鉢植えのアジサイの植え替え時期は?植え替え方法やお手入れ方法を紹介
梅雨の時期に雨がかかった花がみずみずしく、小さな花がまとまって大輪のように花が咲くアジサイは、5月頃からたくさんの品種が販売されます。贈り物としても人気なので、アジサイをもらった経験がある方も居るかもしれません。
アジサイは庭に地植えしても育つ、暑さにも寒さにも強い花木ですが、鉢植えでも育てられます。
植え替えの時期やお手入れの方法やコツを知って毎年キレイなアジサイの花を楽しみましょう。
鉢植えアジサイの植え替え時期
アジサイの花が咲く時期は6〜8月。梅雨の時期に雨で濡れたアジサイを見かけることが多いですよね。春を過ぎて夏が来る前に咲かせるのが特徴です。
そんなアジサイの植え替えをする適期は葉を落とした後の休眠期が適期。アジサイが販売されるのは、開花時期の少し前の5月頃ですが植え替えの時期は異なるので注意が必要です。
アジサイなどの落葉樹は休眠期に植え替えをすることで根が傷むのを防ぐことにつながります。購入したばかりのアジサイの鉢が小さいなど状況に応じて植え替えをする時期を見極めていきましょう。
植え替えする理由
アジサイは可愛らしい花が咲く花鉢として人気ですが、落葉低木に分類される木です。
枝は木質化し大きくなる性質を持っているため、小さな鉢のままでは大きくなれずに窮屈になってしまいます。根詰まりを防ぎ、また傷んだ根を再生させるためにも植え替えをしましょう。
庭に植えると大きくこんもり成長していきますが、鉢植えで楽しむ場合には適度に植え替えをしてコンパクトにまとめるのが花を毎年楽しむコツです。
植え替えをして新しい土を入れることで、鉢内の環境がよくなり元気に育てられます。
アジサイの植え替えを成功させるコツ
アジサイの植え替えを成功させるコツは、株が弱ってしまわない様に花を早めに切り取ること、植え替えの時期を調整することが大切です。
花が終わったアジサイは早めに剪定することで、株に養分を戻す効果があります。アジサイは切り花としても楽しめるので、早めに切り取って楽しむのもひとつの手です。
植え替えの時期は、購入した時期や寒冷地などの地域性によっても異なる場合があります。鉢の大きさや自宅の環境に合わせて植え替えをすることで翌年もキレイな花をさかせてくれますよ。
花が終わったら早めに剪定する
アジサイの花を咲かせるためには適切な時期に剪定をすることが大切です。養分を株に戻すためにも花が終わったら早めに花を切って剪定をしましょう。
アジサイが翌年咲かせるための花芽を形成するのは花が終わった後の9月頃です。そのため、剪定の時期が遅れると花芽を切ってしまうことになるので注意しましょう。
アジサイは、切花をしても長持ちするので花瓶に生けて楽しんだり、ドライフラワーにしたりして楽しむこともできます。花が枯れ終わるまで楽しみたいという方はぜひ試してみて下さい。
植え替えは鉢植えの購入時期によって変える
アジサイの植え替えの適期は落葉している時期になりますが、購入時期によっては早めに植え替えた方が育てやすい場合があります。アジサイは株のボリュームを見せるためや生産の過程で小さめの鉢で販売されていることも多いからです。
そのため、小さな鉢のままでは根が早く回ってしまう心配があります。鉢が小さいと水切れが起きやすく枯れる原因にもなってしまうかもしれません。
今年購入したアジサイの鉢植えは、花が終わった後の剪定後に大きめの鉢に植え替えをすると良いでしょう。
昨年以前に購入したアジサイの鉢植えの場合は、1〜2年に一回を目安に落葉時期の11〜2月頃に行いましょう。ただし、寒冷地などは厳しい寒さが過ぎた3月上旬頃か花が終わった後の方が株の負担を減らせる場合もあります。
鉢植えアジサイの植え替え方法
鉢植えのアジサイの植え替え方法は、一般的な花と同じなので覚えてしまえば簡単にできます。比較的強い性質を持っていますが、根を傷つけすぎないように注意しましょう。
また、アジサイの鉢植えは、どれくらいの大きさに育てたいかを決めておくことも大切です。
大きく育てていくなら大きめの鉢に植え替えていき、大きくしたくない場合には土や根の整理をして同じ鉢に植え替えをします。
鉢植えアジサイの植え替えの方法を知って、毎年花を楽しみましょう。
用意するもの
