屋外でも育つ!乾燥や直射日光に強い丈夫な観葉植物

観葉植物を育て始めたいと考えている方の中には、「お部屋に観葉植物を飾って育ててみたいけど、日当たりがあまり良くないし、ちゃんと育ってくれるか不安……」「窓際に観葉植物を置きたいけど、日当たりが強すぎないか心配……」とお悩みの方がいらっしゃるのではないでしょうか。

観葉植物を置きたい場所や、置けそうな場所が植物向きではないからと諦めなくても、その場所にも耐えられる性質や強さを持った品種を選べば、問題なく育てられますよ。

今回は、日光・湿度・温度などの項目別に、それぞれ強さや耐性を持っている観葉植物をご紹介していきたいと思います。

 

丈夫な観葉植物を選ぶメリット

グリーンインテリアブームによって人気が急上昇中の観葉植物。

種類があまりにもたくさんありますから、育てたことのない方はどれから手を出していいものか分かりませんよね。

何を購入しようか迷っているときには、とにかく丈夫な観葉植物を選びましょう。

生命力の強い観葉植物は、育て方や扱い方に不慣れな初心者の強い味方です。

 

お世話が簡単

観葉植物を新しくお出迎えするには、お部屋のインテリアに合うかどうかや、置き場所に見合った大きさなのかどうか、手頃に入手できる値段かどうかも気になるところですよね。

これらも大切なのですが、最重要に考えるのは「植物が育てやすいかどうか」です。

日光が強い場所でも育つのか、室内の日陰にも耐えられるのか、乾燥には強いのかなど、なるべく丈夫な観葉植物を選ぶことで、もし植物にトラブルが起きて元気をなくしてしまったときでも、生命力の強さから回復してくれる可能性が高まります。

一度弱った観葉植物は回復までに期間が必要ですし、応急処置も必要です。

手のかかるお世話も、もちろん観葉植物を育てるうえでの楽しみのひとつではありますが、なるべく負担にならずに育てられたら嬉しいですよね。

飾る場所を選ばない

マンションやアパートなどにお住いの方は、窓が少なかったり日差しがたっぷり差す場所に植物を置けないなど、間取りの都合があると思います。

そんな住む場所の都合に合わせられるのが、丈夫な観葉植物です。

例えば、耐陰性に優れている観葉植物でしたら、日陰〜半日陰の場所でも元気に育ちますし、少し寒いひんやりしたところに飾りたいなら、耐寒性に優れている品種を選びます。

眩しい窓のカーテンの代わりに観葉植物を置きたいときには、強い日光が好きな観葉植物を置くことで解決するでしょう。

このように、丈夫な観葉植物は適応力の高さも兼ね備えているので、こちらの都合に叶った置き場所での管理ができるようになるのです。

 

日光が好き!直射日光に強い観葉植物

まずは、強い日光を好む、直射日光に耐性がある観葉植物の品種をご紹介します。

植物は日の光が好きだろうと思っても、観葉植物は直射日光などで葉焼けを起こすものも多いので、日光に耐性があるかどうかというのは非常に重要なポイントです。

ベランダや窓際など、強い日の光が差す場所に観葉植物を飾りたいと考えている人は、ぜひ参考にしてみてくださいね。

 

ゴールドクレスト 

科・属 ヒノキ科・クプレッサス属
和名 ゴールドクレスト
英名 Monterey cypress
学名 Cupressus macrocarpa ‘Goldcrest’
原産地 アメリカ

モミの木に似た樹形の「ゴールドクレスト」は、園芸用のヒノキやマツなどの針葉樹「コニファー」の仲間です。刈り込みに強いので、さまざまに形作られるトピアリーとしても仕立てやすい植物です。

枝や葉の色は黄金色をしており、日本ではクリスマスツリーやクリスマスリース用の素材としてもお馴染みですね。

ゴールドクレストは日の光がとても好きなので、屋外でもすくすく育ってくれます。耐寒性があり乾燥にも強く、大変育てやすい品種です。

一方で、日本の湿度が高い梅雨〜夏の時期は得意ではありませんので、ゴールドクレストを育てるときには、特に風通しを意識して管理しましょう。

洋風の建物と相性が抜群なので、洋風のお家の庭先などにはゴールドクレストが植えられているのをよく見かけます。

 

ユッカ 

科・属 リュウゼツラン科・イトラン属
和名 ユッカ、青年の木
英名 Yucca
学名 Yucca gigantea

Syn. Yucca elephantipes var. gigantea

原産地 中央アメリカ

ユッカは、「ユッカ・エレファンティペス」という品種が代表的なもので、「青年の木」という若々しい名前があるように、生命力が大変強く、厳しい乾燥地帯でも生き抜ける植物です。

 上へとまっすぐ枝を伸ばしていくので存在感がありますが、横への広がりは少ないことから、コンパクトなスペースでも飾りやすいというメリットがあります。

明るい日光を好み、耐寒性にも優れていて2度ほど確保できれば屋外での冬越しもできる強さが特徴です。

見た目もおしゃれなユッカはどんなお部屋にもマッチしやすく、エネルギッシュなユッカを飾ることで、お部屋全体にパワーも注がれそうですよね。次々に新しい芽を作るので、風水的にも良い効果が期待できます。

