サザンカの花言葉は?特徴・基本情報や贈るのにおすすめのシーンを解説

寒くて花が少なくなる時期に、可憐な花を咲かせるサザンカ。「ひたむきな愛」や「理想の恋」など愛にまつわる素敵な花言葉をもっていますが、実は白いサザンカには少し怖い花言葉もあることをご存じでしょうか。

この記事では、サザンカの色別の花言葉や特徴、品種などの基本情報、さらに育て方やよくある質問なども解説します。サザンカをプレゼントしたい方や育ててみたい方は参考にしてみてください。

サザンカの花言葉を色別でご紹介

サザンカ全般の花言葉は、「ひたむきな愛」「ひたむきさ」「理想の恋」「困難に打ち勝つ」などがあります。愛にまつわるものやポジティブな意味合いですが、これらはサザンカが寒さ厳しくなる初冬にかけて花を咲かせることから由来しているようです。

どんどん花が少なくなる季節に花を咲かせる姿には「ひたむき」というフレーズがぴったりですね。

サザンカは花の色別でも花言葉が分かれているので、詳しく解説していきます。

赤いサザンカの花言葉

まず、赤いサザンカの花言葉は「謙譲」「謙虚」「あなたがもっとも美しい」となっています。「あなたがもっとも美しい」という花言葉は、雪景色の中で赤いサザンカが美しく映えることに由来しているようです。相手を尊重しつつも、情熱的な愛を伝える意味合いなので、恋人やパートナーに贈ると良いでしょう。

ちなみに西洋版の赤いサザンカの花言葉は、「飾らない心」「理性」「気取らない優美さ」となっており、日本版の情熱的な意味合いとは違い、落ち着いたイメージです。

ピンク色のサザンカの花言葉

ピンクのサザンカの花言葉は「永遠の愛」「素直」となっています。優しく可愛らしい印象のピンクのサザンカが、冬の寒さに耐えて健気に花を咲かせている様子にぴったりの意味合いですね。こちらも愛にまつわる花言葉となっているので、恋人やパートナーに贈ることで永遠の愛を誓えるロマンチックなギフトになります。

また、結婚祝いとして新婚夫婦に贈ると、「いつまでもお幸せに」という願いが込められるでしょう。

西洋版のピンクのサザンカの花言葉は、「謙虚」「ひたむき」となっており、サザンカ全般の花言葉に似た意味合いになっています。

白いサザンカの花言葉

白いサザンカには、「愛嬌」「あなたは私の愛を退ける」という花言葉があります。サザンカの花の愛らしさを表現するような「愛嬌」に対し、「あなたは私の愛を退ける」という花言葉は少しネガティブな印象を受けますね。

しかし、これは同じ状況を見たときの捉え方の違いによるものなのです。まず、雪と同化するように咲く白いサザンカが健気で可愛らしい様子から「愛嬌」という花言葉になりました。しかし、景色の中に隠れてしまう様子が、手が届かないように感じることから「あなたは私の愛を退ける」という花言葉も付いてしまったのでしょう。

しかし、西洋版の白いサザンカの花言葉は、「理想の恋」や「素直」といったポジティブな意味合いもあるので、それほど気にする必要はありません。

サザンカの花言葉に怖い意味はある?

先ほど解説したように、白いサザンカには「あなたは私の愛を退ける」というネガティブな印象の花言葉があります。受け取った相手によっては「拒絶されているのでは……」と悲しい気持ちになる可能性があるので、贈り物の際にはメッセージカードを添えるなどの工夫をしてみてください。西洋版の「理想の恋」や「素直」の花言葉を記しても良いでしょう。

また、サザンカには「繊細」という花言葉も存在するのですが、これはサザンカの花が咲き終わったあとに、花びらがばらばらになって散っていくことから由来しています。そのため、「繊細=崩れていく」という印象になり、受け取り方によっては誤解を与えてしまうこともあるかもしれません。

しかし、どちらにしろサザンカがプレゼントにふさわしくないというわけではないので安心してください。

サザンカの基本情報

ここまでは、サザンカの花言葉について解説してきました。

しかし、そもそもサザンカがどのような植物なのか、そしてどうしてこのような名前になったのかについては、はっきりと分からない方も多いのではないでしょうか。

ここからは、サザンカについての基本情報を見ていきましょう。

 

科名 ツバキ科

属名 ツバキ属

和名 山茶花

英名 Sasanqua (camellia)

学名 Camellia sasanqua

原産地 日本

開花期 10月~4月頃

サザンカの名前の由来

ツバキ科ツバキ属であるサザンカは、中国語でツバキなどを指す「山茶(さんさ)」に由来しており、和名では「山茶花」と表記します。その「山茶花(さんさか)」が次第に「サザンカ」と呼びやすくなるように変化していきました。

サザンカは江戸時代に長崎・出島のオランダ商館からヨーロッパに伝わったので、和名がそのまま学名になり、「Camellia sasanqua」となったのです。

サザンカの特徴

サザンカはツバキ科ツバキ属の常緑樹で、樹高は5~10mほどになり、10~1月の寒い時期に花を咲かせます。日本では四国や九州、沖縄など南側に多く、公園や庭などでよく見かける花です。江戸時代では生垣にもよく利用され、古くから日本人に親しまれてきました。

ツヤのある厚めの葉には細かいギザギザが入っており、花は一重咲きが多いのですが、品種によっては八重咲きも存在します。

サザンカはいつの誕生花?

