多肉植物の人気ランキング!選ばれる理由と管理方法をご紹介

根っこ・茎・葉っぱに水分を蓄えている多肉植物は、乾燥に強いため初心者も育てやすいと言われています。種類も多く、さまざまな種類を一度に育てて楽しめるという点や可愛い形も魅力です。プレゼントにもおすすめですよ。

多肉植物ってなに?

多肉植物とは、ぷっくりと厚みのある肉厚な茎や葉に水を貯めることのできる植物です。多くの多肉植物は表面がクチクラ層(体表を保護する丈夫な膜)で覆われ、水の蒸発を防いでいます。多くは乾燥地に適応するために、水を蓄えるようになりました。多肉化する部分は、植物体全体である場合、主として葉である場合、主として茎である場合など、種によってさまざま。花が咲くものや色のあるもの、透明なものまで交配種も含めると20,000種類以上あると言われています。たとえば、馴染み深い品種でいうとアロエも多肉植物になります。さらに、毎年新種が発見されており、種類がどんどん増えています。しかし、店頭に並んでいるのはごくわずかな種類ということもあり、多くの種類から選びたい場合は、多肉植物を扱う専門店で購入するのが良いでしょう。多肉植物は、水分を蓄えているため、頻繁に水やりを行わなくても枯れないことや、比較的乾燥にも強いことから育てやすい植物です。

多肉植物が人気の理由

多肉植物が人気の理由は、育てやすいという点だけではありません。見た目がとても可愛らしいので、見ているだけで癒されるという点も人気の理由となっています。ぷっくりとした肉厚の葉っぱをもち、形も色々なものがあるので、インテリアとの相性も良いです。丈夫で長く楽しめるので植物をお部屋に緑を取り入れる最初の植物にもおすすめです。

観葉植物との違い

育てやすい植物として観葉植物も人気がありますが、多肉植物と観葉植物では、好む環境が異なります。また、水やりの頻度なども違うため、同じ環境で2つの植物を育てることは難しいと言われています。観葉植物は比較的乾燥に強いものの、多肉植物より早く水切れを起こします。多肉植物は、葉っぱや根っこ、茎に水分が蓄えられていますが、観葉植物は蓄えられていません。水やりして1週間経過しても枯れることがないのが多肉植物です。また、植物をグループに分けた際、多肉植物はCAM植物というグループになりますが、観葉植物はCAM植物ではありません。多肉植物は、屋外でも育てやすく日の当たる場所を好みます。しかし、観葉植物は基本的に室内の日が当たる場所で育てることが多く、屋外では育てにくくなっています。このように好む環境や植物としての分類で違いがあります。

多肉植物 人気ランキング10選!

ここからは、多肉植物の中でも特に人気がある品種をランキング形式でご紹介します。

1位 エケベリア

エケベリアは、色鮮やかな葉が重なってロゼットを形成する、春秋生育型の多肉植物です。メキシコを中心に中南米に約180の原種が知られ、数多くの園芸交配種が存在します。

晩秋から春にかけて日によく当たると葉がきれいな紅葉色に染まり、また、初春から夏にかけては小輪ながらも色鮮やかな花を咲かせます。多肉植物のなかでも1年を通じていろいろな魅力が楽しめる人気の高い属です。

緑や赤、黒、白、青色など品種により色もさまざまで、大きさも小型から大型まであります。とくに育てやすい品種として知られる、地植えでも育つほど丈夫な「七福神」、茎立ちしにくく白く美しい「ラウィ」が初心者におすすめです。春秋型の多肉植物なので、春と秋は日向に置いて土が乾燥したらたっぷり水やりし、5〜9月の奇数月に緩効性肥料を与えると元気に育ちます。夏は明るめの日陰に移動して、冬は水やりを月1〜2回か断水するといいでしょう。

2位 ハオルチア

ハオルチアは、ロゼット形に育つ春秋生育型の多肉植物で、ほとんどの種は大きく育っても15cm程度と手ごろなサイズで楽しむことができる品種です。一年中室内の明るい場所で育てられるため、園芸初心者でも管理がしやすいですね。

葉が堅く株のシャープなフォルムを楽しむ「硬葉系」と、葉が柔らかく透明感のある種類を含む「軟葉系」に分かれます。どちらも密に重なった葉が放射状に展開し、幾何学的で整った株姿になるのが魅力です。一部の品種では葉の先に「窓」と呼ばれる半透明な部分があり、その色合いや模様、光の透過加減も楽しめます。

