春を彩る球根植物12選|毎年開花する球根植物の魅力

皆さんは、春に花が咲く球根植物といえば、何を思い浮かべるでしょうか。

定番のものにはチューリップやヒヤシンスの名前が挙がるかと思いますが、春咲きの球根植物は他にも魅力的なものがたくさんあります。

球根で育てていく植物は、毎年花を楽しむことができるため、ガーデニングなどでは特に人気のある草花です。

お部屋のインテリアとしても最適な水栽培も人気ですね。お部屋で気軽に育てることができるので、この記事を参考に、ぜひ球根植物を育ててみてください。

 

今回は、春咲きの球根植物の種類をピックアップして、特徴やその魅力についてご紹介していきたいと思います。

 

球根植物の魅力

球根植物の魅力は、多年草といって毎年花を咲かせてくれるものが多いことです。

同じ球根で毎年繰り返し咲いてくれるので、とても愛着が湧きます。

花が終わったら球根を掘り出して、ネットなどに吊るして保管しておくものもありますが、球根を植えたままで冬越しのできる品種もあります。そういった品種は宿根草とも呼ばれていて、球根に栄養をたくさん蓄えているのです。

生命力が強くて丈夫な品種が多いので、初心者でも育てやすいおすすめの草花でしょう。

 

春に花咲く球根植物12選

それではさっそく、春に花を咲かせる球根植物についてご紹介していきましょう。

聞き馴染みのある品種から、この花も球根植物だったのか!と意外に思う品種までありますので、ぜひ楽しみながらお読みくださいね。

 

チューリップ

科・属 ユリ科・チューリップ属
和名 牡丹百合(ぼたんゆり)、鬱金香(うこんこう・うっこんこう)
英名 Tulip
学名 Tulipa gesneriana
原産地 トルコなど広範囲に及ぶ
花言葉 「思いやり」

 

春の花を代表するチューリップは、その可愛らしい姿から、幼稚園や保育園、学校の花壇などにも植えられているので、小さいうちから馴染み深い草花ですよね。

鮮やかな緑色の葉と花のいろのコントラストが美しく、ガーデニングのお花としてはもちろん、切り花やフラワーギフトにも人気です。

トルコ人が頭に巻く「チューリバム」というターバンに花の形が似ていたことが、名前の由来となっています。

秋に球根を植えると、年が明けた頃に芽が出てきて葉が広がっていき、春に開花する秋植えの球根植物です。

花色は、童謡でもお馴染みの赤・白・黄色以外にも、ピンクや紫、複色など、カラーバリエーションも多くあります。

定番の一重咲き以外にも八重咲きの品種や、ユリ咲きやフリンジ咲きの品種もあり、さまざまな表情を楽しめますよ。

球根を植えるときは、球根の平らになっている面を揃えて同じ向きに植え付けると、葉の向きが揃って育ちます。花壇をきれいに飾りたいときには、ぜひチャレンジしてみてください。

 

ヒヤシンス 

科・属 ユリ科・ヒヤシンス属
和名 風信子・飛信子(ひやしんす)
英名 Common hyacinth, garden hyacinth
学名 Hyacinthaceae
原産地 北アフリカ、地中海沿岸
花言葉 「スポーツ」「遊戯」「悲しみを超えた愛」

 

まっすぐにすらりと伸びた茎先に、たくさんの小花を集めて咲かせるヒヤシンスは、とても良い香りがするため切り花としても人気が高いです。

ヒヤシンスの切り花を何本かお家に飾るだけでも、お部屋がとても良い香りに包まれます。

水栽培もできるので、理科の授業などで育てた経験がある方も多いのではないでしょうか。

透明な器などで水栽培をすると、ヒヤシンスの美しい白い根も楽しむことができますよ。

ただし、水栽培では球根がすべての養分を使って花を咲かせるため、次の年には花を咲かせてくれませんのでご注意ください。

球根の表皮が花色と似た色をしているので、咲く花の色を確認できます。植え付ける際の参考にしてみましょう。

名前や花言葉は、ギリシャ神話の美少年ヒュアキントスと太陽神アポロンの悲しい恋物語に由来しています。

 