アジサイの鉢植えで用意するものは、「植木鉢」、「新しい培養土」、「鉢底石」、「剪定ばさみ」、「肥料や殺虫剤」。また、木槌(ゴムハンマー)や土をつつく棒などがあると便利です。
アジサイを大きくしたい場合は2回りほど大きな鉢を用意しましょう。これ以上大きくしたくない場合は同じサイズの鉢に植え替えることも可能ですが、販売されていた鉢がプラスチック製など材質が弱い場合、見た目にも良い素焼き鉢などへ植え替えるのもおすすめです。
アジサイを鉢から優しく抜く
アジサイを植え替える手順は、まず鉢から株を優しく引き抜きます。根がしっかり詰まっていて中々抜けない場合には、木槌(ゴムハンマー)でたたくと鉢の中に空気が入り抜きやすくなります。
鉢から引き抜く時に主要な枝を折ってしまったり、傷つけないように注意しましょう。この時に枝が混み合っていたり、植え替えがしにくい場合には剪定をして株を整えます。ただし、剪定をしすぎると翌年の花芽が少なくなってしまうので注意が必要です。
鉢・鉢底網・鉢底石を洗う
鉢から引き抜いたアジサイは、根が乾燥しないように日陰に置いておきましょう。植え替えの時に株が乾燥してしまうと根が切れるなど傷つく原因にもなります。土が乾燥している場合には水やりをしておくと安心です。
同じ鉢に植え替える場合には、鉢や鉢底に敷いた網、鉢底石をキレイに洗って清潔な状態にしていきましょう。小さな虫の卵が付いていたり、病原菌が付いていたりする可能性があるので、しっかり洗い流しておくことが大切です。
培養土と元肥を入れる
鉢などを洗って鉢の準備ができたら、新しい培養土を底に3cmほど入れていきます。この時に土に混ぜ込むタイプの「元肥」も入れていきましょう。緩効性タイプの化成肥料を混ぜても良いですし、最近ではアジサイ用の肥料も販売されています。
アジサイは青色系は酸性を好み、赤色系はアルカリ性を好む性質があります。
日本は、酸性土壌に偏る性質があるため、赤色系を育てている場合には培養土も赤アジサイ専用の用土を使用するのもおすすめです。
根を切り取って整える
土の準備ができたら、アジサイの根を切り取って株を整えていきましょう。根鉢の周りを指2本分程度を目安に切り取ります。
また、健康な根は白っぽい色をしています。茶色い根や腐っている黒い根は切り落としていきましょう。この時に使用する鎌(カマ)やハサミは清潔なものを使って病気にかかるのを防ぐことも大切です。
同じ鉢に植える場合には、どうしても根を切り落とし過ぎてしまうこともあります。根をたくさん切ってしまったと感じたら上部の株の枝も剪定をして根と上部のバランスを整えてあげましょう。
アジサイを鉢に入れ、周りに培養土を入れる
新しい培養土を鉢の底に入れ、株の根を整理したらアジサイを鉢に植えて、周りのすき間にも培養土を入れていきましょう。鉢の周りを叩いたり、棒で突くなどして土のすき間がないように土を隅々まで行き渡らせるようにするのがコツです。
植えることに集中するとアジサイの向きと鉢の向きがズレていたという失敗もあります。土を入れながら、アジサイの向きや傾き具合も同時に調整していきましょう。
土は鉢いっぱいまで入れずに3cm程度のウォータースペースを取っておきます。
水やりをして完了
植え替えが終わったら、育てる場所に戻して最後に水やりをして完了です。
鉢の隅々まで水が行きわたるように鉢底から水が流れ出るまでしっかり水やりをしていきましょう。大きな鉢の場合はバケツ2杯分を与えるイメージです。
水やりをすると土の中のすき間が埋まり、土のかさが下がってしまうことがあります。
水やりで土が減ってしまったら上から足しておきましょう。また、この時にオルトランなどの殺虫剤を撒くと害虫予防になりますよ。
植え替え後のお手入れ方法
植え替え後のアジサイは鉢の環境が変わってストレスを受けています。根が減って株が一時的に弱っている可能性もあるので、しっかりと根がついて落ち着くまでは注意が必要です。
植え替えの適期は11〜2月と寒い時期です。植え替え後のアジサイの花芽が傷まない様に必要に応じて寒さ対策をしてあげましょう。また、成長期には肥料を与えて株の成長を促進させます。
冬の寒さに注意
寒さが厳しい地域では特に花芽が霜にあたってしまうと痛んで花が咲かない可能性があります。
アジサイは庭に植えっぱなしでも育てられるので比較的寒さには強い方ですが、植え替え後のアジサイの株は注意が必要です。
