菊(キク) の花言葉は?色別の意味をご紹介!

菊は私たち日本人にはとても馴染みの深い花です。

しかし、供花としてお供えすることも多いため、菊の花言葉にはなんとなく気になる……という方もいるのではないでしょうか。

今回はそんな菊について、花言葉に隠された本当の意味や、菊の楽しみ方などをご紹介します。

 

菊とは

菊はキク科キク属の植物で、その形・色ともにさまざまな種類が存在しています。

秋に咲く花ですが、電照などを用いた生産の多様化により、年中どこでも手に取ることができるようになりました。

寒さにも強く、四季のある日本でもガーデニングで楽しむことのできる強い植物でもあります。そんな菊ですが、もともとは日本で観賞用や薬草として中国から伝来した外来種の花で、今やさまざまなイベントや鑑賞目的、食用と幅広い用途で用いられています。また、日本以外でも菊はさまざまな場面で使われており、日本ではお葬式に菊を用いますが、中国や韓国でのお葬式にも菊が使われているそうです。

 

菊の基本情報

菊は日本に古くから馴染みの深い花としての歴史があります。正式に定められてはおりませんが、広辞苑では日本の国花は「桜または菊」と書かれており、古くから菊はさまざまな日本の文化的なデザインにも用いられてきました。

具体的に例を上げるだけでも、日本の皇室の紋章や50円玉、パスポートといった、私たち日本人に深い関わりのあるデザインモチーフにも使われており、菊は日本を代表する花の一つとなっています。

 

菊の特徴

菊は、上記のようにさまざまなデザインに用いられているので日本人にとって馴染み深いですよね。菊の形状は楕円型の花びらが密集してついており、どこか日本らしい品のある花の形をしています。色も黄色や白以外にもピンク、オレンジ、紫、赤とさまざまな色のものが品種改良されています。

また、日本で作られた物を「和菊」。北欧で作られたものを「洋菊」と言いますが、洋菊も和菊を元に品種改良されて作られたものなので、どこか古風な趣があります。

花の大きさから「大菊」「中菊」「小菊」と別れており、明治時代からは大菊が盛んに作られ、現代に至ってもさまざまな品評会で美しい品種が生まれ楽しまれています。

 

マムとの違い

菊の種類によっては〇〇マムと呼ばれているものもありますが、これは菊を指す言葉の一つで、学名のChysanthmum(クリサンセマム)の略から来ています。

一見同じ意味合いで使われているように思えますが、マムとは生花流通している菊の中で輪菊と小菊(白色、黄色、赤色といったお供えの菊)以外の洋菊を指しています。

海外で作られた大きな色とりどりの菊は、マムと呼んでも問題ないかもしれません。また、品種によってスプレーマム、ピンポンマムと呼ばれているものもあります。

 

重陽の節句とは

日本ではあまり馴染みが少ないかもしれませんが、旧暦の9月9日は、中国・香港・マカオ・台湾・ベトナムでは「重陽の節句」として伝統的な祝日です。この日は先祖のお墓詣りに行ってご先祖様に敬意を払う行事が主に行われ、邪気を払う・長寿を願うといった意味で菊をお供えしたり、お酒に花びらを浮かべて飲んだりしていました。

現代ではあまりその風習は行われていないようですが、日本では菊が咲く時期の節句として重陽の節句を「菊の節句」と呼んでいるようです。

 

菊(キク)の花言葉は?

菊というと、お供えのイメージから少し気になる印象をお持ちの方もいるかもしれません。

しかしながら、実は菊全体の花言葉は「高貴」「高尚」「高潔」という意味があり、決して良くない意味はありません。むしろ高貴な気高い花言葉を持っています。品格を重んじる日本皇室の紋章や、硬貨にデザインが使われているのも、この様な菊全体の花言葉あってのデザインなのではないでしょうか。

 

菊(キク)の色別の花言葉をご紹介

菊全体の花言葉は先ほどご紹介しましたが、ここからは菊の花言葉を色別にご紹介していきましょう。

菊はさまざまな色が作られており、その種類の多さ故、色によって花言葉が異なります。また、菊の品種によっても花言葉が異なります。そのため、色・種類に応じた花言葉をしっかり考慮した上で、使うシーンや送る相手に最適な菊を選ぶことが大切です。