クロッカス 

科・属 アヤメ科・クロッカス属
和名 花泪夫藍(はなさふらん)、 春泪夫藍(はるさふらん)
英名 Crocus
学名 Crocus
原産地 地中海沿岸
花言葉 「青春の喜び」「切望」

 

寒い冬を乗り越え、春を告げる花であるクロッカスには、春を迎えた喜びを表すように「青春の喜び」「切望」の花言葉があります。

小型の球根草花で、細長い葉には白い溝があり、葉の間から可愛いつぼみを覗かせます。とても草丈が低く、地面から直接顔を覗かせるように大きめの花を咲かせる姿は、とても目を惹く姿です。

晴れた暖かい日には花を咲かせていますが、寒い日には花は閉じます。

茎がないように見えるのは、クロッカスの球根部分が球茎と呼ばれる茎であるためです。

クロッカスの花びらは大きめなのですが、球根を見るととても小さいので驚いてしまいます。ヒヤシンスなどのように、水栽培で育てていくこともできますよ。

 

スイセン

科・属 ヒガンバナ科・スイセン属
和名 水仙(すいせん)、雪中花(せっちゅうか)
英名 Narcissus
学名 Narcissus
原産地 スペイン、ポルトガル、北アフリカ
花言葉 「自己愛」「神秘」

 

ヒガンバナ科のスイセンは、とても甘くて良い香りがするので、香料として香水やアロマなどにも使われている人気の香りです。

ラッパ型の花を横向きに咲かせ、すらりと茎を伸ばして群生する様子はとても見応えがあるでしょう。球根は玉ねぎの形に良く似ていて、細長い葉の形はよくニラに例えられています。

ほとんど植えっぱなしでも毎年咲いてくれるので、そのお世話の簡単さもあって人気がある球根植物です。年を重ねていくごとに花が豪華になっていくので、育てていく楽しみも感じられるはず。

 

とても美しいスイセンですが、実は毒性があるお花です。

誤食すると命にも関わる危険性があるので、小さなお子さまやペットがいるご家庭では、手の届かない場所で育てるなど、管理に注意してください。

 

フリージア

科・属 アヤメ科・フリージア属
和名 浅黄水仙(あさぎすいせん)、菖蒲水仙、香雪蘭(こうせつらん)
英名 Freesia
学名 Freesia refracta
原産地 南アフリカ
花言葉 「あどけなさ」「純白」「純潔」「親愛の情」

 

かつては白色しかなかったフリージアですが、今ではさまざまな花色の品種が存在しています。

中でも、濃い黄色の花色を持つ「アラジン」や、濃い赤と黄色のバイカラーが美しい「レッドリバー」、淡い薄紫色が美しい「ブルームーン」などの品種が人気です。咲き方には、一重咲きと八重咲きがあります。

甘くてフルーティーな香りが魅力的なお花で、ブライダルフラワーとしても人気です。

品種によって香りのニュアンスが異なり、アラジン、オレンジーナ、フィガロなどはみずみずしいフルーティな香りがして、他にもスパイシーな香りや、セロリのような青いグリーンの香りなども楽しめますよ。

 

アネモネ

科・属 キンポウゲ科・イチリンソウ属
和名 紅花翁草(べにばなおきなぐさ)、牡丹一華(ぼたんいちげ)、花一華(はないちげ)
英名 Anemone coronaria
学名 Anemone, Windflower
原産地 地中海沿岸
花言葉 「はかない恋」「恋の苦しみ」「見捨てられた」「見放された」

 

鮮やかな花色が印象的なアネモネですが、花びらに見えるものは、花や蕾を保護するための萼片(がくへん)です。

アネモネのほとんどの花には、萼の根元に斑模様が入っているのが特徴です。

その鮮やかな萼片と花芯とのコントラストが、アネモネの最大の魅力でもあります。毎年新しい品種が生まれているほど人気の高いお花で、品種も100種類以上に及びます。

 

アネモネの名前や花言葉にはギリシャ神話が深く関係しています。

西風の神ゼピュロスは、女神フローラの侍女であったアネモネのことを愛していました。

しかしフローラは、自分へ想いを寄せていると思い込んでいたゼピュロスがアネモネに好意を寄せていたことを知り、その怒りからアネモネを追放します。ゼピュロスはやむを得ずアネモネを見捨てて、彼女をアネモネの花の姿に変えたというお話です。

