湧いてきますよ。

ここでは、適切な置き場所や苗の選び方、植え替えの方法などを詳しくお伝えします。

置き場所

カポックは耐陰性がある植物ですが、太陽の光も大好きです。

室内の日当たりが少ない場所でも育ちますが、適度に日光浴させましょう。

できれば置き場所は、直接日光が当たらない明るめの日陰か、レースカーテン越しの窓際などにしましょう。

直射日光を浴び続けると、葉が変色して「葉焼け」を起こし、健康状態に悪影響を及ぼします。

週2回程はベランダや外で日光浴させると、葉に艶が出て、より健康に育ってくれますよ。

苗の選び方

カポックを購入する際は、なるべく元気で健康的な苗を選びましょう。

葉が大きく、丈夫でしっかりとした茎の苗を選びます。

カポックは園芸店などにはだいたい一年中出回っており、いつでも購入できます。

春から秋にかけてが生育期なので、4~5月頃に購入しておくと、強く根付き、よく育ってくれるでしょう。

植え替え時期の方法

植え替える時期の目安としては、下記が挙げられます。

 

・鉢に対して木が大きい

・下葉が枯れている

・土に水が染み込みにくい

・鉢底から根が出ている

・購入後2年経っている

 

生長して鉢が小さくなると、鉢内で根がぎゅうぎゅうと詰まってしまいます。

この状態を「根詰まり」と呼び、水が行き渡らずに栄養が不足して、下の葉が枯れてくるといった不健康な状態になります。

上記のような状態がひとつでもあったら、気を付けて見てあげるか、一回り大きい鉢への植え替えを検討しましょう。

植え替えのタイミングとしては、生育期である春から秋がおすすめです。

カポックにつく害虫・病気とその対処法

カポックのみならず、植物には病気や害虫が発生します。

中でもカポックを好んで寄生する害虫や、かかりやすい病気、その対処法や予防策などを詳しくご紹介します。

普段からこまめな予防を心がけ、大切なカポックを守ってあげてくださいね。

カイガラムシ

カイガラムシは植物の葉や茎に寄生し、貝殻のような固い体を持ちます。

樹液を食事にするので、放置しておくと植物はだんだんと弱っていきます。

また、カイガラムシの排泄物は、「すす病」の原因にもなり、二次被害に及ぶ可能性もあります。

風通しの悪いジメジメした環境を好むため、風の通りが良い場所に置き、密度が高い部分の葉は間引いて調整しておきましょう。

扇風機などで風の流れを作るのも効果的です。

また、乾燥も好むので、葉に霧吹きなどで水をかけて湿らせてあげると、葉の乾燥を防ぎ、発生を予防できます。

アブラムシ

アブラムシも厄介な害虫です。カイガラムシと同様に、植物の液を食事にしています。

若い芽や茎に好んで寄生し、植物を弱らせます。

ベタベタとした排泄物は、すす病の原因やアリの発生にも繋がります。

もし発見した場合は、水を勢いよくかけて洗い流すか、やわらかめの歯ブラシなどを使って取る、もしくは殺虫剤で早めに駆除しましょう。

アブラムシは反射光を嫌う性質なので、鉢土や根元にアルミ箔を敷き、光を反射させると効果があります。

うどんこ病

うどんこ病とは、葉にカビが発生して白くなってしまう病気です。

カビの生えた部分がうどん粉をまぶしたようなので、うどんこ病と呼ばれます。

カビの部分は光合成を行なえず、植物の健康が損なわれるうえ、カビ菌が増殖して、他の健康な葉や近くの植物などにも移ってしまいます。

初期段階では、重曹や酢などを水に薄めて散布すれば対処できます。

1週間ごとに、霧吹きなどで散布しましょう。

発見が遅くなり、カビが重度である場合には、病気になった葉を摘み、強い薬剤を使用しなければなりません。

炭疽病

炭疽病は、高温多湿を好んで発生するカビが原因です。

葉に黒い斑点状のカビが発生し、葉に穴が空いてしまいます。

特に梅雨の時期には注意が必要です。

病気になった部分は回復しませんので、炭疽病にかかった葉は早期に摘み取ります。

窒素成分の多い肥料を過剰に与えるのも発生原因のひとつなので、控えめにしましょう。

対策としては、風通しの良い場所で育て、葉が密集する部分は間引いておく、水やりは植物の株元に行なうなどが挙げられます。

まとめ

シェフレラは育て方が簡単なので、ギフトとや自宅用にもおすすめできる観葉植物です。

購入する場合は、じっくり店頭で選ぶのも良いですが、通販サイトを利用すると、持ち帰る必要がなく、たくさんの種類を比較しながら選ぶことができますよ。

お店ではなかなか見かけない、珍しい品種にも出会えるかもしれません。

プレミアガーデンでは、観葉植物も多数のラインナップを揃えております。

この機会に、自宅のインテリアやギフト用として、当店でカポックを購入してみてはいかがでしょうか。

 

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