 

ピンクの菊

まず菊の中でも可愛らしい、ピンク色の花言葉をご紹介します。

ピンク色の菊の花言葉は「甘い夢」です。菊の花言葉に怖い印象があった方からすると、意外だったのではないでしょうか。和の印象が強い菊ですが、色によってはこの様なファンシーな意味を持つ菊もあります。

可愛らしいカラーとこのような花言葉から、恋人やパートナーに贈るのも素敵ですよ。

 

紫の菊

凛とした佇まいが美しい紫の菊。

紫の菊の花言葉には「私を信頼してください」、「夢がかなう」、「恋の勝利」という意味があります。

日本では昔から紫は高位を示す色とされていたため、高貴な身分の方のみが身に付けることを許された色でもあります。

そんな高貴な色の菊には、夢が実現する、勝つといった前向きな意味がつけられています。大切な人を応援したい時、誰かに寄り添ってあげたい時に、花言葉を添えて紫の菊をプレゼントしても喜ばれそうですね。

 

赤い菊

大きなものでも小ぶりなものでも、強さと美しさを兼ね備えている赤色の菊。菊を用いた和柄のデザインにもよく登場する定番の色です。

そんな赤色の菊の花言葉には「あなたを愛しています」「愛情」という意味があります。まさに情熱を感じる赤色から想像できる意味合いですね。

赤い花には情熱的な花言葉を持つものが多くありますが、菊もその一つです。

赤いバラをプレゼントするのはなんだか定番ですが、大好きな人へ真っ赤な菊をプレゼントするのも粋ではないでしょうか?

 

白い菊

私たちの生活の中で必ずいつかは訪れる、冠婚葬祭で目にすることが多い白い菊。

この菊のイメージから、菊の花言葉は良くない?という印象を持つ方もいらっしゃると思います。

そんな白い菊の花言葉は「真実」、「慕う」、「誠実な心」という意味を持っています。お供えで白い菊が用いられる理由として、故人を慕う、気持ちに嘘偽りなく式を執り行うといった思いが反映されています。

白い菊は、花言葉からみると、さまざまなシュチュエーションでも使えそうです。しかし、お供えのイメージが強いため、プレゼントするのは避けた方が無難でしょう。

 

黄色の菊

黄色は、菊といえばかなり馴染みの深い色ではないでしょうか。よくお食事の飾りつけについているのをよく見かけますね。

そんな黄色の菊の花言葉は「わずかな愛」、「破れた心」、「長寿と幸福」という意味があります。

明るいイメージの黄色い菊は、意外にも暗いイメージも含んでいます。悲しい意味がある反面、長寿や幸せを願うハッピーな意味も含まれているので、贈る際は送る相手やシーンをしっかりと考えた方が良さそうです。

長寿のお祝いの際にプレゼントすれば喜んでいただけるのではないでしょうか。

 

品種による花言葉の違い

これまでは、菊の色別の花言葉をご紹介してきました。

ここからはさらに深掘りし、菊の種類別の花言葉の違いをご紹介していきます。こちらも知っておくことで、色と品種の花言葉から見た、最適な菊選びができるようになるでしょう。

 

スプレー菊(スプレーマム)

スプレーマムとは、蕾を摘まずに一つの茎からいくつもの花を咲かせる菊のことを言います。名前の通りスプレーを出した時のように、複数の花がついた華やかな見た目が特徴です。

そんなスプレーマム全体の花言葉には「あなたを愛しています」という意味があります。スプレーマムは丈夫で花持ちが良いため、贈り物にも最適ですよ。

スプレーマムにもさまざまな色の種類がありますから、この花言葉とセットで、送りたい花言葉の意味を持っている色を選んでみてください。

 

ピンポン菊(ピンポンマム)

