シュウメイギク(秋明菊)の花言葉は怖い?由来や育て方を解説
秋の花として有名なシュウメイギク。
シュウメイギクはとても優雅な雰囲気で、切り花や鉢植えなどさまざまな飾り方ができます。カラーバリエーションは定番の白からピンク、紫色などがあり、お庭に植えたい!とお考えの方も多いでしょう。上手く育てれば、毎年その可愛らしい花を咲かせることができますよ。
この記事では、シュウメイギクの花言葉や由来、品種、育て方などを詳しくご紹介します。
シュウメイギクの花言葉
花言葉は同じ花でも色別に異なる場合がありますが、シュウメイギクは色別の花言葉はないので、色が違う場合も花言葉は同じです。
そんなシュウメイギクの花言葉は、「薄れゆく愛」「淡い思い」「多感な時」「忍耐」です。それぞれの花言葉の由来を見ていきましょう。
「薄れゆく愛」「淡い思い」
シュウメイギクは名前に「菊」とついていますが、キク科の植物ではなく、アネモネの仲間です。
アネモネの花言葉を調べてみると、「はかない恋」「恋の苦しみ」となっています。この花言葉は、「愛と美の女神アプロディーテーが恋したアドニスという美少年が狩りでイノシシに脇腹を突かれて死んでしまい、悲しんだアプロディーテーが流した涙がアネモネの花になった」という悲しい言い伝えが由来となっています。
アネモネによく似たシュウメイギクも、アネモネに近い切ない花言葉がつけられたようです。
アネモネの花言葉についてもっと詳しく知りたい方はこちらの記事もご覧ください。
「多感な時」
この花言葉もデリケートな印象ですね。淡いカラーとはかなく咲くシュウメイギクの印象からこの花言葉がつけられたのでしょう。
「忍耐」
シュウメイギクの細い茎と薄い花びら、淡いカラーはとてもはかない印象を受けますが、風に揺られながらも力強く咲き誇っています。
この姿から「忍耐」という花言葉がつけられたのではないでしょうか。
「薄れゆく愛」「淡い思い」などの花言葉は贈り物には不向きですが、逆境に向かって頑張っている人にエールを込めて、その忍耐力を讃えるために贈るということもできそうですね。
シュウメイギクの花言葉に怖い意味はある?
シュウメイギクの花言葉は怖いという説がありますが、上記でご紹介した通り怖いのではなく切ない、悲しいというようなイメージが強いです。
怖い意味はありませんが「薄れゆく愛」という花言葉もありますので、贈り物として利用する際は注意しなければいけません。
ただ、プレゼントしてはいけないということはないので、花束に取り入れたいという方は、お花屋さんに相談してアレンジしてもらいましょう。
シュウメイギクの基本情報
シュウメイギクの花言葉が分かったところで、ここからはシュウメイギクがどのような花なのか、基本情報から育て方まで細かくご紹介します。華憐で素敵な花なので、自宅に飾るのにもおすすめですよ。
科 | キンポウゲ科 |
属 | イチリンソウ属 |
和名 | シュウメイギク |
英名 | Japaneseanemone |
学名 | Anemonehupehensis |
原産地 | 中国 |
シュウメイギクの名前の由来
シュウメイギクは、9月から11月ごろに花を咲かせます。
可愛らしく菊のような見た目をしていることから「秋に明るく咲く菊」ということで「秋明菊=シュウメイギク」と名つけられました。
シュウメイギクの特徴
シュウメイギクの草の丈は50cmから1mくらいとなっていて、比較的育てやすい花です。花は一重咲きと八重咲きがあり、見た目の印象がそれぞれ異なります。
お庭に一度植えつければ、毎年開花してくれるので長く楽しめるでしょう。
シュウメイギクは耐寒性・耐暑性がある花なので、初心者でも育てやすい花となっています。
シュウメイギクはいつの誕生花?
シュウメイギクは9月14日の誕生花です。シュウメイギクという名前の通り、秋の誕生花になっています。
お花はそれぞれ誕生花があります。誕生日の花をプレゼントすると喜んでもらえることも多いので、プレゼント選びの参考にしてみてくださいね。
タイワンシュウメイギクとシュウメイギクは別物?