軟葉種の人気品種は「ハオルチア・オブツーサ」があります。光に当たると葉っぱがキラキラ光って見えるのが特徴です。硬葉種の人気品種は「ハオルチア・十二の巻」があります。十二の巻は硬葉系のハオルチアで、濃いグリーンの葉色と白い縞模様が特徴です。オブツーサのような軟葉系とは違い、アロエの葉のような見た目をしています。成長はゆっくりですが20cmほどまで成長します。

3位 サボテン

多肉植物の中でも多くの人が目にしたことがある品種がサボテンです。茎に棘があるのが特徴で、綿毛があります。またサボテンには稜と呼ばれる突起もあります。世界中で5,000種類以上のサボテンがあると言われていて、品種改良でさらに種類が増えています。代表的なものが、柱サボテン・ウチワサボテン・玉サボテンです。柱サボテンは、柱のようにまっすぐと茎がのびています。ウチワサボテンは、楕円形の肉厚な茎があるのが特徴で、うちわのような形に見えます。玉サボテンは、丸くころんとした形が特徴的です。ウチワサボテンは別名「バニーカクタス」とよばれ、うさぎの耳のようにも見え、人気の品種です。

4位 ゴーラム クラッスラ

宇宙の木と呼ばれることもある多肉植物で、金のなる木の枝替わりした品種です。葉っぱの形がとてもユニークで、一度見たら忘れられないと人気があります。寒くなると紅葉し赤くなるので色の変化も楽しめます。葉っぱは棒のような形をしていて、つややかで先端だけが少しへこんでいます。このへこんでいる部分周辺が赤く変化します。寒さに弱い多肉植物なので、冬は室内で育てるのが良いでしょう。夏も蒸し暑いと傷みやすいので室内で風通しが良い場所に置くようにしてください。

5位 黒法師

黒法師(クロホウシ)は、別名「サンシモン」とも呼ばれ冬型の多肉植物の代表ともいえる、アエオニウムという多肉植物の中で最もポピュラーな品種です。冬に生長し夏は休眠します。茎の上部にロゼット状の葉っぱを付け、まるでお花が咲いているような株立ちで上に伸び、生長していきます。光沢のある黒紫の葉は特徴的で、そのフォルムがとても人気のある多肉植物です。夏場は葉を落としロゼット直径が小さくなります。これは休眠期に現れる生理現象で“元気がないのでは?”と勘違いして水を与えてしまうと傷んでしまい最悪枯死することもありますので梅雨明けから8月いっぱいまでは極力水を与えないようにしましょう。黒法師を長く育てていると、花を咲かせることがあります。花は、スプレー菊のような見た目で、鮮やかな黄色が美しく、なかなか見られないとあってなんだか嬉しいですよね。ただ、アエオニウム属の性質上、花が咲くと株が枯れてしまうことがほとんどです。そのまま育て続けたい場合は茎が伸びてきたらすぐに切り落とした方がよいでしょう。花を楽しみたいときは、事前に挿し木で数を増やしておくと安心ですよ。

6位 グリーンネックレス

グリーンネックレスは名前の通り、グリーンピースのような玉状の葉が連なる姿が可愛らしい、つる性の多肉植物です。秋から冬にかけて花も咲き、白く花径は1㎝程度と小さめでほのかに香りもします。つる性の多肉植物と言っても自分から何かに巻き付いていくようなことはなく、葉茎を長く伸ばし、下垂させていきます。玉状の葉を下垂させる姿が可愛らしいので、床や棚に置くよりもプラントハンガーなどで吊るして飾るのもおすすめですよ。

グリーンネックレスは春秋に生長するタイプの多肉植物です。真夏や真冬の植え替えや過度な水やりは負担をかけることになるので避けるようにしましょう。

7位 ユーフォルビア

ユーフォルビアは、とても種類が多く、ユーフォルビア属だけで2,000種類以上あるとされています。多肉植物だけでなく多年草や一年草もあります。低木から大きく成長するものまで形がさまざまなので、好みのものを探してみましょう。多肉系のユーフォルビアはサボテンと見た目がよく似ていて、サボテンにはトゲの根元に「針座」がありますが、「ホリダ」などのようなユーフォルビアには針座がないという違いがあります。ユーフォルビアの種類によって育て方に大きな違いはありませんが、直射日光に弱いため、カーテン越しの窓際で育てるとよいです。小さいパイナップルのような見た目の「峨眉山(がびざん)」やソテツキリンという品種はあまり大きくならず、室内でも管理しやすいのでおすすめです。

