胡蝶蘭の花言葉は怖い?色別の花言葉や由来について

 

お祝いのギフトやフォーマルシーンの贈り物にも有名な胡蝶蘭。

ところでこの胡蝶蘭、どのような花言葉を持っているのでしょうか?

その豪華な花姿は、美しくて目を惹く存在ですが、ボリュームや花の大きさから「少し

怖い…」という印象を持つ方もいます。

もし、胡蝶蘭に怖い花言葉があり、知らずに贈ってしまったら、相手方に誤解を生んでしまうかもしれません。

今回は、胡蝶蘭が持つ花言葉を色別紹介していきます。胡蝶蘭をギフトに検討されている方は、贈る前に胡蝶蘭の持つ花言葉を確かめてみましょう。

胡蝶蘭はどんなお花?

まずは、胡蝶蘭の歴史や特徴などからご紹介していきましょう。

 

胡蝶蘭は、熱帯地方を原産とする着生植物です。胡蝶蘭の特徴的な根は、土に根付かずにほかの木や岩肌に着生して生育しています。

 

イギリスの探検家によって発見され、日本には明治時代にやってきました。原種は茶色い花びらで、今のような純白の美しさになったのは、100年以上もの品種改良が重ねられてきた結果です。

その品種改良により、定番の白以外にも黄や紫、青、紅白のリップカラーなどの豊富な花色、さらには小輪・中輪・大輪などの花の大きさなど、さまざまなバリーエーションを楽しめるようになりました。

名前の由来

和名である胡蝶蘭の「胡蝶」とは蝶々を指しています。蝶が舞うような美しい花姿のラン科の花であることが、名称の由来です。

連なった蝶の群れのようにも見え、蝶が羽を休めている姿のようにも見える、趣がある花姿になっています。白い胡蝶蘭は、モンシロチョウ、黄色い胡蝶蘭は黄蝶のようにも見え、華やかなイメージです。

英名では「Phalaenopsis(ファレノプレシス)」と呼ばれており、これはギリシャ語で「蛾に似た」という意味を持っています。

こちらも和名同様に、蝶や蛾に見立てて名付けられた名前になっています。

胡蝶蘭の「〇本立て」とは?

胡蝶蘭の商品を見ていると、「〇本立て」という言葉をよく見かけると思います。

これは、一般的に贈答品とされる胡蝶蘭が、複数の株を寄せ植えされており、いくつの株を立てられて植えているかという本数になります。

 

胡蝶蘭は、1つの株から1つの茎が伸びる植物です。そのため、ボリュームに幅広さを出して豪華さを演出する場合には、鉢に寄せ植えをして3~10本立て以上までアレンジメントをします。

株が増えるほど、花の数も比例して増えるため、どんどん豪華に存在感が増していくのです。

ちなみに日本では、昔から贈り物などに関しては「奇数が縁起の良い数字」でありマナーだと考えられているので、株の本数も奇数が定番となっています。

贈り物として選ばれる胡蝶蘭は、3・5・7本立てが定番の株数です。

胡蝶蘭に怖い花言葉はあるの?

胡蝶蘭の特徴がわかったところで、さっそく花言葉についてご紹介していきましょう。

フラワーギフトを贈るときは、お花選びの際に花言葉を考えて選ぶ方もいます。

その豪華な姿から、高貴な印象も持つ胡蝶蘭ですが、いったいどんな花言葉を持つのでしょうか?ここでは、胡蝶蘭の花言葉を色別に詳しく紹介していきます。

日本での胡蝶蘭の花言葉

「幸福が飛んでくる」

胡蝶蘭全体には「幸福が飛んでくる」という素敵な花言葉があります。名前の由来にもなった花姿の蝶には、「春を告げる、幸せを運ぶ」というイメージのほかにも、神様のメッセンジャーといったスピリチュアル的な印象もあります。

花姿そのものから「幸福が飛んでくる」というポジティブで明るい花言葉がついたのでしょう。

お祝いシーンのギフトに選ばれやすい理由としては、胡蝶蘭が持つこの素敵な花言葉にあるのではないでしょうか。

「純粋な愛」

「純粋な愛」の花言葉は、胡蝶蘭の学名である「ファノレプシスアフロディテ」から由来するものです。

 