タイワンシュウメイギクと呼ばれる花がありますが、こちらはシュウメイギクとどのような違いがあるのでしょうか。
この花はシュウメイギクの近縁主とされていて、血縁度が高いことから、同種で品種が異なるものと言えます。
タイワンシュウメイギクは、ピンク、白、黄色、緑の花を咲かせるので、シュウメイギクよりもカラーバリエーションは多いです。
また、タイワンシュウメイギクには、プロトアネモニンという油が含まれていて、これにより皮膚や胃などに刺激が起こる可能性があるため、植物アレルギーがある方や、アレルギー体質の場合は注意するようにしてください。
ちなみに、花言葉は「人生」と「期待」となっています。
シュウメイギクの代表的な種類
シュウメイギクにはさまざまな種類があります。ここでは、代表的な種類をいくつかご紹介します。種類により見た目も異なるので、より好みのものを選んでみてくださいね。
ダイアナ
シュウメイギクのダイアナは、一重咲きの品種です。花びらは5枚ありピンク色をしています。はっきりとしたピンク色で、とても可愛らしいですよ。シュウメイギクの中でも人気の高い品種となっています。
プリマドンナ
シュウメイギクの中でも背が低めのプリマドンナは、コンパクトな品種ということもあり置き場所に困りません。鉢植えでも人気ですし、プランターでベランダなどで育てることもできます。花の色はピンクです。
プリンツ・ハインリッヒピンク系八重咲き
プリンツ・ハインリッヒは、濃いピンク色をしています。八重咲きなので、他の品種よりもより華やかな印象です。80cmから100cmくらいの高さに成長します。
オノリーヌ・ジョベール白一重咲き
オノリーヌ・ジョベールは、白色のシュウメイギクです。白の一重咲きで少し遅咲きなので、早咲きのものと組み合わせると長い期間楽しめますよ。
ブレッシンガム・グロウ半八重咲き
ブレッシングガム・グロウは、たっぷりとした半八重咲きで濃いピンク色をした品種です。半八重咲きの花びらがとても豪華な印象です。
キブネギク
キブネギクは、濃いピンク色の花を咲かせ、花びらが細くて平らに広がっているのが特徴的です。
ももいろブーケ
シュウメイギクのももいろブーケは、岐阜県の大和園でつくられたものです。色はもちろん淡くて可愛らしいももいろです。従来品種よりもコンパクトなサイズなので、鉢植えでも育てやすいでしょう。名前の通り、1株でまるでブーケのような姿になるため、贈り物にも最適です。
スプレンデンス
スプレンデンスは、とても愛らしいピンク色をしています。明るい色が咲くので、お庭の花としても人気です。
ハドスペン・アバンダンス
ピンク一色ではなく、濃淡のあるグラデーションのように綺麗に咲くのがハドスペン・アバンダンスの特徴です。見た目もとても可愛く美しいです。
シュウメイギクの育て方
シュウメイギクを育てる際は、置き場所や水やり方法、用土や肥料、植えつけ、植え替え、剪定などのポイントをおさえて育てるようにしましょう。
また、季節により育てる際のポイントが変わってきますので、夏と冬の管理方法は特に注意したいポイントになります。
用土・肥料
シュウメイギクを育てる際の用土は、保水力があって水はけも良いものが良いとされています。鉢植えの場合は、赤玉土と鹿沼土と腐葉土を組み合わせた土が最適です。最初から混ぜられている土を選ぶか、自分でブレンドして用意しましょう。
肥料に関しては、地植えされている場合は特に与える必要はありません。花が咲きにくい場合は、春か秋に肥料を与えます。鉢植えの場合は、元肥を入れて植えつけしてください。開花している間は、緩効性肥料がおすすめです。肥料を与えすぎると傷みやすくなるので、与える量には注意してください。
置き場所
シュウメイギクは明るい場所で半日陰に置くのがおすすめです。
日射しが強い場所に置いてしまうと、葉っぱがかさついて乾燥してしまったり、草丈が伸びなかったりするため、直射日光は避けましょう。
生育に影響してくるので置き場所は重要です。特に夏場は西日があたらないように注意してください。
水やり
水やりは、鉢植えと地植えで異なります。
鉢植えの場合は、土の表面が乾いてきたらたっぷりと水を与えましょう。
地植えしている場合は、植えてからひと月はしっかりと水をあげます。根が成長してきたら、水やりはほとんど不要になります。ただし、夏場は水をあげるようにしましょう。それ以外の時期は、水をあげなくても育ちます。根元に腐葉土を入れておくと乾燥を予防できます。
植えつけ・植え替え
シュウメイギクの植えつけのベストな時期は、3月から4月か9月から10月です。
鉢植えの場合は、6号の大きさの鉢なら1〜2株植えることができますよ。なお、鉢は深さのあるものを選んでください。
植えつけする際には、鉢に鉢穴よりも少し大きめのネットを敷き、鉢底石を入れてから土を入れ、苗を置きます。その上から土をかぶせていき、高さを調整しましょう。それから水やりをします。苗を安定させるために、植えてから2〜3日は半日陰に置いてください。