英名で「Windflower」と呼ばれるのは、西風の神ゼピュロスに由来します。花言葉の「見捨てられた」「見放された」も、アネモネの切ない気持ちから付けられた言葉です。

 

スズラン 

科・属 キジカクシ科・スズラン属
和名 鈴蘭(すずらん)
英名 Lily of the valley
学名 Convallaria majalis
原産地 ヨーロッパ・アジア
花言葉 「再び幸せが訪れる」「純粋」

 

小さなベル型の可愛らしいお花をいくつも咲かせるスズランは、春のお花の中でもひときわ可憐な花姿で人気の高いお花。切り花としても人気ですが、鉢植えの贈り物としても人気です。

花からはほのかな甘い香りが漂い、三大フローラルノートのひとつにもなっています。

名前に「蘭」と入っていますが、実はラン科のお花ではありません。

 

スズランは、大きく2種類に分けることができて、日本国内に自生している「ニホンスズラン」と「ドイツスズラン」があります。園芸品種であるドイツスズランのほうが流通数が多く、スズランというとこちらを思い浮かべる方の方が多いかもしれません。

 

とてもよく似ている2種類ですが、画像のものがドイツスズランで、草丈が大きいことが特徴となっています。葉の下に花が咲き、ドイツスズランと比べると葉の大きさも少し小ぶりなのがニホンスズランです。

また、花の中を覗き込んでみると、赤い点が付いているものがあります。赤い点があればドイツスズランで、点のない白いものがニホンスズランという見分け方ができますよ。

 

ラナンキュラス

科・属 キンポウゲ科・キンポウゲ属
和名 花金鳳花(はなきんぽうげ)
英名 Ranunculus, Persian buttercup
学名 Ranunculus asiatics
原産地 ヨーロッパ、西アジア、地中海沿岸
花言葉 「とても魅力的」「華やかな魅力」「純潔」

 

ラナンキュラスは、繊細な花びらを幾重にも重ねている、バラにも引けを取らない豪華な花姿が魅力となっています。その華やかさと優しい雰囲気から、ブライダルシーンでも人気が高いです。

八重咲きの品種が特に人気ですが、原種のラナンキュラスはもともとは黄色い5枚の花弁をカップ状に咲かせる花だったので、英名では「Buttercup(バターカップ)」と呼ばれています。

名前の語源は、湿地を好むラナンキュラスの葉がカエルの足のように見えることから、ラテン語の「rana (カエル)」から由来しています。

 

大輪のものでは15cmを超える花径の品種もあり、毎年新しい品種が誕生しているので、進化が楽しみなお花でもあります。中でも、「ラナンキュラス・ラックス」というワックスペーパーのような光沢のある質感を持った花びらの品種は、特に人気があるようです。

花色が多彩で、単色や複色、バイカラーやパステル調の色合いなどさまざまなので、切り花やアレンジメントでも活躍してくれるお花でしょう。

 

ムスカリ 

科・属 キジカクシ科・ムスカリ属
和名 葡萄風信子(ぶどうひやしんす)
英名 Grape hyacinth
学名 Muscari
原産地 地中海沿岸、アジア南西部
花言葉 「明るい未来」「通じ合う心」

 

ムスカリは草丈が15cmほどと低く、鮮やかな青紫色の花を、葡萄の形のように集まって咲かせる特徴的な姿をしています。

こぼれ種で繁殖するほどの強い生命力を持っており、群生して開花する姿は見応えのある光景ですよ。

「明るい未来」というポジティブな花言葉を持ちながらも、正反対の「失意」「失望」という言葉もあります。

ヨーロッパでは古くから、青い花は悲しみのシンボルだと考えられていたので、このような花言葉が付けられました。

近年の研究では、旧人類の絶滅種であるネアンデルタール人の埋葬地に、ムスカリの花が供えられていたと明らかになっています。約6万年前に供えられていた、世界最古の埋葬花としても有名なお花です。

