根腐れした胡蝶蘭は復活させられる? 根腐れの原因と対処法をご紹介!

可憐で高級感のある花で、園芸や贈り物に人気の絶えない胡蝶蘭。

しかし、胡蝶蘭は育てるのが難しい花であるというイメージをお持ちではありませんか?

胡蝶蘭の栽培に挑戦したてみたけれどなぜか枯れてしまった、という声はしばしば耳にします。

そうした胡蝶蘭の失敗の多くは、実は根腐れによるものです。

根腐れは胡蝶蘭が枯れてしまう最も多い原因であるともに、根腐れへの対策をしっかりしておけば、胡蝶蘭の栽培は意外と簡単になるというポイントでもあります。

そこで今回は、胡蝶蘭の根腐れについて、その原因と対処法をお伝えしていきます。

根腐れについての知識をしっかり押さえて、大切な胡蝶蘭を毎年きれいに咲かせましょう。

 

はじめに・覚えておきたい胡蝶蘭の基本

はじめに、胡蝶蘭をきれいに育てて管理していく上で覚えておくと良い基本的な知識として、胡蝶蘭とはどんな植物なのかをおおまかに紹介しておきましょう。

花を上手に栽培するには、その花がどんな地域に生息していて、どんな環境を好むのかを知っておくことが重要です。

ここでは、胡蝶蘭の原産地、生息する環境についての基礎知識に触れていきます。

 

胡蝶蘭とはどんな植物?

胡蝶蘭というのは、ファレノプシス属(Phalaenopsis)に属する蘭の総称です。

ファレノプシス属のなかでも、特にファレノプシス・アマビリス(Phalaenopsis amabilis)やファレノプシス・アフロディーテ(Phalaenopsis aphrodite)の二種やその交配種が、園芸品種として一般に広く出回っています。

これらの蘭はフィリピンから台湾まで広い地域に生息する着生植物(木や岩などの表面に張り付くように根を張って成長する植物)であることが知られています。

ちなみに、ファレノプシス(Phalaenopsis)という名前は、古代ギリシャ語で「蛾のような」という意味であり、胡蝶蘭の独特な花の形状を蛾に見立てたネーミングです。

和名の胡蝶蘭は花を蝶に見立てて付けられたものであることを考えると、興味深い違いです。

なお、胡蝶蘭は多年草で、上手に管理してあげることで毎年花を付けてくれるだけでなく、何十年も成長するたいへん長寿な植物でもあります。

 

胡蝶蘭の原産地はどんなところ?

胡蝶蘭の原産地は、1年を通して高温多湿な熱帯地域です。

そのため、日本で胡蝶蘭を栽培するにあたっては、冬場の低温には十分に気をつける必要があります。また、気温が十分にある夏場であっても、強い日差しや冷房などによって空気が乾燥しすぎてしまい、胡蝶蘭にとって厳しい環境になってしまうこともしばしあります。

原産地と日本の気候の違いも意識しながら管理してあげることが大切です。

 

胡蝶蘭はどんな環境に生息している?

原産地では、胡蝶蘭は地面ではなく木や岩の表面に根を張って育っています。

こうした性質から、胡蝶蘭は水分や肥料分をあまり多く必要とせず、風通しの良い環境を好む傾向にあります。

そのため、胡蝶蘭の栽培にあたっては、水や肥料の与えすぎに注意しつつ通気の良い環境を整えてあげることが大切になります。

こうした胡蝶蘭のユニークな性質を覚えておくことは、上手に栽培する上での大きなヒントになってくれることでしょう。

それでは、これらを踏まえて、胡蝶蘭の根腐れの原因と対処法を見ていきましょう。

 

そもそも根腐れとは?

はじめに、根腐れとはどういう状態を指すのか知っておく必要があります。

根腐れとは、水分過多や雑菌などの影響によって、根が腐ってしまう現象です。

胡蝶蘭の根は、健康な状態では緑色をしていますが、根腐れが発生すると黒く変色してしまいます。

胡蝶蘭の根は、植え方にもよりますが空気中に出ている場合が多いですので、目視でこまめに根の調子を確認するようにしましょう。

また、根腐れを起こすと葉がシワシワに萎れる症状が出ることが多いですので、葉の調子にも毎日注目しておきましょう。

こうした観察が、根腐れの予防や早期発見に非常に大切です。

胡蝶蘭の根腐れの原因は?