誕生花とは生年月日にちなんだ花のことで、ギリシャ・ローマ神話に由来すると言われています。サザンカが誕生花になっている日にちに生まれた人には、ぜひサザンカを贈ってお祝いしましょう。

サザンカ全般の誕生花は多く、10月30日、11月3日、11月5日、11月9日、11月16日、11月27日、12月4日、12月10日、12月29日となっています。生年月日が一致する人が身近にいる人は少ないかもしれませんが、お祝いする気持ちが大切なので、多少前後しても構わないでしょう。

サザンカの種類・品種

サザンカは世界中で多くの園芸品種が作られ、現在では300種類を超えていると言われています。生まれ方や花の咲く時期によって「サザンカ系」「カンツバキ系」「ハルサザン系」の3つの系統に分類されるので、それぞれの特徴や人気の品種を見てみましょう。

サザンカ系

サザンカ系は自生しているサザンカから自然に生まれた品種で、最も原種に近いグループです。花は一重咲きや二重咲きなどがあり、他の系統に比べると少し早い10~12月頃に花期を迎えるのが特徴です。

【主な品種】

七福神、桜月夜、丁字車、大錦、東雲、旭鶴など

カンツバキ系

カンツバキ系は、サザンカとツバキをかけ合わせて作られた品種のグループです。これらは花びらの枚数が多いのが特徴で、八重咲きや獅子咲きなどボリューミーで華やかな印象になります。花期は11~3月と長く楽しめるのも魅力です。

【主な品種】

獅子頭、富士の峰、勘次郎、昭和の栄、乙女サザンカなど

ハルサザンカ系

ハルサザンカ系は、サザンカとツバキの自然交配によって生まれた品種のグループです。花の大きさは大小さまざまで、花びらの数も一重咲きから八重咲きなどバリエーションに幅があります。花期は1~3月とほか2つに比べて遅咲きで、温かくなる直前まで花を楽しめる品種です。

【主な品種】

鎌倉絞、笑顔、三段花、梅ヶ香など

サザンカの育て方

サザンカは一般家庭でも問題なく育てることのできる植物なので、お世話もそれほど難しくありません。寒さに弱いので寒冷地では栽培が難しいかもしれませんが、防寒対策を施せば不可能ではないでしょう。

ここからは、サザンカを上手に育てる方法を解説します。

用土・肥料

サザンカは、水はけがよく有機物の多い弱酸性の土質を好みます。土がアルカリ性になると、根が肥料分を吸収しにくくなり、葉が黄色く変色していくので、コンクリートやブロック塀の近くなど土壌がアルカリ性になりやすい場所は避けましょう。

鉢植えの場合は、赤玉土、鹿沼土、腐葉土を同量ずつ混ぜたものを用意すると、サザンカの生育が良くなります。

肥料に関しては、地植えの場合、2月に元肥として有機質肥料を株元から少し離して埋めておきましょう。鉢植えなら、3月に化成肥料を株元に追肥します。

置き場所

サザンカは日当たりの良い場所を好みますが、日陰でも十分育ちます。ただし、西日が当たる場所は避け、日陰でもできるだけ明るい場所を選びましょう。

サザンカはツバキに比べて耐寒性が低く、ー5度を下回る環境の場合は防寒対策が必要です。冬の冷たい北風に当たると花が咲きにくくなるため、風が吹き込みにくい場所をおすすめします。鉢植えの場合は、気温に合わせて軒先や玄関先など置き場所を移動させましょう。

水やり

地植え、鉢植えともに、植え付けから2年未満のうちは土の表面が乾いたタイミングでたっぷりと水やりをしましょう。特に開花期は、花びらを開くために多くの水を必要とするため、しっかり水を与えるようにします。

鉢植えの場合、2年経過した後も土が乾いたら水やりをしますが、地植えならよほど乾燥する時期や雨が振らない期間が続いているとき以外は、水やりの必要はありません。

植え付け・植え替え

植え付けに適している時期は、3月中旬〜4月中旬と9月中旬〜10月上旬の年2回です。鉢植えの場合は、鉢底ネットを敷き、鉢底石を3 cmほど入れて用土を入れ込みます。苗木の株元の高さが土の表面とそろうように植え付けましょう。植え付け後は、鉢の底からあふれるくらいたっぷりと水をやります。

地植えの場合は、根鉢の大きさの倍の深さの穴を掘り、腐葉土などの元肥と掘り起こした土をよく混ぜたら穴の半分ほど土を戻してください。サザンカの根鉢を軽くほぐして穴に入れ、根鉢と土の表面の高さがそろうように植え付けましょう。植え付け後は、たっぷりと水をやります。