花をキレイに咲かせるためにも寒さに当てることは大切なので室内に入れる必要はありませんが、10度を下回る時にはビニールをかけるなどして対処すると安心です。
霜が降りる地域の場合は屋根下などで管理をしましょう。
生育期になったら肥料を与える
植え替えを終えて、芽が動き始める3月頃〜アジサイの成長期に入ります。株を大きくしてキレイな花を咲かせるために肥料やりを再開していきましょう。
培養土や元肥からの栄養もありますが、芽が出て葉の色が変わる頃までは肥料切れをおこさないようにするのがコツです。成長期のアジサイには、葉や茎の成長を支える窒素系のが多い肥料を与えます。
開花時期に入る頃には花をキレイに咲かせるためのリン酸や、根の栄養の助けになるカリ肥料も与えると良いでしょう。
アジサイの育て方
アジサイは、神社や公園でも植えられていることが多いとても強く育てやすい落葉低木。1年を通して屋外で育てることができ、日本の暑さや寒さにも強いです。
鉢植えのアジサイは、育てたい大きさや育てる環境に合わせた手入れが必要になります。用土選びでは花色による酸性度に注意し、正しい管理方法を確認しておきましょう。
用土・肥料
アジサイの用土は、花苗や花木用に販売されている培養土を使用できます。栄養があり水はけの良い用土を選びましょう。
アジサイは、一般的な培養土を使用できますが、赤色系の品種はアルカリ性を好みます。土をアルカリ性にするには苦土石灰や消石灰などを土に混ぜ込むことで調整できますが、鉢植えなど少量の場合にはアジサイ専用の土を使用するのがおすすめです。
また、一株からたくさんの花を咲かせるアジサイは肥料が大好きです。花芽が動き出す3月頃〜成長期には肥料を与えてあげましょう。
置き場所
アジサイが好む場所は、明るい日陰です。1日中日当たりが良い場所は避けた方が良いですが、家の周りなら比較的どこでも育てられます。
夏場の直射日光が当たると葉っぱが焼けて茶色っぽくなったり、日当たりが悪すぎると茎が徒長してしまって花付きが悪くなる場合もあります。
鉢植えは季節に応じて移動ができるのが大きなメリットです。寒冷地などは冬は軒下に移動するなどアジサイの様子を見ながら調度良い場所を探してあげましょう。
水やり
アジサイの鉢植えの水やりは、表面の土が乾いたら鉢底から水が流れ出るまでたっぷり与えてあげましょう。アジサイは乾燥地帯以外では場所を選ばずによく育つ性質を持っているので水切れを起こさないように注意します。
特に鉢を大きくしたくない場合には鉢の中に根が回りやすく水分を多く必要とします。花が咲いている時期には水やりの時に即効性がある液体肥料を与えると花色が良くなりますよ。
鉢植えのアジサイは夏場の水切れに注意するだけでなく、花が終わった後も土が乾いたら水やりをするのを忘れない様にしましょう。
植え付け
アジサイを植え付ける時のポイントは、植える時期を検討することと育てたい大きさに合わせた鉢選び。アジサイの開花時期に合わせて販売されるため、適切な植え付け時期と販売時期が異なる場合が多いです。
アジサイの植え付けの適期は休眠期の11〜2月頃。花が付いている時期〜夏場の間に植え付けをする場合は、根を崩し過ぎないように注意しましょう。
鉢が簡易的なもので見た目が気になるという場合には、1年目は鉢カバーに入れて楽しむのもおすすめですよ。
夏の管理方法
アジサイの開花時期は、6〜8月頃と梅雨時期です。購入して1年目の鉢は温室で通常より早めに開花するように調整されている鉢も多いのでそれよりも早く花が咲き終わる場合もあります。
花が終わった後は葉っぱだけが残りますが、秋になる前までに剪定を済ませておくのが来年も花を咲かせるためのポイントです。
また、アジサイは夏の直射日光や乾燥に弱いので葉焼けが見られたら移動をして、土が乾燥してきたらしっかり水やりをしましょう。
冬の管理方法
アジサイは、落葉低木なので秋には葉っぱが落葉します。冬の間は枝だけが残るので枯れていると勘違いしてしまうかもしません。枯れているか心配という場合には少し枝を切ってみましょう。中心に緑色が残っていれば生きている証拠です。
アジサイは寒さに強いので冬も屋外で育てられますが、花芽が霜で傷んでしまったり、鉢の中が凍ってしまう心配があります。水やりをする時にはできるだけ天気の良い暖かい日中にして凍結を防ぎます。