地植えの場合は、深さ30cmくらいまでしっかりと耕します。それから植えつけしたい場所に穴をあけて、根鉢を置いて土をかぶせます。根元を安定させるようにおさえてから、株元に水をあげてください。
シュウメイギクの鉢植えは、1年から2年ごとに植え替えするのがおすすめです。地植えしている場合は、3年から4年を目安にして植え替えしましょう。
鉢植えは成長とともに根が広がっていくので、大きな鉢植えに植え替えするのがおすすめです。
剪定
シュウメイギクは剪定は不要ですが、株が広がってきた場合や、込み合ってきたときに間引きすることで、綺麗に成長させることができます。草丈が大きく伸びてしまったら、大きな葉っぱだけ取ってあげるのもおすすめです。
また、シュウメイギクの花を長く楽しむために、花が咲き終わった部分は丁寧にひとつずつ摘むようにしましょう。枯れた花をそのままにしてしまうと、他の花の開花時期を短くしてしまいます。枯れた花が原因で病害虫がついてしまうこともあるので、枯れている花を見つけたら取り除きましょう。綺麗な花を長く楽しめます。
夏の管理方法
夏は直射日光や湿気が気になる季節です。シュウメイギクは直射日光があたらないように半日陰に移動させましょう。
夏場でも毎日水をあげなければいけないことはなく、土が乾いてきたら水をあげます。水のやりすぎは根腐れなどの病気につながるため、水の量やタイミングをしっかり見極めてください。
冬の管理方法
シュウメイギクは秋に花を咲かせます。花を咲かせた後は枯れてしまうので、枯れた部分は取り除いておきましょう。枯れた部分を取り除いたら、冬越しの準備は完了です。
耐寒性があるため、地植えの場合はそのまま冬越しすることができます。冬のうちは株に負担のかかる植え替えなどはせずにお世話しましょう。
増やし方
シュウメイギクは、株分けや根伏せで増やすことができます。
株分けをする場合は春か秋に行いましょう。春以降に子株が成長してくるので、これを使って増やします。
根伏せは、根を5cmくらい切って横に寝かせ、土をかぶせるという方法です。そうすると根から芽が出てどんどん増やすことができますよ。根伏せは早春や晩秋に行うのがおすすめです。せっかくですから、植え替えする際に根を切って挑戦してみてはいかがでしょうか。
注意すべき病害虫
シュウメイギクに限らず、植物にはかかりやすい病気や付着しやすい害虫などがあります。それらが起こってしまうと成長を妨げるだけでなく、枯れてしまうことがあるので注意しなければいけません。
シュウメイギクにつきやすい害虫や病気などをご紹介します。
害虫
シュウメイギクに付着しやすいと言われている害虫は、アブラムシやヨトウムシ、メイガ、根こぶセンチュウなどがあります。
特に花や茎の地際に近い部分は、メイガの幼虫が付着しやすいと言われています。見つけたら早めに除去しましょう。
アブラムシは、4月から6月、9月から10月に付着しやすいです。日当たりと風通しを良くして、アルミホイルを敷いておくと寄りつきにくくなると言われています。アブラムシを発見したら牛乳をかけることで死滅させることができます。霧吹きに牛乳を入れて吹きかけるのがおすすめです。または、殺虫剤を使用したり、ピンセットで取り除いたりしましょう。
病気
シュウメイギクのかかりやすい病気は、白絹病とうどんこ病です。
風通しが悪くなるとうどんこ病の発生率が高くなるので注意しましょう。
うどんこ病は多くの植物に発生すると言われる病気で、5月から7月、9月から11月に発生しやすいです。感染すると白い粉が植物全体に付着し、だんだん濃くなってうどんの粉をまぶしているようになることから、うどんこ病と呼ばれています。葉っぱから栄養を吸収してしまうので、花が咲かない、枯れてしまうという原因になります。
うどんこ病を予防するためには、通気性を良くしておくことが重要です。発生初期の場合は、薬剤を使用して菌を死滅させることができます。
白絹病はカビの一種で、糸状菌というカビが発生して植物を腐らせる病気です。白絹病は、6月から8月に発生しやすいので、もしもこの時期に発生してしまったら、その株はすべて抜いて処分してください。さらに土壌で糸状菌が生き続けることがないように、土壌の殺菌剤を散布してカビの菌が増えないようにします。
まとめ
今回はシュウメイギクの花言葉や、育て方、特徴、かかりやすい病気などをお伝えしました。
シュウメイギクには「薄れゆく愛」「淡い思い」などの悲しい花言葉が多かったですが、プレゼントできない花ではありません。ただし、プレゼントする際は誤解が生まれないようメッセージカードなどを添えると安心です。
また、シュウメイギクは耐寒性、耐暑性があり、初心者でも比較的育てやすい植物です。しかし、注意ポイントはおさえておかなければ毎年綺麗な花を咲かせることはできません。
育て方のポイントを簡単にまとめると、置き場所はやや湿り気がある半日陰、土は弱酸性で有機質が多いもの、夏は水やりのタイミングに注意するということです。
この記事を参考に、育て方のポイントをおさえ、毎年綺麗な花を咲かせましょう。