次に、胡蝶蘭の根腐れの原因を知っていきましょう。

原因を知っておくことで根腐れを事前に防ぐことができますし、万が一根腐れが起こってしまった際もその原因を判断することができます。

そして、原因が分かれば適切な対処をすることも可能です。

根腐れの対処は、すばやく原因を判断して行うことが非常に重要ですので、しっかり押さえておきましょう。

対処が遅れると株全体が枯れてしまうこともありますので、事前に知識を付けておくことが大切です。

 

水やりの量・頻度が多すぎる

根腐れの原因として最も多いのが、水やりの量や頻度が多すぎることによって、鉢内が湿りすぎていることです。

本来、地面ではなく木や岩などに根を張る胡蝶蘭は、水分の少ない乾燥した環境に適応した植物であるため、根まわりの水分が多すぎると、根が傷んでしまうことがあります。

普段からの対策として、〈鉢内が完全に乾ききってから水を与える〉ことを心がけるようにしましょう。

鉢内がどれくらい湿っているかは、植え込み材の表面を見るだけでは確実に確認するのが難しいです。

植え込み材に竹串を挿したり、鉢を持ち上げて重さをチェックするなどして、鉢内が確実に乾ききっているかどうかを確認するようにしましょう。

先にも述べたように、胡蝶蘭は乾燥した環境に適応した植物ですので、少しの間カラカラに乾いたからといってすぐに枯れてしまうようなことはありません。

心配せずに、しっかり乾かすことを意識して栽培することが大切です。

 

風通しが悪い

胡蝶蘭のトラブルの原因として同様によく聞かれるのが、置き場所の風通しが悪いことです。

着生植物である胡蝶蘭は、もともと非常に風通しのよい場所で成長する植物ですので、上手に育てる上では通気性が欠かせません。

風通しのよくない置き場所では、根まわりが十分に乾かなかったり、雑菌が繁殖してしまい清潔さが損なわれる場合があります。こうした状態になると、高い確率で根腐れが発生してしまいます。

そのため、胡蝶蘭の置き場所を決める際は、ある程度の風通しがある場所を選ぶようにしましょう。

ただし、胡蝶蘭は直射日光に非常に弱いので、風通しが良くても日向に置くのは避ける必要があります。

また、鉢内の通気性が悪いことも、根腐れの原因になるので、素焼き鉢などの多孔質な鉢を用いて通気性を確保しましょう。

プラスチック鉢を用いている場合も、鉢底や鉢の側面に新たに穴を空けたり、鉢の下に別の鉢を逆さにして置いて底上げするなどの方法で通気を改善することが可能です。

 

植え込み材が傷んでいる

胡蝶蘭の植え込み材には、ミズゴケが多く用いられています。

購入したり贈り物でもらった胡蝶蘭も、多くはミズゴケに植えられた状態にあります。

しかし、ミズゴケはずっと使い続けられるものではなく、1年から数年で傷んでしまいます。

傷んだミズゴケは腐りやすく、また雑菌が繁殖してカビが生えやすくなるなどのトラブルの元になります。

ミズゴケの表面をよく観察し、カビが生えていたり、嫌な匂いがする場合は、ミズゴケが傷んでいる可能性が濃厚です。

ミズゴケが傷んでいることによる根腐れの場合は、植え替えをすることで対処しましょう。

また、ミズゴケと同様に胡蝶蘭の植え込み材として頻繁に用いられるものとしてバークが挙げられますが、こちらはミズゴケに比べて傷みにくいという特徴があります。

ミズゴケを使った栽培で根腐れがでやすいようであれば、バークを用いた栽培に切り替えてみるのもひとつの方法です。

 

まとめ・胡蝶蘭の根腐れの原因

ここまでお伝えしてきた胡蝶蘭の根腐れの主な原因を、ここで一度おさらいしておきましょう。

 

  • 水やりの量や頻度が多い
  • 風通しが悪い
  • 植え込み材が傷んでいる

 

ただし、1.2が原因で根腐れを起こしている場合は、まず環境を改善することが必要です。

3が原因ならば、植え替えをする必要がでてきます。

詳しい方法は、次から見ていくこととしましょう。

ここまでで覚えておくべきことは、根腐れの原因として挙げられるこれらのポイントが、そのまま胡蝶蘭の栽培の上で気をつけるべきポイントにもなるということです。

しっかり乾かしてから水をやること、風通しを確保すること、そしてミズゴケが傷んでいないかチェックすることを心がけることで、失敗のリスクをかなり抑えることができるのです。

 

胡蝶蘭が根腐れしたときの対処法は?