冬の休眠期はアジサイの植え付けや植え替えの適期でもあるので、必要に応じて植え替えをしてあげましょう。
増やし方
アジサイは、挿し木で増やすことができます。挿し木に適しているのは主に梅雨時期。お気に入りの花色を増やしたい場合にはぜひ挑戦してみてください。
挿し木のポイントは太くてしっかりとした枝を選び、芽が出ている節を土に入れることです。挿し木を取るときには清潔なハサミを用意し、発根剤を付けると良いです。土は赤玉や挿し木用を使用しましょう。
根が付くまでは特に水切れに注意して常に湿った状態を保つようにしましょう。根が付いたかな?と、茎を動かさないようにするのも挿し木を成功させるためのポイントです。
注意すべき病害虫
アジサイは、比較的丈夫で病害虫にも強いです。
しかし、植え替え後などで株が弱っていると病気にかかることもあります。
主な病気にうどんこ病がありますが、うどんこ病にかかると葉っぱに白っぽい粉のようなものが見られます。症状が見られたらなるべく早めに葉っぱを処分して周りへの感染を防ぎましょう。
また、ハダニなどの害虫が発生する可能性も。病気や害虫は枝が込み合っている、置き場所の風通しが悪いと病害虫が発生しやすくなります。
病害虫を見つけたら早めに対処して、置き場所などを見直してみましょう。
アジサイを育てる上でよくある質問
日本に自生していることもあるアジサイですが、実際に育てようとすると「植え替えにはどれくらいの時間が掛かるのか?」「小さく育てることはできるのか?」など、育てる上での疑問が出てくるかもしれません。
丈夫なアジサイは、コツを掴めば簡単に育てられます。アジサイを育てる時によくある質問をチェックして、アジサイ栽培の失敗を防ぎましょう。
アジサイの植え替えはどれくらいの時間がかかる?
アジサイの植え替えは、根の処理と土の準備がポイント。土の準備から植え替えは1時間ほどあればできますが、大きな株のアジサイや根がまわっている株だとそれ以上に時間が掛かってしまうかもしれません。
植え替えに時間が掛かる時には、根を乾燥させないように注意しましょう。
水分を含んでいると重たくなってしまいますが、乾燥の状態で植え替えるのも危険です。土がべちゃべちゃの状態だと作業もしにくくなるので、植え替えの少し前に水やりを済ませておくと安心です。
花の終わりの目安は?
アジサイの花は、品種によっても開花時期が異なります。
また、咲き始めから咲き終わりまで色の変化を楽しめる品種もあり、咲き終わってもドライフラワーのように見た目を保つこともあります。
花の咲き終わりの目安は、花がしおれて水分がなくなってくる頃です。完全に花が終わったというタイミングが分かりづらい場合もあるので迷ってしまいますよね。
花を付けていると株の養分が減っていくので、花をギリギリまで長く楽しみたいという場合には切花にして楽しむのもおすすめです。
小さく育てたい場合はどうすればいい?
アジサイは落葉低木で、本来は1〜2m程度まで大きくなる性質を持っています。庭に植える場合には植えっぱなしで大丈夫ですが鉢植えの状態で植えっぱなしで育てていると鉢の中で根がまわってしまい、花付きも悪くなっていきます。
これ以上大きくしたくないという場合には、剪定と植え替えを毎年行い、土や根を更新させていきましょう。アジサイは種類が豊富なので、そもそも大きくなりすぎないコンパクトな品種を選ぶ方法もあります。
アジサイを鉢植えで育てる場合には、どれくらいの大きさに仕立てたいのかを購入する前にイメージしてみましょう。
まとめ
鉢植えのアジサイの植え替えは、休眠期の11〜2月頃が適期。ただし、購入した鉢が小さい場合には秋に、寒冷地では3月頃の方が良い場合もあります。状況に応じて植え替えをしていくことになりますが、開花している時期や夏場は植え替える時に根を傷つけないように注意しましょう。
植え替えの方法は一般的な植え替え方法で大丈夫。植え替えは、鉢の中を清潔にしてアジサイにしっかり栄養を与える環境をつくるのが目的です。青系と赤系では、適切な酸性度が異なるので花色を確認しながら用土や肥料を選んでいきましょう。
アジサイは、比較的丈夫で育てやすい花木です。植え替えのコツを知って、毎年の花を楽しんでくださいね。