ピンポンマムとはその名の通り、まん丸の菊で仏花としても馴染み深い菊です。

こちらは蕾の状態で楽しまれる和菊と違い、満開の状態を楽しむ菊となっています。丸いフォルムが可愛らしいピンポンマムの花言葉には、「君を愛す・真実」という意味があるようです。

花言葉は恋愛に関するものが多いですがピンポンマムも同様に真実の愛を意味しています。こちらも、より思いを伝えるために最適な色選びを心がけたいところです。

 

寒菊

寒菊とは一般的な菊と違い花期が遅く、寒い時期である12月から1月に花を咲かせる菊のことを指します。

寒い時期の霜にも耐えられるほど丈夫で強い寒菊には、花言葉にもそれらしい意味が隠されています。寒菊の花言葉は「健気な姿・真の強さ」という意味を持っており、寒さに負けず咲いている強さや、たくましさを表しています。

咲く時期として、クリスマスやお正月に楽しむことができる品種なので、冬のイベントの贈り物にも喜ばれるでしょう。

 

菊(キク)は縁起が良くない?

菊の花言葉についてご紹介しましたが、いかがだったでしょうか?

菊にはどこか不吉のイメージがついていて、縁起が良くないイメージをお持ちの方も多くいらっしゃったと思います。しかし、むしろ菊はとても縁起のいいお花なんです。

色や品種によって意味は変わりますが、大切な人を思う気持ちや、勝利に関するもの、気品を重んじる意味といった、素敵な花言葉をたくさん持っています。

しかし、白い菊は仏花に使われることが多いため、誤解をうむこともありそうです。そのため、お見舞いや長寿のお祝いには避けた方が無難といえるでしょう。

 

菊を贈るのにおすすめのシーン

菊には素敵な花言葉がたくさんあると知っていただけたと思います。

そこでここからは、菊の花を送るおすすめのシーンを3つご紹介いたします。

 

ブライダルシーン

結婚式の場では花は絶対に欠かすことができません。そんな花々の中に菊をいれてみてはいかがでしょうか?

白い菊には「誠実な心」という意味があります。また、ピンクの菊には「甘い夢」という意味もあり、結婚式を迎える二人にとってぴったりな、おめでたい花言葉をたくさん持っているのです。

式場のテーブルの飾り付けはもちろん、和婚の装花やブーケ、花嫁の髪飾りなど、ブライダルシーンにはお花を使用する場面がとても多いです。和風な雰囲気を持った美しい菊は、着物を着た花嫁さまにも美しく映えてくれるでしょう。

菊は大体が丈夫で花持ちも良いので、会場で使ってもしばらく綺麗な状態を楽しむことができそうです。

 

七五三のお祝い

子供の安全な成長を願って行われる七五三。この祭事にも、菊はとてもおすすめです。

なぜなら、菊は素敵な花言葉を持っているだけでなく、古くから邪気を払う神聖なお花として考えられてきたからです。

そのため、子供から邪気を払い、元気に育つ様願いを込めて送る花に、菊はぴったりといえます。

色によって意味は違えど、子供に菊の花をプレゼントする際は、花言葉ばかりを考えた菊選びでなく、子供が喜ぶような色や形(品種)を選んであげるとなお良いでしょう。

 

お正月の贈り物

年の始めに送る花にも、菊はよく用いられます。

菊を年始に送るのに良いとされる理由として、菊が皇室の家紋にも使われる程高貴で日本を代表する花であることや、「菊を飾ると福が来る」「菊を生けるといい子に育つ」といった言い伝えがあるからだともいわれています。

先ほどの七五三でもご紹介しました、菊は邪気を払ってくれる神聖な花というのも、年の初めに心地よく新年度をスタートさせる思いに沿っていますから、菊はお正月に送る花にも大変おすすめですよ。

 

菊の育て方

これまで菊についてご説明してきましたが、そんな菊を自分で育ててみたいと思った方もいるのではないでしょうか。ここからは、菊の育て方についてご紹介します。

 