先述したように、ファレノプシスとは蝶や蛾に似ているという意味のギリシャ語です。「アプロディーテー」(古典ギリシア語)は、ギリシャ神話の愛と豊穣の女神・アプロディーテーから付けられた名称です。

アプロディーテーよりも「ヴィーナス」の別名のほうが、聞き馴染みがあってわかりやすい方もいると思います。

花言葉の「愛」とは、愛と豊穣の女神であるアプロディーテーから添えられています。

幸福と愛の花言葉を持つ胡蝶蘭は、とてもロマンティックなお花だといえるでしょう。

丸みを帯びた花の形からも、愛の化身・アプロディーテーのふくよかな体をイメージさせるのかもしれません。

胡蝶蘭の色別の花言葉

胡蝶蘭全体としては、特別怖い意味合いの花言葉は見当たりませんが、色別に付けられている花言葉のなかには少し怖い花言葉が存在しています。ここでは胡蝶蘭の花言葉を色別に紹介します。

胡蝶蘭はすべての色に花言葉があるわけではありませんので、現状で花言葉のある色のみ、お伝えしていきましょう。

白「清純」「純粋」

定番カラーであり、胡蝶蘭とはこの色だともいえる純白。

胡蝶蘭は肉厚の花びらであるため、白の美しさがより映えています。

しっかりとした厚みの花びらからは、清潔感や上品さを感じさせ、きちんとした印象を与えるために、ビジネスなどフォーマルなシーンに適しているのですね。

 

白い胡蝶蘭の「清純」「純粋」の花言葉は、やはりその美しい純白色から名付けられたものでしょう。光に当たっても透けない花びらは、持ち前の白さが際立っています。

そのため、ブライダルフラワーとしてもふさわしく、白無垢や白いウェディングドレスにもよく馴染んでくれるお花です。

白はお悔やみの色でもあるために、葬儀や法事などでお供えするお花としても適しています。冠婚葬祭、どのシーンにもふさわしく使える胡蝶蘭は万能ともいえるでしょう。

ピンク「あなたを愛します」

愛や恋、女性的なイメージが浮かびやすいピンク色には、「あなたを愛します」という情熱的な花言葉がついています。

白い胡蝶蘭よりも、カジュアルな印象があり、個人に贈るギフトには白色よりピンクのほうが使いやすいかもしれませんね。

告白やプロポーズに添えるお花、記念日などの大切な日の贈り物としてもぴったりの花言葉です。

また、ピンク色は女性へ贈りやすい花色ですから、母の日のフラワーギフトとして贈るのにも向いています。カーネーションの代わりに、ピンクの胡蝶蘭というのも、なかなかおしゃれなチョイスになります。

青「尊敬」「誠実」

落ち着いたカラーである青には、堅実さや真面目なイメージがあります。

そのイメージどおりに、青い胡蝶蘭には「尊敬」「誠実」の花言葉があります。

しかし、青色の胡蝶蘭というのは元々、存在していない色でした。比較的新しい品種となっています

青い胡蝶蘭が生まれたのは、2012年で、日本の研究者たちによって、世界初となる青色胡蝶蘭の開発に成功しました。

青い胡蝶蘭には、白い胡蝶蘭を青色に染めた「ブルーエレガンス」と、品種改良から生まれた、天然の「青いコチョウラン」の2種類があります。

品種改良により作られた青い胡蝶蘭は大変貴重であり、多く流通しているのは白い胡蝶蘭を染色して青く色付けしたものになります。

見た目だけではなく、その希少価値としても贈った相手に豪華で特別な印象を与えてくれるでしょう。

また、青色は、性別を問わずに気軽に贈れる色です。男性へのプレゼントや、ビジネス用の贈り物としても選びやすい色になっています。ぜひ、希少な青い胡蝶蘭を、特別なギフトに贈ってみてはいかがでしょうか。

そのほかの色(紫・黄・リップ系)

ここまでご紹介した白・ピンク・青以外にも、胡蝶蘭には紫・黄・オレンジ・リップカラーなどの花色が存在しています。

ただし、これらの色には、まだ色別の花言葉が付けられていません。白・ピンク・青以外の色の胡蝶蘭を贈る場合の花言葉は、全体の花言葉である「幸福が飛んでくる」「純粋な愛」になります。