ガーデニングではチューリップとあわせて植えると、美しいコントラストを楽しめるので人気の組み合わせです。花もちが長いため、切り花としても楽しめますよ。

 

ハナニラ

科・属 ネギ科・ハナニラ属
和名 花韮(はなにら)
英名 Spring starflower
学名 Ipheion uniflorum
原産地 南アメリカ
花言葉 「悲しい別れ」「耐える愛」

 

桜の咲く時期になると星形の花を咲かせるハナニラは、英名では「Spring starflower」と呼ばれており、学名から「アイフェイオン」や「イフェイオン」と呼ばれることもあります。

和名の「ハナニラ」は、葉を擦ったり千切ったりすると、ニラの匂いがするため名付けられました。

花の形は星形でとてもポップなのですが、花色はやや青みがかっている白色で、落ち着いた佇まいながらも、どこかアンニュイな雰囲気を持っているお花です。白や淡い青色のものが多いですが、水色、ピンク、紫などの花色もありますよ。

その姿が憂いを感じさせる姿から、「悲しい別れ」「耐える愛」の花言葉があります。

日の光に向けて花を咲かせる性質があり、曇りの日や、雨の日、夜には星形の花を閉じるのが特徴です。

 

シラー

 

科・属 キジカクシ科・シラー属
和名 大蔓穂(おおつるぼ)
英名 Cuban lily, Portuguese squill
学名 Scilla peruviana
原産地 ヨーロッパ、アジア、アフリカ
花言葉 「変わらない愛」「辛抱強い」「我慢強さ」「寂しさ」

 

シラーは、星形やベル型をした青や紫などの小花を咲かせるお花です。少し珍しいものでは白いシラーもあります。数本の茎に花序をたくさんつけるので、ひとつの球根でボリュームのある花の様子を楽しめるでしょう。

シラーの球根は丈夫で、一度植えたら植えっぱなしにしていても、自然と分球して増え、毎年花を咲かせてくれます。

学名の「Scilla」が名前の由来ですが、ギリシャ語で「害」という意味を指す「Skyllo」が語源です。可愛らしい花を咲かせるシラーですが、鱗茎部に毒があるため、害を意味する言葉が語源になっています。

 

アリウム

科・属 ユリ科・アリウム属(ネギ科・ネギ属)
和名 花葱(はなねぎ)
英名 Allium, Giant onion
学名 Allium
原産地 ヨーロッパ、アメリカ、アフリカ、中央アジア
花言葉 「円満な人柄」「優しい」「正しい主張」「不屈の心」

 

アリウムは、すらりと長く伸ばした花茎に、ぽんぽんとした丸い花序を咲かせる、たんぽぽの綿毛のようなフォルムをしたお花です。特徴的な花姿から、ガーデニングやアレンジメントのアクセントとして人気があります。

真ん丸のフォルムはとても優しげな雰囲気があるため、「円満な人柄」「優しい」などの花言葉が付けられました。まっすぐに茎を伸ばす様子から、「正しい心」や「不屈の心」といった、実直な意味合いの言葉も持っています。

タンポポの綿毛のように真ん丸の形状以外にも、花茎を枝垂れるように伸ばすものや、花火のように放射状に花茎を伸ばすものなど、品種によって花の咲き方が違うのが特徴です。

 

学名の「Allium」は、ラテン語で「ニンニク」や「匂い」を意味する言葉で、ネギ科でもあるアリウムは、茎を切ったり折ったりするとネギに似た匂いがします。

そのため、和名では「花葱(はなねぎ)」、英名では「Giant onion(ジャイアントオニオン)と呼ばれています。

 

まとめ

今回は、厳しい冬の寒さに耐えて、春の訪れと共に美しい花を咲かせる、春咲きの球根植物についてご紹介してきました。

紹介した春咲き球根はほんの一部で、他にもまだまだ魅力的な草花があります。春咲きの球根は、秋に植え付けを行なって冬に間に生長していく植物です。

植えたままでも毎年花を咲かせてくれるものも多いので、長いスパンで育てていく楽しみがありますよ。

ガーデニングや鉢植えの他、水栽培で育てられる球根もありますので、ぜひ挑戦してみてくださいね。

 

大切なあの人にお花を送ってみませんか?