まずは育てたい品種を選ぶ

菊を育てるうえでまず行うことは、「育てたい品種を選ぶこと」です。

色や形がたくさんある品種の中で大変迷うと思いますが、初心者はポピュラーな秋咲きの菊がおすすめです。

ものによってはもっと寒い時期に咲くものや早くに花を楽しむことができるものもありますが、初めは無難な秋咲きが良いでしょう。

また、最近ではポットで気軽に育てられる種類、ポットマムというものもあり、その手軽さから多く品種が開発されています。ガーデニングで菊を育ててみたい方には、ポットマムもおすすめです。

 

土の下準備を忘れずに

菊を育てるうえでは、土の下準備も必要不可欠です。

花壇で菊を育てると決めた場合、花だんの土に植えつける数週間前に下から深く掘り返しておいてください。新鮮な空気を入れ、日光に当てることによって殺菌消毒の効果もあります。

その後、石灰といったアルカリ性の肥料を混ぜて酸性の土を中和し、植えつける1週間程度前に有機質の肥料を土に混ぜます。

こうして菊にとって育ちやすい土壌作りを行うことによって、菊を元気に強く育てることができるはずです。

また、ポットで育てる場合には菊専用の用土なども販売されていますので、手軽に試したい方は使ってみてもいいでしょう。

 

水やり

菊は、寒さや乾燥に割と強く丈夫な植物です。

花壇で育てている場合、よほど土の乾燥が気にならない限りは、水をあげる必要はありません。自然の雨の力で十分と言えるでしょう。

鉢植えの場合は鉢全体が完全に乾いたら、水を鉢底から水が滴るまでたっぷりとあげてください。しかし、水が少ない事で起こる水切れの問題よりも、水をあげすぎたことによる根腐れの方が失敗する原因になりますので注意しましょう。

特に鉢植えで育てている場合は、鉢の状況を見て水やりのタイミングを調節しなければならないので、しっかりと観察することが大切です。

 

日当たりのいいところに置く

植物の育成に欠かせない日光ですが、菊も日光を十分に当ててあげる必要があります。

日中は10時間以上日に当たる場所で育てる必要がありますので、花壇で育てる場合、花壇の場所が十分日光が当たるかも確認も必要です。

また、菊は短日植物(日照時間が短くなると咲く植物)であるため、夜間には光が当たらないようにしましょう。夜間に光が当たってしまうと日照時間が狂ってしまい、花付きが悪くなってしまいます。せっかく育てても、室内の光が夜間強く当たってしまったりすると、菊の花を楽しめるはずの時期に楽しめなくなってしまうので注意しましょう。

 

摘み取りと摘芯(てきしん)の方法

菊を育てて無事に成長してきたら、一株でより多くの花をコンパクトなサイズで楽しんだり、大きな立派な花を咲かせた一輪仕立てにしたい際に「摘み取り」、「摘芯」を行います。

一株でより多くの花を楽しむためには、成長点をカットすることによって脇芽が伸び、花がつく枝が増えて多くの花を楽しむことができるようになります。

一輪仕立てにしたい場合は、頂点の蕾以外の蕾を摘み取りましょう。摘芯は菊の品種によって異なり、開花の時期によって行う時期も変わってきます。開花から2ヶ月前には摘芯を終わらせ、自分が楽しみたいベストな状態に持っていきましょう。

 

収穫

菊の花が咲き、収穫の時期がきた際もいくつかポイントがあります。

一輪挿しなど菊を生けるときは、開花して間もないものを朝または夕方に切って収穫しましょう。

複数花がついているスプレーマムや小菊などは、収穫してからもしばらくは開花がすすむのを楽しむことができるので、完全に咲ききった後ではなく、上部が6から7部咲き、その周辺花が3から5部咲きの状態のものを収穫して楽しみます。

ガーデニングなどで収穫せずに菊を楽しむ場合は枯れるまで楽しみ、枯れてから摘み取りましょう。

 

まとめ

今回は、菊の花言葉から、菊の汎用性の高さとその魅力についてご紹介しました。

菊は日本を代表する高貴な花でありながら、使うシーンが限定されがちです。しかし、花言葉からもわかるように、菊はとても縁起の良いお花です。

人生の節目、節目の贈り物に、縁起のいい菊を贈ってみませんか?

大切なあの人にお花を送ってみませんか?