胡蝶蘭の西洋での花言葉

ここまでご紹介してきた色の中に胡蝶蘭に怖い意味の花言葉はありませんでしたが、ここでは、西洋での胡蝶蘭の花言葉をチェックしていきましょう。

花言葉とはそもそも、西洋で生まれた文化であり風習です。

今まで紹介してきた花言葉は日本における花言葉なので、英語の花言葉も確かめてみましょう。

 

西洋で胡蝶蘭が持っている花言葉には、

 

・Love(愛)

・Beauty(美しさ)

・Luxury(高貴、豪華)

・Refinement(上品、優雅)

・Gaiety(陽気な)

 

がありますが、どれも美しい言葉や前向きな意味のものばかりです。これを見ると、胡蝶蘭を見て抱く印象やイメージは、日本でも西洋でも大きく変わらないことがわかりました。

胡蝶蘭に怖い意味の花言葉はない

日本における胡蝶蘭の花言葉、西洋における胡蝶蘭の花言葉をチェックしてきましたが、どちらにも怖い意味の花言葉はありませんでした。

ではなぜ、「胡蝶蘭には怖い花言葉がある」というイメージがあるのでしょうか。

ここでは、怖い花言葉がある原因となりそうな理由を紹介していきます。

ラン科には怖い花言葉を持つお花もある

胡蝶蘭はラン科のお花ですが、同じラン科のお花の中には、少し怖い花言葉がついているものもあるのです。

たとえば、「洋ランの女王」として愛されるカトレアには、「魔力」の花言葉があります。

大輪でエレガントな咲き姿から連想されたものなのでしょうが、「魔力」といわれると少し怖いような気もしてしまいます。

美しい花姿で魅了するデンドロビウムには「わがままな美人」という花言葉があります。

こちらは、怖い意味よりも少し悪い印象を受ける花言葉ですね。

 

ほかにも、ヒヤシンスの紫色には「悲哀」、赤色には「嫉妬」という色別の花言葉があります。

これには、ヒヤシンスの名前の由来にもなったギリシャ神話の「ヒュアキントス」が関係しています。

 

ある日ゼピュロスは、恋人であるヒュアキントスとアポロンが円盤投げを楽しむ様子に嫉妬して、風を起こします。

その風で円盤がヒュアキントスの額に当たり、たくさん血を流したためにヒュアキントスは亡くなりました。

そしてヒュアキントスの流した血から、ヒヤシンスの花が咲いたといい伝えられています。

確かに、ユリ科の花には少し怖い逸話があり、胡蝶蘭も「ラン科の花=怖い花言葉」という印象がついてしまったのかもしれませんね。

ランはオルキスが生まれ変わった花

お花には逸話が多くあり、なかでも神話とは深い関係があるものですが、ランの花もギリシャ神話にまつわる逸話があります。

 

ギリシャ神話のオルキスは、大変酒癖が悪いことで有名で、酒を飲んでは母親・ニンフを追いかけ回し、父親のサテュロスも困っていました。

あるとき、酒の神・ディオニュソスの祝いの席に呼ばれて深酒をしたオルキスは、司祭の女性に手を出そうとします。

オルキスの愚かな行動に神々は怒り、オルキスを殺して体をバラバラにします。

息子の変わり果てた姿を見た父親・サテュロスはひどく悲しみ、息子を救ってくれと祈り続けました。

そんなサテュロスを哀れんだ神が、バラバラのオルキスの体を花に変え、ランの花が誕生したといい伝えられています。

なぜ胡蝶蘭に怖い花言葉のイメージが?

紹介してきたとおり、胡蝶蘭の花言葉に怖い意味の言葉はありません。明るい・美しい・ポジティブな意味合いの言葉ばかりです。同じラン科のお花にも、怖い印象のある花言葉がついているのは一部のお花だけでした。