8位 アロエ

ユリ科の植物でトゲのあるとがった見た目が特徴のアロエは、肉厚の葉っぱも魅力の多肉植物です。肉厚の葉っぱは、火傷をした時に応急処置にも使え、ご家庭に1つアロエがあると重宝しますね。緑色のアロエが一般的に知られているものですが、緑色以外のものも存在します。アロエ・ベラという品種は、アロエの中でも食用として利用されているものです。アロエ果肉の入ったヨーグルトなどがありますが、これは食用のアロエ・ベラのものが使われます。キダチ・アロエは、茎が立ち上がるように伸びることからこの名前になっています。アロエ・ベラと同じく国内で多くみられる品種になります。茎の緑色のグラデーションが美しいと人気の品種は、ヴァリエガクというものです。葉っぱの裏側には白色の斑が見られ、薄紅色の可愛い花も咲きます。

9位 オロスタキス

オロスタキスは日本や中国を原産とするベンケイソウ科オロスタキス属(イワレンゲ属)に分類される多肉植物です。日本原産のオロスタキスは江戸時代から観賞用の植物として栽培されていたとも言われています。

多肉質の葉がロゼッタを組み、可愛らしいバラのような見た目をしているのが特徴で、開花期になると花が咲きます。ロゼッタ状の子株がつる状に連なる「子持ち蓮華」や、葉先が爪のように尖った「爪蓮華」、葉の縁に白い班が入った「富士」、黄色い班が入った「金星」などが代表的な品種です。花芽をつけた親株は枯れてしまうことが多いので、枯らしたくなければ花芽を切り取るか親株の脇についた子株を切り分けて育てます。

10位 成金草

成金草は多肉植物ならではのぷっくりとした葉っぱが印象的で、別名「金のなる木」といわれています。「幸運を招く」という縁起のよい花言葉をもつ多肉植物です。

丈夫で枯れにくく、初めての方でも管理しやすいことから縁起のよいプレゼントとしても人気がありますよ。

名前の由来は、商人が新芽のうちに穴の空いた小銭を通しておき、成長すると葉っぱの間に小銭が挟まったように見えたことから名付けられました。

肉厚な葉っぱに水を溜めるので水やりの頻度が減ることもあって、初心者でも育てやすいと人気があります。

管理方法としては、夏の間(梅雨明けからお彼岸までが目安)の水やりを控え、お彼岸が過ぎて水やりを再開しましょう。冬の間は霜があたらないように注意しながら、日中は外に出して日にあててやると1月以降から花が咲き始めますよ。

多肉植物は生育型(季節)で選ぼう

多肉植物は多くの種類があるため、選ぶ際はどのような基準で選んだら良いのでしょうか。多肉植物を選ぶ際は、育てる地域の環境で選ぶことをおすすめします。

多肉植物は、春秋型・夏型・冬型と3種類の生育型があり、どの季節に生育しやすいのかによる分類がされているので、成長させたい時期や自宅付近の気候に合わせて選ぶと良いでしょう。

見た目が気に入るかどうかも大事ですが、多肉植物に適した生育環境なども把握しておくことでより長く楽しむことができます。

春秋型

春秋型は、1年に2回成長します。春と秋に成長するので暖かな地域で育てるのであれば、春秋型は育てやすいでしょう。生育適正温度は10〜25℃です。夏になると成長が遅くなり、冬は休眠期になります。アロエやハオルチアなどが春秋型の多肉植物の代表です。夏越しさせるためには、夏は水をあげないで休眠状態にしてしまうのが良いでしょう。

代表的な種類:ハオルチア、エケベリア、セダム、センペルビウム、パキフィツム、ペペロミア、クラッスラ(春秋型)

夏型

夏型は、夏の暑い時期に成長する植物になります。生育適正温度は20〜30℃で、乾燥に強く、春と秋は生育が緩慢になり、冬は休眠します。高温を好む一方で極端な過湿は嫌うので、夏は風通しのよい場所に置いて根腐れ防止をしましょう。生育が鈍るようなら水やりを控えてください。冬は水やりはしないようにします。