サザンカは根詰まりを起こすと花付きが悪くなるため、鉢植えで育てる場合は2〜3年に1度のペースで一回り大きな鉢に植え替えをしましょう。植え替えに適している時期は3〜4月です。

剪定

サザンカはそのまま放っておいても自然と樹形が整っていくので、剪定は込み合った枝を整理する程度の切り戻しがメインになります。3~4月の、花が咲き終わってしばらくたった頃に枝の間引きと弱い切り戻しをしましょう。

強く切り戻しすぎるとその後の花付きが悪くなってしまうため、株をコンパクトにする大胆な切り戻しは数年に1度にとどめてください。

夏の管理方法

夏の暑い時期は用土が乾燥しやすくなるので、地植えであっても降雨がしばらくないときはしっかり水をやりましょう。サザンカは暑さに強いので、特に暑さ対策などは必要なく、そのまま放っておいて構いません。

ただし、西日が当たる場所は避けた方がよいので、夕方は鉢を移動させるなど工夫しましょう。

冬の管理方法

サザンカは耐寒性の強い常緑低木なので、冬の管理も特筆するようなことはありません。ただ、外気温がー5度を下回るような寒冷地では、ビニールシートを被せたり鉢を移動させたりなどの対策が必要です。

また、冷たい北風が吹き込む場所は避け、日中はできるだけ日の当たる場所で管理しましょう。

増やし方

サザンカは挿し木によって増やすことができます。挿し木に適している時期は6~7月で、春から伸びた元気な枝を10~20cmほど、切り口が斜めになるように切り取り、上にある葉を3~4枚残してほかの葉を取り除きます。

切り口が乾燥しないように水につけたら、発根促進剤を切り口に薄くつけましょう。用土に割り箸などで穴を開けたら、枝の1/3ほどを埋めます。

その後、夏の間は直射日光を避けて湿度の高い場所で管理し、秋から冬にかけては玄関先や軒先など適度に日が当たる場所に置いて、乾かさないように水をやりましょう。4月頃になったら、庭や鉢に植え付けます。

注意すべき病害虫

サザンカを育てていると、害虫がつくことがあります。害虫によっては人体に影響を及ぼしたり、サザンカが病気になる原因にもなりうるため注意しましょう。

害虫

サザンカにはチャドクガという害虫がつくことがあります。幼虫がサザンカの葉を食べてしまうだけでなく、毛が人の肌に触れたら強い痒みをともなう発疹を引き起こす危険な害虫です。チャドクガは、5~6月と8~9月に発生しやすいので、葉の裏に黄色い卵の塊が付いているのを発見したら、早めに葉ごと切り取りましょう。

孵化してしまっている場合は、しばらくはまとまって葉を食べていくので、殺虫剤などを利用して駆除します。小さくて見つかりにくいのですが、葉や地面の上に小さなフンが落ちていたら、その上を確認してみてください。

チャドクガの幼虫を駆除するときは、必ず厚めの手袋をつけて直接手で触れないようにします。万が一服の中に入り込んでしまうと、毛が当たったところ全てに発疹が広がっていきます。抜け殻や死骸に触れても同様の症状が現れるため、必ず手袋をしましょう。

病気

サザンカは花びらに茶色の斑が出てくる花腐菌核病にかかることがあります。病気になった花が落ちると土を介して翌年の病気の発生につながることがあるので、きちんと処分しましょう。

花腐菌核病は、開花時期に雨が多くなると発生しやすくなります。鉢植えの場合、雨に当たりすぎない場所に移動させ、水やりの際も花に水がかからないように株元に流しましょう。

サザンカに関するQ&A

最後に、サザンカに関してよく寄せられる質問について解説します。サザンカのことをより深くしって魅力を再発見してみましょう。

サザンカとツバキの見分け方は?

サザンカとツバキは、同じツバキ科ツバキ属のため、見た目がよく似ています。しかし、ツバキが花の根元から丸ごと落ちるのに対し、サザンカは花びらを散らしながら落ちていくという違いが分かりやすいかもしれません。

ほかにも、サザンカの葉はツバキよりも小さめで、葉の付け根に毛が生えているという特徴もあります。

サザンカは縁起が悪いって本当?

ツバキは、花ごとボトっと落ちるため、「首が落ちる=死」を連想させることから、縁起が悪いとされることがあります。

サザンカはツバキによく似ているため同じようなイメージを持たれやすいのですが、花の散り方が異なるので縁起が悪いわけではありません。

また、チャドクガという危険な害虫が付きやすいことからも、マイナスの印象を持っている方もいるようです。

サザンカの花言葉を知って、プレゼントに生かそう!

サザンカには、「ひたむきな愛」や「理想の恋」など愛にまつわる素敵な花言葉がありました。ぜひ恋人やパートナーに贈ったり、結婚祝いに贈ったりしてみましょう。ただ、白いサザンカにはネガティブな花言葉も存在するので、贈り方には注意が必要です。

サザンカは育てやすい植物なので、プレゼントだけでなくガーデニングで挑戦してみるのもおすすめです。この記事を参考に美しい花を咲かせてくださいね。

 

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