では、いったいなぜ、胡蝶蘭には怖い花言葉があるというイメージがついたのでしょうか。

ここでは、胡蝶蘭に怖いイメージがある理由などを考察していきましょう。

理由①:迫力のある花姿

まず考えられる理由としては、胡蝶蘭の花言葉が怖い、というよりも、胡蝶蘭の花自体の印象が、怖いイメージにつながっているのではないでしょうか。

胡蝶蘭といえば、大きな花姿が特徴であり魅力の1つです。株を3本以上寄せ植えた鉢植えの胡蝶蘭は、かなりの大きさになります。

大輪の品種だと、花径が15cmにもなり、株数に比例してその花数も増えていきます。

50~80輪もの大輪の花が並ぶ胡蝶蘭の存在感に圧倒され、なかには怖さを抱く人もいます。動かない植物とはいえ、人間の子どもほどの大きさにもなるボリュームであれば、怖いと感じる人もいるのかもしれません。

理由②:独特な根の形

冒頭の胡蝶蘭の特徴で触れたように、胡蝶蘭は着生植物です。一般的に、鉢植えの植物の根は土に埋まっていて見えないものばかりですが、胡蝶蘭は根がむき出しになっています。

太い根が出ているだけではなく、うねうねと曲がっている姿に、不気味さや怖さを感じる人もいます。

しかし、この独特な根、胡蝶蘭が強く生き抜いてきた健気さの証なのです。

お話ししたように、胡蝶蘭は着生植物です。

土に根付いて育つのではなく、木や岩の肌に根を伸ばして、株を固定します。間違われやすいものに寄生植物があります。寄生植物は、ほかの植物から栄養分を奪い取って生育する植物のことを指します。

しかし、着生植物である胡蝶蘭は、ほかの植物から養分を奪わずに、空気中の水分や雨などから水を蓄えて光合成を行ないます。寄生しておいしい蜜をいただくのではなく、ほかの植物と寄り添いながら、自分の力で水分や養分をかき集めて力強く生きているのです。このことからもわかるように、胡蝶蘭はとても健気な植物なのです。

遠慮深くやさしい胡蝶蘭

胡蝶蘭などの着生植物であるランが生まれた環境下では、すでにほかの植物たちがひしめき合い、胡蝶蘭の根付くスペースがない状態だったといわれています。

胡蝶蘭は、ほかの植物を蹴落として自分の生育場所を確保するのではなく、空いている木や岩の肌などを選び、その厳しい環境下に自らを適応させてきました。

胡蝶蘭の独特な根は、ほかの植物との共存を選び、自らを土のない過酷な状況に置き、その中で生き抜くために発達させてきたものです。

胡蝶蘭は遠慮深くやさしいのです。

この生態背景を知ると、胡蝶蘭の根が怖いと思っていた人も、少し愛おしく感じられると思います。

胡蝶蘭はお祝いにぴったりなお花

「高級」「エレガント」「豪華」「礼儀正しい」といった印象のある胡蝶蘭は、贈答品として人気が高いお花です。

また、持ち前の生命力の強さから、お世話が比較的簡単であるのも、贈りやすいポイントです。

胡蝶蘭をお祝いシーンで贈るのに、最もポピュラーなシーンが開業・開店祝いです。

白い胡蝶蘭は、清潔やクリーンな印象があるので、来店者がプラスなイメージを持ってくれます。

また、新築・引越しのお祝いにも、胡蝶蘭はおすすめです。

鉢植えは「根付く」という意味合いを持たせられ、新しい土地や家族が根付く、という縁起物としても親しまれます。

胡蝶蘭は、過酷な環境でも根付いてきた植物ですから、より縁起の良さが際立ちます。

新居の生活を彩るインテリアアイテムとしても楽しんでもらえます。

 

また、結婚や出産のお祝い、誕生日や記念日にも「幸せが飛んでくる」という花言葉をメッセージカードに添え、胡蝶蘭を贈ってみるのも良いでしょう。

まとめ

今回は、胡蝶蘭の花言葉に怖いものがあるのかどうか、お伝えしてきました。

胡蝶蘭の花言葉は素敵で良い意味を持つものばかりで、怖い意味の言葉はありませんでした。

怖い言葉があるイメージは、同じラン科の花の印象や、胡蝶蘭の豪華さや独特な根の形状などが原因なのかもしれません。

胡蝶蘭は、相手の幸せを願う真心を込めるのには、ぴったりのフラワーギフトです。

多くの人々に選ばれる人気の高いお花ですので、胡蝶蘭をギフトに贈ろうか悩んでいる方は、どうぞ安心して大切な方のお祝いにプレゼントしてみてくださいね。

大切なあの人にお花を送ってみませんか?