代表的な種類:サンセベリア、クラッスラ(夏型)、アロエ、カランコエ、アガベ、ユーフォルビア

冬型

冬型の生育適正温度は5〜20℃で、冬に生育し、春秋は生育が緩慢になり、夏は休眠します。低温を好みますが、霜が降りるほどの寒さには弱いものが多いので、冬の夜は室内に取り込むことをおすすめします。水やりは冷える時間帯を避け、晴れた日の午前中にしましょう。

代表的な種類:アルギロデルマ、アエオニウム、リトープス、オトンナ、プレイオスピロス、コノフィツム

多肉植物の増やし方

多肉植物の増やし方は案外簡単で、初心者の方でも増やすことができます。ここでは、生育型ごとの増やし方の最適な時期や、挿し木・株分け・葉挿しの代表的な三つの増やし方をご紹介します。使用する土は、園芸用で販売されている市販の多肉植物用の土で問題ありません。

生育型ごとの増やし方の最適な時期

多肉植物は先ほどの記述のとおり夏型・冬型・春秋型などの系統があり、それによって生育サイクルが違ってきます。繁殖しやすい時期は、その生育期の少し前か、もしくは休眠から目覚めるあたりなので、この時期に増やすことが基本です。

時期が遅いと、未熟なまま生長が止まり、腐って枯れてしまうのでタイミングを逃してしまったら次の機会まで待ちましょう。鉢いっぱいに育ってしまったり、鉢底から根が出てきたり、外側の葉が数枚枯れてきたなどの状態になったら植え替えのタイミングとなります。

●春秋型の多肉植物

3〜5月と9〜11月が生育期なので、生育期よりも少し前の2〜4月か、9〜10月頃に増やすのがおすすめです。

代表的な種類:ハオルチア、エケベリア、セダム、センペルビウム、パキフィツム、ペペロミア、クラッスラ(春秋型)

●夏型の多肉植物

生育期が4~10月頃なので、3~5月くらいまでが繁殖しやすい時期です。

代表的な種類:サンセベリア、クラッスラ(夏型)、アロエ、カランコエ、アガベ、ユーフォルビア

●冬型の多肉植物

9月〜翌年6月にかけて生育がよくなり、5月には休眠期に入るので、9〜11月くらいまでに株を増やすのがベストです。

代表的な種類:アルギロデルマ、アエオニウム、リトープス、オトンナ、プレイオスピロス、コノフィツム

 

※多肉植物は湿気に弱いので、株への負担が大きくなるジメジメとした梅雨時期や、真夏は生育を問わず避けましょう。

挿し木

挿し木は伸びている株を切って挿し木にして増やす方法です。葉が大きめの多肉植物は挿し木に向いています。増えすぎてしまった時や、形を整えたい時におすすめの増やし方です。

  1. 伸びてしまった株を切り、挿し木に利用します。株元の少し下辺りをカットしましょう。
  2. 株の下の方の葉を間引きします。
  3. 切り口を乾かしたら、グラスや瓶にさします。水は与えなくて大丈夫です。
  4. 根っこが出てきたら容器に植え替えします。

株分け

子株が親株の茎から出ていた場合、株分けを選びましょう。エケベリアやアガベなどは株分けが向いています。

  1. 株を鉢から抜いて土を取り除きます。
  2. 株に根っこがついている状態で茎をハサミで切り分けします。
  3. 切り口を乾燥させたら、新しい土に植え付けしましょう。水は1週間から10日後に与えます。

葉挿し

葉挿しは葉っぱを新しい鉢の上にのせて増やす方法です。

  1. 多肉植物用の用土の上に葉っぱをのせます。乾いた土を使って育てます。(腐ってしまいますので最初は水は絶対に与えないでください。)
  2. 根が数センチ出てきたら上から土をかぶせて霧吹きで水を与えます。
  3. 数ヶ月すると、新しい株が出てくるので、これを容器に植え替えして育てます。

まとめ

初めて多肉植物を取り扱う方にもおすすめの多肉植物をランキング形式で紹介しました。

  • エケベリア
  • ハオルチア
  • サボテン
  • ゴーラムクラッスラ
  • 黒法師
  • グリーンネックレス
  • ユーフォルビア
  • アロエ
  • オロスタキス
  • 成金草

多肉植物はとても種類が多いので、さまざまな種類をお部屋に並べて飾るのもおすすめです。コレクションにするのもいいですね。

ぷくっとした印象的な見た目は、愛着がわくこと間違いなしです。ぜひお気に入りを探してみてください。

大切なあの人にお花を送ってみませんか?