 ユッカの中でも「ユッカ・フィラメントーサ」という品種は、なんとマイナス25度までに耐えられるという驚きの耐寒性を持っています。日本でそこまでの寒さになることはありませんが、ユッカの強靭な生命力には驚かされますね。

ユッカ・フィラメントーサのように寒さに強い品種を選べば、寒い地方でも地植えで育てていくことができます。

直射日光にも強いユッカですが、長く日陰で管理していた鉢を、いきなり直射日光を浴びさせてしまえば、もちろん葉焼けは起こりやすくなります。

ユッカが日光に強いからと手を抜かず、久しぶりに日光浴をさせる場合には、徐々に日差しに慣らしていくようにしましょう。

 

フィカス・ウンベラータ 

科・属 クワ科・フィカス属
和名 フィカス・ウンベラータ
英名 Ficus umbellata
学名 Ficus umbellata
原産地 熱帯アフリカ

ハート型の可愛い葉が大人気の「フィカス・ウンベラータ」は、観葉植物の中でもトップクラスの人気を誇ります。フィカス・ウンベラータから観葉植物を育て始めたという声もよく聞きますよ。

「ウンベラータ」とは、ラテン語で「日傘」を意味する言葉です。これはフィカス・ウンベラータの、傘にもなりそうなくらい大きな葉から名付けられています。

フィカス・ウンベラータは常緑樹なので、通年美しい葉を楽しめるのも、インテリア向きであるポイントです。

その元気な姿から「健やか」の花言葉や、ハート型の葉から連想される「夫婦愛」「永久の幸せ」という縁起の良い素敵な花言葉もありますよ。

フィカス・ウンベラータは、結婚祝いや新築祝い、出産祝いなどのグリーンギフトとしても人気があります。

耐寒性はそこまで強くはないので、冬場は必ず室内で管理するように心がければ、持ち前の生命力を発揮して、日々元気な姿を見せてくれるでしょう。

オリーブ

科・属 モクセイ科・オリーブ属
和名 オリーブ
英名 Olive
学名 Olea europaea
原産地 地中海地方、中近東、北アフリカ

「オリーブ」の木は、現地では平和のシンボルや魔除けの効果がある木として愛されています。

品種によって、たくさん実をつけるものがありますので、実を収穫してオイルやピクルス作りも楽しめますよ。

地植えでさんさんと降り注ぐ太陽の下、元気に育っているイメージの強いオリーブは、マイナス3度まで耐えられる耐寒性を持っています。原産地が暖かい場所ですから、ちょっと意外な気もしますね。

害虫がつきにくい観葉植物なので、虫が苦手な方には特におすすめです。

 

エバーフレッシュ 

科・属 マメ科・コヨバ属
和名 赤莢合歓木(あかさやねむのき)
英名 Include algarrobo
学名 Cojoba arborea var. angustifolia
原産地 中南米・東南アジア

 近年人気が一段と高まっている「エバーフレッシュ」は、ネムノキの仲間です。

花を咲かせた後に赤い鞘を作るので、和名では「赤莢合歓木(あかさやねむのき)」と呼ばれています。

ほっそりとしたシャープな幹と、鳥の羽のような葉の形が涼しげで、おしゃれな見た目からカフェやインテリアショップなどでもよく見かける観葉植物です。

エバーフレッシュの最大の特徴に、夜になると羽のような葉を閉じるという習性があります。これは、同じくマメ科のネムノキにも見られる特徴で、「就眠(睡眠)運動」という性質です。夜の間に葉から水分が蒸発するのを防ぐため、まるで眠るように葉を閉じています。

お部屋に飾って同じ時間を過ごしていると、自分が眠る頃にはエバーフレッシュも葉を閉じているので、とても愛着が湧いてくるでしょう。

水分が不足していると日中でも葉を閉じるため、水やりの加減や植物からのサインが分かりやすい観葉植物でもあります。

  

アイビー

科・属 ウコギ科・キヅタ属
和名 アイビー、ヘデラ
英名 Ivy
学名 Hedera
原産地 北アフリカ、ヨーロッパ、アジア

つる性植物の「アイビー」は、繁殖力がとても強い観葉植物です。

地植えのアイビーが建物の壁一面を覆っている様子は、街中で結構見かける風景ですよね。

耐暑性・耐寒性・耐陰性を強く持ち、さらには乾燥にも強いという申し分のない丈夫さを持っています。

アイビーは他の植物との相性も良いので、寄せ植えの素材としても人気です。

特に斑模様の入った品種が日光に強く、日光が不足するとアクセントである班が薄くなったり小さくなったりするので、日光を調節するバロメーターにもなります。

 

フェニックス・ロベレニー

科・属 ヤシ科・ナツメヤシ属
和名 フェニックス・ロベレニー
英名 Roebelen palm,、miniature date palm
学名 Phoenix roebelenii
原産地 ラオス、ベトナム