ここまで、胡蝶蘭の根腐れの原因を紹介し、それらを予防することに注目してきました。

しかし、気をつけていても根腐れが発生してしまうこともやはりあります。

それほど、胡蝶蘭の栽培に根腐れはつきものです。

そのため、万が一胡蝶蘭が根腐れしてしまったときの対処法は事前に知っておくに越したことはありません。手元の胡蝶蘭が根腐れしてしまっているという方も、ぜひ参考にして対処してみてください。

環境を改善する

水やりの頻度や風通しが問題の場合、まずは環境を見直す必要があります。

水やりの頻度や量が適切か、通気は十分に確保できているかをよく見直し、改善していきましょう。

水やりは、基本である〈鉢内が完全に乾ききってから水を与える〉ことを心がけ、なるべく通気も確保しましょう。ただし、環境を改善するだけでは不十分です。

根腐れを起こした部位を放置すると、そこからさらに症状が進行してしまうこともありますので、次に紹介する対策を併せて行うようにします。

植え替えをする

根腐れの対処方法として、最も有効なのが植え替えです。

症状が出ている部位を取り除き、鉢内の通気や植え込み材の更新を行えるため、根腐れの進行を防ぐことができます。

だたし、植え替えは胡蝶蘭の成長期が始まる5月頃に行うのが本来の仕方です。

根腐れの対策として植え替えをするのは緊急的な対策ですので、植え替え後の胡蝶蘭の様子はよく観察し丁寧に管理するようにしましょう。

 

植え替えの際に用意するもの

植え替えの際は、以下のものを準備しましょう。

すべて、園芸店やホームセンターで入手することができます。

 

  • 鉢(素焼き鉢/プラスチック鉢)
  • 植え込み材(水に浸けたミズゴケ/バーク/軽石)
  • 消毒したハサミとピンセット

 

鉢と植え込み材は、それぞれの相性を考慮して選びます。

植え込み材をミズゴケにする場合は素焼き鉢が適しており、一方植え込み材をバークにするならプラスチック鉢が適しています。

どちらの植え込み材を使う場合でも、鉢内の通気性を確保するために軽石(鉢底石)は有効ですので、根腐れへの対処として植え替えを行うなら併せて用意しましょう。

また、ハサミとピンセットの消毒は、軽く火で炙るか熱湯に浸けるなどの方法で行いましょう。

 

植え替えの手順

まず、胡蝶蘭を元の鉢から引き抜きます。

胡蝶蘭は根の損傷に非常に敏感な植物ですので、あまり根を痛めすぎないよう、慎重に引き抜きましょう。

次に、ピンセットで元の植え込み材を取り除き、胡蝶蘭の根がよく見える状態にします。

そして、胡蝶蘭の根をよく観察し、黒く変色している箇所や、茶色くカラカラになってしまっている箇所をハサミで切って取り除きます。

このとき、健康な緑色の根まで切り取らないよう十分に注意しましょう。

根の処理が終わったら、底に軽石を敷いた新しい鉢に植え付けます。

ミズゴケの場合は、先に根まわりにミズゴケを巻きつけ、鉢に軽く押し込むように植え付けます。

バークの場合は、先に株を鉢に入れ、根まわりにバークを投入して植えましょう。

 

植え替え後の管理

植え替えが完了した後は、2週間ほど水をやらずに乾かして管理します。

同様に、この期間は肥料も与えてはいけません。

2週間経過したら、少量ずつ様子を見ながら水やりを再開し、徐々に量と頻度を多くしていきましょう。

適切な方法で植え替えられていれば、徐々に元気を取り戻して、また花を咲かせるようになってくれます。

 

まとめ・胡蝶蘭の根腐れの対処法

最後に、胡蝶蘭の根腐れへの対処法をまとめておきましょう。

胡蝶蘭の根腐れには、主に以下の2つの対処法が有効です。

 

  • 鉢内の水分量や通気性などの環境を改善する
  • 植え替えをして、根腐れした根を取り除く

 

水分量や通気性の問題は、水やりの量や頻度、そして置き場所や鉢内の通気性を見直すことです。

そして植え替えでは、消毒したハサミとピンセットを使うこと、植え替え後に2週間ほど水を切ることを忘れないようしましょう。

 

おすすめの胡蝶蘭の購入先は?

今回は、胡蝶蘭が根腐れを起こす原因と対処法について深く掘り下げた情報をお伝えしてきましたが、参考になりましたでしょうか。

ここまで記事を読んでくださった皆さんへの感謝を込めて、最後におすすめの胡蝶蘭の購入先をご紹介して記事を終えようと思います。

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