最近人気が急上昇しているのが、ヤシの木の仲間の「フェニックス・ロベレニー」です。

フェニックス・ロベレニーはホテルのロビーなどでよく見かける機会があり、ワンランク上の日常空間を作るのに活躍してくれます。ヤシの木の仲間ですから日光も水も大好きで、直射日光には大変強く夏の日差しも心配ご無用です。

柔らかなニュアンスの細い葉は、優し気な雰囲気があるので、眺めているとゆったりとした気持ちになれます。

フェニックス・ロベレニーには0度まで耐えられる耐寒性もありますが、普段屋外で管理している大きな鉢植えを室内に入れるのはちょっと難しいかもしれませんね。

 

ストレリチア・オーガスタ 

科・属 バショウ科・ゴクラクチョウカ属
和名 極楽鳥花(ごくらくちょうか)
英名 bird of paradise tree
学名 Strelitzia nicolai
原産地 マダカスカル

「ストレリチア・オーガスタ」はバナナと同じバショウ科なので、葉の形がバナナの葉にとても似ていて、お部屋に飾るとトロピカル空間が演出できる観葉植物です。

学名の 「Strelitzia nicolai」は、皇帝ニコライ一世から名付けられました。

白くて美しい花を咲かせるため、「天国の白い鳥」という呼び名もありますよ。

英名の「bird of paradise tree」にちなんで、和名では「極楽鳥花(ごくらくちょうか)」とも呼ばれます。

たっぷりとしたボリューミーな葉が魅力的なストレリチア・オーガスタは、そこそこの広がりがあるので、スペースを確保できる場所で楽しむのがおすすめです。

日光浴をさせることで、その美しい葉に磨きがかかり、葉茎が丈夫に育ちます。

ストレリチア・オーガスタのように大きな葉を持つ観葉植物は、特に蒸散作用が高いので、室内に置くことで加湿器としても活躍してくれます。

パキラ 

科・属 アオイ科・パキラ属
和名 パキラ、カイエンナッツ
英名 guiana chestnut
学名 pachira glabra 
原産地 ブラジル

観葉植物初心者の方に、自信を持っておすすめできる、オールマイティーな耐性を持っているのが「パキラ」です。丈夫さに悩んだときには、とにかくパキラに決めておけば間違いないでしょう。

生長速度が速いため、自分好みに樹形を整えていくこともできます。剪定も神経質に行なう必要がなく、気楽にカットできますよ。

「発財樹」の別名も持っているパキラは、お部屋に置くと金運上昇や仕事運アップといった風水効果も期待できます。縁起が良い観葉植物ですので、ビジネスシーンでの贈り物にも人気です。

 

水やりを忘れても安心!乾燥に強い観葉植物

続いては、乾燥への耐性を特に強く持っている観葉植物たちをご紹介します。

水やりを忘れてしまいそうで心配な人や、普段忙しくされていて家を空ける時間が長い方などは、乾燥に強い品種を選んでおくと安心ですよね。

 

モンステラ 

科・属 サトイモ科・モンステラ属
和名 モンステラ
英名 Monstera
学名 Monstera
原産地 熱帯アメリカ

ハワイアンな雰囲気満点な「モンステラ」は、とても乾燥に強い観葉植物です。

ボタニカル柄やアロハシャツのデザインなどのモチーフとしてよく使われているので、馴染み深い植物でもありますね。

モンステラは耐陰性にも優れていますので、文句なしに室内で育てやすい品種です。

深い切り込みの入った大きな葉は、眺めているだけで穏やかな気持ちになれるでしょう。

存在感のあるモンステラは、インテリアのアクセントとしても適しているので、模様替えをしなくてもお部屋の雰囲気を変えて、リフレッシュすることができます。

 

サンスベリア 

科・属 キジカクシ科・サンスベリア属
和名 虎の尾
英名 Sansevieria
学名 Sansevieria trifasciata cv. Laurentii
原産地 熱帯アフリカ

「サンスベリア」の肉厚の葉は幅広く、蒸散作用が非常に高いため、かなりの空気清浄効果を期待できます。そのため、NASAが認定した「エコプランツ」の中でも、サンスベリアは高評価を受けています。こうした効果を知ると、部屋に置いておくだけでもフレッシュな空間になったような気がしてしまいますね。

サンスベリアは剣状の尖った葉を、すらりと上へ伸ばしていくので、置き場所もコンパクトに済みます。

生育期を迎えたサンスベリアは、次々に新しい芽を出していきますので、株分けなどで増やしていく楽しみもあります。

 

まとめ

今回は、置き場所に合わせて選べる、丈夫な性質を持っている観葉植物について、人気の品種やおすすめの品種をご紹介してきました。

日差しの強い窓辺に飾りたいとき、少し水やりを忘れてもあまり影響しない強さが欲しいときなどには、過酷な環境下でたくましく生き抜いてきた、観葉植物のたくましい生命力に助けてもらいましょう。

お世話にだんだんと慣れていくうちに、少し難易度の高い観葉植物のお世話にも挑戦できるようになりますよ。

大切なあの人にお花を送ってみませんか?